FXニュース:米購買担当景気指数(PMI)発表前の調整

2023年1月24日
FXニュース:米購買担当景気指数(PMI)発表前の調整

 

東西FXニュース – 2023年01月24日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米長期金利と国内長期金利の日米金利差
  • 日銀共通担保オペの円安後の調整反発も
  • 欧州利上げ継続予想で高値後の利益確定
  • 英国PMI発表後の景気懸念でポンド下落

今日2023年1月24日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時までの外為取引時間のドル円相場の為替レートは、円の安値130円73銭前後から高値129円73銭前後の値幅約1円で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は129円80~81銭付近で、昨夜17時の前東京終値比で約32銭の円高ドル安であった。

今日の値動きの主な原因は、昨日の日本銀行 (日銀 / BoJ) の金利抑制の公開市場操作の共通担保資金供給オペレーション(共通担保オペ)を受け、円安要因の日米金利差拡大予想で、昨夜に大幅な円安ドル高が進行した後であったために、今日の日本市場では安値の円買いや高値のドルの利益確定売りに加えて、今夜に発表を控えている最新の米国経済指標の1月の米国の製造業・サービス部門・総合の購買担当者景気指数 (PMI) の速報値や1月の米リッチモンド連銀製造業指数などの発表イベントを前にした持ち高調整などで円相場が反発した影響が出ていた。

時間に沿った世界市場トレンドの動きの解説では、まず昨夜の日本市場の終了後の欧州英国市場では、前述の日銀の金利抑制姿勢による日米金利差拡大予想や、欧州利上げ継続予測による日欧金利差拡大予想などで円相場が下落し、ドル円は130円台前半から中盤に向けて推移していた。

そして、欧州英国市場の後半から始まった今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場では、米国ニューヨーク債権市場での米10年債の利回りが指標となる米長期金利上昇時の日米金利差拡大による円売りドル買いが加わり、一時130円88~89銭付近の大幅な円安ドル高の米国市場での円の安値とドルの高値を記録した。

同時進行中だった米国ニューヨーク株式市場では、決算シーズンを迎えたハイテク株などが好調で、ドルから買える低リスク通貨の円が売られた影響も出ていた。

また、米国債入札予定を控えて米国債が持ち高調整で売られたことなどでも、米10年債の利回りが指標となる米長期金利が上昇し、日米金利差拡大による円安要因となっていた。

ただし、深夜に発表された最新米国経済指標の先月分の米国景気先行指標総合指数の前月比は、前回の-1.0%と前回修正の-1.1%と市場予想の-0.7%に対して-1.0%であったことでは、高値の後のドルに利益確定売りの抵抗が入ったものの、市場予想以下でも前回比較では横ばいで、前回の下方修正ほどのマイナスではなかったことでは、米利上げ抵抗要因の米国景気懸念を高めるほどには至らず、抵抗後はやや横ばいに近い動きに転じた。

そのため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場のドル円相場の為替レートの値動きは円の安値130円89銭前後から高値130円23銭前後の値幅約66銭で、今朝7時頃の米ニューヨーク終値は130円60~70銭付近の前営業日比で約1円5銭の大幅な円安ドル高であった。

その後に始まった今日のアジア・オセアニア市場では、昨日に続き中国や韓国や香港やシンガポールが、春節(旧正月)などの祝日連休で休場中であるため、オーストラリアなどのオセアニア市場と、今日の日本市場の値動きが世界市場に影響を与えやすくなっていた。

今日の日本の東京外国為替市場は、今朝9時台の130円73銭付近の今日の日本市場時間の円の安値とドルの高値から始まり、9時55分頃の仲値決済に向けては日本企業の輸入実需の円売りドル買いと輸出系の円買いドル売りの売買が交錯したが、前日や今朝までに大幅な円安ドル高が進んだ後の反動から、投資系では持ち高調整による高値圏のドルの利益確定売りや安値の円買いなどがあったことなどでは、やや円相場が反発し、下げ幅を縮め始めた。

昨日の日銀の共通担保オペで国内長期金利が低下していたが、今日はやや下げ止まりをしてきたことや、米国経済紙が米国連邦準備制度理事会 (FRB) に関するハト派寄りの記事を掲載したことがきっかけとなり、米利上げ減速予想があったことで米長期金利も上昇後に低下に転じたことでも、日米金利差縮小時の円買いドル売りが続いた。

今日の午後からの欧州英国市場の参入では、米長期金利低下時のドル売りが優勢で、円相場に影響が波及したことから、16時台には今日の日本市場時間の円の高値でドルの安値の一時129円73銭付近を記録し、前日比での円安ドル高から円高ドル安に転じた。

そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は129円80~81銭付近で、昨日17時の前東京終値比では約32銭の円高ドル安になった。

ただし、今夜20時頃の欧州英国市場では、再び小幅な円安ドル高にも転じている。

また、今夜この後の米国ニューヨーク外国為替市場では、日本時間の23時45分と深夜24時に最新の米国経済指標の1月の米国製造業・サービス部門・総合の購買担当者景気指数 (PMI) の速報値と米リッチモンド連銀製造業指数などの発表イベントを控えており、イベントリスクがあるために結果が分かるまでのドルの買い控えや、持ち高調整が進んでいる。

今夜の米国ニューヨーク債権市場でも27時に米2年債入札予定もあり、米国ニューヨーク株式市場でも米マイクロソフト決算報告などの予定されており、債権や株の動向も安全資産のドルや低リスク通貨の円などの為替相場の値動きなどに影響を与える可能性があるので、イベント時間には注意が必要である。

一方、欧州ユーロも、昨日が大幅な円安ユーロ高であったことからドルと同様の反動が見られ、今夜17時の今日の日本の東京外国為替市場のユーロ円の終値は141円38~40銭付近で、前日17時の前東京終値比では約64銭の円高ユーロ安であった。

ユーロドルは、今夜17時の今日の日本の東京外国為替市場の終値は1.0891~1.0892ドル付近で、昨夜17時の前東京終値比で約0.23セントのユーロ安ドル高であった。

原因は、昨夜に欧州中央銀行 (ECB) のラガルド総裁が「欧州のインフレは、高すぎる。金利は、なお大幅に引き上げる必要がある」と発言したことや、クロアチア中央銀行のブイチッチ総裁も「0.5%の利上げガイダンスは、引き続き合理的だ」と発言したことなどで、欧州利上げ継続予想が強まっており、ユーロもドルに対して一時2022年4月以来のおよそ9ヶ月ぶりの高値を記録した後であったために、今日はユーロの利益確定売りや持ち高調整などによりユーロに対するドルの反発が見られた。

また、今夜は先ほど欧州ユーロ圏主要国の最新経済指標が発表されており、17時15分のフランスの1月の製造業購買担当者景気指数 (PMI) の速報値は、前回の49.2と市場予想の49.6に対し50.8に上昇したが、サービス部門のPMIは前回の49.5と市場予想の49.8に対して49.2に低下していた。

続いて、17時半に発表されたドイツの製造業PMIの速報値は、前回の47.1と市場予想の47.9に対し47.0に低下したが、サービス部門は前回の49.2と市場予想の49.6に対して50.4に上昇し、強弱入り混じる結果であったが、好景気と不景気のボーダーラインの50を下回る値が多く、欧州景気懸念もありユーロが売られて、安全資産のドルや円が買われる動きが出ていた。

今夜18時に発表された欧州ユーロ圏総合の1月の欧州製造業購買担当者景気指数 (PMI) の速報値も、前回の47.8と市場予想の48.5に対して48.8に上昇はしたものの、やはり景気の境目の50を下回った。

ただし、欧州サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) の速報値は、前回の49.8と市場予想の50.2に対し50.7であったことでは、ユーロの下げ幅は限られていた。

また、欧州ユーロ関連では、今夜も欧州中央銀行 (ECB) のラガルド総裁の発言機会があることなども注目されていた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の日本の東京外国為替市場の終値は161円1~7銭付近で、昨夜17時の前東京終値比で約55銭の円高ポンド安であった。英国ポンドも、ドルやユーロ同様に昨日の円安からの持ち高調整などの反動が今日は見られた。

また、今夜18時半の英国ロンドン外国為替市場では、英国の最新経済指標の1月の英国製造業購買担当者景気指数 (PMI) の速報値が発表され、前回の45.3と市場予想の45.5に対して46.7で、前回と市場予想以上ではあったものの不景気寄りであった。

同時発表だった1月の英国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) の速報値も、前回の49.9と市場予想の49.7に対して48.0に低下しており、英国景気懸念による英ポンド売りで、安全資産のドル買いや低リスク通貨の円が買われて英ポンドが円相場で下落したために、発表後の19時台にはより大幅な円高ポンド安になっていた。

今日の東西FXニュース執筆終了時の2023年1月24日の日本時間(JST)20時0分(チャート画像の時間帯は英国ロンドン外国為替時間 (GMT) 11時0分)付近の、人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 20:00の為替レート 東京外国為替市場前日比
ドル/円 130.14 〜 130.16 +0.02 (円安)
ユーロ/円 141.36 〜 141.38 -0.66 (円高)
ユーロ/ドル 1.0860 〜 1.0862 -0.0054 (ドル高)
英ポンド/円 160.22 〜 160.28 -1.34 (円高)
スイスフラン/円 140.95 〜 141.01 -0.65 (円高)
豪ドル/円 91.38 〜 91.42 -0.39 (円高)


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