マーケットコメント:中国株急伸!中国政府が金融緩和拡大を宣言!

2024年12月10日
12月10日、本ページでは、中国当局が更なる金融緩和を宣言したことと、それに伴う中国株高について分析します。


東西FXマーケットコメント – 2024年12月10日

文/宇佐美幸弥 – 東西FXリサーチチーム

東西FXではFXとマクロ経済リサーチを担当しております宇佐美と申します。

本日は、中国当局が更なる金融緩和・財政支出を宣言したことによる中国株の急伸について、マクロ経済の状況を踏まえつつ、その内容と今後のトレンドを分析します。メインテーマは財政支出に伴う中国株高と上海指数のテクニカル分析。

【12月9日】中国株急伸!中国政府が金融緩和拡大を宣言!

12月9日、昨日の米国取引時間には、中国当局がより積極的に経済成長を後押しすると宣言したことで、中国株が吹き上がった。

中国の中央銀行である中国人民銀行は政策金利・預金準備率、住宅ローン金利の引き下げなど、金融緩和を強める方針を今年9月に発表。それに伴い、中国株式市場では急激な株高が起こったものの、その上昇トレンドは持続的なものではなく、ここ数ヶ月中国株は軟化した状態にあった。

しかし、今回の中国政府による更なる経済成長支援の宣言によって、中国株は急上昇。具体的には、 CSI300指数は一時的に3.3%高となり、ナスダック・ゴールデン・ドラゴン指数は8.5%上昇して昨日の取引を終えた。

Bloombergによれば、マッコーリーのエコノミストである胡偉俊氏は、今回の中国政府の宣言に関して、「外的ショックを打ち消すために異例の措置を取る必要はある」としながらも、「次の景気支援策がすぐに打ち出されるわけではないだろう」とコメントした。

もし、これらの宣言に伴い追加的な景気支援政策が実行されれば、中国経済が持ち直す可能性はある。そうなれば、中国と非常に密接な貿易関係のある欧州や豪州経済も連動して回復する可能性があり、マクロ経済に非常に大きな影響を及ぼすだろう。

中国株式市場テクニカル分析〜中国株の現況と今後の推移予測

以下の図(Yahoo Finance.comより)は中国上海総合指数の日足チャートである。

この図を見れば、中国株は10月に中国人民銀行の景気支援策の発表で大きく上昇して以降、方向感の乏しい動きとなっていたものの、12月に入ってからは緩やかな上昇トレンドになっていることがわかる。

テクニカル分析の観点で言えば、75日移動平均線も上向きに転換しつつあり、さらには5日移動平均線と25日移動平均線の間でゴールデンクロスも確認できる。オシレーター指標に関しても、MACDではゴールデンクロスが発生しつつあり、RSIは中立を保っている。

ファンダメンタルの観点では、中国経済はここ数ヶ月間軟化が続いており、10月の景気支援策もマーケットは十分であるとは判断していなかった。しかし、昨日の中国当局の追加的な経済成長支援の宣言によって、状況は一変しつつある。もし、具体的な景気支援が発表され、それらが中国経済の回復に貢献すれば、中国株式市場もさらに上昇する可能性がある。

一方で、昨日の宣言には具体的な支援策の発表があったわけではない。その点で、ここから中国当局がどの程度金融緩和・財政支出を拡大させるかには疑問の余地もある。これらのことを踏まえても、これからの中国当局の動向とそれに伴う中国株式市場の動きには要注目である。


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