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(15)マージンコールとロスカット
レッスン要約


マージンコールとは?

マージンコールとは、オープンポジション(未決済の注文)を維持するための有効証拠金が不足することに対する警告のことです。前回のレッスンでは、証拠金維持率は使用された証拠金に対する有効証拠金の比率であるということを学びました。この比率は、取引口座での有効証拠金が全てのオープンポジションを維持することができないレベルに達している時にFX会社やトレーダーに通知するのに利用されます。

各FX会社には、独自のマージンコールレベルがあります。下記の例では、50%のマージンコールレベルが適用されています。従って、取引口座のマージンレベル(有効証拠金/使用された証拠金)が50%に達した場合、FX会社から警告の通知メールがトレーダーの携帯電話または取引プラットフォームに送信されます。

ロスカットとは?

ロスカットとは、特定のポジションを維持するのに十分な有効証拠金がない場合にFX会社がオープンポジションの決済を開始することです。以前のレッスンでは、ロスカット制度のおかげで自分が入金した証拠金以上の損失が発生する可能性はないということを学びました。ロスカットは、マージンコールの警告メッセージが送信から執行されます。

マージンコールと同様に、各FX会社は独自のロスカットレベルがあります。下記の例では、ロスカットとなる維持率は20%となります。通常、FX会社の指定された証拠金維持率(例えば20%)を下回ると、証拠金を解放し市場での取引が引き続きできるように、大きいオープンポジションから小さいものへ順々に自動的に決済されてきます。

以下の例でさらに詳しく見ていきましょう。

マージンコールやロスカットレベルを監視

下の例では、あるトレーダーが200,000円を入金し、レバレッジ200倍を使用しています。このトレーダーは、100.500円でUSD/JPYの標準ロットを1ロット(100,000ドル)買うことにしたので、この注文の必要証拠金は50,250円(100,000米ドル×100.50÷200=50,250円)となります。

次の例では、50%のマージンコールレベル20%のロスカットレベルを利用してみましょう。

円高になり、円相場はトレーダーの予測に反して動いてしまいます。円相場が下落すると、損失が発生し、有効証拠金や証拠金維持率も下落します。下図の通り、50%のマージンコールレベル(25,100 ÷ 50,250 x 100 = 50%)に到達し、174,900円の損失が出ることが分かったため警告メッセージが送信されました。つまり、マージンコールの発生するまで最大で-174.9ピップスまでなら下落できます。それ以下にはマージンコールが送信されることになります。



その後、円相場がさらに50%のマージンコールレベル以下になり、20%(証拠金維持率)のロスカットレベルに達します。この時点では、189,900円の損失が発生したことで、有効証拠金は10,100円まで低下しました。その結果、証拠金維持率が20%のロスカットレベルに達しました。

円相場が98.601円までさらに-0.1ピップス低下すると同時に、ロスカットが発生し、USD/JPYの標準 ロットの1ロット(100,000単位)がFX会社によって自動的に決済されることになります。

多数のポジションがある場合は、いくらかの証拠金を解放し、市場で残りのオープンポジションを保持するために、一番大きなオープンポジションが最初に決済されます。このような自動的なシステムがFXにはある為、証拠金維持率には常に目を見張る必要があります。


次のレッスンでは、取引の上で最も重要なリスク管理方法を学びます。損切り利益確定のレベルを設定する方法を学習することで、トレーダーとして一歩成功に近づきます。