FXニュース:ドル円一時163円超え
2026年7月22日
東西FXニュース – 2026年07月22日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 中東緊迫化有事のドル
- トランプ攻撃予告続く
- 1986年以来円安更新
- 日財務相達の口先介入
- 日銀利上げペース報道
- 明日欧ECB理事会控え
今日2026年7月22日水曜日の日本東京外国為替市場の今朝9時から今夜17時までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の163円21銭付近から、円の高値でドルの安値の162円67銭付近の値幅約54銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は162円91銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の162円61銭付近の前東京終値比で約30銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と市場時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、 日本政府の経済財政運営と改革の基本方針の骨太の方針と日本成長戦略を閣議決定で日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の独立性配慮の修正が市場観測の想定範囲内の注釈程度に留まり、高市早苗政権の拡張的な積極財政による財政懸念の高市トレードの円売り要因が維持された一方で、中東情勢の米国とイランの攻撃応酬激化への警戒感が続き、世界的な原油などのエネルギー主要輸送ルートのホルムズ海峡封鎖に続き、その迂回ルートでサウジアラビアの石油輸出港などが位置していた紅海のバブ・エル・マンデブ海峡 (Bab al-Mandab Strait) もイエメンの親イラン組織フーシ派が即時封鎖を宣言した原油供給懸念が高まり、昨夜20時52分頃のコモディティ (Commodity / 商品先物) 市場で米国WTI (West Texas Intermediate / ウエスト・テキサス・インターミディエート) 原油先物価格が一時84ドル付近に上昇し、世界的に流動性が高い基軸通貨で原油などの主要取引通貨のドルに「有事のドル買い」が起きたため、昨夜20時34分と52〜58分頃にかけてドルは円相場で一時162円75銭付近に上昇していた。
中東情勢のニュース続報を受けては、中東と地理的に近い地域などがある欧州ユーロ圏の地政学リスク回避の欧州ユーロ売りに対する安全資産も世界的に流動性が高いドルであったことから、ドル円に162円台後半での日本政府と日銀の為替介入警戒感の抵抗が混ざる中でも、ユーロドルなどの他の主要通貨へのドル上昇の外貨影響が対ドル円相場に波及していた。
時間外の米国債券取引でも、原油高を受けた世界的なエネルギー・インフレ圧の影響や米国景気要因のインフレ圧などによるインフレの抑制のために今年年内の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国利上げ予想が再び市場で意識されたことなどから、米国10年債券利回りが指標となる米国長期金利が4.6%台に上昇しており、昨夜20時11分頃には一時4.610%付近にも達していたことなどから債券利回りの日米金利差トレードの円売りドル買いも為替相場に影響を与えていたが、世界的な安全資産としての米国債の買い戻しの抵抗も入ったことや、欧州インフレ懸念による欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会にも今年年内の欧州利上げの可能性が意識されたことは欧米金利差予想の抵抗となったほか、米国市場に向けて買い戻された米国債券価格に連動して米国10年債の利回りが昨夜20時59分頃に一時4.606%付近と上昇幅を4.61%台から4.60%台にやや縮小した時間があったことでは、ドルも円相場で上昇幅を一時やや縮小した。
その影響から、欧州市場と英国市場の後半にあたる昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時162円73銭付近となり、昨夜21時台に米国WTI原油先物価格が一時1バレル83ドル台前半にまで戻す一時抵抗を交えていたエネルギー・インフレ圧に連れて、昨夜21時台に米国長期金利も一時4.601%付近まで上昇幅を縮小した債券利回りの金利差トレードの影響の抵抗があったことでは、昨夜21時51分頃のドルは円相場で一時162円69.8銭付近と約162円70銭に上昇幅を縮小し、この時間が同米国市場における円の高値でドルの安値となっていた。
しかし、中東情勢のニュース続報では、前日の米国政府のドナルド・トランプ大統領の報復警告と米国軍の連日攻撃の後にも、「イラン軍が湾岸地域の米軍施設を攻撃している」と報道されたほか、米国国務省が全世界の米国民と関連施設向けに、「中東地域以外でも米国の外交施設が攻撃の標的とされてきた」として「世界各地の米国や米国人に関連する施設がイランを支持する勢力の標的とされる可能性がある」という注意喚起を発出したことを、日本の外務省なども海外渡航情報として欧米などの日系企業および金融機関などに通知するなど、中東情勢の緊迫化と更なる攻撃拡大が世界的に警戒され、一時1バレル83ドル台に戻す抵抗を交えていた米国WTI原油先物価格が一時バレル84ドル台後半に反発上昇し、昨夜23時35分頃の一時1バレル85.03ドル付近の85ドル台に向けた更なる上昇を見せたため、原油先高観に連れて米国長期金利も昨夜22時41分頃には一時4.641%付近に上昇しており、その後も4.63%台付近の高止まりを見せていたため、債券利回りの金利差トレードの主要通貨に対するドル買いが起き、昨夜23時54分と57分頃のドルは円相場で一時163円4銭付近と、1986年12月以来の円安ドル高の163円台に乗せて上昇した。
さらに、米国政府のドナルド・トランプ大統領の発言が話題になり、イランの主要ウラン濃縮施設のナタンズ核施設 (Natanz Nuclear Facility) 付近で地下深くの2つのトンネルなどで厳重に要塞化されたイランの核開発関連施設があるとみられているピックアックス山について、「近く非常に激しく攻撃する予定」と警告するなど、これまでは米国軍の最も強力なバンカーバスター (Bunker Buster / 地中貫通爆弾) でも破壊困難との観測があった地下核施設への大規模攻撃を予告しており、中東情勢への警戒感による「有事のドル買い」が優勢であったことから、イランがバーレーン、クウェート、ヨルダンの米国軍関連施設などを攻撃していたことから地政学リスク回避で売られやすい欧州ユーロ売りだけでなく、英国政府のアンディ・バーナム新政権によるジョン・ヒーリー前英国国防相の英国新財務相任命による防衛費予想などの英国財政懸念などで北海油田の産油国通貨でもある英国ポンドなどにも「有事のドル買い」の影響があり、主要通貨への全般的なドル上昇圧の外貨影響が波及しており、午前5時22〜24分頃にかけてドルは円相場で一時163円24銭付近に上昇し、同米国市場の円の安値でドルの高値を記録したほか、1986年12月以来の歴史的な円安ドル高を更新した。
一方、米国主要企業の決算報告の影響が続いていた米国ニューヨーク株式市場では、昨日の日経平均株価の大幅上昇の影響などもあり、前日まで続落していた米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) に買い戻しが入ってプラス圏の推移を見せて上昇しており、揃って前日比の高値引けの終値をつけたこともあり、安全資産の米国債の買い戻しが限定的であったことなどもあり、 株引け後の米国ニューヨーク外国為替市場終盤の今朝6時前の米国長期金利も一時4.633%付近の高利回り圏の推移が続いていたため、市場高値後のドルの利益確定や持ち高調整の抵抗はやや限定的で、ドルは円相場で163円台のニューヨーク終値に向けていた。
このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の値動きは、円の高値でドルの安値の162円70銭付近から、円の安値でドルの高値の163円24銭付近の値幅約54銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は163円17銭付近となり、前営業日同時刻の162円50銭付近の前ニューヨーク終値比で約67銭の円安ドル高をつけた。
今朝早朝のオセアニア市場では、原油先高観による日本の貿易赤字懸念がある中で、今朝8時50分頃に日本の最新経済指標の発表があり、6月日本貿易統計は通関ベースの季調前が前回−3786億円から前回−3918億円に下方修正されたほか市場予想の−1200億円よりも大幅な赤字の−4069億円で、同通関ベースの季調済も前回の−904億円と市場予想の−5981億円に対し−8819億円に貿易赤字が拡大しており、今朝9時頃から始まった今日の日本東京外国為替市場の対ドル円相場の始値も一時163円19銭付近と163円台の円安ドル高から始まった。
日本企業の輸入実需の円売りドル買いが先行した今朝9時5分頃には、ドルは円相場で一時163円20.7銭付近と約163円21銭付近に上昇し、今日の日本市場における円の安値でドルの高値を記録した。
ただし、今朝早朝5時台の米国市場終盤に1986年以来のおよそ39年7カ月ぶりと言われる一時163円24銭付近の歴史的な円安ドル高を記録していたことなどから、日本政府と日銀の為替介入警戒感が意識されやすかったところに、日本政府の片山さつき財務大臣の円安牽制の口先介入の「必要があれば、いつでも適切に断固たる対応を取る」が話題になったことでは市場高値後のドルの早期の利益確定と持ち高調整の抵抗が混ざり、今朝9時23分頃のドルは円相場で一時163円2.9銭付近に上昇幅を縮小した。
しかし、今朝早朝の米国主要株価三指数上昇の影響などもあり、今朝の東京株式市場で今日の日経平均株価がプラス圏から始まり、一時6万7千円台に上昇した株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) の国内第一安全資産の低リスク通貨の円売りが入った時間もあったことでは、今朝10時32分頃のドルは円相場で一時163円20.5銭付近に反発し、四捨五入では約163円21銭の今朝9時5分頃の市場高値と並んだが、為替介入警戒感などがあり二度目の高値を上抜けしなかったテクニカル分析的なダブルトップの売りサインからは再び上昇幅の縮小に向け始めた。
中東情勢の影響が続くコモディティ市場では、今朝9時頃には一時1バレル84ドル台後半だった米国WTI原油先物価格が今朝10時台から一時1バレル85ドル台後半に上昇しており、午後15時台には一時1バレル86ドル台への上昇を続けたため、今朝は一時大幅な上昇なども見せていた今日の日経平均株価が反落し、市場終盤の早期の利益確定売りや持ち高調整が入ったことから小幅域のマイナス圏にも達し、午後15時30分頃に6万6115円60銭の終値をつけ前日比116円59銭安の−0.18%の小幅安で大引けしたため、株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) に転じた国内第一安全資産の低リスク通貨の円の買い戻しが入ったこともドルの円相場での上昇幅縮小に繋がった。
午後からの欧州市場と夕方からの世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場参入では、海外市場をターゲットとした為替介入警戒感が燻るなか、米国ブルームバーグ (Bloomberg) ニュースが複数の関係者に取材した情報として、「日本銀行は利上げペースを半年に1回程度の市場見通しよりも加速させることに柔軟な姿勢」と報じ、「足元の円安進行の影響を含めて物価が想定から上振れていくリスクに警戒感を強めている」との観測報道が市場で話題になり、早期の日銀利上げ予想の可能性が改めて意識されたことでは、夕方16時30分頃の対ドルの円相場は一時162円66.9銭付近と約162円67銭まで円相場が反発し、今日の日本市場における円の高値でドルの安値を記録した。
とはいえ、中東情勢の影響を受けて、コモディティ市場では夕方16時台後半には米国WTI原油先物価格が一時1バレル87ドル台後半へと上昇を続けており、原油高に連れて米国長期金利も夕方16時39分頃に一時4.644%付近に上昇するなど債券利回りの金利差トレードの影響もあり、原油や金利につれやすい世界的な主要取引通貨のドルの買い戻しが入ったことでは、ドルは円相場で反発した。
このため、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は162円91銭付近で、昨日17時の162円61銭付近の前東京終値比で約30銭の円安ドル高になった。
なお、今夜その後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、今夜17時17分頃にドルは円相場で一時163円11銭付近と再び163円台への再上昇も見せているが、その一方で為替介入への警戒感なども燻っている。
今夜この後の今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表と米国債券入札を控えており、今夜23時30分に米国週間原油在庫と26時に米国20年債入札の予定があるほか、株式市場で米国主要企業の決算報告が続いており、明日早朝の米国ニューヨーク株式市場終了後に米国テスラ社 (Tesla) の決算報告や、グーグル (Google) の持ち株会社のアルファベット社 (Alphabet Inc) の決算報告などがあることも金融市場で注目されている。
なお、来週7月28〜29日に次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) が開催予定のため、今週の米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の高官達はイベント前の発言自粛期間のブラックアウト (Blackout) 入りをしている。
欧州市場では、今夜から明日7月23日の夜にかけて2日間の欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会が開催され、明日の欧州金利発表が注目されており、日本市場でも、来週7月30〜31日には日銀金融政策決定会合のイベントを控えている。
世界市場では、米国とイランやイスラエルとレバノンと周辺国などの中東情勢および原油などの世界的なエネルギー主要輸送ルートのホルムズ海峡と紅海のバブ・エル・マンデブ海峡などを含めた中東・湾岸諸国のニュース続報が引き続き注視されており、原油や天然ガスなどのコモディティと債券利回りや株式市場の為替相場への影響と、ロシアとウクライナや米中および日中関係など世界情勢に加え、世界の政治・経済のニュースとドナルド・トランプ米国大統領や高市早苗首相と各国政府・中央銀行関係者等の要人発言などのファンダメンタルズ分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の為替相場の値動きの市場予想材料となっている。
一方、 欧州ユーロは、今日17時の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は185円87銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の185円75銭付近の前東京終値比で約12銭の円安ユーロ高であった。
主な要因は、今夜7月22日から明日23日にかけて欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会が開催され、市場予想では欧州金利据え置き予想が優勢であったが、今年年内の欧州利上げ予想が燻り、明日の夜の欧州政策金利発表や見通しなどを控えたイベントリスクの様子見の中でも、中東情勢の影響を受けた欧州エネルギー・インフレによる今後の見通しの修正や早期から年内の欧州利上げ予想が意識された日欧金利差予想の影響などが為替相場に影響を及ぼしていた。
ユーロドルは、今日17時の東京外国為替市場の終値は1.1409ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.1423ドル付近の前東京終値比では約0.14セントのユーロ安ドル高であった。
主な要因は、中東情勢の地政学リスク回避の欧州ユーロ売りに対し、原油高や金利上昇時に買われやすいドルに世界的な安全資産としての「有事のドル買い」が入りやすかったことなどがユーロドルの為替市場に影響を与えた。
英国ポンドは、今日17時の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は218円1銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の218円58銭付近の前東京終値比では約57銭の円高ポンド安であった。
主な要因は、先述の通り、英国政府のアンディ・バーナム新政権に財政懸念が浮上したことでは、英国10年債券の利回りが一時5.06%台に向けて上昇した一方で英国債券価格低下が懸念された英国ポンド売りも入っていたほか、中東情勢緊迫化の地政学リスク回避では、欧州ユーロと地理的・経済的に近い英国ポンドにも「有事のドル買い」の影響がポンドドル相場で観測されるなどの外貨影響の波及もポンド円相場に影響していた。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2026年7月22日の日本時間 (JST / Japan Standard Time) 20時44分 (チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / GMT+1 / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場の12時44分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。欧州英国市場は2026年3月29日日曜日〜2026年10月25日日曜日が英国夏時間となり、米国でも2026年3月8日日曜日〜2026年11月1日日曜日が米国夏時間で共にサマータイム入りしており、冬時間の頃と比較すると日本時間と1時間の時差短縮の調整があったことには注意が必要である。
| 通貨ペア | JST 20:44の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00東京終値比 |
| ドル/円 | 163.03 〜 163.05 | +0.44 (円安) |
| ユーロ/円 | 185.94 〜 185.99 | +0.24 (円安) |
| ユーロ/ドル | 1.1403 〜 1.1407 | −0.0016 (ドル高) |
| 英ポンド/円 | 217.92 〜 217.98 | −0.60 (円高) |
| スイスフラン/円 | 200.61 〜 200.67 | −0.13 (円高) |
| 豪ドル/円 | 113.96 〜 114.00 | −0.13 (円高) |
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