外国為替市場は、世界の分散型市場であり、通貨が取引されている「場所」です。分散型市場は、様々な技術機器のネットワークで構成されている市場構造となっていることで、投資家が集権的な場所なしで市場を作り上げることを可能にします。分散型市場では、技術が様々な「ビッド」・「アスク」(売値・買値)を投資家に提供するため、東京証券取引所のような証券取引所ではなく、他の投資家・ディーラーと直接取引することができます。
外国為替市場は、投資家が通貨を売買に行く物理的な「場所」がないために分散型市場の例の一つとして考えられています。為替トレーダーは、世界中の様々なFX業者から通貨ペアの価格をインターネットで調べることできます。
様々なFX業者の「ビッド」・「アスク」(売値・買値)をインターネットで調べることができます。
外国為替市場が最大規模で最も広く取引され、最も流動性の高い金融市場である主な理由は、世界中の個人投資家や企業機関が通貨を両替する必要があるからです。国際決済銀行(BIS)の統計によると、外国為替市場における一日当たりの取引高は2016年時点で平均5.1兆ドルに達しています。
1944年7月にアメリカ合衆国のニューハンプシャー州ブレトン・ウッズで、主要先進44カ国によって、新しい国際通貨制度が設立されました。その際、すべての主要先進44カ国は各国通貨が金を1オンス当たり35米ドルに固定することで同意し、そのドルに対し各国通貨の交換比率が定められました(金本位制)。これは、「ブレトン·ウッズシステム」として知られるようになりました。
当時、各国の中央銀行は、国内通貨を安定化させるために金やドルの評価に対し1%以内で取引されるように統制していました。中央銀行は外国為替市場に介入することによってこれを行いました。もしある国の通貨がドルに対して高すぎる(強い)場合、その国の中央銀行はドルと引き換えに自国通貨を 売って、自国の通貨価値を引き下げてきました。逆に、ある国の通貨価値が安すぎる(弱い)場合、その国の中央銀行は自国通貨を購入することで通貨価値を押し上げてきました。
しかし、米国はドルの固定値を放棄し、1971年には「変動為替相場」という考えを打ち出し、1973年までには、ブレトンウッズ会議に参加したすべての国々は、為替レートが変動することに合意しました。今日では、ほとんどの通貨は変動し、通貨価格は各国通貨の需要と供給によって決定されます。
それでは次に外国為替市場の参加者について見てみましょう。