FXニュース:米FRB高官発言で金利高止まり予想

2023年4月17日
FXニュース:米FRB高官発言で金利高止まり予想

 

東西FXニュース – 2023年04月17日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米ミシガン大予想インフレ率上昇
  • 米長期金利上昇で日米金利差拡大
  • 欧州中央銀行 (ECB) 利上げ予想

今日2023年4月17日月曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の安値134円21銭前後から高値133円70銭前後の値幅約51銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は134円3~4銭付近で、前営業日17時の前東京終値比で約1円82銭の大幅な円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動き要因と世界市場のトレンド動向分析は、まず先週金曜の夜から土曜の朝までの米国ニューヨーク外国為替市場で先週金曜の21時半に発表された最新の米国重要経済指標の3月の米国小売売上高の前月比は、前月の-0.4%と前月修正の-0.2%と市場予想の-0.4%に対し-1.0%に大幅に低下し、自動車を除いた小売売上高の前月比も前回の-0.1%と前回修正の0.0%と市場予想の-0.3%に対し-0.8%の市場予想以下で、同時発表だった3月の米国輸入物価指数と輸出物価指数も市場予想以下であったことでは、ドルが売られて円相場で一時132円21銭付近の市場安値を記録した。

しかし、前回の東西FXニュースでも予定をお伝えしていた先週金曜の夜21時45分頃からの米国連邦準備制度理事会 (FRB) のウォラー理事の発言では、「米国のインフレ率は依然として高すぎる」という米国利上げ継続予想を高めるタカ派の発言があり、またこの次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つウォラー理事が、「金融政策は市場予想よりもかなり長い期間、引き締まった状態に維持される必要がある」と発言したことを受けて、ドル売り要因だった米国利上げ後の早期の利下げ予想が後退し、利上げ後の金利高止まりの長期化予想が強まったことで、安値からのドルの買い戻しに加えて、米国長期金利が3.44%付近から3.53%付近に上昇し、日米金利差拡大による円売りドル買いが起きた。

また、同じく米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官の米国アトランタ連銀のボスティック総裁も、メディアのインタビューで5月の利上げを支持することを発言しており、相次いだ米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官達のタカ派発言で米国長期金利が上昇後も高止まり傾向を示しており、先週末の米国ニューヨーク債権市場で米国長期金利はその後にも3.51%付近の終値をつけたほか、日米金利差拡大時の円売りドル買いが優勢になった。

そして、先週金曜の夜23時に発表された最新米国経済指標の4月の米国ミシガン大学消費者態度指数の速報値が前回と市場予想の62.0に対し63.5に上昇したこともドル買い要因となり、特に米国消費者の1年先の期待インフレ率が前月の3.6%と市場予想の3.7%に対し4.6%と大きく上昇していたことで、日米金利差拡大予想の円売りドル買いの勢いが増し、先週末の土曜の午前2時前にはドルは円相場で一時133円84銭の市場高値を記録した。

そのため、先週金曜の夜から土曜の朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場のドル円相場の終値は133円79銭付近で、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値比で約1円21銭の大幅な円安ドル高で先週末の取引を終えていた。

週が明け、今週の世界FX市場と日本の東京外国為替市場でも、先週末の米国市場のトレンドを受け継ぎ、米国連邦準備理事会 (FRB) のウォラー理事など高官達のタカ派発言を受けた米国長期金利上昇による日米金利差拡大時の円売りドル買いが優勢であった。

また、今朝は欧州中央銀行 (ECB) の利上げ継続予想で対ユーロでも円相場が下げたため、その影響がドル円相場にも波及したことで、前日比で大幅な円安ドル高が継続した。

ただし、日本市場の今朝9時55分頃の仲値決済の前には、輸出企業や投資系の高値のドルの利益確定売りと安値の円買いの抵抗があり、今朝9時32分頃には前日比では大幅円安ドル高の範囲内ではあるが、今日の日本市場での円の高値でドルの安値の一時133円70銭付近を一時記録したが、直後の仲値決済では日本企業の輸入実需による円売りドル買いが優勢になり、再び円相場でドルが上昇した。

前述の米国連邦準備理事会 (FRB) の金融引き締め長期化予想では、米国長期金利上昇時の日米金利差拡大による円売りドル買いが続き、対ドルの円相場は今日の午後14時17分頃には一時134円21銭付近の今日の日本市場での円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、午後からは欧州英国市場の参入もあり、高値後のドルの利益確定売りと安値の円買いの抵抗も入り始めた。

そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は134円3~4銭付近で、前営業日である先週金曜17時の前東京終値比では約1円82銭の大幅な円安ドル高になった。

今夜この後にも最新米国経済指標の発表予定があり、日本時間で今夜21時半に4月の米国ニューヨーク連銀製造業景気指数、23時に4月の全米住宅建設業者協会 (NAHB) 住宅市場指数、29時に2月の対米証券投資などが予定されている。

また、米国ニューヨーク株式市場では先週末から米国企業の決算発表シーズンが本格化してきており、明日は金融系のゴールドマンサックスや米国大手ストリーミングサービスのネットフリック、明後日にはモルガンスタンレーやテスラなどの決算も発表される予定であるため、米国株式市場からの為替相場へのリスクオンやリスクオフなどの値動きの影響が出る可能性にもやや注意が必要である。

一方、今日のユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は147円32~34銭付近で、前営業日17時の前東京終値比で約1円3銭の大幅な円安ユーロ高であった。

主な原因は、欧州中央銀行 (ECB) 理事会の利上げ継続予想に対し、日本銀行 (日銀 / BoJ) の金利抑制の大規模緩和継続による日欧金利差拡大予想が優勢であることに加えて、他の主要通貨で基軸通貨でもある対ドルの円相場の大幅下落も、ユーロ円相場に影響が波及していた。

ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0990~1.0992ドル付近で、前営業日17時の前東京終値比で約0.75セントのユーロ安ドル高であった。

原因は同じく、ドル円での今日の大幅なドル高の影響がユーロドルにもドル高として波及したほか、米国連邦準備制度理事会 (FRB) のウォラー理事のタカ派の発言を受けた米国長期金利上昇と米国利上げ後の金利高止まりの長期化予想は主要通貨に対するドル買い要因になっていた。

なお、今夜この後には、日本時間で深夜24時頃から欧州中央銀行 (ECB) 理事会のラガルド総裁の発言予定も注目されている。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は166円32~38銭付近で、前営業日17時の前東京終値比で約30銭の円安ポンド高であった。

原因には、英国ポンドに高インフレ抑制のための利上げ継続予想があることで日英金利差拡大予想の円売りドル買いの影響に加えて、先述の利上げ継続予想のユーロや金利高止まり長期化予想のドルなど他の主要通貨に対する今日の円安の影響の波及が観測された。

今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、ドイツなどの欧州債の利回り上昇の一服感もあり、英国ポンドやユーロが対ドルで売られていたことの影響などで、前営業日比で大幅円安だったユーロにと比較すると小幅な円安だった英国ポンドでは、18時台には小幅な円高ポンド安に一時市場反転も見せていたが、19時台には再び円安ポンド高に転じている。

今日の東西FXニュース執筆終了時の2023年4月17日の日本時間(JST)19時19分(チャート画像の時間帯は英国ロンドン外国為替時間の夏時間 (GMT+1 / BST) 11時19分)の、人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:19の為替レート 東京外国為替市場前日比
ドル/円 134.12 〜 134.13 +1.91 (円安)
ユーロ/円 147.20 〜 147.22 +0.91 (円安)
ユーロ/ドル 1.0974 〜 1.0976 -0.0091 (ドル高)
英ポンド/円 166.36 〜 166.42 +0.34 (円安)
スイスフラン/円 149.96 〜 150.02 +0.36 (円安)
豪ドル/円 89.87 〜 89.91 +0.14 (円安)


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