FXニュース:米消費者予想インフレ上昇

2024年5月13日
FXニュース:米消費者予想インフレ上昇

 

東西FXニュース – 2024年5月13日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米FRB高官のインフレ警戒
  • 日銀国債購入予定額を減額
  • 国内金利警戒で日本株反落
  • 欧ECB議事要旨の当面維持
  • 明日米FRB議長の発言予定
  • 今週米CPI等重要指標控え

今日2024年5月13日月曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートは、円の安値でドルの高値の155円96銭付近から、円の高値でドルの安値の155円49銭付近の値幅約47銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値は155円88〜89銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の155円68〜69銭付近の前東京終値比で約20銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と、時間に沿った世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、先週金曜日の日本市場終了後の夜21時から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時155円74銭付近であったが、この時間の米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.47%台付近から4.49%台に向けた上昇トレンドであったため、日米金利差拡大による円売りドル買いが先行し、先週金曜日の夜21時46分頃にはドルは円相場で一時155円87銭付近に上昇していた。

先週金曜日の夜23時の最新米国経済指標の5月の米国ミシガン大学消費者態度指数の速報値の発表前の22時51分と57分頃には、前回よりも低下するという市場予想によるイベントリスクの持ち高調整の低リスク通貨の円買いドル売りにより、ドルは円相場で一時155円60銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した通りに、前回よりも低下し、前回4月の77.2と市場予想の76.0を大幅に下回る67.4であったが、その大幅低下の原因は米国消費者のインフレ警戒感の影響が強く、併せて発表された米国消費者の1年後の予想インフレ率は前回4月の3.2%から3.5%に上昇しており、米国のインフレ警戒感によるインフレ抑制のための政策金利の高金利長期化予想や金利先高感からは米国長期金利が一時4.50%台に反発後に更に一時4.51%台に向けて上昇したため、かねてからの円安要因の日米金利差拡大による円売りドル買いで、先週金曜日の夜23時56〜57分頃にかけてドルは円相場で一時155円90銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

また、先週金曜日の夜にも米国の中央銀行制度にあたる米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の高官達のタカ派発言が続き、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) のミシェル・ボウマン理事も、米国消費者マインドに同調し、今年に入ってから米国インフレの根強さを示す経済指標が続いた点を指摘した上で米国インフレ長期化への警戒感を示し、現在5.25~5.50%の米国政策金利と金融政策を、「もう少し長く、現状維持をする必要がある」と発言したほか、「年内の米国利下げは、正当化されないであろう」とタカ派発言をしたことも、米国政策金利先高感による米国長期金利上昇に影響を及ぼし、低金利の円に対して金利差トレードでドルが買われて、ドルは円相場で高止まりを続けた。

米国ダラス連銀のロリー(ローリーとも呼ばれるLorie)・ローガン総裁も、「米国利下げについて考えるのは、時期尚早」と発言し、「インフレには重要な上振れリスクがある」と、米国インフレへの警戒感を示したほか、「現在の金融政策がどの程度制約的か、この軌道を維持するのに十分かという点でも、不確実性がある」と、米国の追加利上げの可能性を排除しないことを示唆したため、タカ派発言の影響を受けて、ドルは円相場で先週金曜日の深夜24時23分頃と先週土曜日の午前1時1分頃にも、再び高値圏の一時155円90銭付近で推移していた。

ただし、先週末の米国市場では翌週にあたる今週には、米国連邦準備制度理事会 (FRB) が毎回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) で金融政策を決める上で重視する米国インフレ関連の最新米国重要経済指標の4月の米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の発表予定が水曜日にあり、その前日の明日の火曜日にも4月の米国卸売 (生産者) 物価指数 (PPI / Producer Price Index) の発表予定と米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官達の中でも市場への影響力の大きいジェローム・パウエル議長の発言予定のイベントも控えているため、イベントリスクの影響もあり、テクニカル分析的にもダブルトップ (Double Top) の毛抜き天井を上抜けできなかったことでは、利益確定や持ち高調整の抵抗が入り始めた。

米国アトランタ連銀のラファエル・ボスティック総裁は、米国インフレ率の鈍化が緩やかであっても年内に利下げをする公算は依然として大きいとの見解は示したものの、米国の利下げの時期と利下げ幅や回数には不透明があるとして、具体的な利下げ時期については明言しなかった。

なお、午前3時に発表された4月の米国月次財政収支は、前回マイナス圏だった-2365億ドルと市場予想の2500億ドルに対し、市場予想には届かなかったが前回より上昇のプラス圏の2095億ドルであった。

一方、米国主要企業の決済報告シーズンの影響続いていた先週末の米国ニューヨーク株式市場でも、米国主要株価三指数の米国ナズダック (NASDAQ Composite) が前営業日比で小幅安の終値に向かい、米国S&P500種 (Standard and Poor’s 500) は前営業日比で小幅高、米国ダウ工業株30種 (Dow Jones Industrial Average) は前営業日比大幅高で続伸したものの、前営業日と比較すると続伸時の値幅が狭まっていたため、一部の株価の影響を受けた安全資産の米国債の安値買い戻しもやや混ざったため、先週末の米国ニューヨーク債券市場の米国長期金利は終値時点では一時の4.51%台からは少し戻した4.505%であった。ただし、先週の週間統計では米国主要株価三指数は全て前週比で上昇し、米国ダウの週間上昇率は昨年2023年12月以来の大きさであったことは、先週末の低リスク通貨の円売りとドル買い戻しの一因になっていた。

このため、先週金曜日の夜から先週土曜日の朝までの先週末の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の155円60銭付近から、円の安値でドルの高値の155円90銭付近の値幅約30銭の値動きで、先週土曜日の朝6時頃の先週末のニューヨーク終値は155円78銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の155円48銭付近と比べて約30銭の円安ドル高をつけて週末を迎えていた。

週明けの今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、今週の米国重要経済指標のイベントリスクを控えたドルの利益確定と持ち高調整が先行した窓開きで始まったが、その後には世界的に流動性が高いドルの買い戻しが続いたため、今朝9時頃からの日本の東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時155円83銭付近で、今朝の日本市場の仲値決済に向けた日本の貿易企業の輸入実需による円売りドル買い需要も高かったため、今朝9時52分頃にドルは円相場で一時155円96銭付近の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、今朝10時10分に日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) が、定例の公開市場操作の国債買い入れオペの指し値オペを通知したが、残存期間5年超10年以下の日本国債の買い入れ予定額を4250億円とし、前回4月24日の4750億円規模から500億円ほど減額したことを受けては、今年3月に日銀 (BoJ) が日本の国債利回りの国内長期金利を抑制する長短金利操作のイールドカーブ・コントロール (YCC / Yield Curve Control) 解除後初の買い入れ額の減額となったことから、日本の国内金利の先高観の市場予想が高まったことでは、新発10年物の日本国債の利回りが指標となる国内長期金利が一時0.940%付近に上昇し、昨年2023年11月以来の高利回りを記録したため、主要通貨に対する金利差縮小時の円買いで円相場が反発上昇し、発表後の今朝10時12分頃に日米金利差縮小時の円買いドル売りで対ドル円相場は一時155円49〜50銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録したが、米国政策金利の先高観もあることでは、ドルの買い戻しが入って反発した。

また、日本の金利先高観への警戒感により、今日の東京株式市場では、日経平均株価が下落したことでも、国内第一安全資産の低リスク通貨の円が買われたが、今日の午後15時台には日経平均株価は3万8,179円46銭の終値をつけ、前営業日比49円65銭安の小幅安で大引けしたことでは、大幅安にならなかったことでは低リスク通貨の円買い後の利益確定売りや持ち高調整の抵抗も入り、午後15時15分頃にドルは円相場で一時155円92〜93銭付近に戻していた。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は155円88〜89銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の155円68〜69銭付近の前東京終値と比較すると約20銭の円安ドル高になっていた。

今夜この後の米国市場では、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官達の発言予定があり、日本時間の経済カレンダーのスケジュール予定は、今夜22時頃から米国連邦準備制度理事会 (FRB) のジェファーソン副議長と米国クリーブランド連銀のメスター総裁の発言予定があり、いずれも次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持っている。

また、前述の通り、今週は明日5月14日火曜日の夜23時には米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官達の中でも市場への影響力が最も大きいジェローム・パウエル議長の発言予定を控えているほか、明日火曜日の夜21時30分には4月の米国卸売 (生産者) 物価指数 (PPI) の発表予定と、明後日の水曜日の夜21時30分には注目度の高い最新米国重要インフレ指標の4月の米国消費者物価指数 (CPI) の発表イベントの予定を控えているため、イベント前の持ち高調整も入り始めている。

加えて、米国株式市場でも、米国主要企業の決算報告シーズンの影響がまだ続いていることから、為替相場への影響に注意が必要である。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は167円94〜96銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の167円84〜85銭付近と比べると約10銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、先週金曜日の夜20時30分の英国ロンドン外国為替市場で発表された4月11日開催分の欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会議事要旨に、「欧州のインフレ見通しを裏付ける追加的な証拠が得られれば、6月の理事会で制約的な金融政策を緩め始める姿勢を取ることが可能になる」と、「追加的な証拠」という条件付きの見解が示された傍らで、欧州の政策金利は、「しばらくの間、制約的な水準で維持されるだろう」という「当面維持」に関する言及があったために、欧州ユーロ圏主要国ドイツの独連邦債10年物の利回りが上昇し、ユーロ円には日欧金利差拡大時の円売りユーロ買いの影響が出ていた。

しかし、先述の米国長期金利上昇の影響もあったため、ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0773〜1.0775ドル付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の1.0779〜1.0781ドル付近と比べると約0.06セントの小幅なユーロ安ドル高であった。

ただし、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、欧州市場の欧州ユーロ圏主要国ドイツの独10年債の利回りが一時の反落後に下げ幅を縮めて再上昇したため、欧米金利差縮小時の欧州ユーロの買い戻しが入ったことでは、今週のドルのイベントリスクによる早期の利益確定と持ち高調整や買い控えなども入り始めて小幅圏であったために、小幅なユーロ高ドル安への市場反転も見せている。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は195円19〜25銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の195円3〜9銭付近と比べると約16銭の円安ポンド高であった。

主な要因は、前回のニュースでもお伝えした通り、先週金曜日の午後15時に発表された最新英国重要経済指標の1〜3月四半期の英国国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) の前期比の速報値が前回のマイナス成長の-0.3%や市場予想の0.4%を上振れするプラス成長の0.6%に改善し、同四半期の前年同期比の速報値も前回の-0.2%と市場予想の0.0%を上振れする0.2%であったことに加えて、単月の3月の英国月次国内総生産 (GDP) の前月比も前回の0.1%と前回修正の0.2%と市場予想の0.1%を超える0.4%に上昇したことで、英国がリセッション (Recession / 景気後退) を脱したとの受け止めから、先週末の英国ロンドン外国為替市場では英国10年債の利回りが指標となる英国長期金利も上昇したことを受けて、日英金利差による円売りポンド買いも円相場と為替相場に影響を及ぼした。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年5月13日の日本時間(JST)19時18分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時18分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 19:18の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 155.86 〜 155.87 +0.18 (円安)
ユーロ/円 168.07 〜 168.09 +0.23 (円安)
ユーロ/ドル 1.0782 〜 1.0784 +0.0003 (ドル安)
英ポンド/円 195.26 〜 195.32 +0.23 (円安)
スイスフラン/円 171.81 〜 171.87 +0.31 (円安)
豪ドル/円 103.01 〜 103.05 +0.09 (円安)


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