マーケットコメント:長期金利に低下圧力?来週のFOMCの行方は?
2024年12月13日
東西FXマーケットコメント – 2024年12月13日
文/宇佐美幸弥 – 東西FXリサーチチーム
東西FXではFXとマクロ経済リサーチを担当しております宇佐美と申します。
本日は、来週に控えた日銀の政策会合とFRBの動向について、現在のマクロ経済の状況を踏まえつつ、来週の為替市場の行方を徹底的に分析します。メインテーマは日米両中央銀行の政策分析とユーロドルのテクニカル分析。
【12月13日】長期金利に低下圧力?来週のFOMCの行方は?
12月12日、来週は日銀の政策会合とFOMCを控えている。
現在、市場では日銀の政策金利の行方に関する議論が白熱する。前回の会見で日銀総裁の植田氏は次回の利上げに関して、「時間的余裕あるという表現をやめる」と発言し、12月か来年1月の利上げを強く意識させた。
しかし、一方で、直近では日銀メンバーの中でハト派的な発言も増えており、12月の政策会合での決定に関して、マーケットのコンセンサスが分かれる状態となっている。
FRBに関しては、11月のFOMCでも利下げを行った一方で、その後の会見で、パウエル議長はdata dependencyの姿勢を強く強調した。ただ、今週発表された11月の米国CPIが予想通りだったことを受けて、市場では12月のFOMCでの0.25pt追加利下げが織り込まれているようだ。
ただし、2025年以降の利下げペースに関しては、米国経済が予想以上に堅調であること、ディスインフレのスピードが緩やかになりつつあることから、鈍化するのではないかとの声もある。
このように、来週は為替市場、特にドル円にとって大きな山場となりそうだ。こうしたイベント下ではボラティリティの増大が予測されるため、ポジションメイクは慎重に行った方が良さそうである。
ユーロドルテクニカル分析〜ユーロドルの現況と今後の推移予測
以下の図()はユーロドルの日足チャートである。
この図を見れば、ユーロドルは10月以降安定した下落トレンドに入っていることがわかる。
テクニカル分析の観点で言えば、75日移動平均線も下向きに転じており、25日移動平均線はサポートとして機能している。オシレーター指標に関しては、MACDではデッドクロスが形成されつつあり、RSIはまだ中立的値を保っている。
ファンダメンタルの観点では、昨日のECBの政策会合でユーロ0.25pt追加利下げが決定された。現在の欧州経済の軟化も踏まえて考えると、欧州の景気が回復するためにはユーロドルが下落することによる輸出貿易の拡大などは必須であると思われる。
これらを踏まえると、現状ユーロ高になるにはカタリストが不足しているのではないだろうか。こう考えると、年末までユーロドルは徐々に下値を切り下げていくと予測できる。
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