FXニュース:米債務上限問題の議会採決控え

2023年5月30日
FXニュース:米債務上限問題の議会採決控え

 

東西FXニュース – 2023年05月30日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 高値を記録後のドルの利益確定
  • 日財務省と金融庁と日銀の会合
  • 米英瑞市場祝日明けの世界市場

今日2023年5月30日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時頃までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の安値140円93銭前後から高値139円97銭前後の値幅約96銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は140円26~28銭付近と、前営業日同時刻の前東京終値比で約18銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動き要因と世界FX市場のトレンド動向は、昨夜は米国、英国、スイス市場が祝日休場であったため、今朝までの米国ニューヨーク (NY) 外国為替市場相当時間の世界市場では、昨日の日本市場で2022年11月23日以来のおよそ半年ぶりの高値を円相場で記録後のドルには、米国現地が祝日連休で実需が少ないこともあり、世界市場の持ち高調整や利益確定売りが目立ち、米国市場相当時間に一時140円12銭付近に下落した。

また、米国連邦債務上限問題について、米国政府と野党の協議で基本合意には至ったものの、今月31日に米国議会での採決が予定され、まだ米国議会での正式承認が必要なため、もし承認されない場合にはデフォルトのリスクはまだ残っていることなどから、米国議会での結果が分かるまでのイベントリスクによる持ち高調整や様子見の値動きも入っていた。

市場安値の後には、ショートカバーのドル買いで反発はしたものの、世界三大市場の米英市場共に祝日休場中の時間であったため、世界市場での全体的な取引量が減っており、今朝6時頃のニューヨーク終値相当時間のドル円相場は140円45銭付近で、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値比では約15銭程度の円高ドル安になっていた。

今朝8時半には日本の最新経済指標の4月失業率が発表され、前回の2.8%と市場予想の2.7%に対し2.6%に改善され、4月有効求人倍率は前回と市場予想一致の1.32で、日本景気好感による安値記録後の円買いも入っていた。

今朝9時からの日本の東京外国為替市場では、今日は30日で日本企業の決済日が集中しやすい5と10がつく日の五十日であることから、今朝9時55分の仲値決済に向けては、昨日の前日本市場で一時140円92銭付近のおよそ半年ぶりの高値を記録後のドルには利益確定売りが入りやすくなっており、日本の輸出企業による円買いドル売りの方が輸入実需のドル買いよりも活発で、対ドルの円相場は今朝10時37分頃には一時139円97銭付近に上昇し、今日の日本市場での円の高値でドルの安値を記録した。

また、今朝の日本株式市場が一時下落を見せていた時にも低リスク通貨の円買い需要があったほか、午前中の日本市場時間の時間外の米国債券市場では安全資産の米国債券買いで米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時3.75%台に低下したことから、日米金利差縮小時の円買いドル売りも入っていた。

ただし、昼頃のニュースでは、参院財政金融委員会に主席した日本銀行 (日銀 / BoJ) の植田和男総裁が、「持続的、安定的な2%の物価上昇の達成には、まだ間がある」と発言し、大規模緩和金融政策を粘り強く続ける意向であることからは日米金利差拡大予想が強まった。

また、午後には今朝は一時下落していた日経平均株価が回復上昇し、15時台に3万1328円16銭の前日比94円62銭高で大引けすると、低リスク通貨の円売りとドルの買いが優勢になり、午後15時24分頃には一時140円93銭付近にドルが円相場で上昇し、今日の日本市場での円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、15時半頃には昨日のおよそ半年ぶりの円安ドル高記録も更新したことに加えて、昨年秋に日本政府と日本銀行 (日銀 / BoJ) が円買いの為替介入を実施した頃の円安の動きに近づいてきたことで市場での警戒感が高まってきていたところに、日本政府の財務省と金融庁と日銀が今夜17時半から情報交換の3者会合を開催するというニュースが流れたことで、イベントリスクが意識され、高値後のドルの利益確定売りと安値の円買いの勢いが強まり、円相場は140円台後半から前半へと急騰した。

午後からの欧州英国市場の参入でも、高値を記録後のドルには利益確定売りや持ち高調整が混ざっていたため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は140円26~28銭付近で、昨夜17時の前東京終値比では約18銭の円高ドル安になった。

今夜この後には、祝日連休明けの米国市場が開場予定で、最新の米国経済指標の発表や米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官の発言予定などがあり、日本時間の今夜22時に米国住宅インフレ指標の1~3月期四半期と3月の米国住宅価格指数と3月の米国S&P ケース・シラー住宅価格指数、23時には5月米国コンファレンス・ボード消費者信頼感指数、26時頃から次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権は持たないが米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官の米国リッチモンド連銀のバーキン総裁の発言予定などがあり、今夜の米国市場でのドルの値動きが注目されている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は149円96~98銭付近で、昨夜17時の前東京終値比では約71銭の円高ユーロ安になった。

ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0690~1.0692ドル付近で、昨夜17時の前東京終値比では約0.38セントのユーロ安ドル高であった。

原因は、昨夜の欧州市場では、時間帯の近い英国ロンドン市場やスイス市場が祝日休場で市場流動性は減っていたものの、開場中だった欧州ユーロ圏のドイツの独長期金利が低下したことを受けて、欧州市場後半と時間の重なる同様に祝日休場中だった米国市場相当時間には円やドルに対するユーロ売りが優勢で、今日の日本市場時間にも影響が及んでいた。

ただし、今日の米国長期金利の低下時にはドル売りもあったため、今夜その後の欧州英国市場ではユーロ安ドル高と横ばいレンジ圏付近から小幅な一時ユーロ高ドル安にも転じている時間が観測されている。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は173円28~34銭付近で、昨夜17時の前東京終値比では約3銭の小幅な円高ポンド安であったが、今夜その後には連休明けの英国ロンドン外国為替市場で投資実需などがあったほか、英国利上げ継続予想の日英金利差拡大予想などでも対円の英ポンド買いが再び強まり、円安ポンド高に転じている。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2023年5月30日の日本時間(JST)19時19分(チャート画像の時間帯は英国ロンドン外国為替時間の夏時間 (GMT+1 / BST) 11時19分) の、人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:19の為替レート 日本市場前営業日17時の前東京終値時間比
ドル/円 140.17 ~ 140.19 -0.27 (円高)
ユーロ/円 150.43 ~ 150.44 -0.24 (円高)
ユーロ/ドル 1.0730 ~ 1.0732 +0.0002 (ドル安)
英ポンド/円 174.12 ~ 174.18 +0.81 (円安)
スイスフラン/円 155.43 ~ 155.49 +0.17 (円安)
豪ドル/円 91.71 ~ 91.75 -0.12 (円高)


注意:

本ウェブサイトに記載されている全ての情報またリンク先を含めた情報は、情報提供を目的のみとしており、取引投資決定、及びその他の利用目的のために作成されたものではありません。取引投資種、外国為替取引業者の選択、売買価格投資等の全ての最終決定については、利用者ご自身のご判断において行われるようお願い致します。

当社は、当サイトに掲載した情報によって万一閲覧者が被った直接・間接的に生じた損失に関して一切責任を負わないものとします。また、当社および当社に情報を提供している第三者は一切責任を負うものではございませんので ご了承ください。万が一、当サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いません。当社はこのウェブサイトの掲載内容を予告なしに変更または廃止することがございますので、あらかじめご了承おきください。