FXニュース:今夜パウエル議長発言予定

2023年8月25日
FXニュース:今夜パウエル議長発言予定

 

東西FXニュース – 2023年8月25日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米失業保険申請件数が減少
  • 堅調な米雇用受けドル買い
  • 米長期金利上昇時の金利差
  • 日米株下落時の円買い抵抗
  • 欧州景気懸念のユーロ売り

今日2023年8月25日金曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時頃までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の安値でドルの高値の146円26銭前後から円の高値でドルの安値の145円90銭前後の値幅約36銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は146円1~2銭付近と、前営業日同時刻の昨日17時の145円35~36銭付近の前東京終値比で約66銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、昨夜の日本市場の後の欧州英国市場では、米国のワイオミング州で今週の8月24〜26日まで開催中の世界の中央銀行総裁と政治家や学者等が参加する米国カンザスシティ連邦準備銀行主催の経済政策シンポジウムのジャクソンホール会議 (Jackson Hole Economic Symposium) で、今夜この後の日本時間23時5分頃から予定されている米国連邦準備制度理事会 (FRB) のパウエル議長の発言が注目されており、続いて28時頃からは欧州中央銀行 (ECB) のラガルド総裁の発言予定もあるものの、最近の低調な欧州経済指標を受けた欧州景気懸念により欧州利上げ長期化予想が減退し、ユーロ売りドル買いが先行していた。

続いて、昨夜21時頃の欧州英国市場の後半から始まった今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場では、昨夜21時半に米国雇用市場関連の最新米国経済指標が発表され、前週分の米国失業保険継続受給者数は前回の171.6万人と前回修正の171.1万人と市場予想の170.8万人に対し170.2万人に減少し、前週分の新規米国失業保険申請件数も前回の23.9万件と前回修正と市場予想の24.0万件に対し23.0万件に改善され、堅調な最新の米国雇用指標を受けた米国連邦準備制度理事会 (FRB) の金融引き締め長期化予想で米国長期金利が4.23%台に向けて上昇し、日米金利差拡大による円売りドル買いが起き、昨夜21時45分頃に一時145円95〜96銭付近に円相場でドルが上昇し、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

同時発表だった7月の米国耐久財受注の前月比が前回の4.7%と前回修正の4.4%と市場予想の-4.0%に対して-5.2%に低下したことでは、イベント前のドルの早期の利益確定売りの抵抗もやや入ったが、輸送用機器を除いた7月の米国耐久財受注の前月比では前回の0.6%と前回修正と市場予想の0.2%に対して0.5%と市場予想以上であったことでは、最近の経済指標を受けた欧州景気懸念に対して、米国景気は比較的堅調であると市場では受け止められて、欧州ユーロに対するドル上昇や、主要通貨に対するドルの強さを示すドルインデックスも上昇していた。

ただし、昨夜23時頃から米国連邦準備制度理事会 (FRB) の高官で次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国フィラデルフィア連銀のハーカー総裁の発言があり、 「現時点では、我々はおそらく十分なことをしたと考えている」と、米国の金融政策が制約的となる中で、今年年内は米国政策金利を高金利のままで据え置き、米国経済への影響を見極めることが良策と自身では考えていると言及し、米国連邦準備制度理事会 (FRB) の追加利上げの必要性は特に想定していないというハト派寄りの発言をしたことでは、今夜のパウエル議長の発言イベントを控えた利益確定のドル売りの抵抗が一時強まり、ドルに続く安全資産の低リスク通貨の円が買われたことで、昨夜23時20分頃に一時145円43銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、続いて深夜24時15分頃からは、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権は持たないものの、米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官でご意見番の米国ボストン連銀のコリンズ総裁のタカ派寄りの発言があり、「我々、米国連邦準備制度理事会 (FRB) には、まだやるべきことがある」と発言し、「更なる利上げの可能性がある」ことや、「しばらくは、金融引き締めの政策を維持する必要のある可能性が非常に高い」と発言したことでは、米国の高金利の長期化予想に加えて、追加利上げの可能性から、米国利上げ長期化予想と日米金利差拡大予想が強まり、再び円売りドル買いが優勢になり、今朝未明の午前2時頃には再び145円93銭付近にドルが円相場で再上昇した。

ただし、今夜この後のジャクソンホール会議でのパウエル議長の発言予定を控えた米ドルのイベントリスクによる早期の利益確定や持ち高調整や様子見の買い控えに加えて、米国利上げ長期化予想を受けた米国ニューヨーク株式市場では、米国の高金利による企業ローンなどの経営への影響の警戒感からリスク回避の株売りで、一部の上昇銘柄を除いた米国主要株価が下落し、米国ダウ平均株価 (DJI) が一時370ドル超の下落を見せたことでは、ドルから買える安全資産の米国債買いで米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利がやや低下したことで、リスクオフの低リスク通貨の円買いの抵抗が入り、145円台後半のやや横ばいに近い値動きに転じた。

そのため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は円の安値でドルの高値の145円96銭前後から円の高値でドルの安値の145円43銭前後の値動きで、今朝6時頃のニューヨーク終値は145円83銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値比で約99銭の円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のオセアニア市場では、オーストラリアの主要貿易先の中国の景気懸念の影響もあり、リスク回避市場に弱いオセアニア通貨の豪ドルが売られて、堅調な米国雇用関連の経済指標を受けた米国金利の先高感からも世界的に流動性が高い安全資産でもあるドルが買われた影響で、今朝8時33分頃からドルは円相場で146円台の推移を始めていた。

今朝8時半に発表された日本の最新経済指標の8月の東京都区部消費者物価指数 (CPI) の生鮮食料品を除くコア指数の前年同月比は、前回の3.0%と市場予想の2.9%に対し2.8%と、前回と市場予想よりも鈍化しており、2ヶ月連続の鈍化となったことも、日本銀行 (日銀 / BoJ) の大規模緩和金融政策の継続予想による円売りドル買いの一因になったが、エネルギーも除いたコアコアCPIの上昇率では、市場予想の3.9%に対し4.0%とやや上回った。

続いて、今朝8時50分に発表された最新の日本国内の経済指標の7月の企業向けサービス価格指数の前年同月比も、前回の1.2%と前回修正の1.4%と市場予想の1.3%に対して1.7%に上昇していたことでは、ジャクソンホール会議では日本銀行の植田総裁の発言機会もあることなどから、円の買い戻しの抵抗も入り、今朝9時頃からの今日の日本の東京外国為替市場では、今朝9時8分頃に一時145円91銭付近を記録した。

ただし、今朝9時55分の日本市場の仲値決済に向けては、今日は25日で、日本の貿易企業の決済日が集中しやすい5と10が付く日の「五十日 (ゴトーび) 」であるために、日本企業の輸入実需の円売りドル買い注文が入り、ドルが円相場で再び146円台に上昇を始めた。

また、昨夜の最新米国経済指標を受けた日米金利差拡大予想の円売りドル買いも続き、ドル円は146円台前半での推移が継続したが、今日は日本の東京株式市場でも日経平均株価が大幅に下落を始めたため、低リスク通貨の円買いの抵抗も混ざり、昼頃に一時145円台後半にもタッチしたが、再びドルは米国長期金利上昇の影響もあって、円相場で146円台に反発して上昇した。

午後からの欧州市場の参入では、午後15時に欧州ユーロ圏の主要国のドイツの最新重要経済指標の4〜6月期の独国内総生産 (GDP) の改定値が発表され、前年同期比が前回と市場予想通りのマイナス成長の-0.2%で、季調前の前年同月比も前回と市場予想一致の-0.6%で、前期比では横ばいの0.0%と、かねてからの欧州景気懸念が継続し、リスクオフのユーロ売りと安全資産のドル買いの影響が対ドルの円相場にも波及し、また米国長期金利上昇時の日米金利差拡大による円売りドル買いとも合わさって、午後15時17分頃に今日の日本市場の円の安値でドルの高値の一時146円26銭付近を記録した。

ただし、日本市場側からは、午後15時15分に今日の日経平均株価が、日本の半導体関連株売りの影響もあり、3万1624円28銭の終値で、前日比662円93銭安の大幅下落のままで大引けしたことを受けては、日本株安時の国内第一安全資産の低リスク通貨の円買いの抵抗が強まり、今夜のパウエル議長のイベントを控えたイベントリスクのドルの利益確定売りや持ち高調整やドルの買い控えの様子見なども加わって、日本市場の終盤の午後16時47分頃には一時145円90銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は146円1~2銭付近で、昨夜17時の145円35~36銭付近の前東京終値比で約66銭の円安ドル高になった。

今夜この後には、日本時間で23時に最新米国経済指標の8月の米国ミシガン大学消費者態度指数が発表され、続いて今夜23時5分頃から市場注目度の最も高い米国連邦準備制度理事会 (FRB) のパウエル議長のジャクソンホール会議での講演発言予定がある。続いて、深夜24時頃から米国フィラデルフィア連銀のハーカー総裁の再発言の予定もあり、24時半頃からは米国クリーブランド連銀のメスター総裁の発言予定と、25時半頃から米国シカゴ連銀のグールズビー総裁の発言予定もあり、彼もまた次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持っている。

なお、ジャクソンホール会議では、28時頃からは欧州中央銀行 (ECB) のラガルド総裁の発言予定などもある。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は157円22~29銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の157円79~80銭付近の前東京終値比で約57銭の円高ユーロ安であった。

主な要因は、欧州経済指標を受けた欧州景気懸念のリスク回避のリスクオフのユーロ売りで、世界的に流動性の高い安全資産のドルや低リスク通貨の円が買われた影響が出ていた。

ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0766~1.0773ドル付近と、昨夜17時の1.0854~1.0856ドル付近の前東京終値比で約0.88セントのユーロ安ドル高だった。

主な原因は、欧州のリセッション (景気減速) 懸念から欧州利上げ長期化予想が減退したことに対し、堅調な最新の米国経済指標を受けて米国利上げ長期化予想が強まったことで、欧米金利差予想のユーロ売りドル買いも為替相場の値動きの影響を及ぼしていた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は183円60~66銭付近と、昨夜17時の184円60~66銭付近の前東京終値比で約1円0銭の大幅な円高ポンド安であった。

主な要因は、最近の英国経済指標を受けた英国景気懸念の英ポンド売りの低リスク通貨の円買いの影響に加えて、欧州ユーロに連動しやすい元欧州連合の英国ポンドも安全資産のドルなどにも売られたため、一時大幅安になった。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2023年8月25日の日本時間(JST)19時18分(チャート画像の時間帯は英国ロンドン外国為替市場時間の夏時間 (GMT+1 / BST) 11時18分) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:18の為替レート 日本市場前営業日17時の前東京終値時間比
ドル/円 146.11 ~ 146.12 +0.76 (円安)
ユーロ/円 157.73 ~ 157.75 -0.06 (円高)
ユーロ/ドル 1.0794 ~ 1.0796 -0.0060 (ドル高)
英ポンド/円 183.91 ~ 183.97 -0.69 (円高)
スイスフラン/円 164.95 ~ 165.01 -0.31 (円高)
豪ドル/円 93.82 ~ 93.86 -0.04 (円高)


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