マーケットコメント:ドル売り期待減衰!イベント前ポジション縮小か?
2024年10月22日東西FXマーケットコメント – 2024年10月22日
文/宇佐美幸弥 – 東西FXリサーチチーム
東西FXではFXとマクロ経済リサーチを担当しております宇佐美と申します。
本日は、米選挙を直前に控える現状で、トレーダーがドル安ポジションを解消している件について、マクロ経済の状況を踏まえつつ、ドルの現況と今後のトレンドについ徹底分析します。
ドル売りポジション縮小!米選挙を前にリスク回避狙いか?
10月21日、Bloombergからトレーダーがドル安ポジションを解消している可能性が報じられた。
Bloombergによれば、ヘッジファンドと運用会社は10月2週目にドルのショートを差し引き80億ドル(1兆2100億円)減らしたとのこと。米商品先物取引委員会(CTFC)が公表しBloombergが集計したデータでは、今月はじめに130億ドルあったドル安のポジションはいまやほぼ0になっているとのこと。
11月上旬に米国選挙を控える今、先日発表された米経済指標は極めて強く、一方で、欧州や中国経済は軟化している。また、FRB議長パウエル氏も、今後の利下げに慎重な姿勢を見せている。
このようにドル高・ボラティリティ増大の要因が頻出しているため、米国選挙を前にしてドル安ポジション解消が進んでいるのだと思われる。よって、市場全体としてドル安期待は後退していると推測でき、米経済が堅調である限りは中〜長期的なドル高展開が予測される。
ドル円テクニカル分析〜現在の値動き分析と今後のトレンド予測〜
上記のチャート(Yahoo Finance.comより)はドル円の1時間足チャートを示している。
この図を見れば、ドル円は直近、緩やかな上昇トレンドで推移していることがわかる。
テクニカル分析の観点で見ると、75日移動平均線は極めて堅調に上向きで推移しており、サポートラインとして機能している場面も多い。一方で、RSIは買われすぎラインから一服しているものの、MACDではデッドクロスが確認されており、短期的に下落する可能性が想定される。
ファンダメンタル的な観点で言えば、米経済が極めて堅調であること、中国・欧州経済の不況もあって、US Exceptionalismからドル高となる可能性が高い。FRB議長パウエル氏が今後の利下げに消極的な姿勢を見せているのもドル高のカタリストと考えられる。
こうした状況を踏まえれば、日銀が今後の利上げに消極的なことからも、ドル円における現行の上昇トレンドは、中長期的に継続すると思われる。
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