FXニュース:米経済指標が市場予想上振れ

2024年3月22日
FXニュース:米経済指標が市場予想上振れ

 

東西FXニュース – 2024年3月22日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 欧米経済指標の比較影響相場
  • 英金利維持後利下げ時期予想
  • スイス利下げ後のフラン売り
  • 日米株価が史上最高値を続伸
  • 今年最大の円安ドル高を更新
  • 政府と日銀の為替介入警戒も
  • 今夜FRB議長と高官達が発言

今日2024年3月22日金曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートは、円の高値でドルの安値の150円26銭付近から、円の安値でドルの高値の151円86銭付近の値幅約1円60銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値は151円42銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の151円23~24銭付近の前東京終値比で約19銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、昨夜17時30分にスイス国立銀行 (SNB / Swiss National Bank) が前回と市場予想の1.75%に対し1.50%に3カ月物銀行間取引金利誘導目標中心値を想定外の0.25%利下げしたサプライズを受けたスイスフラン売りドル買いによるスイスフラン安ドル高が進行したほか、昨夜21時に英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) の金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) が英国政策金利を前回と市場予想通りの5.25%の高金利を維持することを発表したが、今回は前回の様に英国利上げを主張していた委員がいなかったことなどを受けた世界市場では、スイス周辺の欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) や英国にも利下げ時期も近づいているという市場予想が高まったほか、昨夕に発表された欧州経済指標と比較して、昨夜に発表された最新米国経済指標の方が強く、市場予想を上回る指標も多かったため、スイスだけでなく欧州や英国通貨に対してもドルが買われ始めた影響が円相場に波及し、日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の緩和的な金融政策との違いと日米金利差でも買われていたドルは円相場でさらに上昇した。

昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時151円11銭付近の始値で、米国ニューヨーク債券市場で米国10年債購入時の債券価格上昇に伴う利回り低下の影響で利回りが指標となる米国長期金利が一時4.22%台付近に一時低下後にまだ4.23%台に向けた反発を開始していた頃の昨夜21時8分頃の一時151円1銭付近は昨夜の米国市場の円の高値でドルの安値となったが、その後には米国長期金利は反発上昇に向かい、ドルは円相場で上昇を続けた。

昨夜21時30分に同時発表された最新米国経済指標の3月の米国フィラデルフィア連銀製造業景気指数は、前回の5.2から-2.3に低下する市場予想であったことに対してプラス圏の3.2と市場予想を上回り、昨年10〜12月の前四半期の米国経常収支も前回の-2003億ドルと前回修正の-1964億ドルと市場予想の-2090億ドルに対し-1948億ドルと赤字額が減り、前週分の米国新規失業保険申請件数も前回の20.9万件と前回修正の21.2万件と市場予想の21.5万件に対し21.0万件に改善され、前週分の米国失業保険継続受給者数も前回の181.1万人と前回修正の180.3万人と市場予想の182.0万人に対し180.7万人と市場予想よりも堅調であった。

続いて、昨夜22時45分に発表された3月の米国製造業購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) 速報値も前回の52.2と市場予想の51.7を上回る52.5で、欧州ではフランスもドイツも欧州ユーロ圏総合も同月の製造業PMIは市場予想以下かつ不景気と好景気の境界線の50を超えられなかったことに対して米国製造業PMIが強かったほか、3月の米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 速報値は前回の52.3と市場予想の52.0をやや下回る51.7ではあったものの、欧州ユーロ圏総合で唯一景気ボーダーラインの50を超えた欧州サービスPMIの51.1よりも堅調で、3月の米国総合購買担当者景気指数 (PMI) 速報値も前回の52.5ほどではなかったものの市場予想通りの52.2と景気ボーダーライン上の好景気側の指標と、欧州や英国よりも米国の方が景気影響によるインフレ圧が強いことが改めて意識された。

昨夜23時に発表された2月の米国景気先行指標総合指数の前月比も前回はマイナス圏だった-0.4%と市場予想の-0.2%に対してプラス圏の0.1%に上昇し、同時発表された2月の米国中古住宅販売件数の年率換算件数も、前回の400万件と市場予想の394万件を上回る438万件と、米国の根強いインフレ圧と高金利にも関わらず、景気の強さを示したことでも米国長期金利が一時4.29%台に向けて上昇し、日米金利差拡大による円売りドル買いや、主要通貨に対してもドルが買われたため、午前1時45分頃にドルは円相場で一時151円75銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、152円の手前には、日本政府と日本銀行 (日銀 / BoJ) による為替介入警戒への警戒感があることに加えて、テクニカル分析的な上値抵抗線であるレジスタンスラインが複数控えており、昨年2023年11月13日に記録した151円91銭付近や2022年10月21日に記録した151円95銭付近が意識され、昨日の日本市場で記録したこの時点での今年最高値の151円82銭を前にして、早期の利益確定や持ち高調整の抵抗が入り始めた。

しかし、同時進行していた米国ニューヨーク株式市場では、市場予想を上回る米国経済指標などを受けて、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株30種 (Dow Jones Industrial Average) とS&500種 (Standard and Poor’s 500) と米国ナズダック総合 (NASDAQ Composite) が二連日で史上最高値の記録を更新するなどの勢いで続伸していたため、株価上昇時のブル・マーケット (Bull / Market 強気市場) 特有のリスク選好のリスクオン (Risk-on) では、安全資産の米国債売りによる利回り上昇が起きていたほか、低リスク通貨の円が売られやすかったことでは、利益確定や調整後もドルは151円台後半で推移した。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の151円1銭付近から、円の安値でドルの高値の151円75銭付近の値幅約74銭で、今朝6時頃の米国夏時間のニューヨーク終値は151円62銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の150円26銭付近と比べて約36銭の円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場時間の今朝8時30分に、日本の最新重要経済指標が発表され、総務省の2月の日本全国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) は、前年同月比は前回の2.2%と市場予想の2.9%に対し2.8%と市場予想以下の上昇であったが、生鮮食料品を除くコアCPI指数は前回の2.0%に対し市場予想通りの2.8%で、食品とエネルギーを除くコアコアCPI指数では前回の3.5%と市場予想の3.3%に対しては3.2%と鈍化したものの、昨年2023年2月頃から実施された日本政府の電気代やガス代の価格抑制策から一年以上経過したことでは効果の弱まりなども指摘されたほか、日本銀行 (日銀 / BoJ) の「賃上げを伴う2%のインフレとの好循環」を見込む2%のインフレ率はやや上回っていた。

ただし、欧米の過去の大幅利上げ時の様な大幅なインフレではなく、市場予想以下もしくは想定以下であったことからは為替相場への影響は限定的で、今朝9時頃から今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時151円64銭付近であった。

今朝までの米国主要株価三指数が史上最高値の続伸と好調だった影響を受けた今日の日本の東京株式市場では、今日も朝から日経平均株価 (Nikkei Stock Average) が連日で史上最高値を更新したため、リスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りが起き、先述のスイス周辺の欧州ユーロや英国ポンドに対するドル買いの影響の波及もあって、今朝10時50分頃にドルは円相場で上昇し、前日高値の151円82銭を上抜けて、一時151円86銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録し、今年最大の円安ドル高を再び更新した。

しかし、昨年2023年11月13日の151円91銭付近や2022年10月21日の151円95銭付近のレジスタンスラインの手前からは、日本政府と日銀の為替介入警戒もあって、高値のドルの利益確定売りや安値の低リスク通貨の円の持ち高調整の抵抗が入り始めた。

午後15時台には、今日の日経平均株価にもやや利益確定売りなどの抵抗が入ったことから、一時の前日比200円超えの大幅高からはやや下げた前日比72円77銭高の4万888円43銭の終値をつけて大引けしたことや、日本市場と時間帯が近いアジア株式市場の中国のハンセンが前日比で大幅安の終値に向かったことや、上海総合指数も前日比で安値の終値に抜けていたため、アジア市場からのリスク回避のリスクオフ (Risk-on) や、午後からの欧州英国市場の参入を受けては、世界的な安全資産でもある米国債が買われた影響もあり、米国債券価格上昇に伴う利回り低下により米国長期金利が一時4.24%台付近に低下し、日米金利差縮小時の円買いや年内安値を記録後の安値圏からの低リスク通貨の円買いでは円相場が一時反発したため、午後15時58分頃に対ドルの円相場は一時151円26銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録したが、その後にはドルも円相場で反発した。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は151円42銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の151円23~24銭付近の前東京終値比で約19銭の円安ドル高になった。

今夜この後には、先日に米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) を終えたことで発言自粛期間のブラックアウト明けになった米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長や高官達の要人発言予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜22時頃からパウエル議長の発言予定、25時15分頃からバー副議長の発言予定、29時頃から米国アトランタ連銀のボスティック総裁の発言予定で、彼らは全員次回のFOMCの投票権を持っている。

一方、欧州ユーロの円相場は、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は163円87~89銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の165円23~25銭付近の前東京終値比では約1円36銭の大幅な円高ユーロ安であった。

主な要因は、前述の欧州利下げ時期予想による対ドルでの欧州ユーロ売りの影響が円相場に波及したほか、欧州経済指標の弱さによる欧州インフレ圧の鈍化予想に対して、米国経済指標が強かったほか、日本経済の底堅さも意識されていたため、年内安値を記録後の低リスク通貨の円がユーロに対しても買い戻されて反発した影響が見られた。

今日の夕方16時に発表された欧州ユーロ圏主要国ドイツの最新経済指標の1月の独輸入物価指数は、前月比が前回の-1.1%と前回修正の-1.0%と市場予想の-0.3%を上回る0.0%で、前年同月比も前回の-8.5%と前回修正の-7.0%と市場予想の-7.4%に対し-5.9%と、いずれも前回と市場予想ほどではなかったものの、マイナス圏の鈍化を示していた。

ただし、日本市場終了後の今夜18時の英国ロンドン外国為替市場時間に発表されたドイツの3月のIFO (Information and FOrschung / Institute for Economic Research / 経済研究所) 企業景況感指数は、前回の85.5と市場予想の86.0を上回る87.8であった。

ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0826〜1.0828ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.0925〜1.0926ドル付近の前東京終値比では約0.99セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、先述の通り、昨日のスイスのサプライズ利下げの影響により、経済や地理的に近い欧州中央銀行 (ECB) にも欧州利下げ時期が近づいているとの市場予想により、欧州通貨に対してドルが買われた影響が大きかった。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は190円81〜87銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の193円32〜38銭付近の前東京終値比では約2円51銭の大幅な円高ポンド安であった。

主な要因は、昨夜に英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE) が英国政策金利を据え置きしたものの、今回はタカ派の追加利上げ票がなく、近隣のスイスや欧州の影響もあり、英国にも利下げ時期が近づいてきているとの市場予想から、昨夜にも英国債券利回りが指標の英国長期金利が低下して対ドルでも英国ポンドが売られており、今日のポンド円相場では前日の大幅な円安ポンド高の上昇幅を大幅に円高ポンド安で元に戻すという「往って来い」になっていた。

なお、今日の午後16時に発表された最新英国経済指標の2月の英国小売売上高は、前月比が前回の3.4%と前回修正の3.6%と市場予想の-0.3%に対し0.0%で、前年同月比は前回の0.7%と前回修正の0.5%と市場予想の-0.7%に対し-0.4%と、英国景気懸念の市場予想ほどではなかったものの前回よりも低下していた。自動車を除くコアな前月比も、前回の3.2%と前回修正の3.4%と市場予想の-0.1%に対し0.2%で、前年同月比も前回の0.7%と前回修正の0.5%と市場予想の-0.9%に対し-0.5%であった。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年3月22日の日本時間(JST)20時48分(チャート画像の時間帯は、日本から時差で9時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の冬時間 (GMT / JST-9) の11時48分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、サマータイム制のある英国市場の英国夏時間 (BST / JST-8) への変更は3月最終日曜日の3月31日からであるが、米国市場では3月第二日曜日の3月10日から既に米国夏時間 (EDT / JST-13) になっており、日本市場や英国市場との時差が1時間変わっていることには注意が必要である。)

通貨ペア JST 20:48の為替レート 前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 151.58 〜 151.59 +0.35 (円安)
ユーロ/円 163.95 〜 163.96 -1.28 (円高)
ユーロ/ドル 1.0815 〜 1.0817 -0.0110 (ドル高)
英ポンド/円 190.66 〜 190.72 -2.66 (円高)
スイスフラン/円 168.25 〜 168.31 -2.45 (円高)
豪ドル/円 98.73 〜 98.77 -1.40 (円高)


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