FXニュース:米重要経済指標発表控え
2025年4月30日
東西FXニュース – 2025年04月30日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米相互関税交渉に合意国
- 米JOLTS求人数予想以下
- 米消費者信頼感指数低下
- 日米主要株価は高値引け
- 今日から明日の日銀会合
今日2025年4月30日水曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の142円17銭付近から、円の安値でドルの高値の142円89銭付近の値幅約72銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は142円80銭付近と、世界FX市場の前営業日同時刻にあたる昨日17時の142円37銭付近と比較すると約43銭の円安ドル高であったが、日本市場の前営業日同時刻にあたる一昨日17時の143円66銭付近の前東京終値比では約86銭の円高ドル安であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場は祝日休場であったが、昨夜20時35分頃の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、時間外の米国債券取引で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.240%付近に上昇し、債券利回りを受けた日米金利差拡大時の円売りドル買いが入り、昨夜20時58分頃にドルは円相場で一時142円76銭付近に上昇していたため、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時142円72銭付近の始値で、昨夜21時6分頃には対ドル円相場は一時142円76銭付近に再上昇し、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
欧米市場では、米国関税交渉について米国政府のハワード・ラトニック商務長官が、「一つの合意が成立した」と発言し、「合意はすでに成立しているが、相手国の首相と議会の承認を待つ必要がある」と説明したほか、スコット・ベッセント財務長官も、「貿易交渉について、インドとの取引成立が近づいている」と発言し、「日本との交渉も実質的な協議を進めている」と述べており、ドナルド・トランプ大統領も、「インドと合意できると思う」と発言したニュースが話題になり、米国関税ディール成立への期待感が市場で高まっていた。
ただし、最新米国経済指標の発表が始まると、昨夜21時30分に発表された3月米国卸売在庫の前月比が前回の0.3%と前回修正の0.5%と市場予想の0.7%に対し0.5%と市場予想以下であったことに続き、昨夜22時に発表された2月米国S&Pケース・シラー住宅価格指数の前年同月比も前回と市場予想の4.7%を下回る4.5%で、同時発表だった2月米国住宅価格指数の前月比も前回の0.2%と前回修正と市場予想の0.3%以下の0.1%に低下し、昨夜23時に発表された 3月米国雇用動態調査 (JOLTS / Job Openings and Labor Turnover Survey) 求人件数も前回の756.8万件と前回修正と市場予想の748.0万件を下振れする719.2万件に低下し、同時発表のコンファレンス・ボードの4月米国消費者信頼感指数も前回の92.9と前回修正の93.9と市場予想の87.5を下回る86.0と2020年5月以来の低水準と軒並み弱かったことでは、ドルは円相場で反落した。
また、米国調査会社コンファレンス・ボードの4月の米国消費者信頼感指数では期待指数も2011年10月以来の低水準となり、米国関税政策が経済に与える影響への警戒感が再び燻ったことでは安全資産の米国債が買い戻され、米国ニューヨーク債券市場では米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.169%付近に向けて急落し、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りが起き、午前1時25分頃にドルは円相場で一時141円97銭付近と、米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。
しかし、米国主要企業の決算報告の影響が続く米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P 500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が一時低下後に揃って反発上昇し、揃って前営業日比でプラス圏になり、高値の終値をつけたことでは、低リスク通貨の円が売られる値動きもあったため、ドルは円相場で反発し、市場終盤の今朝5時46分頃には一時142円45銭付近になった。
このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の142円76銭付近から、円の高値でドルの安値の141円97銭付近の値幅約79銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は142円33銭付近と、前営業日同時刻の142円1銭付近の前ニューヨーク終値比で約32銭の円安ドル高をつけた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、月末のドルの利益確定売りや持ち高調整が先行したため、今朝9時頃の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時142円24銭付近の始値で、今朝9時4分頃の一時142円17銭付近が今日の日本市場の円の高値でドルの安値となり、日本市場の祝日前の前営業日の一昨日の143円66銭付近の前東京終値比では大幅な円高ドル安からの市場再開となった。
日本市場では、祝日休場していた昨日付けのニュースで、米国政府が自動車部品関税の負担軽減措置を発表していたことなどへの反応があったほか、日米関税交渉進展への期待感が高まり、日本政府の赤沢亮正経済財政・再生相が訪米して二度目の日米関税交渉を予定していることで観測報道もあり、低リスク通貨の円売りとドルの買い戻しが入った。
また、今日が4月末日かつ日本の貿易企業の決済日が集中しやすい5と10がつく今月最終の五十日であることから、今朝9時55分の仲値決済に向けた輸入実需の円売りドル買いが入り、今朝9時55分頃のドルは円相場で一時142円51銭付近になったが、続いて国内輸出企業の円買いドル売りも入ったことは抵抗になった。
一方、今日の東京株式市場では、ゴールデンウィークを控えた市場流動性により今朝は上下に揺れる荒い値動きを見せていた日経平均株価だったが、午後は安定した上昇トレンドになり、午後15時30分頃に3万6045円38銭の終値をつけて前営業日比205円39銭高で大引けし、株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) で国内第一安全資産の低リスク通貨の円が売られた影響では、ドルは円相場で上昇を続け、前東京終値比の下げ幅を縮小した。
今日から明日にかけて日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の日銀金融政策決定会合が開かれるが、米国関税政策の経済への影響の様子見で、今回は日本の政策金利が据え置きされる市場予想が優勢であったことも為替相場に影響を及ぼし、午後からの欧州市場と夕方からの英国ロンドン外国為替市場の参入後にも円売りドル買いが続き、夕方16時34分頃にドルは円相場で一時142円89銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録し、前東京終値比で大幅だった下げ幅を小幅域に縮小していた。
このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は142円80銭付近で、世界FX市場の前営業日同時刻にあたる昨日17時の142円37銭付近と比較すると約43銭の円安ドル高であったものの、日本市場の前営業日同時刻にあたる一昨日17時の143円66銭付近の前東京終値比では約86銭の円高ドル安になった。
今夜この後の米国市場では、最新米国重要経済指標などの発表予定があり、日本市場の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時15分に4月米国ADP (Automatic Data Processing) 雇用統計、21時30分に1〜3月第一四半期の米国実質国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) と米国GDP個人消費と米国雇用コスト指数と米国コアPCE (Personal Consumption Expenditures / 個人消費支出) 、今夜22時45分に 4月米国シカゴ購買部協会景気指数、今夜23時に3月の米国個人消費支出 (PCE) と米国PCEデフレーターと米国PCEコア・デフレーターと米国個人所得などの発表イベントがあり、また同時刻に3月米国住宅販売保留指数も発表される予定である。
また、明日早朝の米国株式市場の株引け後の時間になる予定だが、米国主要企業の決算報告が続き、米国マイクロソフト社やメタ・プラットフォームズの決算報告も控えており、世界の株式市場と債券市場やコモディティ市場などの為替相場への影響や、米国関税交渉などを含む経済と政治影響に加えて、世界情勢と要人発言などのファンダメンタル分析向けのニュースは、テクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料になっている。
なお、明日はドイツ、フランス、スイス、シンガポール、南アフリカ、香港、中国、トルコ、メキシコなどがメーデー (May Day) などの祝日休場予定であることもあり、日本のゴールデンウィーク時期も控えた世界FX市場全体の市場流動性や値動きに注意が必要である。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は162円32銭付近と、世界FX市場の前営業日同時刻にあたる昨日17時の162円34銭付近と比べると約2銭の円高ユーロ安であったが、日本市場の前営業日同時刻にあたる一昨日17時の162円1銭付近の前東京終値比では約31銭の円安ユーロ高であった。
主な要因は、欧米経済指標と日米欧株価影響の低リスク通貨の円や世界的に流動性が高いドルの対ユーロの売買などが為替相場に影響を与えていた。
ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1372ドル付近で、世界FX市場の前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.1404ドル付近と比べると約0.32セントのユーロ安ドル高であったが、日本市場の前営業日同時刻にあたる一昨日17時の1.1347ドル付近の前東京終値比では約0.25セントのユーロ高ドル安であった。
なお、今夜17時には欧州ユーロ圏主要国ドイツの最新重要経済指標の1〜3月第一四半期の独国内総生産 (GDP) 速報値の発表があり、前期比は前回マイナス圏だった−0.2%から市場予想通りプラス圏の0.2%になったが、前年同期比は前回と市場予想通りマイナス圏の−0.2%に留まっていた。
ただし、その後の今夜18時の欧州ユーロ圏総合の1〜3月第一四半期の欧州域内総生産(GDP) 速報値は、前期比が前回と市場予想の0.2%を上回る0.4%に上昇し、前年同期比も市場予想の1.1%以上の前回と同じ1.2%であった。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は191円7銭付近と、世界FX市場の前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の191円7銭付近と同じ横ばいレンジで、日本市場の前営業日同時刻にあたる一昨日の夜17時の191円16銭付近の前東京終値比では約9銭の円高ポンド安であった。
主な要因は、株価影響などでは欧州ユーロの影響を受けやすい英国ポンドの円相場であるが、今日の午後15時に発表された最新英国経済指標の4月英国ネーションワイド住宅価格の前月比は、前回の0.0%と市場予想の0.1%を下回る−0.6%に低下していた。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年4月30日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の19時30分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時30分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。
通貨ペア | JST 19:30の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 143.04 〜 143.05 | −0.62 (円高) |
ユーロ/円 | 162.50 〜 162.52 | −0.51 (円高) |
ユーロ/ドル | 1.1364 〜 1.1366 | +0.0017 (ドル安) |
英ポンド/円 | 191.08 〜 191.14 | −0.08 (円高) |
スイスフラン/円 | 173.31 〜 173.37 | +0.51 (円安) |
豪ドル/円 | 91.44 〜 91.48 | −0.06 (円高) |
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