FXニュース:米イラン経済戦争警告
2026年8月21日
東西FXニュース – 2026年08月21日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米製造業景況指数改善
- 米イランに新経済制裁
- 米24日に新制裁発表
- イラン米を「経済テロ」
- 米原油と長期金利上昇
- 日米主要株価指数下落
今日2026年8月21日金曜日の日本東京外国為替市場の今朝9時から今夜17時までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の159円14銭付近から、円の高値でドルの安値の158円74銭付近の値幅40銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は158円81銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の158円47銭付近の前東京終値比で約34銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と市場時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、前日の米国債券バイバック増額計画発表後に米国10年債券利回りが指標となる米国長期金利が低下していた債券利回りの金利差トレードの影響では、昨夜18時22分頃にドルは円相場で一時158円20銭付近に売られていたが、中東情勢の長期化への警戒感が高まり、昨夜20時台のコモディティ (Commodity / 商品先物) 市場では米国WTI (West Texas Intermediate / ウエスト・テキサス・インターミディエート) 原油先物価格が一時1バレル87ドル付近に上昇したため、世界的に流動性が高い基軸通貨で原油などの主要取引通貨のドル買いが入ったことに対し、日本の貿易コスト警戒に加えて日本政府の高市早苗政権の拡張的な積極財政に警戒した円売りが起きたほか、世界的なエネルギー・インフレ圧に連れて米国長期金利が反発し、昨夜20時53分頃の一時4.700%付近と4.7%台に乗せて上昇した債券利回りの日米金利差を受けた円売りドル買いも入り、昨夜20時53分頃のドルは円相場で一時158円71銭付近に反発上昇した。
昨夜の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時158円66銭付近であったが、前日に米国政府のドナルド・トランプ大統領が、イランへのかつてない程の強力な経済制裁を示唆した後に、「イランに何らかの形で支援を提供する国には、経済的な影響がある」とも発言して「経済戦争」 について警告していた影響などもあり、それに対してイラン・イスラム共和国外務省は「イランの一般国民を標的とする『経済テロ』で、人道に反する罪に相当する」と米国の経済制裁を非難する反抗姿勢を見せており、中東情勢の長期化と影響の拡大などへの警戒感が高まり、世界的なエネルギー主要輸送ルートのホルムズ海峡や紅海などの原油供給懸念が再燃し、一時1バレル87ドル前半から上昇を続けていた米国WTI原油先物価格が昨夜21時21分頃に一時1バレル87.69ドル付近の87ドル台後半に向けていたエネルギー・インフレ圧警戒で、昨夜21時5分頃の米国長期金利が一時4.713%付近と更に上昇したことに連れて、昨夜21時6分頃のドルも円相場で一時158円80銭付近に上昇していた。
昨夜21時30分の米国市場では複数の最新米国経済指標の同時発表があり、8月米国フィラデルフィア連銀製造業景気指数は前回の41.4と市場予想の25.0を上回る47.4に上振れし、市場予想に反して前回から改善された上昇を見せたことから、世界的なエネルギー・インフレ圧に加えて景気要因の米国インフレ圧も市場予想以上となる可能性が意識され、発表後の米国長期金利が一時4.714%付近で高止まりしたほか、物価安定と雇用最大化の二大責務を掲げる米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国利上げの抵抗要因となり得る米国雇用市場のリスクバランスも、前週分米国新規失業保険申請件数が前回の20.9万件と前回修正の21.2万件と市場予想の21.0万件よりも堅調な20.6万件に改善されており、前週分米国失業保険継続受給者数は前回の177.7万人と前回修正の178.1万人と市場予想の179.0万人に対し179.9万人と軟調ではあったものの、一時抵抗を交えたドルは円相場で再び上昇に向け始めて、昨夜22時59分頃のドルは円相場で一時158円84銭付近と更に上昇した。
続いて、昨夜23時に発表された7月米国景気先行指標総合指数の前月比が、前回マイナス圏だった−0.2%が−0.1%に上方修正された上で市場予想の0.1%を上回るプラス圏の0.2%に上昇するなど市場予想以上であったことも、市場予想以上の米国景気影響のインフレ圧が意識されたことから円売りドル買いの為替相場に影響を与え、昨夜23時15分頃のドルは円相場で一時158円90銭付近への上昇を続けていた。
ただし、昨夜23時24分頃に米国WTI原油先物価格が一時85.68ドル付近に上昇幅を縮小する抵抗を交えたことでは、原油に連れやすい米国長期金利も一時4.7%台割れを起こしたほか、深夜24時頃の米国CNBCテレビの番組では米国政府のスコット・ベッセント財務長官が、米国財務省が前日8月19日発表した米国債買い入れ消却のバイバック (Buyback) 計画について、「1回あたりの米国債買い入れ規模が40億ドルを超える可能性がある」と発言した影響もあり、深夜24時5分頃に米国長期金利が一時4.687%付近にまで下押しすると、深夜24時6分頃のドルも円相場で一時158円50銭付近に上昇幅を縮小し、同米国市場における円の高値でドルの安値を記録した。
しかし、スコット・ベッセント米国財務長官は、「イランに対する『史上で最も厳しい経済制裁』を講じる方針」について改めて言及し、「イラン政権を崩壊させる」と表明して米国のイランへの新経済制裁について、「8月24日に記者会見を開いて発表する」と具体的な計画を明らかにし、「我々はイランに対する海上封鎖を実施しており、二段構えの措置となる。史上最も厳しい経済制裁措置を講じるつもりだ」と述べ、さらに同盟国と連携してイランを経済的に孤立させる措置を講じるとして、「今こそ同盟国と世界の他の国々が決断を下すべき時だ」と語ったほか、中国に対しても連携を促し、「国際的な経済制裁により、イランへの大規模軍事行動の必要性が低下する」との認識なども示したため、中東情勢の緊迫化に加えて世界的な影響拡大の警戒感が市場で高まった「有事のドル買い」が起きてドルは円相場で反発上昇し、深夜24時41分頃に米国長期金利が一時4.714%付近に再上昇した金利差の影響もあり、深夜24時44分頃のドルは円相場で一時158円98銭付近に上昇した。
米国ニューヨーク債券市場で午前2時に米国30年物価連動国債 (TIPS / Treasury Inflation-Protected Securities) の入札に絡む債券買いがあったことは一時抵抗となったが、米国債入札後の午前2時40分頃には米国長期金利が一時4.711%付近に反発するなど再び4.7%台に乗せていたため、連れてドルも円相場で反発上昇し、午前3時頃にドルは円相場で一時159円18銭付近と159円台に買われ、同米国市場における円の安値でドルの高値を記録した。
一方、米国長期金利の再上昇を受けて金利警戒感が高まった米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃って下落してマイナス圏の終値引けに向けていたことでは、米国主要株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) による安全資産の米国債の買い戻しの抵抗もあったことでは、米国債券価格上昇時の利回り低下を受けて米国長期金利が上昇幅を縮小し、市場高値後のドルの利益確定や持ち高調整の影響もあってドルは円相場で上昇幅を縮小したが、中東情勢の影響による原油先高観なども根強く、ドルは円相場で前ニューヨーク終値比の円安ドル高のニューヨーク終値に向けた。
このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の値動きは、円の高値でドルの安値の158円50銭付近から、円の安値でドルの高値の159円18銭付近の値幅約68銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は159円5銭付近と、前営業日同時刻の158円17銭付近の前ニューヨーク終値比で約88銭の円安ドル高をつけていた。
今朝早朝のオセアニア市場では、オセアニアのオーストラリアの主要貿易先であり、昨年のデータではイランが海上輸送する原油の80%以上を購入していたとされる中国の在米中国大使館報道官が、中国などに対しても国際連携を促していたスコット・ベッセント米国財務長官の発言の後に、「イラン問題に関して、経済制裁や圧力は問題解決の助けにはならない。中国は関係各国に対して責任ある行動を取り、政治的・外交的手段を通じて問題を解決する様に呼びかける」とコメントしたことへの市場反応などがあり、米中関係懸念やイランに対する米国の経済戦争拡大への警戒感などからドル売りが入り、今朝8時49分頃のドルは円相場で一時158円87銭付近と158円台後半に上昇幅を縮小していた。
また、トルコとエジプトとカタールの3カ国も、パレスチナ自治区ガザの和平実現に向けた仲介国の努力に対し、イスラエルが攻撃を継続していることを非難する共同声明を発表し、イスラエル軍の攻撃でガザ地区で8月19日以降に少なくとも16人のパレスチナ人が死亡したとして、イスラエルに停戦合意義務の履行と緊張を高める可能性がある行動を控えるよう要求し、ドナルド・トランプ米国大統領が、ガザ和平計画の履行を監視するため設置した国際機関の平和評議会と国際社会に対して、「ガザでの戦闘終結に向けた包括的計画実施に向けた集中的な取り組みが進められているこの重要な局面において、イスラエルが攻撃を激化させていることは、地域的国際的な取り組みを損なう」と非難し、国際問題への発展が警戒された。
米国政府のドナルド・トランプ大統領が、「イランを支援する国々に対する報復措置」を警告していた影響などもあり、「史上で最も厳しい経済制裁」が拡大する可能性なども警戒された一方で、米中関係悪化などの国際問題に発展する場合にはドル信認懸念が起きる可能性もあることなどから、今朝早朝のアジア・オセアニア時間にはドル売りが入りやすかった。
その影響から、続いて今朝9時頃から始まった今日の日本東京外国為替市場の対ドル円相場の始値も一時158円90銭付近と158円台であった。
しかし、日本市場では、原油先高観の影響などもあって日本企業の輸入実需の円売りドル買いや準備金などの主要取引通貨としてのドル需要などが158円台では入りやすくなり、今朝9時55分の仲値決済後の今朝10時3分頃のドルは円相場で一時159円13.6銭付近と約159円14銭に買われ、今日の日本市場における円の安値でドルの高値を記録した。
ただし、今朝早朝に米国主要株価三指数が揃って安値引けしていた影響では、東京株式市場では今日の日経平均株価がマイナス圏に下げて始まり、今朝10時台に下げ幅を拡大した時間があったため、日経平均株価下落時のリスク回避のリスクオフの国内第一安全資産の低リスク通貨の円の買い戻しが入り始めたほか、輸入企業の円売りドル買いの後には国内輸出企業の円買いドル売りなども入りやすかったこともあり、市場高値後のドルの利益確定や持ち高調整の影響などもあり、ドルは円相場で158円台後半に向けた上昇幅縮小を始めた。
午後15時30分頃に今日の日経平均株価はマイナス圏の推移を続けた後に、今朝の一時の下げ幅は縮小していたものの6万6016円36銭の終値をつけて前日比200円43銭の終値をつけて−0.30%の小幅安で大引けし、午後からの欧州市場と夕方からの英国ロンドン外国為替市場参入後の夕方16時50分頃には、この時間の米国WTI原油先物価格が一時86.20ドル付近と86ドル台前半に上昇幅を縮小したことに連れて、米国長期金利も一時4.698%付近と4.7%台割れを起こしたため、夕方16時50分頃のドルは円相場で一時158円73.6銭付近と約158円74銭付近に売られ、今日の日本市場における円の高値でドルの安値を記録した。
とはいえ、中東情勢の影響による世界的なエネルギー・インフレ圧などへの警戒感も根強く、米国長期金利が4.7%台に反発し、今夜17時の東京終値の頃に一時4.704%付近に再上昇した金利差トレードの影響では、市場安値後のドルも円相場で連れて反発していた。
このため、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は158円81銭付近で、昨日17時の158円47銭付近の前東京終値比で約34銭の円安ドル高となった。
今夜この後の米国市場では、景気関連の最新米国経済指標の発表予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールでは、今夜22時45分に8月米国製造業購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) 速報値と8月米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 速報値と8月米国総合購買担当者景気指数 (PMI) 速報値を控え、先行して比較可能な景気指標が欧州や英国でも発表されることから注目されている。
世界市場では、引き続き、米国とイランとイスラエルとレバノンと周辺国および仲介国や関連国のパキスタンやオマーンなどの中東情勢と、原油などの世界的なエネルギー主要輸送ルートのホルムズ海峡と主要産油国サウジアラビアとイエメンの親イラン武装組織フーシ派の紅海とバブ・エル・マンデブ海峡などの中東情勢のニュース続報が注視されており、原油などのコモディティと債券利回りや株式市場の為替相場への影響と、ロシアとウクライナ情勢の続報や、米中関係および日中関係などの世界情勢と世界の政治・経済のニュースとドナルド・トランプ米国大統領や高市早苗首相と各国政府・中央銀行関係者等の要人発言などのファンダメンタルズの分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共に、世界のFXトレーダー達の為替相場の値動きの市場予想材料となっている。
一方、 欧州ユーロは、今日17時の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は185円68銭付近でと、前営業日同時刻にあたる昨日17時の185円28銭付近の前東京終値比で約40銭の円安ユーロ高であった。
主な要因は、原油高による世界的なエネルギー・インフレ圧を受けて欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) の早期欧州利上げ予想が意識され、それに対して早期日銀利上げ予想の一方で、原油高を受けた日本の貿易赤字リスク増加と日本政府の高市早苗政権の積極財政警戒の円売り要因が意識されてやすかったことなどから、欧州ユーロや英国ポンドが円相場でドル円の円安の外貨影響の波及もあって上昇していた。
そのため、英国ポンドも、今日17時の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は216円64銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の215円89銭付近の前東京終値比で約75銭の円安ポンド高であった。216.64ユーロドルは、今日17時の東京外国為替市場の終値は1.1692ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.1692ドル付近の前東京終値比と同じ横ばいレンジ圏であった。
主な要因は、原油高を受けた有事のドル買いに対して、早期欧州利上げ予想の欧州ユーロ買いなどもあったことから値動きがやや拮抗していた。
ただし、今夜その後の欧州英国市場では、今夜20時台に米国債の大規模な買い戻しが起きた時間があったため、米国債券価格上昇時の利回り低下を受けて米国長期金利が再び一時4.7%台割れを起こすと、債券利回りの金利差トレードでユーロ高ドル安にも転じている。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2026年8月21日の日本時間 (JST / Japan Standard Time) 20時19分 (チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / GMT+1 / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場の12時19分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。欧州英国市場は2026年3月29日日曜日〜2026年10月25日日曜日が英国夏時間となり、米国でも2026年3月8日日曜日〜2026年11月1日日曜日が米国夏時間で共にサマータイム入りしており、冬時間の頃と比較すると日本時間と1時間の時差短縮の調整があったことには注意が必要である。
| 通貨ペア | JST 20:19の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00東京終値比 |
| ドル/円 | 158.71 〜 158.73 | +0.26 (円安) |
| ユーロ/円 | 185.76 〜 185.81 | +0.53 (円安) |
| ユーロ/ドル | 1.1703 〜 1.1705 | +0.0013 (ドル安) |
| 英ポンド/円 | 216.69 〜 216.75 | +0.86 (円安) |
| スイスフラン/円 | 198.58 〜 198.64 | +0.21 (円安) |
| 豪ドル/円 | 113.63 〜 113.67 | +0.80 (円安) |
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