FXニュース:米購買担当者景気指数発表を控え

2023年2月21日
FXニュース:米購買担当者景気指数発表を控え

 

東西FXニュース – 2023年02月21日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米長期金利一時低下後の上昇影響
  • 今夜連休明けの米国市場向け調整
  • 今週の日銀新総裁候補の所信聴取

今日2023年2月21日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の安値134円70銭前後から高値134円15銭前後の値幅約55銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は134円65~66銭付近で、前営業日17時の前東京終値比で約61銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きが前日比で円安ドル高になった要因は、今夜から連休明けの米国市場に向けて、米国連邦準備制度理事会 (FRB) の利上げ継続と長期化予想が優勢で、時間外債権市場で一時低下していた米国債利回りが指標となる米長期金利が再び上昇したことをきっかけに、日米金利差拡大予想による円売りドル買いが再開した影響などが見られた。

時間に沿った市場トレンドの動向では、昨夜の日本市場の後の欧州英国市場では、先週末の米国連休前のポジション調整などで米長期金利が一時低下していたことから、一時ドル円で135円台の高値をつけた後のドルが利益確定売りや持ち高調整で売られて円やユーロやポンドが買われたて下げていた流れを引き継いでいたが、欧州景気指標の発表や米国利上げ長期化予想などを受けて、徐々に安全資産でもあるドルの安値での買い戻しも入っていた。

昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場は米国祝日の大統領の日で休場であったが、市場時間に重なる後半の欧州英国市場と開場中の世界FX市場では、昨夜22時半過ぎに先週のドル円の安値圏の一時133円台後半に達したため、安値でのドル買いや買い戻しがさらに増えて、時間外の米長期金利の回復傾向もあり、今朝までには134円台前半にドルが再び上昇しており、今朝早朝の米国ニューヨーク終値相当時間には134円15銭付近で、前ニューヨーク終値比で約10銭の小幅な円安ドル高になっていた。

その後の今朝9時から始まった今日の日本の東京外国為替市場でも、日米金利差拡大予想により朝からドルが一時上昇したが、今週金曜に日本銀行 (日銀 / BoJ) 新総裁候補の植田和男氏の衆院議運委の所信聴取と質疑予定があることが警戒され、国内債券市場で新発10年国債利回りが日本銀行の許容上限の0.5%前後を上回る0.505%に上昇しており、すぐにドル円は利益確定売りで上昇分を下げるという証券用語の「往って来い」の値動きを挟みながら、今朝10時前の仲値決済では、今夜の米国市場の連休明けまでは日本企業の輸入実需は少ないために、輸出企業の円買いドル売りの方が優勢で、11時台に一時134円15銭付近の今日の日本市場での円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、時間外の債権市場では米国長期金利が上昇傾向を示していたこともあり、市場安値をつけた後には、再び日米金利差拡大予想による円買いドル売りでドルが再上昇を始めた。

今朝は前述の今週金曜の24日の午前に予定の衆議院運営委員会の新日銀総裁候補の植田氏と午後の副総裁候補の内田氏と氷見野氏の所信聴取と質疑では、4月に任期満了予定の現在の黒田東彦総裁の大規模緩和金融政策の評価や今後の政策運営について各党が問うこともあり、緩和修正予想を強める発言への警戒感があったが、今日は参院議院運営委員会も同様の所信聴取と質疑を新総裁候補に来週月曜の27日の午後13時10分からと、副総裁達には翌28日に行う合意をしたことで、やや先送り感が出たことなども影響した。

また、今日の昼頃のニュースでは、日銀の黒田東彦総裁が衆議院予算委第三分科会に出席し、「中長期的な予想物価上昇率や賃金上昇率が高まっていくことにより、基調的な物価上昇が高まっていく」とし、賃金上昇率の「伸びを高めていく」と日本のインフレ対策の先行きについての発言をしており、インフレ抑制のための早期の日銀の金融緩和の修正期待は減退してきていた。

午後からの欧州英国市場の参入でも、米長期金利上昇に伴う日米金利差拡大による円売りドル買いが優勢で、16時台にドル円は134円台後半の今日の日本市場の円の安値でドル高値の134円70銭付近を記録した。

そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は134円65~66銭付近で、昨夜17時の前東京終値比では約61銭の円安ドル高になった。

その後の英国ロンドン外国為替市場では、17時半頃には米長期金利が3.87%台に上昇したことを受け、ドル円は134円85銭付近になり、今日の日本市場での円の安値でドルの高値を更新した。

ただし、今夜この後には連休明けの米国市場で最新米国経済指標の発表予定があり、今日のドルの高値圏からはイベント前の利益確定売りと持ち高調整の抵抗も入っている。

今夜この後には、日本時間の23時45分に2月の米国の製造業とサービス部門と総合の購買担当者景気指数 (PMI) の速報値が発表され、24時には1月の米国中古住宅販売件数と27時に米2年債入札予定があり、FXトレーダー達が今後の値動き予想データとして注目している。

また、明日には前回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の議事録の公表予定などもある。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は143円67~69銭付近で、昨日17時の前東京終値比で約26銭の円安ユーロ高であった。

今日の日米金利差拡大予想による円売りドル買いの影響は、他の主要通貨であるユーロ円相場にも円安として影響が波及していた。

ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0669~1.0670ドル付近で、前日17時の前東京終値比では約0.30セントのユーロ安ドル高になった。

以前のニュースになった欧州中央銀行 (ECB) 理事会の他のメンバーに続き、昨夜にフィンランド中銀のレーン総裁も、「3月以降の欧州利上げは適切で、ターミナルレート (TR) の到達は夏頃になる可能性」についての同様の発言をしたが、既に想定内であったために、今日の連休明けの米国市場に向けて、米国長期金利の一時低下後の上昇を受けたドルの買い戻しの影響の方が大きかった。

また、今夜17時台に発表された欧州ユーロ圏の最新経済指標のフランスとドイツの2月の購買担当者景気指数 (PMI) 速報値は、いずれも製造業は市場予想を下回ったが、サービス部門は市場予想以上の、強弱入り混じる結果であった。

続いて、18時に発表された欧州ユーロ圏総合の2月の購買担当者景気指数 (PMI) 速報値も、製造業が前回の48.8と市場予想の49.3に対して48.5に低下し、サービス部門は前回の50.8と市場予想の51.0に対し53.0に上昇という強弱混じりだった。

ただし、今夜19時にはドイツの2月のZEW景況感調査の期待指数が発表され、前回の16.9と市場予想の22.0に対し28.1に上昇し、欧州ユーロ圏の2月のZEW景況感調査も前回の16.7に対して29.7に上昇していた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は161円71~77銭付近で、昨夜17時の前東京終値比で約11銭の円安ポンド高であった。

今夜18時半には英国の最新経済指標の2月の英国購買担当者景気指数 (PMI) 速報値も発表され、製造業とサービス部門ともに前回と市場予想以上に上昇したことでは、英ポンドが買われて円相場でさらに上昇し、162円台後半の大幅な円安ポンド高になっている。

今夜の最新の英国製造業PMIは前回の47.0と市場予想の47.5に対し49.2で、英国サービス部門PMIは前回の48.7と市場予想の49.2に対し53.3であった。

オーストラリアの豪ドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の豪ドル円の終値は92円58~62銭付近で、昨夜17時の前東京終値比で約19銭の円高豪ドル安であった。

今朝は、オーストラリアの中央銀行の豪準備銀行 (RBA) の前回の金融政策会合議事要旨が公表され、前回の利上げは0.25%ではあったが、一部では0.5%もタカ派の利上げに関する意見があったことでは一時豪ドルが買われて上昇したが、その後にはリスクに弱い豪ドルは利益確定売りなどで安全資産の米ドルや低リスク通貨の円などに対して売られて下げて、円高になった影響が見られた。

今日の東西FXニュース執筆終了時の2023年2月21日の日本時間(JST)20時23分(チャート画像の時間帯は英国ロンドン外国為替時間 (GMT) 11時23分)付近の、人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 20:23の為替レート 東京外国為替市場前日比
ドル/円 134.62 〜 134.63 +0.58 (円安)
ユーロ/円 143.45 〜 143.47 +0.04 (円安)
ユーロ/ドル 1.0654 〜 1.0656 -0.0045 (ドル高)
英ポンド/円 162.90 〜 162.96 +1.30 (円安)
スイスフラン/円 145.62 〜 145.68 +0.22 (円安)
豪ドル/円 92.59 〜 92.63 -0.18 (円高)


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