FXニュース:米感謝祭市場流動性低下

2025年11月28日
今日2025年11月28日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の156円58銭付近から、円の高値でドルの安値の156円10銭付近の値幅約48銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は156円32銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年11月28日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 日銀早期利上げ予想後退
  • 欧ECB追加利下げ急がず
  • 東京消費者物価高止まり
  • 日国債追加発行増額方針
  • 日経平均株価は小幅続伸
  • 月末と欧経済指標の影響

今日2025年11月28日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の156円58銭付近から、円の高値でドルの安値の156円10銭付近の値幅約48銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は156円32銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の156円12銭付近の前東京終値比で約20銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と市場時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、昨日の午後の日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) 金融政策委員会の野口旭審議委員の記者会見の発言では、「政策スタンスや考え方は9月時点と変わっていない」としており、「着実に目標に近づいているのは事実」だが、「調整ペースはデータ次第」と、追加利上げは否定しないものの、時期を特に急いでいない慎重な姿勢を見せたことが市場で話題になり、前日の英国ロイター通信 (Reuters) の日銀の早期利上げの可能性についての観測報道を受けた来月12月18〜19日の次回の日銀金融政策決定会合での早期利上げ予想が後退し、昨夜18時26分と30分頃に対ドルの円相場は一時156円41銭付近と前東京終値よりも円安ドル高になっていた。

しかし、昨夜21時30分の欧州市場では、欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) が前回10月29〜30日開催分のECB理事会議事要旨を公表し、内容でECB理事会のメンバー達が「欧州利下げを急いでいない」ことが明らかになったほか、「高い不確実性が続く中で、一部のECBメンバーからは『欧州利下げサイクルは終了した』との見解も出ており、「欧州のインフレ見通しが変わっていない」が、「見通しは依然として不確実で、更なるデータ待ちが選択肢」であることなどが示されており、来月12月18日の次回のECB理事会での欧州金利維持予想が優勢さを保ち、これに対して来月12月9〜10日の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) では米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国小幅利下げ予想が市場で確定値と考えられている70%を超える80%台の優勢であったため、ユーロドル相場で欧州市場の月末決算に向けた自国通貨の欧州ユーロの買い戻しもあってドルが売られた外貨影響が対ドル円相場に波及したことでは、ドルは円相場で上昇幅を縮小した。

その影響から、昨夜の米国市場は米国感謝祭 (Thanksgiving Day) のホリデーの祝日休場であったが、時差先行の欧州英国市場の後半と時間帯が近い世界FX市場での昨夜22時頃の米国ニューヨーク外国為替市場の始値相当時間の対ドル円相場は一時156円38銭付近で、東京外国為替市場と英国ロンドン外国為替市場と並ぶ世界三大市場の一つである米国ニューヨーク外国為替市場の休場につき、現地ドル実需減少などでも市場流動性が低下していたため、この時間の1分間の値動きの中で瞬時に記録していた一時156円39銭付近が、昨夜から今朝までの米国市場相当時間の円の安値でドルの高値となった。

月末決算を控えた欧州英国市場や時間帯が近い世界市場で、世界的に流通する主要取引通貨のドル売りで自国通貨の買い戻しが入っていた影響では、昨夜23時2分頃にドルは円相場で一時156円24銭付近と、昨夜から今朝までの米国市場相当時間の円の高値でドルの安値をつけた。

時差先行の欧州英国市場が終了すると、米国市場休場に伴いドル円は小動きになり、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場相当時間の対ドル円相場の値動きは、円の安値でドルの高値の156円39銭付近から、円の高値でドルの安値の156円24銭付近の値幅約15銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値相当時間の対ドル円相場は156円30銭付近と、前営業日同時刻の156円49銭付近の前ニューヨーク終値比で約19銭の円高ドル安をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、今夜この後の米国市場は米国感謝祭の翌日のブラック・フライデー (Black Friday / クリスマス前のプレゼント商戦のビッグセールの日で、「黒字の金曜日」の意味) の米国市場の一部短縮取引などのホリデームードが続く中でも世界的な取引通貨のドル実需などがあり、今朝7時21分頃にドルは円相場で一時156円33銭付近に買い戻されていた。

しかし、今朝8時30分には今日の日本市場に先行して日本のインフレ関連の最新経済指標の発表があり、日本全国の先行指標として注目されやすい首都圏の11月日本東京都区部消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の生鮮食料品を除くCPIコア指数の前年同月比が、前回の2.8%と市場予想の2.7%に対し2.8%と、市場予想以上に高止まりしていたことを受けては、日銀の追加利上げの可能性が再び意識されたことでは、発表時の今朝8時30分に対ドルの円相場が一時156円20銭付近に反発した。

同時発表された日本の雇用関連の最新経済指標の10月日本失業率は、前回と横ばいの2.6%で市場予想の2.5%には届かないものの世界規模で見れば完全雇用に近い堅調さを保っており、10月日本有効求人倍率も前回と市場予想の1.20を下回る1.18の市場予想以下であったことでは、今朝8時34分頃には対ドルの円相場で一時156円31銭付近に上昇幅を縮小したが、有効求人倍率が1.00を超えている時点でハローワークの求職者一人あたりの求人数が1件以上あるという日本の人手不足が続いていることでは、現地失業率が4%を超えているオーストラリアなどのオセアニア市場の反応は、現地や欧米の失業率などと比べると鈍かった。

続いて、今朝8時50分には、日本の景気関連の最新経済指標の10月日本鉱工業生産の速報値の発表があり、前月比は前回の2.6%と市場予想の−0.6%に対し1.4%とプラス圏に留まっており、前年同月比も前回の3.8%と市場予想の−0.5%に対し1.5%といずれもプラス圏でマイナス圏が警戒されていた市場予想ほど悪化しておらず、同時発表の10月日本小売業販売額も前年同月比が前回の0.5%と前回下方修正の0.2%と市場予想の0.8%を上回る1.7%と堅調で、10月日本百貨店・スーパー販売額 (既存店) の前年同月比も前回の1.9%よりも良好な3.3%であった。

今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時156円29銭付近であったが、今夜の米国市場は米国感謝祭明けのブラック・フライデーで一部短縮取引となるものの、最近は日本でもブラック・フライデー・セールがあるが、米国ではクリスマス・プレゼント向けの小売業などが年内で一番の黒字を計上することも多々あるビッグセールの日であることからビジネスは開いており、セール日の割引なども多様なため業種によってはセール期に仕入れたい輸入業者などもいる市場観測もあり、日本市場の今朝9時55分の仲値決済に向けては、日本企業などの輸入実需などの円売りドル買いが優勢になり、今朝9時53〜54分頃にかけてドルは円相場で一時156円58銭付近に上昇し、今日の日本市場における円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、仲値決済の後には、円建ての月末決算を控えている国内輸出企業などの円買いドル売りも入り始めたことでは対ドルの円相場は反発し、今朝11時32分頃にドルは円相場で一時156円10銭付近と今日の日本市場における円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、今日は日本政府の2025年度補正予算案の閣議決定があり、高市早苗政権の財政拡張で財政懸念が燻る中で、一般会計の総額が18兆3034億円規模と補正予算の規模としては昨年2024年度を超えており、コロナ禍以降で最大規模となったことへの日本政府の財政への警戒感があったことでは、市場高値後の円売りが入り始めて円相場が反落した。

また、昨夕に日本の財務省が国債投資家懇談会の第116回国債市場特別参加者会合を「令和8年度国債発行計画の策定に向けた現状と課題について」のテーマで開催したが、国債の追加発行について、「償還までの期間の短い国債を中心に増額する方針」が示されたことも、高市早苗政権下での日本の財政への警戒感が意識された円売りドル買いが起きており、来年2026年度からは計画を半年毎に見直す仕組みにすることなども検討しているとされたが、大規模な国債発行を伴う補正予算案の高市早苗政権の財政拡張に警戒した高市トレードの円売り要因が再び意識され、ドルは円相場で反発していた。

一方、今日の東京株式市場では、今日の日経平均株価は今朝9時にはプラス圏に上昇して始まったが、一時反落してマイナス圏に転じていた時間には株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) の低リスク通貨の円買いの抵抗も入っていたが、その後には日経平均株価は再びプラス圏に戻しており、株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) に転じた株価影響もあり、午後15時30分頃に今日の日経平均株価が5万253円91銭の終値をつけて前日比86円81銭高の+0.17%の小幅高で大引けすると、午後15時51分頃にドルは円相場で一時156円44銭付近に上昇した。

夕方からの欧州市場の参入を受けては、米国利下げ予想の影響などで時間外の米国債券取引で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が夕方16時16分頃に一時3.997%付近に低下した債券利回りの金利差トレードのドル売りの影響があったが、その後の取引では米国長期金利は反発しており、夕方16時56分頃には米国長期金利は一時4.016%付近に上昇したため、ドルは円相場で底堅い値動きを見せており、前東京終値比では小幅な円安ドル高の東京終値に向けていた。

このため、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は156円32銭付近で、昨日17時の156円12銭付近の前東京終値比では約20銭の円安ドル高になった。

今夜この後の米国市場は米国感謝祭のホリデームードが続き、最新米国経済指標の発表予定などはないが、今夜のブラック・フライデーは欧米小売業のクリスマス・プレゼント商戦では年内で最高額の売り上げが期待できる日であることから関連するビジネスは活発な時期であるが、米国では親達が子供がクリスマスに欲しがる人気のおもちゃの入手を巡り戦いを繰り広げる日としても有名なため、米国株式や債券市場が一部短縮取引となるが、毎年この時期の米国市場では実際の参加者が減り市場流動性低下が続く傾向が観測されており、世界市場全体の流動性の低下時には平常時は小幅な値動きになるものの、市場に影響を与える事件が起きれば小さなニュースでも大きな値動きに拡大しやすくなることには注意が必要である。

欧州英国市場でもブラック・フライデーやその後のサイバー・マンデー (Cyber Monday) のセールはクリスマス商戦イベントではあるが、米国感謝祭翌日ほどのホリデームードではないことから、世界の株式市場と債券市場と金や原油先物などを含むコモディティ (商品先物) 市場などの為替相場への影響や、中東やウクライナ情勢などの世界情勢に加え、世界政治経済のニュースや要人発言などのファンダメンタルズニュース分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料となっている。

一方、欧州ユーロは、今日17時の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は180円93銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の180円97銭付近の前東京終値比で約4銭の小幅な円高ユーロ安であった。

主な要因は、今日の日本市場では月末を控えた円建て決算用の欧州ユーロ売りと円の買い戻しが午前中にあったほか、午後には最新欧州経済指標の発表があり、夕方16時の欧州ユーロ圏主要国ドイツの景気指標の10月独小売売上高は前月比が前回と市場予想の0.2%に対し前回分は0.3%に上方修正されたが今回分が−0.3%と市場予想以下のマイナス圏に下振れしており、前年同月比では前回の2.8%と前回上方修正の3.4%と市場予想の0.1%に対し1.3%と前回よりは低下したものの市場予想よりは底堅いことでは強弱混合であったがいずれも前回よりも低下しており、今日の日経平均株価の上昇を受けて一時181円台に買い戻されていた欧州ユーロの円相場での上値を180円台に抑えていた。

続いて、夕方16時45分に発表された欧州ユーロ圏のフランスの7〜9月第3四半期の仏国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) の改定値は、前期比が速報値と市場予想通りの0.5%であったが、同時刻に出た同国のインフレ指標の11月仏消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の速報値は、前月比が前回の0.1%と市場予想の0.0%を下回る−0.1%に下振れし、前年同月比も市場予想の1.0%を下回る前回と横ばいの0.9%であったことから、ユーロドルでも欧州ユーロが売られた外貨影響のユーロ円への波及もあった。

そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1574ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.1593ドル付近の前東京終値比では約0.19セントのユーロ安ドル高になっていた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は206円53銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の206円63銭付近の前東京終値比では約10銭の円高ポンド安であった。

主な要因は、昨日は英国政府の秋季予算案でレイチェル・リーブス財務相が増税案を提示したことで英国財政懸念後退による英国ポンド買いの影響があったが、月末要因による円の買い戻しが今日の日本市場終盤に強まったほか、地理的・経済的に近い欧州ユーロの円相場での外貨影響の波及などもあり、今日の東京終値では前東京終値比では小幅な円高ポンド安に転じていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025月11月28日の日本時間(JST / Japan Standard Time) の20時43分(チャート画像の時間帯は英国冬時間 (GMT / Greenwich Mean Time / JST-9) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時43分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も2025年11月2日から米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST-14) になっており、欧米のサマータイム終了後の日本時間との時差調整があったことには注意が必要である。

通貨ペア JST 20:43の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00前東京終値比
ドル/円 156.24 〜 156.25 +0.13 (円安)
ユーロ/円 180.59 〜 180.60 −0.37 (円高)
ユーロ/ドル 1.1557 〜 1.1559 −0.0034 (ドル高)
英ポンド/円 206.35 〜 206.41 −0.22 (円高)
スイスフラン/円 193.62 〜 193.68 −0.30 (円高)
豪ドル/円 101.92 〜 101.96 −0.01 (円高)

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