FXニュース:今週の日米欧金融政策発表を控え

2023年6月12日
FXニュース:今週の日米欧金融政策発表を控え

 

東西FXニュース – 2023年06月12日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 明日米消費者物価指数発表を控え
  • 米S&P500が2022年以来の高値
  • 日経平均株価が一時年内高値超え
  • イベント前の持ち高調整と様子見
  • 英利上げ継続予想のポンド高続く

今日2023年6月12日月曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時頃までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の安値139円64銭前後から高値139円26銭前後の値幅約38銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は139円50~51銭付近と、前営業日同時刻の前東京終値比で約5銭の小幅な円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動き要因と世界FX市場のトレンド動向は、先週金曜の夕方の日本市場の終了直後の17時過ぎの英国ロンドン外国為替市場では、日本銀行 (日銀 / BoJ) の植田総裁の発言を受け、今週に迫った6月15〜16日の日銀金融政策決定会合での金利抑制の大規模緩和金融政策継続の市場予想が高まり、対する米国連邦準備制度理事会 (FRB) には、6月13〜14日の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) では米国利上げ見送り予想が優勢であるが、明日の夜の米国消費者物価指数 (CPI) の発表を控え、米国の根強いインフレ圧の市場予想と、最近のオーストラリアやカナダなどの世界的な利上げ再開トレンドなどから、来月7月にスキップした米国利上げ長期化予想があり、日米の金融政策の方向性の違いから、日米金利差拡大予想の円売りドル買いが優勢で、ドルは円相場で一時139円73銭付近に上昇した。その直前の金曜17時に、前東京終値を139円58~59銭付近でつけていた。

しかし、続いて始まった先週金曜の夜から土曜の朝までの米国ニューヨーク(NY) 外国為替市場では、金曜の夜21時半に発表された北米カナダの失業率の増加を受け、先日の米国新規失業保険申請件数増加による米国雇用市場の軟化が最意識され、米国連邦公開市場委員会 (FOMC) のイベント週を前にした週末市場での持ち高調整と利益確定のドル売りが先行し、イベント前のドルの買い控えや結果が分かるまでのイベントリスクを考慮した様子見の値動きも強く、21時半過ぎにはドルは円相場で一時139円3銭付近にまで売られた。

ただし、同時進行中だった先週末の米国株式指標では、今月の米国の利上げ見送り予想による企業ローンなどの金利上昇の警戒感の後退もあり、米国のハイテク銘柄を中心とした米国株高が続き、米国主要株価三指数の上昇に加えて、米国S&P500種株価指数が2022年8月以来の高値を記録したため、リスク選好市場になり、安全資産の米国債売りで米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が上昇し、日米金利差拡大時の円売りドル買いと、米国株高時のリスクオン市場では低リスク通貨の円が売られる抵抗があった。

今週の米国現地時間で6月14日 (日本時間では時差が進んでいるため15日の午前3時頃) に米国連邦公開市場委員会 (FOMC)の結果発表予定、翌6月15日に欧州中央銀行 (ECB) 理事会の発表予定とその翌日の16日に日本銀行 (日銀 / BoJ) 金融政策決定会合の発表の日米欧のイベント週を控えていることに対し、英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE) は、日を隔てた翌週の6月22日に金融政策決定委員会 (MPC) の発表予定を控えており、イベントリスクが遠いことや高インフレ継続による英国利上げ継続予想から、リスクオン市場では英国ポンドが安全資産のドルや低リスク通貨の円に対して上昇していた。

そのため、先週金曜の夜から土曜の朝までの米国ニューヨーク(NY) 外国為替市場での対ドル円相場は、円の高値139円3銭前後から安値139円59銭前後の値動きで、先週末の土曜の朝6時頃のニューヨーク終値を139円40銭付近の前日同時刻の金曜の朝6時頃の前ニューヨーク終値比で約48銭の円安ドル高でつけていたが、前日比の比較時間の異なる日本市場の金曜17時の前東京終値比では約18銭の円高ドル安でつけていた。

週が明け、今朝早朝のオセアニア市場ではオーストラリアが休場であったが、今朝8時50分には日本の最新経済指標の発表があり、5月の国内企業物価指数は、前月比が前回の0.2%と前回修正の0.3%と市場予想の-0.2%に対し-0.7%で、前年同月比は前回の5.8%と前回修正の5.9%と市場予想の5.6%に対し5.1%であった。

今朝9時頃からの今週の日本の東京外国為替市場では、米国連邦準備制度理事会 (FRB) が今月6月の米国利上げ見送る市場予想が高まり、今日のフェッドウォッチ (CME FedWatch Tool) で再び確定値の70%を超えた75.9%付近に達したため、早朝には円買いドル売りで始まり、今朝9時7分頃には、一時139円26銭付近の今日の日本市場での円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、日本銀行 (日銀 / BoJ) の今週の日銀金融政策決定会合では、今朝発表された経済指標での日本のインフレ圧の緩和傾向からも、金利抑制の大規模緩和の金融政策の継続予想が優勢で、明日の夜の最新の米国重要経済指標の米国消費者物価指数(CPI)のデータ次第では、今月の米国利上げ見送りのスキップの後の来月に米国利上げ再開の可能性があることなどから、今朝のドルの安値圏からは円売りドル買いの抵抗が入った。

また、先週末の米国株式市場の株高ブームを受けて、今日の日本の株式市場でも日本株価上昇時に伴うリスクオンで低リスク通貨の円が売られたことも、今朝の円売りドル買いの抵抗を強める要因となり、今朝11時39分頃には一時139円64銭付近の今日の日本市場での円の安値でドルの高値を記録した。

今日の日経平均株価は、今月6日に記録した3万2506円付近の年内高値を一時超えた時間があったが、高値圏からは利益確定売りやポジション調整も入ったため、午後15時台には3万2434円付近の前営業日比168円83銭高で大引けしていた。

しかし、明日の夜21時半には、米国連邦準備制度理事会 (FRB) が今後の金融政策を決める上で重視している米国重要経済指標の最新の米国消費者物価指数 (CPI) の発表イベント予定も控えており、明後日の水曜の夜にも同時間に米国卸売物価指数 (PPI) の発表後に、日本時間で翌朝未明の木曜午前3時頃から米国の新政策金利と声明の発表予定やその後のパウエル議長の発言予定などを控えているため、イベントが近いドルの上昇時には、イベントリスクによる短期での利益確定売りや持ち高調整が入りやすかった。

日本市場では、持ち高調整後には今週の日米欧のイベント前の結果が分かるまでの買い控えや様子見の値動きもあり、やや小幅な値動きになっていたが、午後からの欧州英国市場の参入では、欧州株価も上昇したためにリスクオン市場になり、世界的に流動性の高い安全資産ドルが欧州ユーロや英国ポンドや豪ドルなどに対しても売られたため、影響の波及でドルは円相場でも下落した。

そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は139円50~51銭付近で、前営業日の先週金曜17時の前東京終値比では約5銭の円高ドル安になった。

その後の英国ロンドン外国為替市場では、17時53分頃にドルは円相場で一時139円17銭付近に売られ、今朝の日本市場での円の高値でドルの安値の記録を更新し、今日のチャートを撮影した19時20分頃にも再び139円9銭付近と今日のドルの安値を更新している。

今夜この後には、日本時間で深夜24時半に米国3年債の入札予定、26時に利回りが米国長期金利の指標となる米国10年債の入札予定、27時5月の米国月次財政収支の米国経済指標の発表予定があるが、市場では明日の夜の米国重要経済指標の米国消費者物価指数 (CPI) 発表予定や、今週の米国新政策金利イベントに注目が集まっている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は150円23~25銭付近で、前営業日である先週金曜17時の前東京終値比で約14銭の円高ユーロ安であった。

ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0768~1.0770ドル付近で、先週金曜17時の前東京終値比で約0.07セントのユーロ安ドル高であった。

主な原因は、先週末の欧州市場では先週にユーロ高が進んだ反動で、欧州中央銀行 (ECB) 理事会を今週に控えた前週末に持ち高調整や利益確定のユーロ売りドル買いや円買いが起きていた影響が残った。

先週末の米国市場でも、米国長期金利が上昇した一方で、欧州ユーロ圏主要国のドイツの長期金利が低下したこときっかけに、持ち高調整のユーロ売りドル買いが優勢で、対円でもユーロが売られて前営業日比でドルや円に対してユーロ安で終えていた。

今日の日本市場ではリスクオンのユーロの買い戻しが入り下げ幅は縮めたものの、それまでのユーロ上昇時の前営業日比では、ドルや円に対しユーロ安で東京終値をつけていた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は175円60~66銭付近で、前営業日である先週金曜17時の175円15~21銭付近の前東京終値比で約45銭の円安ポンド高であった。

主な要因は前述の通り、英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE) の英国利上げ継続予想による日英金利差拡大予想で対ドルや対円で英国ポンドが上昇しており、先週末の英国ロンドン外国為替市場では、ポンドドルが一時1.2585ドル付近のおよそ1カ月ぶりのポンド高ドル安を記録した。

また、日英金利差拡大予想のある対円や、英国よりもイベントリスクの日程が近い欧州ユーロに対しても、英国ポンドが買われた影響が今日の東京終値にも出ていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2023年6月12日の日本時間(JST)19時9分(チャートの時間帯は英国ロンドン外国為替市場時間の夏時間 (GMT+1 / BST) 11時9分) の、人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:09の為替レート 日本市場前営業日17時の前東京終値時間比
ドル/円 139.18 ~ 139.20 −0.37 (円高)
ユーロ/円 150.05 ~ 150.07 -0.32 (円高)
ユーロ/ドル 1.0779 ~ 1.0781 +0.0004 (ドル安)
英ポンド/円 175.23 ~ 175.29 +0.08 (円安)
スイスフラン/円 154.06 ~ 154.12 -0.28 (円高)
豪ドル/円 94.20 ~ 94.24 +0.23 (円安)


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