FXニュース:米NY連銀製造業景気指数が上昇

2023年4月18日
FXニュース:米NY連銀製造業景気指数が上昇

 

東西FXニュース – 2023年04月18日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米NAHB住宅市場指数も想定以上
  • 米国債の長期金利のドルへの影響
  • 欧州英国市場のドル利益確定売り
  • 英週平均賃金の上昇でポンド高も

今日2023年4月18日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の安値134円70銭前後から高値134円21銭前後の値幅約49銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は134円20~21銭付近で、前日17時の前東京終値比で約16銭の円安ドル高であった。

ただし、今夜その後の欧州英国市場ではドルの利益確定売りの影響があり、ドル円は19時34分頃には前日比で横ばい圏や僅差の一時円高ドル安にも転じていたが、19時45分頃には再び円安ドル高にも戻している。

今日の為替相場の値動き要因と世界市場のトレンド動向分析はまず、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場で昨夜21時半に発表された最新米国経済指標の4月の米国ニューヨーク (NY) 連銀製造業景気指数が、前回マイナス圏の-24.6と市場予想の-18.0に対して5ヶ月ぶりのプラス圏の10.8に大幅に上昇したことを受け、米国景気好感によるドル買いが起きたことに加えて、安全資産の米国債売りの影響で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が上昇し、日米金利差拡大時の円売りドル買いが優勢になった。

続いて、23時に発表された米国経済指標で米国全土の住宅建設業社の景況感を示した4月の全米住宅建築業者協会 (NAHB) 住宅市場指数 (HMI) も、前回と市場予想の44を上回る45で4ヶ月連続の上昇を見せたことから米国長期金利が更に上昇し、一時3.604%付近の3月29日以来の高利回りになったことで、日米金利差拡大による円売りドル買いの勢いが増し、深夜前に一時134円57銭付近の3月15日以来の円安ドル高を記録した。

また、米国の利上げ抵抗要因だった景気懸念を後退させる最新の米国経済指標の発表を受けて、次回5月の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) での米国連邦準備制度理事会 (FRB) の0.25%の利上げ継続の市場予想が高まったことも、日米金利差拡大予想による円売りドル買いの原因となっていた。

ただし、およそ1ヶ月ぶりの円安ドル高を記録後には、高値のドルの利益確定と安値の円買いの抵抗が入ったほか、今朝5時に発表された2月の対米証券投資は前回の1831億ドルと前回修正の1832億ドルに対し280億ドルに減少していた。しかし、短期債を除いた2月の対米証券投資では前回の319億ドルに対し710億ドルに上昇を見せており、抵抗でのドルの下げ幅は限られていた。

そのため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場のドル円相場は、円の高値133円74銭前後から安値134円57銭前後の値動きで、今朝6時頃のニューヨーク終値を134円47銭付近の前営業日同時刻の前ニューヨーク終値比で約68銭の円安ドル高でつけていた。

その後に始まった今朝早朝のアジア・オセアニア等の世界FX市場と今朝9時からの今日の日本の東京外国為替市場でも、米国市場のトレンドを受け継いた最新の米国経済指標の改善などによる米国景気好感のドル買いと、米国長期金利上昇時の日米金利差拡大による円売りドル買いが優勢であった。

また、米国連邦準備制度理事会 (FRB) や欧州中央銀行 (ECB) や英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE) など欧米での次回利上げ継続予想が強まっている一方で、今朝は日本銀行 (日銀 / BoJ) の植田和男新総裁が就任後初の国会答弁で衆院財務金融委員会に出席し、金利抑制の日銀の国債買い入れオペについて、「あくまでも、2%の物価安定目標を実現するという金融政策運営上の必要から実施している」と発言したが、市場では新日銀総裁も金利抑制の大規模緩和金融政策を継続することが意識されており、日米の金融政策の方向性の違いからも日米金利差拡大予想の円売りドル買いが継続した。

日本市場の今朝9時55分の仲値決済でも、日本企業の輸入実需による円売りドル買いが優勢で、日米金利差拡大と拡大予想の円売りドル買いと重なったことから、今朝までの米国市場での円の安値付近でつけられていたFX投資系のストップロス (SL) やテイクプロフィット (TP) に達した形で円相場が下落し、今朝10時32分頃に一時134円70銭付近の3月15日以来の円安ドル高記録を更新した。

しかし、高値記録後のドルには利益確定売りの抵抗が入り始め、また午後には欧州英国市場の参入もあり、時間外の米国債権市場で米国景気好感のリスクオンの債権売りで利回りが上昇する一方で価格は低下していた米国債の安値買いの抵抗なども入り始めたことから、米国長期金利の上昇が低下に転じたことでは、日米金利差縮小時の円買いドル売りの抵抗要因となった。

また、午後15時に発表された英国の雇用統計で失業率はやや上昇したものの、10.4%の高インフレを受けて英国平均賃金が上昇したことでは、インフレ継続による英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE) の利上げ継続予想が強まり、ドルなどに対して英ポンドが上昇をしたことも、他の主要通貨であるドル円相場にもドル売りの影響が波及した。

ただし、今日の日経平均株価が年初来高値の2万8658円を記録したことでは、日本市場でもリスクオンにより国内第一安全資産の円が売られる機会もあった。

日本時間の午後16時台の欧州英国市場では、時間外の米2年債利回りが一時4.18%台付近に低下したことなどを受けたドルの利益確定売りが強まり、今夜17時の終値の頃に今日の日本市場での円の高値でドルの安値の134円20~21銭付近を記録したが、今朝までの円相場の下げ幅を縮める形になったため、前日比では円安ドル高の範囲内であった。

そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は134円20~21銭付近で、前営業日17時の前東京終値比で約16銭の円安ドル高になった。

その後にも英国ロンドン外国為替市場ではドルの利益確定売りが続き、日本市場での円の高値でドルの安値を更に更新し、18時21分頃や19時頃に一時134円6銭付近を記録し、また19時20~22分頃には下値ラインが瞬間的に数回133円99銭付近の前日比で横ばい付近から僅差で134円付近の一時円高ドル安に達する値動きの時間も観測されている。

今夜この後にも最新の米国経済指標の発表予定があり、日本時間の今夜21時半には3月の米国住宅着工件数と米国建設許可件数が発表される予定で、また26時頃からは次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) のボウマン理事の発言予定などがあり、今夜の為替相場の値動きに影響を与える可能性からFXトレーダー達に注目されている。

加えて、米国株式市場では米国主要企業の決算報告の時期にあたるため、今夜20時頃には米国銀行大手のバンク・オブ・アメリカの決算や、米国金融大手のゴールドマン・サックスの決算などが発表されるほか、市場明けの頃にも米国エンタメ系のネットフリックスなどの決算予定もあり、株式市場からの為替相場への値動きの影響の可能性も意識されている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は147円20~21銭付近で、昨夜17時の前東京終値比で約13銭の円高ユーロ安であった。

主な原因は、先週末におよそ1年ぶりと言われるユーロ高ドル安を記録後のユーロには利益確定や持ち高調整などのユーロ売りドル買いが入りやすくなっていたことの影響が、他の主要通貨である円相場にもユーロ安として波及した。

ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0967~1.0969ドル付近で、昨夜17時の前東京終値比で約0.24セントのユーロ安ドル高であった。

原因は、先述の最新の米国経済指標を受けた米国景気好感によるドル上昇の影響があり、また米国長期金利上昇時には米欧金利差拡大によるユーロ売りドル買いの影響もあった。

今夜18時には最新の欧州経済指標の発表もあり、欧州ユーロ圏の4月のZEW景況感調査は前回の10.0に対し6.4に低下し、ドイツの4月ZEW景況感調査の期待指数も前回の13.0と市場予想の15.3に対し4.1に低下したことも、欧州景気懸念によるユーロ売りの一因となった。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は166円79~85銭付近で、昨夜17時の前東京終値比で約40銭の円安ポンド高であった。

今日の午後15時頃に最新の英国経済指標が発表され、2月のILO方式の英国失業率は前回と市場予想の3.7%に対し3.8%で、3月の英国失業率は前回の3.8%に対し3.9%であったが、同時に発表された英国の週の平均賃金が10.4%の記録的な高インフレに対応するために市場予想を大幅に超えて上昇しており、経費節減の人員整理の一方で平均賃金は上昇を続けていることなどから、英国の高インフレが継続する市場予想から英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE) にも次回の英国利上げ継続予想が強まり、英国ポンド買いが強まった。

ただし、同時発表の3月の英国失業保険申請件数は前回の-1.12万件と前回修正の-1.88万件に対し2.82万件に増加していたことでは、欧州や英国の高インフレの景気懸念も燻る中で、日本市場の終値では低リスク通貨の円に対しては大幅な円安ポンド高になるまでには至らなかった。

しかし、今夜の英国ロンドン外国為替市場では、17時54分頃にポンド円は一時166円99銭付近に上昇し、昨年12月20日以来の167円台に迫る円安ポンド高も記録した。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2023年4月18日の日本時間(JST)19時34分(チャート画像の時間帯は英国ロンドン外国為替時間の夏時間 (GMT+1 / BST) 11時34分)の、人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:34の為替レート 東京外国為替市場前日比
ドル/円 134.03 〜 134.05 -0.01 (円高)
ユーロ/円 147.09 〜 147.11 -0.24 (円高)
ユーロ/ドル 1.0973 〜 1.0975 -0.0018 (ドル高)
英ポンド/円 166.71 〜 166.77 +0.32 (円安)
スイスフラン/円 149.47 〜 149.53 -0.15 (円高)
豪ドル/円 90.35 〜 90.39 +0.25 (円安)


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