FXニュース:今日から明日の日銀会合
2025年1月23日
東西FXニュース – 2025年01月23日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 欧米主要株高リスクオン
- 日経平均株価も大幅続伸
- 英米長期金利4.6%台に
- 米トランプ演説発言控え
今日2025年1月23日木曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の156円29銭付近から、円の安値でドルの高値の156円75銭付近の値幅約46銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は156円58〜59銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の156円6〜7銭付近の前東京終値と比べると約52銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、日米欧株価上昇時のブル・マーケット (Bull market / 強気市場) 特有のリスク選好のリスクオン (Risk-on) による低リスク通貨の円売りとドルや欧州通貨買いの影響が続き、昨夜17時1分頃に対ドル円相場は一時156円12銭付近と昨日の日本市場のドルの高値を円相場で上抜けしたが、時間外の米国債券市場でまとまった米国債買いが入ったことでは米国債券価格上昇に伴う利回りの一時反落により、昨夜17時40分頃に米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は上昇幅を一時4.560%付近にまで縮小したため、この時間にドルは円相場で一時155円55銭付近にまで一時反落したが、その後には米国長期金利が反発し、リスクオンの安全資産の米国債売りで米国債券価格低下時の利回り上昇が起き、昨夜21時20分頃には米国長期金利が一時4.585%付近に再上昇していたことでは、債券利回りを受けた金利差トレードで日米金利差拡大時の円売りドル買いが入り、昨夜21時31分頃にはドル円は一時156円5銭付近に反発していた。
欧州株式市場では、欧州主要株価指数であるドイツ株価指数の独DAX (Deutsche AktienindeX) が連日で史上最高値を続伸したほか、フランスの仏CAC40 (Cotation Assistée en Continu 40) も上昇しており、欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) の欧州追加利下げ予想が市場で優勢で欧州金利警戒感が緩和された影響などもあり、欧州株式市場で連日の強気市場が続いたことでリスク選好により世界的な安全資産でもある米国債にも利益確定売りが入りやすかったが、低リスク通貨の円売りだけでなく、世界的な流動性の高さから欧州ユーロに対する安全資産でもあるドルが対ユーロで売られた外貨影響も対ドル円相場に一時波及したことはやや抵抗になり、欧州英国市場の後半にあたる昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時155円82銭付近の始値で、債券市場で再びまとまった米国債買いが入った昨夜22時20分頃のドル円は一時155円75銭付近と、昨夜の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。
しかし、米国主要企業の決算報告シーズンに入っていた米国ニューヨーク株式市場では、米国ネットフリックス (Netflix) が過去最高の新規会員増加数を記録し、決算報告が市場予想を大幅に上回ったことから株価が9.7%上昇するなど、欧州主要株価指数上昇を受けたリスク選好のリスクオン・トレンドが続き、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) が前日比で大幅高の終値に向けたほか、米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) も上昇して取引時間中の日中最高値を更新するなど好調で、米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) も前日比で大幅高の終値に向けるなど、欧米株価上昇時のリスク選好市場では世界的な安全資産の米国債が売られやすかったことから、米国ニューヨーク債券市場では米国債券価格低下に伴う利回り上昇が起き、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が上昇し、午前2時30分頃の一時4.619%付近に向けて米国長期金利が4.6%台の高利回りになり、債券利回りの日米金利差拡大時の円売りドル買いや主要通貨に対するドル買いが入り、午前2時23〜24分頃には対ドル円相場は一時156円71銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
また、同時進行していた世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場では、午前1時のロンドン・フィキシング (London Fixing) での主要取引通貨のドル需要も観測されていた。
ただし、午前3時には米国ニューヨーク債券市場で米国20年債の入札があり、他の年度の米国債にも買いが波及し始めた影響では、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利も一時反落し、午前5時10分頃に一時4.594%付近にまで低下したことを受けては、債券利回りの日米金利差縮小時の円買いドル売りで午前5時19分頃にはドルは円相場で一時156円44銭付近まで上昇幅を縮小した時間があったが、米国主要株価三指数が揃って前日比で高値の終値をつけたことでは、リスク選好のリスクオン・ムードでの安全資産の米国債売りや低リスク通貨の円売りの影響でドルは円相場で再び上昇したほか、米国長期金利も再び4.6%台に上昇し、今朝6時40〜50分頃にかけて一時4.617%付近の高止まりを見せており、債券利回りを受けた金利差売買の日米金利差拡大により、前日比で大幅な円安ドル高のニューヨーク終値に向けた。
また、米国市場でも自称タリフマン (Tariff man / 関税男) のドナルド・トランプ大統領の米国関税強化案によるインフレ警戒感や、米国第一主義の国内産業保護により安い輸入品に重税が課せられることで人件費が高い米国国産品が選択肢になる様な状況では物価への警戒感が燻っていたことなどでも、米国政策金利の先高観が根強かったが、その一方で、市場予想では今日から明日にかけての日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の日銀金融政策決定会合では追加利上げ予想が市場で織り込み済が高まっていたことから反応薄になり、 昨日の朝にホワイトハウスに復帰したドナルド・トランプ大統領が2月1日から中国からの輸入品に10%の追加関税を課すことを検討していると発言していたほか、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に対し、「ウクライナとの戦争を止めなければ、米国から高関税や制裁を課す以外に選択肢がない」とソーシャルメディアに書いたことが話題になった。
金利先物市場のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的に有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールでは、来週1月28〜29日に開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国政策金利据え置き予想値は今日の時点でも一時99.5%付近と市場確定値と考えられている70%超えの優勢さを保っており、それに対して0.25%の米国小幅追加利下げ予想値は一時0.5%付近に後退したままであった。
このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の155円75銭付近から、円の安値でドルの高値の156円71銭付近の値幅約96銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値は156円53銭付近と、前営業日同時刻の155円52銭付近の前ニューヨーク終値比でと約1円1銭の大幅な円安ドル高をつけた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、156円台後半に上昇後のドルの利益確定売りや持ち高調整が先行した影響では、今朝7時1分頃に一時156円43銭付近に向けた窓開きが起きたが、今朝8時27分頃には一時156円52銭付近とニューヨーク終値近くに戻したが、今朝8時50分には財務省が日本の最新経済指標の12月の日本貿易統計を発表し、通関ベースの季調前は前回マイナス圏の赤字だった−1176億円が−1103億円に上方修正されたことに加えて、市場予想の−530億円を大幅に上回るプラス圏の黒字の1309億円に上振れし、同12月貿易統計の通関ベースの季調済は前回−3842億円が前回−3887億円に下方修正されたものの、市場予想の−5260億円を桁違いに大幅改善した−330億円に赤字額が縮小するなどいずれも市場予想に対してサプライズとなる堅調ぶりで、特に輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支が1309億円の黒字となる貿易黒字は6カ月ぶりであったことでは円が買われる値動きが入ったため、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時156円44銭付近の始値となった。
また、今日から明日にかけて日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の日銀金融政策決定会合が始まり、明日の昼頃の日本の新政策金利や金融政策の発表イベントを控えて、日本市場では、イベント前の利益確定や持ち高調整で円の買い戻しが先行した影響でも、今朝9時7分頃には対ドル円相場は一時155円31銭付近に円相場が反発していた。
今朝9時55分の日本市場の仲値決済に向けては日本企業の輸入実需の円売りドル買いも入ったが、続いては国内輸出企業によるまとまった円買いドル売りが入った影響では、今朝10時12分頃に対ドル円相場は一時155円29銭付近と、今日の日本市場での円の高値でドルの安値を記録した。
しかし、欧米株価上昇の影響などによるリスク選好のリスクオン・ムードが続いていた東京株式市場では、今日の日経平均株価が大幅に続伸し、プラス圏の推移を続けていた株価影響では国内第一安全資産の低リスク通貨の円売りが入り、午後14時31〜33分頃にかけて対ドル円相場は一時156円75銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録しながら数分間の高止まりを見せ、午後15時30分頃には今日の日経平均株価は3万9958円87銭の終値をつけ、前日比312円62銭高の大幅高で続伸して大引けした。
数分かけても上抜けできなかったことではドルは円相場で利益確定や持ち高調整が入り、今日から明日の日銀金融政策決定会合のイベントを控えたイベントリスクによる低リスク通貨の円の買い戻しも入り、ドルは円相場で上昇幅を縮小し始めたものの再び反発したが、日本市場時間の今日の時間外の米国債券取引で4.6%台の推移を続けていた米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が、夕方からの欧州市場の参入後の世界的な安全資産の米国債の安値からの買い戻しなどで、午後16時台に一時4.599%付近に瞬時タッチし、その後には再び4.6%台に戻して反発したものの、日本市場で記録したドルの高値圏に戻す事なく、夕方16時50分頃の一時156円69銭付近まで上昇後にはドルは円相場で再び上昇幅を縮小し始めた。
このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は156円58〜59銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の156円6〜7銭付近の前東京終値比で約52銭の円安ドル高になった。
なお、米国長期金利は今夜19時半過ぎの一時4.635%付近に向けた再上昇を始めていたことでは、イベントリスクなどの円の買い戻しの中でも、今夜19時16分頃のドルの円相場での下押しは一時156円20銭付近と、156円台に留まっていた。
今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表予定やドナルド・トランプ大統領の演説発言予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜22時30分に前週分の米国新規失業保険申請件数と米国失業保険継続受給者数、25時頃から世界経済フォーラム (WEF / World Economic Forum) 年次総会のダボス会議におけるドナルド・トランプ米国大統領の要人発言予定、26時に米国週間原油在庫などを控えている。
また、米国主要株価の決算報告シーズンが続いており、欧米や世界の株式市場の影響に加えて、世界の債券市場やコモディティ市場などの為替相場への影響や、世界情勢や政治要因などを含むファンダメンタルズの影響なども世界のFXトレーダー達が注目している。
なお、今夜18時には、欧州市場と地理や時間帯が近いノルウェーの中央銀行にあたるノルゲバンク (Norges Bank) が政策金利を市場予想通りの4.5%で据え置きした。
また、今夜20時にはトルコ中央銀行 (TCMB / Türkiye Cumhuriyet Merkez Bankası / Central Bank of the Republic of Turkey) が新政策金利を発表し、これまでの47.50%から市場予想通りの45.00%に利下げした。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値162円85〜86銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の162円47〜48銭付近の前東京終値と比べると約38銭の円安ユーロ高であった。
主な要因は、前営業日や昨日に続き、連日で独主要株価指数が最高値を続伸し、欧米主要株価上昇時のリスク選好のリスクオン市場で低リスク通貨の円売りに対して欧州ユーロや英国ポンドなどが買われやすかったことに続き、今日も日経平均株価が大幅続伸したことなどが、低リスク通貨の主要通貨に対する円安の今日の東京終値の為替相場に影響を与えた。
ただし、今日から明日の日銀金融政策決定会合のイベントを控えたイベントリスクでは、持ち高調整などで低リスク通貨の円の買い戻しの抵抗も入った影響では、昨日ほどの大幅な円安ユーロ高や円安ポンド高の東京終値にはならず、今日は小幅安に留まっていた。
そのことから、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は192円62〜68銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の192円24〜30銭付近の前東京終値比では約38銭の円安ポンド高であった。
ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0398〜1.0400ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.0409〜1.0411ドル付近の前東京終値と比べると約0.11セントのユーロ安ドル高であった。
主な要因は、日米株価上昇を受けたリスク選好のリスクオン市場では、世界的な安全資産の米国債にも売りが入り、米国長期金利が4.6%台に上昇時の債券利回りの欧米金利差トレードでは、欧州ユーロ売りで高金利通貨のドルが買い戻される値動きが影響を及ぼした。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年1月23日の日本時間(JST)20時39分(チャート画像の時間帯は2025年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) の英国ロンドン外国為替市場時間 (GMT / JST-9) の11時39分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。米国市場も2024年11月の第1日曜日から2025年3月の第2日曜日まで米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST -14) にあたるため、現在の世界市場では欧州・英国・米国市場共に冬時間で日本と標準時差になっている。
通貨ペア | JST 20:39の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 156.46 〜 156.48 | +0.40 (円安) |
ユーロ/円 | 162.91 〜 162.93 | +0.49 (円安) |
ユーロ/ドル | 1.0411 〜 1.0413 | ±0.0000 (レンジ) |
英ポンド/円 | 192.80 〜 192.86 | +0.56 (円安) |
スイスフラン/円 | 172.51 〜 172.57 | +0.36 (円安) |
豪ドル/円 | 98.11 〜 98.15 | +0.44 (円安) |
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