FXニュース:米FOMC発表を控えた調整

2023年7月26日
FXニュース:米FOMC発表を控えた調整

 

東西FXニュース – 2023年07月26日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 日米欧の金融政策決定会合
  • 米FRBパウエル議長発言前
  • 米消費者信頼感指数が上昇
  • 重要イベント前の様子見も
  • 米NYダウ工業株12日続伸

今日2023年7月26日水曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時頃までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の安値でドルの高値141円18銭前後から円の高値でドルの安値140円60銭前後の値幅約58銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は140円67~68銭付近と、前日同時刻の昨夜17時の141円32~33銭付近の前東京終値比では約65銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、昨夜の英国ロンドン外国為替市場と今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場では、今夜この後の米国現地時間の7月26日 (日本時間では時差で明朝未明の7月27日午前3時頃) から、米国連邦準備制度理事会 (FRB) による今月の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の後の米国新政策金利と新金融政策の発表と、その半時間後からジェローム・パウエル議長の定例記者会見のビッグイベントを控えており、イベントを前にした利益確定や持ち高調整が進行し、結果が分かるまでのイベントリスクによるドルの買い控えや様子見の動きも出てきた。

今週には、明日7月27日の日本時間の夜21時15分に発表予定の欧州中央銀行 (ECB) 理事会の欧州新政策金利及び声明と、その翌日の7月28日の日本市場時間中に結果を発表予定の日本銀行 (日銀 / BoJ) の日銀金融政策決定会合のイベントが続くため、米欧日の新政策金利と金融政策発表の大イベントを控えた利益確定や持ち高調整も進んでいる。

その一方で、最新経済指標による値動きもあり、昨夜の欧州英国市場で発表された欧州ユーロ圏主要国のドイツの7月の独IFO景況感指数が市場予想を下回ったことでは欧州景気懸念によるユーロ売りが起き、対照的に堅調な米国経済指標の出ていた米国長期金利が一時3.92%台に上昇した影響もあり、世界的に流動性の高い安全資産のドルが買われ、景気懸念の欧州英国通貨に対するドルの上昇圧の影響の円相場への波及や日米金利差拡大時の円売りドル買いで、昨夜20時20分頃にはドルは円相場で一時141円73銭付近の欧州英国市場および日通しでのドル高値で円の安値を記録したが、米ドルのイベントリスクにより、テクニカル分析の前日高値の141円81銭付近のレジスタンスラインを前にした短期の利益確定売りが入り始め、141円台前半に下げた。

ただし、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場でも、昨夜22時に発表された最新米国経済指標の5月の米国ケース・シラー住宅価格指数の前年同月比が前回の-1.7%と市場予想の-2.2%に対し-1.7%と市場予想を上回り、5月の米国住宅価格指数の前月比も前回の0.7%と市場予想の0.6%に対し0.7%と市場予想以上であったことでは、再び141円台後半に向けたドルの買い戻しも入り、昨夜22時25分頃には一時141円60銭付近の米国市場の円の安値とドルの高値を記録したが、再びイベントリスクによるドルの利益確定売りと持ち高調整の安値の円買いが入り始めた。

続いて、昨夜23時に発表された米国コンファレンス・ボード (CB) による7月の米国消費者信頼感指数も、前回の109.7と前回修正の110.1と市場予想の111.8に対して117.0と市場予想を上回り、2021年7月以来のおよそ2年ぶりの高水準を記録し、同時発表の7月の米国リッチモンド連銀製造業指数も、前回の-7と前回修正の-8と市場予想の-10に対して-9と、市場予想よりも改善したことでは、堅調な米国経済を背景とした米国連邦準備制度理事会 (FRB) の米国利上げ長期化の可能性から、ドルが買われる値動きも再び入ったものの、利益確定売りや持ち高調整と混じって横ばいに近い値動きになった。

また、日本時間では現在夏時間で深夜0時頃にあたる英国現地時間のサマータイム15時 (冬時間には16時になり、日本時間では午前1時頃) の英国ロンドン市場のロンドン・フィキシング (London Fixing) の値決め時間にも、米10年債の利回りが上昇幅を縮めたこともあり、イベントリスクによるドル売りのフローが優勢になり、午前1時5分頃には一時140円85銭付近にドルが売られた。

しかし、テクニカル分析的な50日移動平均線の140円83銭や前日安値の140円76銭付近がサポートラインになり、安値のドルの買い戻しも入ったが、141円19銭付近に上昇後には再びイベントリスクによる短期の利益確定のドル売りや持ち高調整が入り、米国市場終盤には一時141円81銭付近まで押し戻された。

一方、米国株式市場では、株引け後に決算報告を控えていたナスダック (NASDAQ) のグーグル (Google) のアルファベット社 (Alphabet Inc. 株式コード : GOOGL / GOOG) やマイクロソフト社 (Microsoft Corp. : MSFT) の株が、人口知能 (AI) 関連などの投資家の期待買いで上昇したことが牽引材料となり上昇したほか、その後に発表されたグーグルの持ち株会社のアルファベット社の決算報告もクラウドサービスや広告収入が支えとなり、利益率が市場予想を上回り、時間外の先物も上昇している。

米国ニューヨーク (NY) ダウ工業株も、小幅ながらも12営業日連続で続伸したことでは、比較的リスクオン市場だったが、イベントリスクがあるために為替相場への値動きの影響では持ち高調整が優勢だった。

そのため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値141円60銭前後から円の高値でドルの安値140円81銭前後の値動きで、今朝6時頃のニューヨーク終値を140円90銭付近の前日同時刻の前ニューヨーク終値比で約58銭の円高ドル安でつけていた。

今朝8時50分には日本の最新経済指標の6月の企業向けサービス価格指数が発表され、前年同月比は前回の1.6%と前回修正の1.7%と市場予想の1.5%に対し1.2%と、市場予想よりも日本の企業向けサービス価格指数は鈍化していたことでは、日本銀行 (日銀 / BoJ) のサプライズ修正の可能性が低下したことでは、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場では、開場時にやや円売りドル買いも入ったが、米ドルのイベント前の利益確定売りや持ち高調整も続いた。

今朝9時55分の日本市場の仲値決済では、日本企業の輸入実需の円売りドル買いが優勢で、今朝10時54分頃には一時141円18銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

また、今朝10時半に発表されたオーストラリアの4〜6月の豪第2四半期消費者物価 (CPI) の前期比が、前回の1.4%と市場予想の1.0%に対し0.8%に鈍化し、豪ドル売りで米ドルなどが買われた影響も、円相場に波及していた。

しかし、今夜この後の米ドルのイベントを前にしたイベントリスクの利益確定売りや持ち高調整のトレンドは日本市場および日本と時間帯の近いアジアなどの世界市場でも進んでおり、また今日の日経平均株価が下げたことでも、低リスク通貨の円買い需要があった。

今日の午後14時に発表された日本の最新経済指標の5月の景気先行指数 (CI) の改定値は前回の109.5に対し109.2に低下したが、5月の景気一致指数 (CI) の改定値は前回の113.8に対し114.3であった。

午後15時15分には、今日の日本市場時間の東京株式市場で日経平均株価は3万2668円34銭の前日比-14円17銭安で大引けし、日本株安時の国内第一安全資産の低リスク通貨の円の買い戻しが強まり、15時35分頃には一時140円60銭付近の今日の日本市場での円の高値でドルの安値を記録した。

日本市場では、日本銀行 (日銀 / BoJ) の大規模緩和金融政策の修正も燻っており、サプライズ修正に備えた円の持ち高を調整する動きや、ロングポジションのドルの利益確定売りによりイベント前の持ち高を調整しておく値動きも続いていたことから、今朝の市場高値後のドルは円相場で下落し、特に午後からの欧州英国市場の参入では、今夜この後の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の結果発表の米国新政策金利と新金融政策の発表イベントと、パウエル議長の発言イベントを控え、イベントリスクの安全資産の米国債買いで利回りが低下した影響もあり、イベント前調整のドル売りの動きがより顕著になった。

そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は140円67~68銭付近で、昨夜17時の141円32~33銭付近の前東京終値比で約65銭の円高ドル安になった。

また、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、さらにイベント前の持ち高調整のドル売りが進行し、今夜18時28分頃には一時140円24銭付近にドルが売られている。

今夜この後には、米国経済指標の発表予定と米国に新政策金利発表などのビックイベントがあり、日本時間の今夜のスケジュールは、今夜20時に米国MBA住宅ローン申請指数、23時に6月の米国新築住宅販売件数、23時半に週間の米国原油在庫、27時に世界が注目する米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の新政策金利と声明の発表があり、続いて27時30半頃から市場注目度の高い米国連邦準備制度理事会 (FRB) のパウエル議長の定例記者会見での発言予定があり、イベント時の値動きには注意が必要である。

また、米国株式市場の株引後に、フェイスブック (Facebook) でお馴染みの米国メタ・プラットフォームズ (META) の決算報告予定もある。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は155円71~73銭付近で、昨夜17時の156円31~33銭付近の前東京終値比で約60銭の円高ユーロ安であった。

主な要因は、米ドルのイベントリスクの持ち高調整が原因で、円が基軸通貨のドルに対し上昇した影響が、他の主要通貨であるユーロにも円高として波及した。

また、今日の午後に発表された欧州ユーロ圏のフランスの最新経済指標の7月の仏消費者信頼感指数も市場予想以下で、欧州景気懸念でも低リスク通貨の円が買われていた。

ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.1067~1.1069ドル付近で、昨夜17時の1.1059~1.1061ドル付近の前東京終値比で約0.08セントのユーロ高ドル安だった。

主な原因は、今夜のイベントリスクの迫ったドルが、円などの他の主要通貨に対して利益確定売りによる持ち高調整で下げた影響がユーロにも波及していた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は181円50~56銭付近で、昨夜17時の181円62~68銭付近の前東京終値比で約12銭の円高ポンド安であった。

主な原因は、ユーロ同様に、今日の米ドルのイベントリスクを控えた持ち高調整で、低リスク通貨の円が主要通貨に対して上昇した影響が波及していた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2023年7月26日の日本時間(JST)19時23分(チャート画像の時間帯は英国ロンドン外国為替市場時間の夏時間 (GMT+1 / BST) 11時23分) の、人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:23の為替レート 日本市場前営業日17時の前東京終値時間比
ドル/円 140.36 〜 140.37 -0.96 (円高)
ユーロ/円 155.46 〜 155.47 -0.85 (円高)
ユーロ/ドル 1.1074 〜 1.1076 +0.0015 (ドル安)
英ポンド/円 181.17 〜 181.23 -0.45 (円高)
スイスフラン/円 162.78 〜 162.84 +0.19 (円安)
豪ドル/円 94.84 〜 94.88 -0.72 (円高)


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