FXニュース:米ISM製造業景気下振れ

2025年3月04日
今日2025年3月4日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の148円60銭付近から、円の安値でドルの高値の149円58銭付近の値幅約98銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は149円36銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年03月04日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 独DAX史上最高値更新
  • 米主要株価三指数は反落
  • 米対加墨中関税政策実施
  • 米トランプ円安元安牽制
  • 米長期金利一時4.1%台
  • 米ウクライナ軍支援停止
  • 日経平均株価が大幅下落

今日2025年3月4日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の148円60銭付近から、円の安値でドルの高値の149円58銭付近の値幅約98銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は149円36銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の150円11銭付近の前東京終値比で約75銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、欧州ユーロ圏主要国ドイツが防衛とインフラに各数千億ユーロずつ特別基金を検討するなど国防支出の大幅拡大予想により冷戦後最大の独国防投資ブーム観測が高まり、ウクライナ和平に向け有志連合や欧州連合 (EU / European Union) の北大西洋条約機構 (NATO / North Atlantic Treaty Organization) 加盟国の防衛費増額と軍需拡大予想から防衛関連株などが買われて上昇し、欧州主要株価指数の独DAX (Deutscher Aktien-indeX) が史上最高値更新に向け、欧州主要株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) が起きていた。

その影響から、昨夜20時20分頃の時間外の米国債券取引では世界的な安全資産である米国債が売られて米国債券価格低下に伴う利回り上昇が起き、米国10年債の利回りが指標の米国長期金利が一時4.262%付近に反発上昇し、債券利回りを受けた金利差トレードの日米金利差拡大時の円売りドル買いと低リスク通貨の円売りが起きたため、対ドル円相場は前東京終値比の円安ドル高に市場反転し、昨夜21時16分と21時56〜58分頃にかけてドルは円相場で一時151円30銭付近と一時151円台への上昇を見せて高止まりしていた。

その欧州市場と英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時151円24銭付近の始値で、米国市場でも昨夜22時10分頃に米国10年債の利回りが指標の米国長期金利が一時4.266%付近に上昇した影響では、昨夜22時8〜10分と22時16分頃にドルは円相場で一時151円30銭付近と、欧州英国市場の高値と同額の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、この日の米国市場では、深夜24時に最新米国重要経済指標の発表イベント予定があったこともあり、イベントリスクが近づくと安全資産の米国債の買い戻しが入り、上昇後の米国長期金利が反落を始めると、二度目の市場高値を上抜けできなかったドルも円相場でテクニカル分析的なダブルトップ (Double Top) の天井を打つ形の売りサインとなった反落を始め、一時151円台から150円台に向けた。

昨夜23時45分に最新米国経済指標の2月米国製造業購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers Index) 改定値が発表され、前回と市場予想の51.6を上回る52.7に上方修正されたことでは、ドルは円相場で一時下げ渋る抵抗を見せた。

しかし、深夜24時に発表された最新米国重要経済指標の2月米国サプライマネジメント協会 (ISM / Institute for Supply Management) 製造業景況指数は、前回の50.9と市場予想の50.5を下回る50.3に下振れしたことでは、発表時にドルは円相場で150円台後半から前半に向けた急落を始め、深夜24時38分頃には一時 150円8銭付近に下落した。

また、同時発表だった最新米国経済指標の1月米国建設支出の前月比も、前回プラス圏だった0.5%と市場予想の-0.1%を下回る-0.2%とマイナス圏に低下したこともあり、米国関税政策や最近の経済指標でも警戒されていた米国景気減速懸念のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) が強まり、米国ニューヨーク株式市場で前日は揃って高値の終値をつけた後の米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) と米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) の三指数が揃って反落したことでも、安全資産の米国債買いが入り、米国10年債の利回りが指標の米国長期金利が一時4.2%台から4.1%台に向けて低下したため、債券利回りの日米金利差縮小時の円買いドル売りと低リスク通貨の円買いが入っていた。

さらに、午前5時頃には、米国ワシントンのホワイトハウスでドナルド・トランプ大統領が、3月4日から発動予定のカナダとメキシコへの25%の米国追加関税について、「明日、カナダとメキシコに関税を課す」と、発動までにディールに合意できる余地は「全くない」と発言したことが話題になり、また、「日本の円であれ、中国の人民元であれ、彼らが通貨安にすると我々に非常に不公平な不利益をもたらす」と、昨日の日本政府の三村淳財務官の円安牽制発言に続き米国政府からも円安元安牽制発言が出ただけでなく、「日本と中国が通貨安政策を取るなら、米国は不当に不利な立場に立たされる」ので、「そういう国に対しても米国関税を課す」と表明したニュースが市場で話題になり、149円台に向けた円買いドル売りが強まった。

米国ニューヨーク株式市場でも、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) と米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) の三指数が揃って前日比で大幅安の終値をつけた。

中でも世界的なハイテク企業比率が多いナズダック総合株価指数が昨年2024年11月以来の今年最大の安値の終値となったほか、メキシコとカナダと中国に対する米国関税政策がディールなしに予定通り4日に発動する場合には、メキシコとカナダからの輸入台数が販売数の2割以上を占めている米国自動車産業において2025年の新車販売を12%下押しするとの試算が出たり、原油課税でガソリン価格も上昇する見込みなどへの市場警戒感も見られた。また、米国人著名投資家のウォーレン・バフェット氏が、米国関税政策による消費への影響を強く警戒する姿勢を示したことも、米国株式市場での株売りに影響を与えていた。

この日の米国ニューヨーク債券市場では、リスク回避のリスクオフの安全資産の米国債買いにより、米国10年債の利回りが指標の米国長期金利が一時4.14%台付近に低下した日米金利差縮小時の円買いドル売りや低リスク通貨の円買いがあったが、米国関税政策を受けた米国景気減速懸念も高まったドル売りも同時に起きたため、午前5時42分頃にドルは円相場で一時149円10銭付近に下落し、米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の151円30銭付近から、円の高値でドルの安値の149円10銭付近の値幅約2円20銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値は149円50銭付近と、前営業日同時刻の150円63銭付近の前ニューヨーク終値比で約1円13銭の円高ドル安をつけていた。

今朝8時30分頃のアジア・オセアニア市場時間には、今日の日本市場に先行した日本の最新経済指標の発表があり、1月の日本失業率は前回2.4%が前回2.5%に修正された上で、市場予想の2.4%に対し2.5%と前回修正後の横ばいで市場予想よりはやや軟調ではあったが、1月日本有効求人倍率は前回と市場予想の1.25に対し1.26と増えており、完全雇用に近い低失業率が続く中でも、前回よりもやや転職がしやすい環境にあることが分かった。

今朝8時50分に発表された日本の最新経済指標の2024年10〜12月第4四半期の日本法人企業統計調査のソフトウェア含む全産業設備投資額の前年同期比は、前回の8.1%と市場予想の5.0%を下回るマイナス圏の-0.2%に低下し、国内金利上昇への警戒感などもあり、企業が設備投資を控えている可能性が指摘されていた。

今朝9時頃からの今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時149円31銭付近の始値であったが、米国関税政策を受けた景気減速懸念の影響や米国主要株価下落の波及で日経平均株価がマイナス圏から始まり大幅安に向けたほか、今朝の世界ニュースでは第二次ドナルド・トランプ米国政権がウクライナへの米国の軍事支援を全て停止する方針を示したことが話題になり、ウクライナ情勢を受けた地政学リスクの高まりもあって、リスク回避のリスクオフで低リスク通貨の円が買われて上昇し、今朝10時34分頃に対ドル円相場は一時148円60銭付近と、一時148円台の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

また、日本市場と時間帯が近いアジア市場では、本日3月4日の日本時間の午後14時頃から発動するメキシコとカナダに対する25%の米国関税政策に加えて、2月に発動された米国への中国製品の10%の米国追加関税率を今日から20%に引き上げることに対し、中国政府は米国から輸入される小麦やとうもろこしと鶏肉や綿花などに最大15%の追加関税を3月10日から課す報復関税を発表したことも、米国関税政策による米国インフレ圧が意識される中で、米国景気減速懸念が燻っていた。

しかし、市場安値後のドルには世界的な流動性の高さもあって買い戻しが入り始めたほか、今朝10時35分頃には前日比で一時約949円付近の大幅下落を見せていた日経平均株価が底値を打って下落幅を縮小し始めたことでは、一時148円台だったドルは円相場で149円台に向けて下げ幅を縮小し始めた。

今日の午後14時頃には予定通り米国関税政策が発動し、米国インフレ圧も意識された。なお、中国の報復関税だけでなく、すでにカナダやメキシコも報復関税政策を表明している。

午後14時頃には日本の最新経済指標の発表もあり、2月日本消費者態度指数・一般世帯は、前回の35.2と市場予想の35.3を下回る35.0に低下していたことも、この時間にドルが円相場で反発する一因となっていた。

今日の午後15時30分頃の東京株式市場では、日経平均株価が3万7331円18銭の終値をつけ、前日比454円29銭安の大幅高で大引けし、今朝の一時の最大下落幅からは半値戻しを見せていた。

今日の日本の国内債券市場では日本国債の入札結果が低調となり、新発10年物国債利回りが指標の国内長期金利が一時1.425%付近に上昇したことは抵抗になったが、今朝10時前には一時4.121%付近まで低下した米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が、欧州市場参入後の夕方16時43分頃に一時4.182%付近に反発して下げ幅を縮小する中で、夕方16時40分頃にドルは円相場で一時149円58銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録し、一時148円台だった下落幅を149円台に縮小した。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は149円36銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の150円11銭付近の前東京終値比で約75銭の円高ドル安をつけた。

なお、今夜その後の20時台の欧州英国市場では、昨日は大幅高だった欧州主要株価が反落し、英国主要株価も下落したことなどから低リスク通貨の円買いが入り、また一時上昇後の米国長期金利も上昇幅を縮小したことから、ドルは円相場で再び148円台に売られた。

今夜この後の米国市場では、特に重要度が高い最新米国経済指標の発表予定はないものの、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の発言予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、28時20分頃から次回のFOMC投票権をもつFRBの米国ニューヨーク連邦準備銀行のジョン・ウィリアムズ総裁の発言予定などを控えている。

また、世界の株式市場と債券市場やコモディティ市場などの為替相場への影響に加えて、米国関税政策やウクライナ情勢などを含んだ世界情勢などの政治ニュースや、要人発言なども世界のFXトレーダー達が引き続き注視している。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は156円77〜78銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の156円19〜20銭付近の前東京終値比で約58銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、欧州連合 (EU) の北大西洋条約機構 (NATO) 加盟国の防衛費増額による昨夜の欧州株価上昇時のユーロ買いに対し、今日は日米株価下落を受けた低リスク通貨の円買いの影響があったものの、今日の夕方の欧州市場では欧州ユーロ買いが先行した。

ただし、その後には、今夜の欧州主要株価指数が反落したことを受けては、低リスク通貨の円に対して欧州ユーロは上昇幅を縮小しているが、ドルに対しては欧州ユーロが買われて上昇していた外貨影響の波及もあった。

そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0491〜1.0493ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.0402〜1.0404ドル付近の前東京終値比で約0.89セントのユーロ高ドル安であった。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は189円68〜74銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の189円11〜17銭付近の前東京終値比で約57銭の円高ポンド安であった。

主な要因は、昨夜の欧州主要株価指数の独DAX (Deutscher Aktien-indeX) はドイツの防衛とインフラへの各数千億ユーロの特別基金検討などによる関連株上昇などで史上最高値更新の大幅高であったが、欧州連合 (EU / European Union) 離脱後の英国では防衛費増額に対する財政懸念などが燻っており、昨夜の英国主要株価の英FTSE (Financial Times Stock Exchange) は小幅安の終値であったこともあり、日米株価下落時のリスク回避のリスクオフの低リスク通貨の円買いの影響を欧州ユーロよりも受けやすかった。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年3月4日の日本時間(JST)20時31分(チャート画像の時間帯は2025年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) の英国ロンドン外国為替市場時間 (GMT / JST-9) の11時31分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間のサマータイム (Summer Time) に日本との時差が調整される予定で、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイムに1時間変更の (BST / JST-8) に時差調整がされる予定には注意が必要ある。

通貨ペア JST 20:31の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 148.63 〜 148.65 −1.48 (円高)
ユーロ/円 156.33 〜 156.34 +0.14 (円安)
ユーロ/ドル 1.0516 〜 1.0518 +0.0114 (ドル安)
英ポンド/円 189.00 〜 189.06 −0.11 (円高)
スイスフラン/円 166.81 〜 166.87 +0.31 (円安)
豪ドル/円 92.49 〜 92.53 −0.81 (円高)

注意:

本ウェブサイトに記載されている全ての情報またリンク先を含めた情報は、情報提供を目的のみとしており、取引投資決定、及びその他の利用目的のために作成されたものではありません。取引投資種、外国為替取引業者の選択、売買価格投資等の全ての最終決定については、利用者ご自身のご判断において行われるようお願い致します。

当社は、当サイトに掲載した情報によって万一閲覧者が被った直接・間接的に生じた損失に関して一切責任を負わないものとします。また、当社および当社に情報を提供している第三者は一切責任を負うものではございませんので ご了承ください。万が一、当サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いません。当社はこのウェブサイトの掲載内容を予告なしに変更または廃止することがございますので、あらかじめご了承おきください。