FXニュース:米卸売物価指数 (PPI) も市場予想以下

2023年4月14日
FXニュース:米卸売物価指数 (PPI) も市場予想以下

 

東西FXニュース – 2023年04月14日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 最新米国経済指標を受けた円高ドル安
  • 米FRBの利上げ長期化予想の減退続く
  • 米インフレ鈍化と失業保険申請数増加
  • 欧州中央銀行利上げ予想でユーロ上昇

今日2023年4月14日金曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の安値132円63銭前後から高値132円19銭前後の値幅約44銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は132円19~21銭付近で、前日17時の前東京終値比で約83銭の円高ドル安であった。また、その後の欧州英国市場では17時2分頃に、一時132円17銭付近も記録した。

今日の為替相場の値動き要因と世界市場のトレンド動向分析はまず、昨夜の欧州英国市場ではドルは円相場で21時過ぎに一時133円39銭付近の日通し高値を一時記録したものの、21時半に米国ニューヨーク外国為替市場で発表された最新米国重要経済指標の3月の米国卸売物価指数 (PPI) の前年同月比が前回の4.6%と前回修正の4.9%と市場予想の3.0%に対し2.7%に鈍化し、前月比も前回の-0.1%と前回修正と市場予想の0.0%に対し-0.5%に低下し、食品とエネルギーを除く米PPIコア指数の前年同月比は前回の4.4%と前回修正の4.8%に対し市場予想通りの3.4%であったが、前月比では前回の0.0%と前回修正の0.2%と市場予想の0.3%に対し-0.1%と想定外の鈍化を示したことで、米国インフレ抑制のための米国連邦準備制度理事会 (FRB) の利上げ長期化予想が減退し、日米金利差縮小予想の円買いドル売りが起きたほか、米国長期金利が低下し、欧州ユーロや英国ポンドなどの利上げ継続予想の他の主要通貨に対してもドルが売られ、一時ドル全面安を記録した。

同時発表の前週分の米国新規失業保険申請件数も前回の22.8万件と市場予想の23.2万件に対し23.9万件で、米国失業保険継続受給者数も前回の82.3万人と市場予想の181.4万人に対し181.0万人に悪化しており、米国のインフレ鈍化に加えて、堅調だった米国労働市場を背景とした米国利上げ継続への抵抗要因も増えたことで、前日の米国消費者物価指数 (CPI) の鈍化に加えての最新米国経済指標を受けたドル売りが優勢になり、ドルは円相場で昨夜23時前に一時132円2銭付近の日通しの安値を記録した。

ただし、同時進行だった米国ニューヨーク株式市場では、米国金利上昇による企業決算への影響の警戒の緩和などで米国主要3株価指数が軒並み上昇を示し、リスクオン市場になり、低リスク通貨の円が利益確定などで売られる抵抗が入った。

また、投資用などの安値のドル買いの抵抗も加わり、特に同じく同時進行だった米国ニューヨーク債権市場でも安全資産の米国債売りの後の安値の米国債買いも入ったため、米10年債の利回りが指標となる米国長期金利は一時3.36%台付近に低下した後に、再び3.45%台に反発上昇したことでは円相場でドル買いが進み、132円台後半に下げ幅を縮めた。

そのため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場のドル円相場は、円の安値133円39銭前後から高値132円3銭前後の値動きで、今朝6時頃のニューヨーク終値を132円58銭付近の前営業日同時刻の前ニューヨーク終値比で約55銭の円高ドル安でつけていた。

その後に始まった今日の日本の東京外国為替市場でも、今朝9時55分頃の日本市場の仲値決済に向けて9時44分頃に記録した132円63銭付近が今日の日本市場のドル円相場での円の安値でドルの高値になり、前述の最新米国経済指標を受けた日米金利差拡大予想の減退により、日米金利差縮小予想による円買いドル売りが続いた。

ただし、先述の米国株価上昇の影響もあり、今日は日経平均株価も大幅な上昇を示したことでは、低リスク通貨の円が利益確定や持ち高調整などで売られる抵抗が混ざったのは、今日の日本市場でも同様であった。

また、今夜この後には最新米国経済指標の発表が続き、重要度の高い3月の米国小売売上高や、4月ミシガン大学消費者態度指数など発表が予定されているため、イベント前のドル円の持ち高調整と買い控えや様子見なども抵抗要因となった。

しかし、午後からの欧州英国市場の参入でも、欧州中央銀行 (ECB) 理事会の高官達のタカ派発言などで利上げ継続予想のある欧州ユーロや、10.4%の高インフレの対策で利上げ継続が予想されている英国ポンドに対し、次回で利上げ終了予想も浮上している米ドル売りの影響の波及があり、再び円相場でもドル安が進んでいたところで、今日17時の日本の東京外国為替市場の終値をつけた。

そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は132円19~21銭付近で、昨夜17時の前東京終値比で約83銭の円高ドル安になった。

今夜この後にも最新の米国経済指標の発表予定があり、日本時間で今夜21時半に重要度の高い3月の米国小売売上高が発表されるほか、3月の米国輸入物価指数と米国輸出物価指数も同時発表されるため、イベント時の値動きには注意が必要である。また、22時15分には3月の米国鉱工業生産と米国設備稼働率、23時には市場での注目度が増えている最新4月の米国ミシガン大学消費者態度指数と、2月の米国企業在庫なども発表される予定である。

さらに、今夜21時45分頃から米国連邦準備制度理事会 (FRB) ウォラー理事の発言予定があり、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ主要メンバーであるために、FXトレーダー達に今夜の為替相場の値動き予想材料として注目されている。

米国ニューヨーク株式市場でも、米国主要企業の決算発表予定があり、今夜20時頃に米国金融大手のJPモルガン・チェース (JPM) の決算報告や、22時頃に米国シティバンクを傘下に持つシティグループ (C) の決算など、米国株価に影響を与える可能性の高いイベントの予定があり、米国株式市場からのリスクオンやリスクオフの為替相場への影響の可能性なども注視されている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は146円28~29銭付近で、昨夜17時の前東京終値比で約3銭の僅差の円高ユーロ安であった。主な原因は、基軸通貨で主要通貨のドルに対する円高の影響が波及していた。

しかし、今夜その後の18時台の欧州英国市場では、欧州中央銀行 (ECB) 高官達のタカ派発言の影響などもあり、欧州利上げ継続予想による日欧金利差拡大予想の円売りユーロ買いや、欧米株価上昇時のリスクオン市場でのユーロ買いや、OPEC+減産の影響などによる原油高の影響の日本の貿易赤字リスクによる低リスク通貨の円の持ち高調整売りの影響などで、円安ユーロ高に転じている。

ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.1064~1.1066ドル付近で、前日17時の前東京終値比で約0.65セントのユーロ高ドル安であった。

原因はやはり、最新の米国経済指標の発表を受けて、利上げ継続予想の欧州ユーロに対し、次回で利上げ終了の予想も出ている米国ドルという欧米金利差予想の影響が大きかった。

昨夜も、欧州中央銀行 (ECB) 理事会メンバーのドイツ連銀のナーゲル総裁や、ベルギー中央銀行のウンシュ総裁などの欧州の利上げ継続を示唆する発言が相次いていた。

今日の午後15時に発表された欧州ユーロ圏の最新経済指標のドイツの3月独卸売物価指数 (WPI) の前月比も、前回の0.1%に対し0.2%に上昇し、15時45分のフランスの3月仏消費者物価指数 (CPI) の改定値も、前年同月比が前回と市場予想の5.6%に対し5.7%で、前月比も前回と市場予想の0.8%に対し0.9%に上昇していた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は165円59~65銭付近で、昨夜17時の前東京終値比で約44銭の円高ポンド安であった。

昨夜の英国ロンドン外国為替市場では、米国インフレ指標の鈍化を受けたドル売りで英国ポンドは対ドルで一時1.2534ドル付近に上昇し、昨年6月以来のポンド高ドル安水準を記録したが、今日の夕方の英国ロンドン外国為替市場では英国ポンドの利益確定売りが入った影響や、オセアニア通貨に対するドル買いなどの影響の波及などもあり、円相場でも英国ポンドが下落した。

特に、今日の英国ロンドン外国為替市場の参入が本格化した現地の朝にあたる日本時間の今日の午後16時台から17時台にかけては、英国ポンドに円相場で利益確定などのまとまった売りが入り、166円台から165円台に一時急落を見せていた。

今日の東西FXニュース執筆終了時の2023年4月14日の日本時間(JST)19時2分(チャート画像の時間帯は英国ロンドン外国為替時間の夏時間 (GMT+1 / BST) 11時2分)の、人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:14の為替レート 東京外国為替市場前日比
ドル/円 132.46 〜 132.47 -0.56 (円高)
ユーロ/円 146.50 〜 146.52 +0.19 (円安)
ユーロ/ドル 1.1058 〜 1.1060 +0.0059 (ドル安)
英ポンド/円 165.66 〜 165.72 -0.37 (円高)
スイスフラン/円 149.14 〜 149.20 +0.11 (円安)
豪ドル/円 89.70 〜 89.74 -0.24 (円高)


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