FXニュース:今夜米消費者物価発表控え

2023年9月13日
FXニュース:今夜米消費者物価発表控え

 

東西FXニュース – 2023年9月13日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 原油高で米インフレ圧意識
  • 低リスク通貨のリスク懸念
  • 米長期金利再び4.3%付近
  • 日米欧英金利差の円売り圧
  • 欧来年物価上昇3%超想定か
  • 英7月GDPが市場予想以下

今日2023年9月13日水曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時頃までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の高値でドルの安値の147円9銭前後から円の安値でドルの高値の147円44銭前後の値幅約35銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円25~27銭付近と、前営業日同時刻の昨日17時の146円81~82銭付近の前東京終値比で約45銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、昨夜の英国ロンドン外国為替市場では、欧州ユーロ圏の最新経済指標を受けた欧州景気懸念の欧州ユーロ売りに対して世界的に流動性が高い安全資産でもある米ドルが買われた影響の波及や、米国長期金利が再び上昇を始めたことで、日米の金利差によりドルは円相場で反発上昇したため、昨夜21時頃からの米国ニューヨーク外国為替市場は一時146円90銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値から始まり、147円台にドルが円相場で上昇した。

昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場では、米国WTI原油先物価格が一時1バレル89ドル37セント付近と2022年11月以来の今年の最高値を記録し、原油先物高により米国のインフレ圧が意識され、米国連邦準備制度理事会 (FRB) がインフレ抑制のために米国政策金利を高金利で長期間維持するという市場予想により米国長期金利が上昇し、日米金利差拡大による円売りドル買いで、昨夜21時15分頃から円相場で147円台に上昇して推移を始めたドルは、昨夜23時5分頃と深夜24時頃に一時147円23銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

また、昨夜に英国ロイター通信社 (Reuters) が、欧州中央銀行 (ECB) 関係者情報として、「最新の見通しで、来年2024年度の欧州ユーロ圏の物価上昇率を3%超と想定している」と報道したことで、日欧金利差拡大予想による円売りも市場に影響を及ぼしていた。

この日の米国市場では重要度が高いファンダメンタルズの経済指標の発表がなかったため、テクニカル分析的なダブルトップをチャートが描くような形で、前日高値の147円28銭付近にあったレジスタンス・ラインを上抜けしなかったことではやや下げたものの、午前2時50分頃にも再び147円22銭付近の高値圏に達した。

しかし、同時進行中だった米国ニューヨーク株式市場では、原油先高感によるコスト増加や米国政策金利の先高感から、リスク回避の株売りやドルから買える安全資産の米国債買いが入り、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が再び低下したことではドル売りと低リスク通貨の円買いが入り一時146円台後半をタッチしたものの、原油先物高は島国で輸送コストの高い日本の貿易赤字リスク増加の懸念もあることから低リスク通貨の円のリスク増加による円売りも入り、すぐにドルは円相場で再び147円台に戻した。

ただし、米国市場では、翌市場にあたる今夜この後の米国市場で21時半に発表予定の最新米国重要経済指標の8月の消費者物価指数 (CPI) が注目されており、市場予想では次回の米国政策金利の据え置き予想が優勢であったが、結果によっては、「今後の利上げはデータ次第」の米国連邦準備制度理事会 (FRB) が来週の9月19〜20日に開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) で米国の新政策金利や金融政策を決定する際に「最新データ」が影響を与える可能性から、短期の利益確定売りや持ち高調整に加えて、結果が分かるまでの様子見やイベントリスクによるドルの買い控えも入ったことはやや抵抗要因となり、横ばいに近い値動きが混ざった。

また、産油国通貨のカナダドルやメキシコペソなどに対して、ドルや円が売られた影響も波及していた。

そのため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の146円90銭前後から円の安値でドルの高値の147円23銭前後の値動きで、今朝6時頃のニューヨーク終値を147円8銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値比で約49銭の円安ドル高をつけていた。

今朝8時50分には日本の最新経済指標の発表があり、8月の国内企業物価指数は、前月比が前回と市場予想の0.1%に対し0.3%に上昇していたが、前年同月比では前回の3.6%と前回修正の3.4%に対し市場予想通りの3.2%であった。

同時発表だった7〜9月の第3四半期の日本法人企業景気予測調査の大企業全産業業況判断指数 (BSI) は、前回の2.7に対し5.8に大幅上昇と堅調で、日本の大企業製造業業況判断指数 (BSI) も前回マイナス圏だった-0.4からプラス圏の5.4に大幅に改善していた。

今朝9時頃からの今日の日本の東京外国為替市場は、一時147円16銭付近の始値から一時147円9銭付近まで今朝9時5分頃に対ドルの円相場が上昇し、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、昨夜の原油先物高の記録を受けた日米金利差拡大予想の円売りドル買いや、日本の貿易コスト増加への警戒感から円売りが入り、今朝9時55分の日本市場の仲値決済も輸入実需の円売りドル買いが優勢で、今朝11時37分頃に一時147円44銭付近にドルが円相場で上昇し、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、今日の日本のニュースでは、北朝鮮が短距離弾道ミサイル二発を発射し、日韓の防衛当局によると日本の排他的経済水域 (EEZ) 外の日本海に落下したものと発表されたものの、一時はリスク回避の国内第一安全資産の低リスク通貨の円の買い戻しも入っていた。

また、今日の日本の東京株式市場では、日経平均株価 (Nikkei 225 / JP225) が下落し、午後15時15分に3万2706円52銭と前日比69円8銭安で大引けしたことでも、日本株安時の低リスク通貨の円買いの抵抗が入った。

午後からの欧州英国市場の参入では、米国長期金利が夕方に再び4.30%台に向けて上昇をしたことでは、日米金利差拡大による円売りドル買いもあったことでは、ドルは円相場で147円台の推移を続けたが、今夜この後に最新米国重要経済指標の8月の米国消費者物価指数 (CPI) の発表イベントの予定を控えているため、持ち高調整や様子見などの抵抗も混ざった。

そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は147円25~27銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の146円81~82銭付近の前東京終値比では約45銭の円安ドル高になった。

今夜この後には最新米国経済指標の発表予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜20時に米国MBA住宅ローン申請指数、そして今夜21時半に世界市場の注目度の高い最新米国重要経済指標の8月の米国消費者物価指数 (CPI) とコア指数が発表され、続いて23時半に米国週間原油在庫と、26時に米国30年債の入札予定、27時に 8月の米国月次財政収支などが予定されている。

なお、米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官達は、来週の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) を前にした発言自粛期間のブラックアウト期間に入りつつある。

また、明日9月14日の夜21時15分には、欧州中央銀行 (ECB) 理事会が欧州の新政策金利の発表イベントを予定していることにも注意が必要である。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は158円19~21銭付近と、前営業日同時刻の昨夜17時の157円29~31銭付近の前東京終値比で約90銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、欧州景気懸念もあるものの、欧州中央銀行 (ECB) 理事会の新政策金利発表予定を明日に控え、原油先物価格高騰の影響もあり、欧州のインフレ圧も意識され、また前述の来年のECBの欧州物価上昇率の見通しが目標の2%以上の3%超えという関係筋のロイター通信の報道などもあり、日欧金利差拡大予想が優勢であった。

このため、ユーロドルも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0742~1.0744ドル付近と、昨夜17時の1.0713~1.0714ドル付近の前東京終値比で約0.30セントのユーロ高ドル安だった。

ただし、今夜18時に発表された欧州ユーロ圏の最新経済指標の7月鉱工業生産は、前年同月比が前回の-1.2%と前回修正の-1.1と市場予想の-0.3%に対し-2.2%に悪化しており、前月比も前回の0.5%と前回修正の0.4%と市場予想の-0.7%に対し-1.1%と欧州景気懸念は継続しているため、欧州の次回の利上げ予想は据え置きと小幅利上げの市場予想が現在半分ずつくらいに分かれていることでは、対ドルのユーロの上値は限られた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は183円61~67銭付近と、昨夜17時の183円26~32銭付近の前東京終値比で約35銭の円安ポンド高であった。

主な要因は、来週に新政策金利発表を控える英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE) にも英国の高金利による日英金利差予想の円売り英ポンド買いが出ていた中でも、今日の午後15時に発表された最新英国重要経済指標の7月の月次英国国内総生産 (GDP) の前月比は前回プラス圏だった0.5%と悪化の市場予想の-0.2%に対し更に悪化したマイナス圏の-0.5%であったことで、英国景気懸念による安全資産の対ドル買いのポンド売りによる抵抗などで、他の主要通貨であるドルやユーロに対する円安よりも小幅域になった。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2023年9月13日の日本時間(JST)19時17分(チャート画像の時間帯は英国ロンドン外国為替市場時間の夏時間 (GMT+1 / BST) 11時17分) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:17の為替レート 日本市場前営業日17時の前東京終値時間比
ドル/円 147.37 〜 147.38 +0.57 (円安)
ユーロ/円 158.16 〜 158.18 +0.87 (円安)
ユーロ/ドル 1.0732 〜 1.0733 +0.0019 (ドル安)
英ポンド/円 183.66 〜 183.72 +0.40 (円安)
スイスフラン/円 165.00 〜 165.06 +0.25 (円安)
豪ドル/円 94.42 〜 94.46 +0.06 (円安)


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