FXニュース:米国購買担当者景気指数(PMI)が上昇

2023年1月25日
FXニュース:米国購買担当者景気指数(PMI)が上昇

 

東西FXニュース – 2023年01月25日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米リッチモンド連銀製造業景気指数は低下
  • 米2年債入札好調で利回り低下時のドル売り
  • 米PMIが基準50以下に対して欧州は50以上
  • 豪消費者物価指数 (CPI) 上昇の利上げ予想

今日2023年1月25日水曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時までの外為取引時間のドル円相場の為替レートは、円の安値130円58銭前後から高値130円10銭前後の値幅約48銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は130円45~47銭付近で、前日17時の前東京終値比で約60銭の円安ドル高であった。

ただし、今夜その後の欧州英国市場では、20時台には前日比での円安ドル高と円高ドル安の境界付近の市場反転圏でも推移している。

今日の値動きの原因はまず、前回の東西FXニュースで予告していた通り、昨夜の米国ニューヨーク外国為替市場で最新の米国経済指標の1月の米製造業と米サービス部門と総合の購買担当者景気指数 (PMI) の速報値が発表され、市場予想以上の上昇でドル買いが強まった。しかし、米債権価格の上昇により利回りが一時低下したことや、米利上げ減速予想で米長期金利が低下時には円安の抵抗要因もあり、大幅な円安ドル高には至らなかった。

時間に沿った世界市場トレンドの動向は、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場で日本時間の昨夜23時45分に発表された1月の米国製造業購買担当者景気指数 (PMI) の速報値が前回の46.2と市場予想の46.0に対し46.8に上昇し、1月の米国サービス部門業購買担当者景気指数 (PMI) の速報値も前回の44.7と市場予想の45.0に対して46.6に上昇し、1月の米国総合購買担当者景気指数 (PMI) 速報値も前回の45.0と市場予想の46.4に対し46.6に上昇し、いずれも市場予想以上の上昇率であったことで、米景気好感でドルが円や主要通貨に対して買われて、円相場で一時131円12銭付近に高騰した。

しかし、131円台のドルの米国市場の高値からは、利益確定のドル売りの抵抗が入り、また深夜24時に発表された1月の米国リッチモンド連銀製造業指数が前回の1と市場予想の-5に対し-11に低下したことでは、ドル売りの勢いが強まり、大幅な上昇分以上に下げたことで、一時129円87銭付近の米国市場の円相場のドルの安値を記録した。

同時進行中だった米国ニューヨーク債権市場では27時に米2年債入札が行われ、好調な入札結果により債権価格が上昇すると共に利回りが低下したことでも、ドルが売られやすくなっていた。

今月末から始まる米国連邦準備制度理事会 (FRB) の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) を控え、0.25%の米利上げ減速予想が0.5%の利上げ継続予想よりも優勢であったことでも、米長期金利が一時低下しており、米国経済指標での上昇分以上の一時急落の一因になった。

ただし、米国リッチモンド連銀製造業指数は、リッチモンド連銀の管轄地域であるヴァージニア州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州、メリーランド州の製造業部門の景況感を示す指数で、対象地域や製造業に限定されるため、比較すると全米的かつ製造業だけでなくサービス部門と総合の米国購買担当者景気指数 (PMI) の総合的な上昇の方が重要視されたことでは、米国市場でのドルの安値圏からはドルの買い戻しが入り始め、ドルは再び穏やかな上昇トレンドに転じた。

しかし、欧州ユーロ圏総合の購買担当者景気指数 (PMI) が好景気と不景気のボーダーラインである50を超えていたことに比較すると、米国の購買担当者景気指数 (PMI) は50をまだ超えていないことではユーロ買いドル売りの影響もあり、また、米長期金利低下時には日米金利差縮小時による円買いドル売りの抵抗も強かった。

そのため、今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場のドル円相場の終値は。130円17~20銭付近で、前日同時刻比では約50銭の円高ドル安であった。

その後に始まった今日の日本の東京外国為替市場では、時差の近いアジア市場の一部が今日も春説(旧正月)の祝日連休で、オーストラリアやニュージランドがあるオセアニア市場や、日本市場での値動きが影響を与えやすくなっていた。

今朝9時55分頃の日本市場の仲値決済に向けては、今日は25日で日本の貿易企業の決済日が集中しやすい5と10のつく日の五十(ゴトー)日であるために、輸入実需による円売りドル買いで9時台には円相場は一時下落したが、9時55分からは輸出企業による円買いドル売りが入って戻した。

11時台には米長期金利低下時の円買いドル売りもあり、今日の日本市場時間での円の高値でドルの安値の一時130円10銭付近を記録した。

しかし、それから14時台までは、前述の米国購買担当者景気指数(PMI)の上昇を受けた米国景気好感のドル買いなどで、円相場のドルは再び緩やかな上昇を始め、14時台後半に今日の日本市場の円の安値でドルの高値の一時130円58銭付近を記録した。

ただし、午後14時以降には時差で朝の欧州英国市場の参入が始まり、米長期金利低下時のドル売りに加えて、米国の購買担当者景気指数(PMI)は市場予想以上に上昇したとはいえ好景気と不景気のボーダーライン基準の50以下であったことに対し、欧州ユーロ圏総合の購買担当者景気指数(PMI)には50以上の好景気寄りのものがあったために、ドル売りからの参入になったことなどの影響で、円相場でもドルが下落を始めた。

そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は130円45~47銭付近で、昨夜17時の前東京終値比では約60銭の円安ドル高になった。

しかし、今夜その後の欧州英国市場では米長期金利低下時のドル売りなどが続き、18時台からは一時129円台後半の今日のドルの安値を更新した時間もあり、20時過ぎには前日比での円安ドル高と円高ドル安の境界付近の市場反転圏にも推移している。

今夜この後にも最新の米国経済指標の発表予定があり、日本時間に21時に米国MBA住宅ローン申請指数、深夜24時半に週間の米国原油在庫、27時に米5年債入札予定がある。また、米国ニューヨーク株式市場では決算報告シーズンが続き、大手ではテスラなどの決算報告予定があり、株式市場からの値動きの影響にも注意が必要である。

また、今夜の深夜24時に北米カナダ銀行が政策金利を発表予定で、以前に隣接する米国の金利予想による為替相場の値動きに影響を与えたことがあるので、カナダドルの値動き予想に加えて、米ドルやドル円への値動き予想の影響などでも市場で注視されている。

欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は141円92~93銭付近で、昨夜17時の前東京終値比で約52銭の円安ユーロ高であった。

今夜18時には欧州ユーロ圏主要国のドイツの最新経済指標の発表があり、1月の独IFO企業景況感指数は前回の88.6に対して市場予想通りの90.2に上昇しており、欧州景気好感によるユーロ上昇の影響が継続していた。

ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0877~1.0879ドル付近で、昨夜17時の前東京終値比で約0.12セントのユーロ安ドル高だった。

欧州景気好感のある一方で、今日のニュースでは欧州中央銀行 (ECB) の高官が、大幅利上げ継続に対して慎重な姿勢を示したことが伝わり、ややユーロ売りも入っていた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は160円69~75銭付近で、昨夜17時の前東京終値比で約24銭の円安ポンド高であった。

今日の夕方16時には英国の最新経済指標の先月分の英国生産者物価指数が発表され、前月比の仕入れが前月の-0.2%に対して-1.1%に下げ、出荷も前月の-0.1%に対して-0.8%に低下したことでは、英国インフレにもとうとうピークアウト感があったことではポンドがやや下げに転じたために東京終値付近でも小幅な円安になり、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では20時台には円高ポンド安に市場反転もしている。

オーストラリアの豪ドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の豪ドル円相場の終値は92円58~62銭付近で、昨夜17時の前東京終値比で約96銭の円安豪ドル高であった。

今朝のオセアニア市場で発表された2022年10~12月期のオーストラリア豪消費者物価指数(CPI)の上昇率が市場予想を上回る前年同期比7.8%で、オーストラリアの中央銀行にあたる豪準備銀行 (RBA) のインフレ抑制の利上げ継続予想が強まり、日豪金利差拡大予想による円売り豪ドル買いで上昇していた。

今日の東西FXニュース執筆終了時の2023年1月25日の日本時間(JST)20時33分(チャート画像の時間帯は英国ロンドン外国為替時間 (GMT) 11時33分)付近の、人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 20:33の為替レート 東京外国為替市場前日比
ドル/円 129.78 〜 129.79 -0.07 (円高)
ユーロ/円 140.95 〜 140.97 -0.45 (円高)
ユーロ/ドル 1.0860 〜 1.0862 -0.0029 (ドル高)
英ポンド/円 159.71 〜 159.77 -0.74 (円高)
スイスフラン/円 140.71 〜 140.77 -0.24 (円高)
豪ドル/円 91.93 〜 91.97 +0.31 (円安)


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