FXニュース:米PMI速報値が市場予想以上

2023年4月24日
FXニュース:米PMI速報値が市場予想以上

 

東西FXニュース – 2023年04月24日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米経済指標で景気懸念が緩和
  • 米長期金利による持ち高調整
  • 日銀の植田新総裁のYCC発言
  • 今週日銀金融政策会合を控え
  • 欧PMI速報値も市場予想超え

今日2023年4月24日月曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の安値134円49銭前後から高値133円88銭前後の値幅約61銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は134円21~22銭付近で、前営業日17時の前東京終値比で約29銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの要因と世界の市場トレンドの動向の分析は、先週金曜の夜から土曜の朝までの先週末の米国ニューヨーク外国為替市場では、週末を控えた欧州英国市場で前日までに発表の米国経済指標を受けた景気懸念で米国長期金利の指標となる米10年債の利回りが一時3.49%台付近に低下したことを受け、先週に一時135円台を記録後のドルには利益確定売りや持ち高調整が入りやすくなっていたことで円買いドル売りが優勢で、先週の金曜の夜22時半過ぎには一時133円55銭付近の日通しでの円の高値とドルの安値を記録したが、続いて22時45分に発表された最新の米国経済指標の4月の米国製造業・サービス部門・総合の購買担当者景気指数 (PMI) の速報値が市場予想を上回ったことで米国景気懸念が緩和され、今日の日本市場の東京終値に至る円売りとドルの買い戻しが始まった。

先週金曜22時45分の米国市場でS&Pグローバルが発表した最新の米国経済指標の4月の米国製造業購買担当者景気指数 (PMI) の速報値は、前回の49.2と市場予想の49.0に対し50.4に上昇し、4月の米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) の速報値も前回の52.6と市場予想の51.5に対し53.7で、4月の米国総合購買担当者景気指数 (PMI) の速報値も前回の52.3と市場予想の51.2に対し53.5に上昇し、11カ月ぶりの高水準となった。いずれも好景気と不景気の境目のボーダーラインと考えられている50以上で米国景気の堅調さが示され、米国利上げ抵抗要因の景気懸念の後退により安全資産の米国債が売られたことで米国長期金利も再び3.577%台付近に上昇し、日米金利差拡大による円売りドル買いが優勢になり、一時134円49銭付近に円相場でドルが上昇した。

ただし、週末の米国市場でも後半には利益確定売りや持ち高調整が入りやすく、上昇後のドルは利益確定売りや調整で、土曜の朝6時頃の終値の1時間強前の5時前には一時134円7銭付近まで下落し、またそれまでの米経済指標発表前の欧州英国市場での下げ幅もあったために、土曜の朝のニューヨーク終値は前日同時刻比では小幅な円高ドル安の域に留まった。

そのため、先週末の土曜の朝6時頃の米国ニューヨーク外国為替市場のドル円相場の終値は134円16銭付近で、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値比で約8銭の小幅な円高ドル安で先週末の取引を終えていた。

週が明け、今日の日本の東京外国為替市場でも、週末に発表されていた最新の米国経済指標の4月の米国製造業・サービス部門・総合の購買担当者景気指数 (PMI) の速報値を受けた米国景気懸念の後退により、円売りドル買いが入った。

ただし、早朝にはやや抵抗要因もあり、日曜に日本の産経新聞などが、日本銀行 (日銀 /BoJ) が、「四半世紀に渡る長期的な視点から、金融緩和策の点検・検証を実施する方向で調整に入ったことが分かった」と報道しており、今週の4月27~28日に日銀金融政策決定会合が予定されていることなどから、日銀は早ければ、今週の金融政策決定会合から最初の議論を始めると予測されていたが、「政策変更を伴う可能性は低い」とも報道されていたことから国内では反応薄であったが、世界市場では日本市場が始まる9時台の早朝まで利益確定のドル売りや持ち高調整の円買いが続いたことからは、今朝9時25分頃に今日の日本市場での円の安値でドルの高値の一時133円88銭付近を記録していた。

しかし、9時からの今日の日本の東京外国為替市場では再び円売りドル買いが優勢になり、今朝9時55分頃の日本市場の仲値決済に向けては日本企業の輸入実需の円売りドル買いが入り、今朝10時頃には前東京終値比で円安ドル高の域に転じた。

その後にも、最新米国経済指標を受けた米国景気懸念の緩和による日米金利差拡大時の円売りドル買いが続き、正午頃にはドル円相場は一時134円49銭付近の今日の日本市場での円の安値でドルの高値を記録した。

今日はまた、今週に日銀金融政策決定会合を控えている日本銀行 (日銀 / BoJ) の植田和男新総裁が衆院の決算行政監視委員会に出席し、日銀の金利抑制の長短金利操作のイールドカーブ・コントロール (YCC) の将来的な正常化について、「現在は、具体的に申し上げる段階にはない」と発言していた。

ただし、今日の日本市場での高値記録後のドルには利益確定売りも入り始め、安値の低リスク通貨の円買いの持ち高調整も、午後からの欧州英国市場の参入に向けて入り始めた。

そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は134円21~22銭付近で、前営業日の先週金曜17時の前東京終値比で約29銭の円安ドル高になった。

今夜この後には特に注目度の高い米国経済指標の発表予定はないが、明日の夜には米国の景気や住宅関連の経済指標の発表予定があることに加えて、今週は重要イベントが予定されており、今週の金曜には日本銀行 (日銀 / BoJ) が植田新総裁になってから初の日銀金融政策決定会合の予定を控えている他にも、今週木曜に米国の最新重要経済指標の四半期の米国国内総生産 (GDP) の速報値の発表予定と、日銀会合と同じ今週金曜に米国連邦準備制度理事会 (FRB) が重視する米国インフレ指標の最新のPCEデフレーターの発表予定などが相次ぐため、ドル円のイベント前の利益確定や持ち高調整や買い控えや様子見などの動きも世界市場で入り始めている。

また、今週は米国株式市場でも、米国主要企業の決算報告シーズンが本格化してきており、明日の火曜日にはGoogle (グーグル) の米国Alphabet (アルファベット) や、米国ハイテク大手のMicrosoft (マイクロソフト) 等の決算報告の予定もあるほか、FaceBook (フェイスブック) のMeta (メタ) なども今週に決算報告予定があり、欧米の株式市場や投資家達による為替相場へのリスクオフやリスクオンなどの影響の値動きにも注意が必要である。

尚、再来週の5月2~3日に次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) を控えているため、米国連邦準備委員会 (FRB) の高官達は、先週末より発言を自粛するブラックアウト期間に入っている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は147円47~49銭付近で、前営業日の先週金曜17時の前東京終値比で約76銭の円安ユーロ高であった。

主な原因は、先週金曜の夜の欧州英国市場で発表された欧州ユーロ圏の最新経済指標の4月の欧総合購買担当者景気指数 (PMI) の速報値が54.4で、製造業では弱くサービス部門では強いという強弱入り混じる結果ではあったが、総合としては前回と市場予想を上回り、米国同様に11カ月ぶりの高水準であったことから、欧州利上げ継続予想による景気懸念が緩和され、ユーロ買いが進んでいた。

欧州ユーロ圏の景気後退 (リセッション) 懸念の緩和は、利上げ抵抗後退につながるため、欧州中央銀行 (ECB) の大幅利上げ継続予想が強まり、次回小幅利上げ予想が優勢のドルに対する大幅利上げ予想のユーロ買いドル売りや、金利抑制の日銀の大規模緩和継続予想が優勢時の日欧金利差拡大予想による円売りユーロ買いも入りやすくなっていた。

今日の日本市場でも、次回の5月4日木曜日の欧州中央銀行(ECB)理事会での大幅利上げ継続予想が優勢で、円やドルに対してユーロ買いが入っていた。

そのため、ユーロドルも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0987~1.0988ドル付近で、前営業日の先週金曜17時の前東京終値比で約0.32セントのドル安ユーロ高であった。

また、今夜17時の東京終値とほぼ同時にも、欧州ユーロ圏主要国のドイツの最新経済指標の4月IFO企業景況感指数の発表があり、前回の93.3と前回修正の93.2と市場予想の93.4に対し93.6と市場予想を上回っていた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は166円92~98銭付近で、前営業日の先週金曜17時の前東京終値比で約4銭の円安ポンド高であった。

原因はまず、今日の日本市場の終値時点での円相場がドルやユーロなどの主要通貨に対して円安であった影響の波及があった。

さらに、先週金曜の夜の英国ロンドン外国為替市場で発表された最新英国経済指標の3月の英国小売売上高が市場予想以上に減っていたことでは景気懸念で一時英国ポンドが売られたが、英国は最近の異常気象で昨年の秋には雨が少なく、今年の春の3月頃には逆に雨が多かった天候要因などが消費に影響を与えており、また記録的な2桁の高インフレの消費への影響などが指摘される一方で、一時英国ポンド売りが強まった後であったために、高インフレ抑制のために来月5月11日に予定されている次回の英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE) の金融政策委員会 (MPC) にも利上げ継続予想が浮上していることから、日英金利差拡大予想や持ち高調整の円売りポンド買いの影響が今日の円相場に出ていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2023年4月24日の日本時間(JST)19時14分(チャート画像の時間帯は英国ロンドン外国為替時間の夏時間 (GMT+1 / BST) 11時14分)の、人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:14の為替レート 東京外国為替市場前日比
ドル/円 134.44 〜 134.45 +0.52 (円安)
ユーロ/円 147.97 〜 47.98 +1.26 (円安)
ユーロ/ドル 1.1005 〜1.1007 +0.0050 (ドル安)
英ポンド/円 167.22〜 167.28 +0.34 (円安)
スイスフラン/円 151.12 〜151.18 +0.84 (円安)
豪ドル/円 89.81 〜 89.85 +0.09 (円安)


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