マーケットコメント:中国人民銀行、1年もの金利の据置を発表!
2024年12月25日東西FXマーケットコメント – 2024年12月25日
文/宇佐美幸弥 – 東西FXリサーチチーム
東西FXではFXとマクロ経済リサーチを担当しております宇佐美と申します。
本日は、中国人民銀行が1年物金利の据置を発表した件について、現在のマクロ経済の状況を鑑みつつ、その内容と背景について分析していきます。メインテーマは中国人民銀行の動向と米国債10年利回りのテクニカル分析。
【12月25日】中国人民銀行、1年もの金利の据置を発表!
25日、中国人民銀行から1年物金利の据置が発表された。
中国人民銀行は中期貸出金制度における1年物金利を2%に据え置くと共に、公開市場操作を通じて2014年以来最大となる1兆1500億元を金融システムから引き上げたとBloombergが報じた。
この背景には、先日中国共産党指導部が発表したより積極的な財政政策との調整があるのではないかとの声もある。元々、2%の据置はエコノミストの予測通りであったとのこと。
中信証券の明明チーフエコノミストは、「MLF金利は現時点で予想の範囲内であり、2025年には40-50bp引き下げられると予想している」とコメントするとともに、今後市中銀行の預金準備率引き下げが早まるのではないかとの予測も示した。
現在中国は深刻な景気軟化状態にあり、ここから脱却するための措置として、より積極的な財政支出、緩和政策が求められる現状にある。現状、中国共産党指導部からは具体的な政策の発表はないため、今後の中国経済の先行きも踏まえて、政府当局や中国人民銀行の今後の動向に注目したいところだ。
米国10年債利回りテクニカル分析〜米国債の現況と今後の推移予測
上記の図(Investing.comより)は米国債10年物利回りの日足チャートである。
この図を見れば、米国10年際の利回りは10月以降急激な上昇トレンドとなっていることがわかる。
テクニカル分析の観点で言えば、長期移動平均線は上向きに転じており、25日移動平均線も含めて綺麗な上昇トレンドの形を形成している。一方で、オシレーター指標を見ると、RSIはかなり高い数値で推移しているため、短期的な反落も予測される。
ファンダメンタルの観点では、米国経済の堅調性からドル高は進行を続いている一方で、トランプ氏の更なる財政支出拡大方針などが考慮され、米国財政懸念から米国債価格は低下し続けている。
これらを踏まえると、ドルの堅調性は明らかであるものの、米国債10年物の利回りは、今後のトランプ政権が具体的に打ち出す政策によって大きく変化することが予測される。そのため、2025年以降のトランプ政権の動向には要注目である。
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