FXニュース:米耐久財受注額が市場予想以上

2023年4月27日
FXニュース:米耐久財受注額が市場予想以上

 

東西FXニュース – 2023年04月27日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米国債利回りで日米金利差拡大
  • 米銀救済案巡り金融不安警戒も
  • 今夜米GDPとコアPCE発表控え
  • 明日は日銀金融政策会合発表も
  • 欧消費者信頼感指数は想定以上

今日2023年4月27日木曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の安値133円85銭前後から高値133円39銭前後の値幅約46銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は133円79~81銭付近で、前日17時の前東京終値比で約34銭の円安ドル高であった。

また、その後の英国ロンドン外国為替市場では、今夜17時20分頃に一時133円94銭付近も記録した。

今日の為替相場の値動きの要因と世界の市場トレンドの動向の分析では、まず昨夜の欧州英国市場では昨夜20時に発表された最新米国経済指標のMBA住宅ローン申請指数が前回の-8.8%に対し3.7%と好調だったこともあり、米国ニューヨーク外国為替市場の始まる昨夜21時頃には米国長期金利の指標となる米10年債利回りが上昇しており、一時133円84銭付近にドルが買われていた。

続いて米国ニューヨーク外国為替市場で昨夜21時半に米商務省が発表した最新米国経済指標の3月の米国耐久財受注も前月比で前回の-1.0%と前回修正の-1.2%と市場予想の0.7%に対し3.2%増と市場予想を大きく上回ったことでは、米国連邦準備理事会(FRB)の利上げ継続予想が強まり、米国長期金利の指標となる米10年債利回りが一時3.43%台に上昇したこともあり、日米金利差拡大による円売りドル買いが先行し、21時30分頃に一時133円94銭付近の円相場でのドルの日通し高値を記録した。

しかし、日通し高値記録後のドルには利益確定売りが入ったことに加え、米国のテレビ局のCNBCニュースが、米国政府は先日大規模な預金流出が発表された米国地方銀行ファースト・リパブリック・バンク (FRC) について、「米国政府は経営不安が再燃しているファースト・リパブリック (FRB) に介入することは望んでいない」と報道したことを受けて、米国市場では米国金融システム不安の再燃への警戒感などから安全資産の米国債買いが起き、米10年債の利回りが指標の米国長期金利が低下に転じたことから、ドルは一時急落に転じ、23時25分頃には一時133円1銭付近の日通し安値を記録した。

ファースト・リパブリック・バンク (FRC) は、今年3月に米国シリコンバレー銀行 (SVB) や米国シグネチャーバンク (SBNY) の破綻の影響を受けて経営不安が生じていた米国中堅銀行で、既に大規模な預金流出が起きたことは明らかにしており、大手銀行などが預金による救済案に乗り出していたが、米株決算報告期に40%近い預金流出額が発表されたことで追加支援要請や新株発行を検討していることが伝わっていた。

この銀行では元々が米国政府の預金保険で補償される上限の25万ドルを超える大口預金が全体の70%近くを占めていたため、預金保険適用外の預金を顧客達が金融不安で引き出し流動性危機に陥ったシリコンバレー銀行 (SVB) と同じリスクがこの銀行にもあったことが知られており、米国政府の預金保護上限の引き上げなどへの救済への期待感が高まっていたところに、米国政府が消極的であったという今回の報道があり、米国株式市場ではファースト・リパブリック (FRC) 銀行の株価は一時40%以上も暴落し、他の米国大手金融株や一部の地銀株等にも警戒感からリスク回避の株売りや安全資産の米国債買いや低リスク通貨の円買いなどが波及し、米国金融システム不安による銀行の貸し渋り等の米国景気懸念もあって、決算報告期の米国株式市場では株安時の低リスク通貨の円買いで円相場が上昇した。

ただし、133円寸前からはテクニカル分析的なサポートもあって安値のドルの買い戻しが入ったほか、米国債券市場でも一時買われて高騰した米国債に利益確定売りなどの持ち高調整が入って米10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時の3.37%台付近から3.45%台後半付近に再び上昇したことを受け、ドル円は再び日通し高値の133円94銭付近を目前に上昇したが、ここでも再びドルの高値圏からのテクニカルな利益確定売りが入り始めた。

ニュースでも再び、米国ブルームバーグが、「米国銀行規制当局が経営難に陥っている米国中堅銀行のファースト・リパブリック・バンク (FRC) の非公開の評価引き下げを検討している」と報じ、もし評価が引き下げられれば、米国連邦準備理事会 (FRB) の貸出制度や、新設されたバンク・ターム・ファンディング・プログラム (BTFP) の利用に制限が生じる可能性があることが市場では懸念材料になった。ただし、ロイター通信も同様の報道をした上で、「ファースト・リパブリック銀行 (FRC) および米国連邦預金保険公社 (FDIC) からの正式なコメントは得られていない」と追記したことでは、一部の報道とも捉えられた。

これらのニュースを受けて、米国主要企業の決算報告シーズンかつ株主総会の投票招待状も飛び交うボラティリティ高めの米国株式市場では、再びリスクオフの株売りが強まり、米国株式市場ではダウ平均株価が228.96ドルも下落し、株安時の低リスク通貨の円買いドル売りのリスク回避で、ドル円は一時133円48銭付近に円相場が反発した。

また、外国為替取引のFX市場でも、今夜この後に最新の米国重要経済指標の1~3月期の米国国内総生産 (GDP) の速報値の発表予定や、金曜にも日本銀行 (日銀 / BoJ) の金融政策決定会合の発表や、金曜の夜に3月の米国個人消費支出 (PCE) 発表予定などのドル円のイベントを控えており、イベント前の利益確定売りや持ち高調整に加えて、イベントリスクの買い控えや様子見なども入り始めたことで、まとまった売買での値動きが大きく出やすくなっていたため、日本のジェットコースターのことを欧米ではローラーコースターと呼ぶのだが、上昇と降下を繰り返すローラーコースターの様な値動きが投資家達の話題になった。

そのため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場のドル円相場は、円の高値133円1銭前後から安値133円94銭前後の値動きの間で上昇と下降を繰り返した後に、今朝6時頃のニューヨーク終値を133円67銭付近の前日同時刻の前ニューヨーク終値比で約9銭の小幅な円高ドル安でつけていた。

その後に始まった今日の日本の東京外国為替市場では、今日から始まった日本銀行 (日銀 / BoJ) の日銀金融政策決定会合の結果発表を明日に控え、大規模緩和金融政策の継続予想が優勢で、昨夜発表されていた最新米国経済指標の3月米国耐久財受注が市場予想を大きく上回ったことを受けた米国連邦準備理事会 (FRB) の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) での利上げ継続予想が強まったことで、円安要因である日米金利差拡大予想による円売りドル買いが優勢で、前東京終値比で円安ドル高に転じた。

そのため、今朝9時1分頃の市場開場時の一時133円39銭付近が今日の日本市場での円の高値でドルの安値になった。

今朝9時55分頃の仲値決済に向けても、日本企業の輸入実需の円売りドル買いが優勢で、輸出企業の円買いドル売り抵抗や金融不安懸念での調整の抵抗も混ざったものの、円相場ではドルが上昇を続け、133円台後半に向けて推移した。

なお、今日の午後14時には日本の最新経済指標の2月景気先行指数 (CI) の改定値が発表され、前回の97.7に対し98.0に上昇したが、2月景気一致指数 (CI) の改定値は前回の99.2に対し98.6であった。

午後15時35分頃には日米金利差拡大予想による円買いドル売りが続いたこともあり、ドル円は一時133円85銭付近の今日の日本市場での円の安値でドルの高値を記録した。

午後からの欧州英国市場の参入でも、米国長期金利による日米金利差拡大時の円売りドル買いが優勢で、今日は日本の株式市場では日経平均株価が上昇して15時台に大引けしたことで国内では低リスク通貨の円買い需要が弱く、逆に以前の日本株安時に買われた円が、明日の日銀の新政策会合の発表イベント前の持ち高調整などで売られたこと等も影響していた。

また、今夜この後には、米国の重要経済指標の発表予定も控えており、イベント前のドルの持ち高調整も入っていた。

そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は133円79~81銭付近で、昨日17時の前東京終値比で約34銭の円安ドル高になった。そして、英国ロンドン外国為替市場では、今夜17時20分頃には一時133円94銭付近も記録した。

今夜この後には最新の米国経済指標の発表予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールでは今夜21時半に重要度と注目度の高い1~3月四半期の米国実質国内総生産 (GDP) と米国GDP個人消費 (PCE) 、米国コアPCEなどの発表予定があり、また米国雇用関連でも同時発表で前週分の米国新規失業保険申請件数と米国失業保険継続受給者数が発表され、続いて23時に3月の米国住宅販売保留指数と26時に米国7年債入札などが予定されている。

米国株式市場でも米国主要企業の決算報告期が続き、今夜の米国株式市場の後の時間に米国アマゾンなどの大手の決算報告も予定されており、株式市場での値動きによる為替相場へのリスクオフやリスクオンなどの影響の波及には、引き続き注意が必要である。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は147円81~82銭付近で、昨夜17時の前東京終値比で約76銭の円安ユーロ高であった。

主な原因は、昨夜発表された欧州ユーロ圏の堅調な経済指標を受けて、欧州中央銀行 (ECB) の利上げ継続予想が優勢で、日欧金利差拡大予想による円売りユーロ買いが円相場に影響を及ぼしていた。

ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.1048~1.1050ドル付近で、昨夜17時の前東京終値比で約0.29セントのドル安ユーロ高だった。

同じく、昨夜発表の欧州ユーロ圏のフランスとドイツの消費者信頼感指数が相次いで市場予想を上回ったユーロ買いに加えて、欧州中央銀行 (ECB) 理事会の次回の大幅利上げ継続予想に対し、米国連邦準備制度 (FRB) は次回小幅利上げ予想で次回で利上げ終了の予測なども出ていることから、欧米金利差予想や米国金融システム不安のドル売りも影響を及ぼしていた。

ただし、今夜18時に発表された欧州ユーロ圏の最新経済指標の4月の欧州消費者信頼感の確定値は前回と市場予想通りの横ばいの-17.5であったが、4月の欧州経済信頼感は前回と同じ99.3で市場予想の99.9には届かなかった。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は166円72~78銭付近で、昨夜17時の前東京終値比で約7銭の僅差の円安ポンド高であった。

明日の日銀イベントを控えた日英金利差拡大予想が優勢であったが、日本景気好感や低リスク通貨の円買いの影響もあり、この時間は小幅域に留まっており、今夜この後の英国ロンドン外国為替市場では19時台には円高ポンド安にも転じている。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2023年4月27日の日本時間(JST)19時23分(チャート画像の時間帯は英国ロンドン外国為替時間の夏時間 (GMT+1 / BST) 11時23分)の、人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:23の為替レート 東京外国為替市場前日比
ドル/円 133.71 〜 133.73 +0.26 (円安)
ユーロ/円 147.59 〜 147.61 +0.54 (円安)
ユーロ/ドル 1.1038 〜 1.1040 +0.0019 (ドル安)
英ポンド/円 166.39 〜 166.45 -0.26 (円高)
スイスフラン/円 149.71 〜 149.77 -0.25 (円高)
豪ドル/円 88.38 〜 88.42 +0.14 (円安)


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