FXニュース:日米韓財務相共同声明警戒

2024年4月18日
FXニュース:日米韓財務相共同声明警戒

 

東西FXニュース – 2024年4月18日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • G20もドル独歩高の懸念後
  • 協調的な為替介入の可能性
  • 米国債入札利回り一時低下
  • 決算下振れ株で米ダウ反落
  • 米長期金利低下後の反発も
  • G7では為替は議題にならず
  • 日銀委員「緩やかな利上げ」
  • 日経平均株価と米先物反発

今日2024年4月18日木曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートは、円の安値でドルの高値の154円41銭付近から、円の高値でドルの安値の153円95銭付近の値幅約46銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値は154円26〜27銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の154円60〜62銭付近の前東京終値比では約34銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、昨日の日本市場の後の英国ロンドン外国為替市場では昨夜20時台後半に米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.66%台付近で推移していたため、日米の金利差を受けたトレードの影響があり、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時154円63銭付近であったが、世界的な安全資産でもある米国債の安値買いの影響では一時4.61%台に低下した昨夜22時13分頃にはドルは円相場で一時154円53銭付近に下げたものの、その後に米国債券価格上昇後の利益確定売りが入ったことでは、米国債券価格低下に伴う利回り上昇の影響で米国長期金利が一時4.46%台に反発も見せたため、昨夜23時台には再び日米金利差トレードの円売りドル買いにより、昨夜23時22分頃にドルは円相場で一時154円71銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録していた。

ただし、前日の米国ニューヨーク外国為替市場では、一時154円79銭付近の1990年6月以来のおよそ34年ぶりの今年最大の円安ドル高の記録を続伸した後であったため、為替介入警戒感からは、高値圏を前にした早期の利益確定や持ち高調整の抵抗が入り始めた。

また、先日にG20 (Group of Twenty / 20ヵ国・地域) がドル独歩高への警戒感を示したコミットメントや、国際通貨基金 (IMF / International Monetary Fund) 金融資本市場のエイドリアン局長が為替の変動が激しい場合には為替市場への介入が「適切になる可能性がある」と発言していたことに続いて、昨夜には米国ワシントンで日本の鈴木俊一財務相と韓国の崔相穆経済副首相兼企画財政相と米国のジャネット・イエレン財務長官が、国際通貨基金 (IMF) 世界銀行春季会合に合わせて日米韓の財務相会合を開催して参加し、「最近の急速な円安と韓国ウォン安への日韓の深刻な懸念を認識し、外国為替市場での動向について引き続き緊密に協議する」と盛り込んだ共同声明を発表するニュースがあり、日本政府はかねてから円安牽制の口先介入で為替介入の警戒感を高めており、日韓が通貨安に「深刻な懸念」を示したとの昨日の日本市場での報道もあったが、同米国市場でも午前1時過ぎに米国政府が、「為替をめぐる日本と韓国の懸念を認識している」と公式に見解を示したニュースがあったことで、日本単独の為替介入よりも効果が大きい国際協調的な為替介入の可能性などが市場で意識され、為替介入への警戒感が更に高まったことで、共同声明の発表を受けた米国市場では対ドルの円相場が瞬時に反発し、午前1時26分頃に一時154円25銭付近になったほか、安全資産の米国債が再び買われて利回りが指標となる米国長期金利が低下した。

午前2時には米国ニューヨーク債券市場で米国20年債の入札もあったことから、好調な入札結果の影響を受けて、米国債価格上昇に伴う利回り低下が他の年度の米国債にも波及したため、米国10年債の利回りが指標の米国長期金利は、午前2時台には一時4.58%台にまで低下したため、為替介入警戒感による利益確定や持ち高調整に加えて、日米金利差縮小時の円買いドル売りが入り、午前2時7分頃にドルは円相場で一時154円17銭付近に下げたほか、午前3時8分頃にも対ドル円相場は一時154円16銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

また、午前3時には米国地区連銀経済報告のベージュブックが公開され、物価上昇は、「平均して緩やかで、前回の報告とほぼ同じペース」との内容もあり、根強い米国インフレ高止まりへの懸念や、米国政策金利の高金利の長期化への警戒感はあるものの、不安定な市場の中でも、過度な米国インフレ再燃への警戒感は一時やや緩和されたことも影響を及ぼした。

一方、米国主要企業の決算報告シーズンが始まっていた米国ニューヨーク株式市場では、一時は前日比で大幅に上昇していた米国ダウ工業株30種 (Dow Jones Industrial Average) が、一部企業の決算報告が市場予想以下だったことから株価が下落した影響を受けて反落したほか、企業決算への警戒感の波及により半導体関連株やハイテク株にも売りが広がったため米国ナズダック総合 (NASDAQ Composite) やS&P500種 (Standard and Poor’s 500 index) も続落の米国主要株価三指数が揃って前日比安の終値に向かったため、米国株式市場からのリスク回避のリスクオフ (Risk-off) の影響でも、安全資産の米国債や低リスク通貨の円がドルから買われた影響が、この日のドルの円相場での上値を抑える結果になった。

米国ニューヨーク債券市場でも、前日の米国市場では一時4.695%付近と約4.7%付近に上昇後の米国10年債の利回りは、同米国市場では中東情勢リスクに加えての為替介入警戒や米国主要株価下落時のリスクオフなどで世界的な安全資産でもある米国債買いの影響が続いた影響により、今朝早朝の米国債券市場の終値時の米国10年債の利回りが指標の米国長期金利も4.589%付近に留まっており、債券利回りを受けた日米金利差が一時縮小していた。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の154円71銭付近から、円の高値でドルの安値の154円16銭付近の値幅約55銭の値動きで、今朝6時前頃のニューヨーク終値は154円39銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の154円72銭と比べて約33銭の円高ドル安をつけており、3営業日ぶりに対ドルの円相場が反発を見せた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続いて、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時154円34銭付近であったが、先日からの大きなトレンドの米国利下げ先送り予想と高金利長期化予想による押し目買いのドル買いが入っていたことや、今朝9時過ぎに日本市場の時間外の米国債券取引で米国長期金利が一時4.60%付近に瞬時反発した時間もあったことなどでは、今朝9時9分頃にドルは円相場で一時154円41銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、今朝までの米国市場に続き、今日の日本市場でも先述の米国のイエレン財務長官の発言も含めた日米韓財務相会合の共同声明のニュースを受けて、国際協調的な為替介入の可能性が意識され、日本政府が為替介入を実施しやすくなったことへの警戒感が高まり、米国長期金利が再び一時4.58%台に反落後、更にその後には一時4.57%台付近に向けた日米金利差縮小の影響があり、154円台後半に差し掛かる以前の中盤手前付近から早期の利益確定や持ち高調整で国内第一安全資産でもある低リスク通貨の円買いが入り始めた後には円相場は反発後に上昇し、午前11時過ぎに日本政府の神田真人財務官が、「日本の主張を踏まえ、為替を含む過去のG7(Group of Seven / 主要7カ国)における政策対応に関するコミットメントが再確認されている」と発言したニュースの影響もあり、午前11時15分頃に対ドル円相場は一時153円95銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、その後に神田財務官は、G7声明で為替のコミットメントが再確認されたものの、為替はG7の議題ではなかったことも明らかにしたこともあり、一時153円台に差し掛かったドルの安値感や、155円手前付近の為替介入警戒域を離れた安心感からは、すぐにドルの買い戻しが入り始めて円相場で154円台前半に戻したが、午後からの欧州市場の参入時にも、欧州の一部地域は中東に地理的に遠くはないため、地政学的な中東情勢警戒感が燻っていたことなどもあり、日米市場での為替介入警戒感の影響の波及に加えての世界的な安全資産の米国債買いも入っており、日本市場の午後と欧州市場の現地早朝が重なる午後15時台には、米国長期金利は一時4.56%台付近にまで低下したため、日米金利差縮小時の低リスク通貨の円買いの影響により、午後15時19分頃にも一時154円6銭付近も記録していた。

一方、今日は日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の野口旭審議委員が佐賀県金融経済懇談会の挨拶で発言し、今後の日銀の利上げペースについて、「他の主要中央銀行の最近の例とは比較にならない程、ゆっくりとしたものになることが予想される」ことや、「経済状況次第であり、今年中にやるつもりはないと言うつもりはない」とも述べていたが、比較的ハト派であるとの受け止め方もあり、急な国内金利上昇への警戒感がやや緩和されたこともあり、国内長期金利が低下し、今日の東京株式市場では日経平均株価が大幅に上昇した。

午後15時台には今日の日経平均株価が3万8079円70銭の終値をつけ、前日比117円90銭高の大幅高で大引けしたことや米国ダウ先物が上昇したこともあり、リスク回避ムードがやや緩和され、価格上昇後の円売りや為替介入警戒域の155円手前付近から離れたドルの買い戻しが起き始めた。

また、夕方から欧州本土よりも1時間ほど時差遅れの英国ロンドン外国為替市場が本格参入を始めると、米国債券価格上昇後の利益確定売りや持ち高調整が入り、米国長期金利が一時4.58%台に反発したため、国内長期金利低下時の米国長期金利反発による日米金利差縮小による円相場でのドルの買い戻しも入ったことでは、ドル円は154円台前半から中盤に向けた推移を始めて、下げ幅をやや縮めていた。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値は154円26〜27銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の154円60〜62銭付近の前東京終値比では約34銭の円高ドル安になった。

今夜この後の米国市場では、米国ニューヨーク株式市場で主要企業の決算報告シーズンが続くほか、最新米国経済指標の発表予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に4月の米国フィラデルフィア連銀製造業景気指数と、前週分の米国新規失業保険申請件数と米国失業保険継続受給者数、23時に3月の米国景気先行指標総合指数と、 3月の米国中古住宅販売件数などが発表されるほか、時間は未定だが米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達の発言も予定されている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は164円73~75銭付近と、日本市場の前営業日同時刻にあたる昨日17時の164円27~28銭付近の前東京終値比で約46銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、先述の為替介入警戒感もあり、対ドルでの欧州ユーロの買い戻しの影響が、対ドルの円相場にもユーロ高として波及した。

そのため、ユーロドルも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0677〜1.0679ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.0624〜1.0626ドル付近の前東京終値比で約0.55セントのユーロ高ドル安であった。

ただし、欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 高官達の発言を受けては、今年の欧州利下げ時期の方が米国よりも早くなる市場予想が優勢であるが、市場ではかなり織り込み済みになっていたことで影響が限られた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は192円36〜42銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の192円54〜60銭付近の前東京終値比では約18銭の円高ポンド安であった。

主な要因は、先述の日米韓の共同声明後の為替介入警戒による円買いの影響や、米国長期金利低下時に英国長期金利も連動するように低下した時の影響などがあった。

ただし、今夜の英国株式市場で英国株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) が起きたこともあり、今夜19時台の英国ロンドン外国為替市場では、日本市場終了後には低リスク通貨の円の利益確定売りで英国ポンドが買い戻されたため、日英金利差もあり、円安ポンド高に市場反転も見せている。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年4月18日の日本時間(JST)19時30分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時30分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 19:30の為替レート 前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 154.45 〜 154.47 −0.15 (円高)
ユーロ/円 164.82 〜 164.83 +0.55 (円安)
ユーロ/ドル 1.0670 〜 1.0671 +0.0046 (ドル安)
英ポンド/円 192.57 〜 192.63 +0.03 (円安)
スイスフラン/円 169.90 〜 169.96 +0.15 (円安)
豪ドル/円 99.47 〜 99.51 +0.26 (円安)


注意:

本ウェブサイトに記載されている全ての情報またリンク先を含めた情報は、情報提供を目的のみとしており、取引投資決定、及びその他の利用目的のために作成されたものではありません。取引投資種、外国為替取引業者の選択、売買価格投資等の全ての最終決定については、利用者ご自身のご判断において行われるようお願い致します。

当社は、当サイトに掲載した情報によって万一閲覧者が被った直接・間接的に生じた損失に関して一切責任を負わないものとします。また、当社および当社に情報を提供している第三者は一切責任を負うものではございませんので ご了承ください。万が一、当サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いません。当社はこのウェブサイトの掲載内容を予告なしに変更または廃止することがございますので、あらかじめご了承おきください。