FXニュース：英ポンド16年ぶり200円台

2024年5月28日

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東西FXニュース – 2024年5月28日

文／八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点：

日銀金融正常化予想の影響

新発10年債利回り1.040％

日米金利差縮小時の円相場

日経平均反落と独DAX上昇

今日2024年5月28日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートは、円の安値でドルの高値の156円93銭付近から、円の高値でドルの安値の156円62銭付近の値幅約31銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値は156円88〜89銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の156円91〜92銭付近の前東京終値比で約3銭の小幅な円高ドル安であった。

ただし、今夜17時35分頃の英国ロンドン外国為替市場では、ドルは円相場で一時156円96銭付近の日本市場時間の高値を更新し、前日比で小幅な円安ドル高にも転じている。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界FX市場のトレンド動向の分析は、まず昨日の日本市場終了後の英国ロンドン外国為替市場と米国ニューヨーク外国為替市場は祝日休場で市場流動性が減少していたが、昨日に日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) 金融研究所主催の2024年国際コンファランスにおいて植田和男総裁や内田真一副総裁が、3％から2％への物価目標の達成や、金融正常化に前向きな発言があったことなどから、昨夜21時の米国ニューヨーク外国為替市場の始値相当時間の世界FX市場の対ドル円相場は一時156円88銭付近で、日銀金融正常化予想の影響による円買いドル売りが続いていたことでは、ドルは円相場で深夜24時1分頃に一時156円71銭付近の円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、欧州市場では日米株高に続き、ドイツの独DAX (Deutsche Aktien IndeX) などの欧州株価指数も上昇したため、リスク選好のリスクオン (Risk-on) で低リスク通貨の円の利益確定売りで欧州ユーロが買い戻された影響が、対ドルの円相場にも波及し始めた。

また、欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 高官のフランス銀行 (BDF / Banque de France) のフランソワ・ビルロワドガロー総裁が、「6月と7月の欧州中央銀行 (ECB) 理事会での欧州利下げの可能性を排除すべきではない」とハト派寄りの発言をしていたことも話題になり、欧州ユーロに対して一時低下後のドルがやや反発した影響も対ドル円相場に波及したため、午前5時58分頃には一時156円95銭付近の米国市場相当時間の円の安値でドルの高値を記録し、ドルは円相場での下げ幅を縮めたが、利益確定売りの抵抗も交えた。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の156円71銭付近から、円の安値でドルの高値の156円95銭付近の値幅約24銭の値動きで、今朝6時頃のニューヨーク終値相当時間は156円88銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の156円99銭と比べ約11銭の円高ドル安をつけていた。

早朝のアジア・オセアニア市場に続いて今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時156円84銭付近の始値であったが、今朝9時55分の日本市場の仲値決済に向けた日本企業の輸入実需の円売りドル買いが優勢になり、今朝10時0分頃にはドルは円相場で一時156円93銭付近の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、その後には輸出企業の円買いドル売りが続いたほか、今朝も日本政府の鈴木俊一財務相が円相場について、「過度な変動は望ましくない」と、円安牽制発言を続けており、為替介入警戒感の燻りも円相場を支えていたため、昼の12時24分と12時26分と13時2分頃に、対ドル円相場は一時156円62銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

また、今日の日本市場時間の時間外の米国債券市場では、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.70%台から4.46％台付近で推移後に、一時4.45%台に向けて低下していた反面、日銀の追加利上げ予想の影響もあり、新発10年物の日本国債利回りが指標の国内長期金利は一時1.040%に向けて上昇し、2012年4月以来12年ぶりの高利回りであることから、債券利回りを受けた日米金利差縮小による円買いドル売りも影響を及ぼした。

一方、今日の午後15時の東京株式市場では、先週末や前日の日米欧株価上昇後に、日経平均株価が3万8,855円37銭の終値をつけ、前日比44円65銭安の小幅安で大引けしたものの、午後からの欧州市場の参入では、欧州ユーロ圏主要国のドイツの独DAX株式指数は前営業日比で続伸して始まったため、午前15時前までの低リスク通貨の円買いから、欧州市場参入後の低リスク通貨の円売りに転じた影響もあってドルは円相場で反発し、昼頃の下げ幅を縮め、午後16時2分頃と16時40分と16時55〜56分頃に、今朝のドルの高値圏に近い一時156円92銭付近に反発して高止まりに近い値動きを見せた。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は156円88〜89銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の156円91〜92銭付近の前東京終値比で約3銭の小幅な円高ドル安になった。

今日の夕方から始まった祝日連休明けの英国ロンドン外国為替市場に続き、今夜この後の米国ニューヨーク外国為替市場も連休明けのため、最新米国経済指標の発表予定や米国債入札予定や次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB/ Federal Reserve Board) 高官達の発言予定などがあり、今夜22時に1〜3月四半期の米国住宅価格指数と 3月の米国住宅価格指数と3月の米国ケース・シラー住宅価格指数、今夜23時に5月のコンファレンス・ボードの米国消費者信頼感指数、深夜24時30分に米国2年債入札予定、26時頃に米国5年債入札予定、26時5分頃から次回のFOMC投票権を持つFRBのクック理事の発言予定、26時5分頃から同じくFOMC投票権を持つ米国サンフランシスコ連銀のデイリー総裁の発言予定などを控えている。

また、今週後半には、5月30日木曜日の最新米国重要経済指標の1〜3月四半期の米国実質国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) 改定値の発表予定や、5月31日金曜日の4月の米国個人消費支出のPCEデフレーターなどの発表イベント予定の注目度が高い。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は170円62〜63銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の170円22〜27銭付近と比べて約40銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、今日の午後15時に発表された欧州ユーロ圏主要国の最新経済指標の4月の独卸売物価指数 (WPI / Wholesale Price Index) の前月比が、前回の0.2%から0.4%に上昇した影響があったほか、前述の欧州株高を受けたリスク選好のリスクオンで、低リスク通貨の円や世界的に流動性が高い安全資産でもあるドルに対して欧州ユーロが買われていた。

そのため、ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0874〜1.0876ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.0847〜1.0849ドル付近と比べると約0.27セントのユーロ高ドル安であった。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は200円35〜41銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の199円88〜94銭付近と比べて約47銭の円安ポンド高であった。

主な要因は、昨夜の英国ロンドン外国為替市場は祝日休場であったが、先週の英国インフレ指標を受けて英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) の早期の利下げ予想が後退していた市場トレンドを受けた円売り英国ポンド買いが今日の日本市場や午後からの連休明けの英国市場で優勢で、また英国では7月4日に総選挙の実施が決まっていたこともあり、短期的な経済政策の変更や英国利下げ転換を起こしにくいとの市場予想により、1ポンド=200円を超える2008年以来のおよそ16年ぶりの円安ポンド高が進行し、今日の夕方16時55分頃の日本市場の午後と連休明けの英国ロンドン外国為替市場では、英国ポンドは円相場で一時200円46銭に上昇していた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年5月28日の日本時間（JST）17時47分（チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の9時47分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。（なお、米国市場でも3月第二日曜日から、米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。）

通貨ペア	JST 17:47の為替レート	日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円	156.92 〜 156.93	＋0.01 (円安)
ユーロ/円	170.53 〜 170.55	＋0.31 (円安)
ユーロ/ドル	1.0866 〜 1.0868	＋0.0019 (ドル安)
英ポンド/円	200.26 〜 200.32	＋0.38 (円安)
スイスフラン/円	172.07 〜 172.13	＋0.64 (円安)
豪ドル/円	104.43 〜 104.47	＋0.31 (円安)