FXニュース:米PPIとFRB議長発言控え

2024年5月14日
FXニュース:米PPIとFRB議長発言控え

 

東西FXニュース – 2024年5月14日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米FRB副議長インフレ懸念
  • 米財務長官為替介入再牽制
  • 米連銀インフレ期待も上昇
  • 日本政府の口先介入は続く
  • 日経平均株価反発時円売り
  • 英国失業保険申請件数改善

今日2024年5月14日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートは、円の高値でドルの安値の156円23銭付近から、円の安値でドルの高値の156円54銭付近の値幅約31銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値は156円46銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時155円88〜89銭付近の前東京終値比で約58銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と、時間に沿った世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、昨日の夕方の日本市場終了後の英国ロンドン外国為替市場では、世界的な安全資産でもある米国債が買われた影響で、米国債券価格上昇に伴う利回り低下の影響があり、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は一時4.48%台で推移していたため、米国のインフレ警戒による米国高金利長期化の市場予想の中でもドルの円相場での上値が抑えられてドル円はやや小動きになっており、英国市場後半の昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時155円88銭付近と、昨日17時の前東京終値とほぼ横ばい圏であった。

しかし、昨夜の米国市場では、翌米国市場にあたる今夜この後の火曜日の夜の最新米国経済指標の4月の米国卸売 (生産者) 物価指数 (PPI / Producer Price Index) と米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長の発言予定や、明日水曜日の夜には米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) 米国の新金融政策を決める上で重視している最新米国重要経済指標の米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の発表イベントを控えたドルのイベントリスクにより、安全資産の米国債が買われたため、米国債券価格上昇に伴う利回り低下が更に進行し、開場時の昨夜21時頃には一時4.487%付近だった米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が昨夜22時35分頃の一時4.470%付近に向けて大きく低下した影響で、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円売りドル買いで、昨夜22時21〜23分頃にかけて、対ドルの円相場は一時155円69銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、先週末の前営業日の米国ミシガン大学調査の消費者予想インフレ率の上昇や米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官達の米国のインフレ懸念による米国高金利長期化予想の中では日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の政策金利が低金利の円に対してのドルの下値は固く、市場安値圏からのドルの買い戻しが入り始めたことに加えて、昨夜22時頃からの米国クリーブランド連銀のイベント講演後の質疑応答時間の米国連邦準備制度理事会 (FRB) のフィリップ・ジェファーソン副議長の発言がニュースになり、今年の1~3月期に米国インフレ抑制の進展が弱まったことを懸念した上で、「米国のインフレ率が目標の2%に向かっているとの証拠が得られるまで、米国政策金利を高水準で維持することが適切だ」とタカ派発言があったことが話題になり、円相場ではドルの買い戻しの勢いが強まった。

また、昨夜23時台には、米国政府のジャネット・イエレン財務長官が、「G7各国の通貨は、市場で決定されるべき」で、「為替介入は稀な行為であるべきで、他国への伝達が必要」と、日本政府と日銀 (BoJ) の為替介入に否定的な為替介入牽制の発言を繰り返したため、国際協調介入の可能性がなくなったことで、日本は世界一の対外純資産を持つものの日本単独の為替介入では効果が限られることや、国際協調性の観点からは、日本政府と日銀 (日銀) が為替介入を続けて行うことには米国からの風当たりが厳しくなるとの見方が市場で高まり、為替介入警戒感が緩和されたことでも、円売りドル買いが入りやすくなった。

そういった米国市場のドル買いトレンドの中で、昨夜の深夜24時頃には米国ニューヨーク連邦準備銀行 (ニューヨーク連銀 / Federal Reserve Bank of New York) が、4月の米国ニューヨーク連銀の米国消費者調査を発表し、1年後の米国消費者予想インフレ率が前月の3.0%から3.3%に上昇し、昨年11月以来の5ヶ月ぶりの高水準になったしたことで、前述の米国ミシガン大学調査の米国消費者予想インフレ率の上昇に続き、米国インフレ長期化による米国高金利長期化予想による対円のドル買いの勢いが一気に強まり、発表後の深夜24時3分頃からドルは円相場で156円台に乗せて上昇を続けた。

また、同米国ニューヨーク連銀の調査では、以前に米国連邦準備制度理事会 (FRB) の高官達が警戒していた根強い米国住宅インフレについても、米国住宅価格の上昇率の見通しが2022年7月以来の大きさに引き上げられていた。

米国政策金利の先高観により、米国長期金利も一時低下後に反発して一時4.49%台付近に向けて再上昇した影響もあり、午前2時36〜51分頃までの15分間、ドルは円相場で一時156円24銭以上の高値圏で高止まりを見せたほか、その高止まり中の午前2時46分をピークに午前2時39〜40と午前2時42分と午前2時45〜47分に複数回に渡って一時156円25銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、先述の通り、今週は今夜この後に4月の米国卸売 (生産者) 物価指数 (PPI) と米国連邦準備制度理事会 (FRB) のパウエル議長の発言予定や、明日の最新米国重要経済指標の米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の発表イベント予定があり、イベントリスクによる早期の利益確定と持ち高調整と買い控えが米国市場でのドルの上値を抑えていたことでは、高値天井を上抜けできなかったことでは小幅に反落した。

一方で、米国ニューヨーク株式指標では、米国主要株価三指数の米国ナズダック (NASDAQ Composite) のみ前営業日比で小幅高の終値に向かったものの、決算報告期の米国政策金利の高止まりによる将来的な企業決算への影響の懸念の株売りもあり、米国ダウ工業株30種 (Dow Jones Industrial Average) が反落し、米国S&P500種 (Standard and Poor’s 500) と共に前営業日比で小幅安になり、一部の米国株価下落時の安全資産の米国債買いでは米国ニューヨーク債券市場の米国10年債の利回りの終値時点は4.489%になり、低リスク通貨の円の安値買いの小幅抵抗の一因になった。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の155円69銭付近から、円の安値でドルの高値の156円25銭付近の値幅約56銭の値動きで、今朝6時頃のニューヨーク終値は156円22銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の155円78銭と比べて約44銭の円安ドル高をつけていた。

今朝8時50分には日本の最新経済指標が発表されたが、4月の日本国内企業物価指数は、前月比が前回の0.2%に対し市場予想通りの0.3%で、前年同月比も前回と市場予想の0.8%に対し前回修正と同じ0.9%と想定範囲内の横ばいに近い小幅上昇に留まっていた。

今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時156円23銭付近で、これが今日の日本市場での円の高値でドルの安値となり、今日の日本市場でも、昨夜の米国市場のドル買い要因だった米国インフレ警戒による米国高金利長期化予想のトレンドが再燃し、ドルが円相場で上昇を続けた。

ただし、今朝も日本政府の鈴木俊一財務相は、円安について、「水準に着目するのではなく、ファンダメンタルズを反映して、安定的に推移することが重要」で、為替介入についても「過度な変動がある場合には、ならす行為が必要になる」と口先介入を継続していたことでは、昨夜の米国政府のイエレン財務長官の為替介入牽制発言後にも、日本政府と日銀は姿勢を変えていないとの見解では、一時緩和されていた為替介入警戒感が再び意識されるようになったが、「水準に着目するのではなく」という点では、156円台に乗せたまま、価格変動性のボラティリティ (Volatility / 英語発音では伸ばさないが、米語発音ではボラティリティー) に注意した抵抗を混じえた穏やかな上昇を見せた。

また、昨日の日銀 (BoJ) の国債購入予定額減額以来、日本国債の新発10年債の利回りが指標となる日本の長期金利が上昇し、今日の日本市場時間には一時0.965%と昨年11月以来の高利回りになったことも、米国長期金利が一時低下した時間にはやや円相場の抵抗になっていたが、ドル上昇トレンドの中での小抵抗に留まっていた。

一方で、今日の午後の東京株式市場では一時低下後の日経平均株価が反発し、後半にプラス圏に転じた後の午後15時台には3万8,356円6銭の終値をつけ、前営業日比176円60銭高の大幅高で大引けしたことでは、日本株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) 市場で国内第一安全資産の低リスク通貨の円が売られたため、午後15時12分頃に対ドルの円相場が下落し、一時156円54銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、日本市場と午後から参入した欧州英国市場でも、今夜この後と明日のドルのイベントリスクによる持ち高調整と様子見のドルの買い控えは小抵抗になっていた。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は156円46銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時155円88〜89銭付近の前東京終値比で約58銭の円安ドル高になった。

今夜この後の米国市場では、前述の通り、4月の米国卸売 (生産者) 物価指数 (PPI) の発表予定と次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官の中でも市場への影響力が最も強いパウエル議長の発言予定などがあり、日本時間の経済カレンダーのスケジュール予定は、今夜21時30分に4月の米国卸売 (生産者) 物価指数 (PPI) と米国PPIコア指数が発表され、今夜22時10分頃から次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) のクックFRB理事の発言予定、そして、今夜23時頃から米国連邦準備制度理事会 (FRB) のパウエル議長の発言予定を控えており、イベント時の値動きには注意が必要である。

また、明日水曜日の夜21時30分には、最新米国重要インフレ指標の4月の米国消費者物価指数 (CPI) の発表イベントの予定を控えているほか、米国株式市場でも米国主要企業の決算報告シーズンの影響がまだ続いていることから、為替相場への影響に注意が必要である。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は168円76〜77銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の167円94〜96銭付近と比べると約82銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、昨日に続き、先週末の4月開催分の欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会議事要旨の影響があったほか、今日の午後の日経平均株価上昇時のリスク選好の低リスク通貨の円売りでも、欧州ユーロが買われやすかった。

なお、今日の午後15時に発表された欧州ユーロ圏主要国ドイツの最新経済指標の4月の独消費者物価指数 (CPI) の改定値は、前月比が前回と市場予想通りの0.5%で、前年同月比も前回と市場予想通りの2.2%の横ばいであった。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0785〜1.0787ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.0773〜1.0775ドル付近と比べると約0.12セントのユーロ高ドル安であった。

主な要因は、米ドルのイベントリスクによる様子見の買い控えがある一方で、今日の日経平均株価上昇時のリスクオンで欧州ユーロは買われやすかった。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は196円35〜39銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の195円19〜25銭付近と比べると約1円16銭の大幅な円安ポンド高であった。

主な要因は、今日の午後15時に発表された最新英国経済指標の4月の英国失業保険申請件数が前回の1.09万件が前回-0.24万件に大幅に改善の修正がされたほか、今回も0.89万件に減少して改善していたことで、主要通貨に対して英国ポンドが上昇し、この時間には日経平均株価上昇による低リスク通貨の円売りでも英国ポンドは買われやすかったため、円相場で大幅な円安ポンド高になった。

ただし、同時発表だった4月の英国失業率は、前回の4.0%と前回修正の4.1%に対し前回修正と横ばいの4.1%で、3月のILO方式の英国失業率も前回の4.2%に対し市場予想通りの4.3%であったことでは、その後には英国ポンドの利益確定売りの抵抗も入った。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年5月14日の日本時間(JST)19時31分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時31分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 19:31の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 156.36 〜 156.38 +0.48 (円安)
ユーロ/円 168.79 〜 168.81 +0.85 (円安)
ユーロ/ドル 1.0794 〜 1.0795 +0.0021 (ドル安)
英ポンド/円 196.27 〜 196.33 +1.08 (円安)
スイスフラン/円 172.24 〜 172.30 +0.37 (円安)
豪ドル/円 103.32 〜 103.36 +0.43 (円安)


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