FXニュース:1990年7月以来151円97銭

2024年3月27日
FXニュース:1990年7月以来151円97銭

 

東西FXニュース – 2024年3月27日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米長期金利上昇で金利差拡大
  • 期末前ロンフィクのドル買い
  • 米耐久財受注額が予想上振れ
  • 日銀田村委員の緩和継続発言
  • 政府の円安牽制続き介入警戒
  • 今日の日経平均株価大幅反発
  • 34年ぶりの円安ドル高記録後
  • 明日の米PCE物価指数を控え

今日2024年3月27日水曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートは、円の高値でドルの安値の151円45銭付近から、円の安値でドルの高値の151円97銭付近の値幅約52銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値は151円67〜69銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の151円32〜34銭付近の前東京終値比では約35銭の円安ドル高であった。

今日は日本市場の朝11時43分頃に一時151円97銭付近の1990年7月以来の約34年ぶりの円安ドル高を記録したが、その後には日本政府と日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の為替介入警戒感が高まったことが152円手前の上抜けを抑制したほか、今夕の英国ロンドン外国為替市場では、円相場は主要通貨に対する反発も見せている。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、昨日の夕方17時の日本市場終了後の英国ロンドン外国為替市場では、4月5日の税制上の年度末や3月末の四半期末前であることに加えて、今週金曜日の聖金曜日 (Good Friday / グッドフライデー) からキリスト教の春の復活祭のイースターマンデー (Easter Monday) の来週月曜日の祝日までの大型連休の週末の日曜日には英国冬時間が終了し、英国夏時間のサマータイム (Summertime) 開始で1時間の時差変更の予定も控えているため、今週はホリデー前の利益確定売りやポジション調整の影響があり、昨夜18時9分頃にはドルは円相場で一時151円21銭付近まで売られていたが、世界的な安全資産の米国債もポジション調整で売られたため、一時低下後の米国長期金利が反発上昇に転じたことや、英国市場の値決めのロンドン・フィキシングに向けて、世界的に流動性が高いドル買いのフローが起き始めたため、英国市場の後半の昨夜21時頃から始まった米国夏時間の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の始値が一時151円39銭付近であった。

昨夜21時30分に発表された最新米国経済指標の2月の米国耐久財受注は、前月比が前回マイナス圏だった-6.1%と前回修正の-6.9%と市場予想の1.1%に対しプラス圏の1.4%に改善され市場予想を上回ったほか、輸送用機器除いたコアな前月比も前回の-0.3%と市場予想の0.4%を上回る0.5%に上昇したことでも、発表後の21時38分頃にはドルが一時151円47銭付近に買われたほか、堅調な米国経済指標のインフレ圧を受けて、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が次回5月の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) でも米国政策金利誘導目標のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートを据え置きにする市場予想値が91%台の優勢で70%の確定値超えを保っていたことに加えて、その先の6月の米国利下げ予想値は先日のFRB高官のタカ派発言の影響もあり、今日の時点でも確定値の70%以下の64%台付近で推移しており、米国ニューヨーク債券市場では米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.26%台に向けて上昇しており、円安要因の日米金利差が拡大していた。

ただし、昨夜22時に発表された1月の米国住宅価格指数の前月比は、前回の0.1%と市場予想の0.3%に対し-0.1%に鈍化したことや、1月の米国ケース・シラー住宅価格指数の前年同月比では前回の6.1%と前回修正の6.2%と市場予想の6.7%に対し6.6%で、続いて昨夜23時に発表された3月の米国リッチモンド連銀製造業指数が前回と市場予想の-5に対し-11と弱く、同時発表の3月のコンファレンス・ボードの米国消費者信頼感指数も前回の106.7と前回修正の104.8と市場予想の107.0を下回る104.7であったことではドル売りの一時抵抗も入り、昨夜23時4分頃にドルは円相場で一時151円30銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、日米金利差もあってすぐにドルは円相場で反発したことに加えて、日本時間で今週末までの英国冬時間中には午前1時頃にあたる英国市場の値決めのロンドン・フィキシング (London Fixing) に向けた大規模なドル買いフローが強まったことでは、深夜24時58分頃にはドルは円相場で一時151円60銭付近に上昇し、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

米国ニューヨーク債券市場でも、午前2時の米国5年債の入札前には、他の年度の米国債も四半期末前のポジション調整などもあって売られていたため、米国10年債の利回りが指標である米国長期金利は一時4.27%台に上昇しており、債券利回りの日米金利差拡大による円売りドル買いも影響を及ぼしていたが、入札を受けた米国債買いはやや抵抗になった。

同時進行の米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数が小幅ながらも続落の終値に向かったこともリスク回避のリスクオフ (Risk-off) による安全資産の米国債買いと低リスク通貨の円買いの抵抗の一因となったが、今週金曜日からのイースター連休前の明日木曜日には、最新米国重要経済指標の昨年10〜12月の前四半期の米国実質国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) の確定値と米国GDP個人消費や米国コアPCE (Personal Consumption Expenditures / 個人消費支出) 物価指数の発表イベントも控えているため、市場予想を受けた米国インフレ関連指標の上振れ警戒のドル買いなども入っていた。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の151円30銭付近から、円の安値でドルの高値の151円60銭付近の値幅約30銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は151円56銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の151円42銭付近と比べて約14銭の円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場での値動きに続き、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時151円52銭付近の始値であったが、今朝の日本市場の仲値決済に向けて、日本の春の年度末と四半期末を控えた日本の輸出企業や投資系などが日本円建ての決算のために円買いドル売りをしていた影響を受けては、今朝9時53分頃に一時151円45銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、今日の東京株式市場では、昨日に日本の国土交通省の発表で公示地価がバブル以降で最大の前年比で平均2.3%上昇したニュースの影響もあり、脱デフレ期待のトレードで不動産株が前日比で2.3%も上昇したほか、日銀のマイナス金利解除後の利息収入見込みのある金融関連株も好調で、朝から日経平均株価が大幅高に反発上昇しており、日本株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) では、国内第一安全資産の低リスク通貨の円が売られやすくなり、債券市場でも日本国債の40年物の入札が堅調で、日本国債の債券価格上昇に伴う利回り低下の影響で日米債券市場の利回りの影響による日米金利差拡大でも円が売られた。

また、今日は日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の中でも市場ではタカ派寄りと考えられていた田村直樹審議委員が講演で発言し、「ゆっくりと、しかし着実に、金融政策の正常化を進め、異例の大規模金融緩和を上手に手仕舞いしていくために、これからの金融政策の手綱さばきは極めて重要」で、「賃金と物価の好循環が今後も続く公算が大きい」としながらも、「当面、緩和的な金融環境が継続する」と、想定外のハト派発言をしたことを受けた市場では、金融緩和長期化による日米金利差が意識され、円売りドル買いの勢いが強まり、午前11時43分頃にドル円は2022年10月21日に記録した高値151円95銭のレジスタンスライン (Resistance Line / 抵抗線) を上抜けし、一時151円97銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値および1990年7月以来の約34年ぶりの円安ドル高を記録した。

同時進行していたアジア市場でも、中国人民銀行 (PBC / People’s Bank of China) が、今月22日に人民元の基準値を元安方向に設定して以来3営業日ぶりに今日の中国人民元の対ドルの売買基準値を前日比で元安ドル高に設定した影響が、対ドル円相場にもこの時間のドル高圧として波及していた。

しかし、その後には、連日の口先介入により為替介入警戒感を高めていた日本政府の鈴木俊一財務相が、今日も「行き過ぎた動きには、あらゆる手段を排除せず、断固たる措置を取る」と口先介入をしたことが話題になり、日本政府と日銀の為替介入警戒感の再燃により円が買い戻されて、正午12時12分頃には対ドルの円相場は一時151円60銭付近に反発する抵抗を見せた。

ただし、午後15時台に今日の日経平均株価は4万762円73銭の終値をつけ、前日比で364円70銭高の大幅高のままで大引けしたことを受けては、東京株式市場からは強気市場のブル・マーケット (Bull Market) 特有のリスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りの値動きの影響が続き、ドルが再び買われたことではドルも円相場で反発した。

そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は151円67〜69銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の151円32〜34銭付近の前東京終値比で約35銭の円安ドル高になった。

ただし、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、昨夕と同じく再び四半期末前とイースターホリデーを控えた利益確定や持ち高調整の値動きの影響が入り始めたほか、日本市場終了後で日本企業のご迷惑にならない時間の日本政府と日銀 (BoJ) の為替介入への警戒感が高まる夕方の「財務省・金融庁・日銀が18時15分から情報交換会合を開催する」という三者会合のニュースがあり、今日の1990年以来の円安ドル高を記録後のドルが利益確定売りや円の持ち高が調整されたことでは円相場は再び反発し、今夜20時36分頃にドルは円相場で一時151円2〜3銭付近にまで下げており、この時間には前東京終値比で小幅な円高ドル安への市場反転も見せているが、為替介入の警戒域を離れたことでは、今夜の米国市場に向けたドルの買い戻しなども入り始めている。

なお、今夜20時に発表された米国MBA住宅ローン申請指数の前週比は、前回の-1.6%から-0.7%にマイナス圏ながらも改善されていた。

今夜この後には、最新米国経済指標の発表や米国債入札予定が続き、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜23時30分に週間の米国原油在庫と26時に米国7年債の入札予定を控えている。また明日の夜には、欧米市場の連休前の週末最後の米国市場で、先述の最新重要米国経済指標の米国GDPや米国PCEコア物価指数などが発表される予定である。

一方、欧州ユーロの円相場は、今夜17時の今日の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は164円9~10銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の164円4~6銭付近の前東京終値比では約5銭の小幅な円安ユーロ高であった。

主な要因は、先述の通り、今週金曜日からのイースター (Easter) の休暇時期と今週末の欧州と英国の夏時間への変更に向けた四半期末を控えて、利益確定や持ち高調整の後に新規ポジションの買い控えなども入っていたことでは小幅安になったが、今日の日経平均株価の大幅な反発上昇を受けたリスク選好市場では、日欧金利差もあって低リスク通貨の円売りで欧州ユーロが買われていた。

また、今日の午後16時45分に発表された欧州ユーロ圏のフランスの最新経済指標の3月の欧州消費者信頼感指数は、前回の89と前回修正と市場予想の90を上回る91だった。

ただし、日本市場終了後の今夜の英国ロンドン外国為替市場では、為替介入警戒感による低リスク通貨の円買いが対ドルなどで進んだ影響の波及もあり、今夜20時台にはユーロ円も前東京終値比で円高ユーロ安への市場反転を見せている。

ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0824〜1.0826ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.0839〜1.0841ドル付近の前東京終値比では約0.15セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) よりも米国連邦準備制度理事会 (FRB) の利下げ時期が遅れる可能性が意識されていた日欧金利差予想や、今日の円安ドル高の影響が他の主要通貨である欧州ユーロや英国ポンドにも波及していた。

なお、欧州連合 (EU / European Union) 加盟国ではあるが、欧州ユーロとは異なるスウェーデン・クローナ (SEK / Svensk Krona) の自国通貨を持つ北欧スウェーデンの中央銀行にあたるスウェーデン国立銀行 (Sveriges Riksbank) は、今夜17時半頃に政策金利を市場予想通りの4.0%に据え置きの決定を発表したが、声明ではインフレ圧の緩和により数カ月以内に利下げが可能との認識を示したことでは、先日のスイス銀行の利下げ以降に高まった欧州経済圏周辺のインフレ圧緩和の市場予想に影響を与えていた。

今夜19時に発表された欧州ユーロ圏総合の最新経済指標の3月の欧州消費者信頼感の確定値は前回と市場予想通りの-14.9であったが、同時発表だった3月の欧州経済信頼感が前回の95.4と前回修正の95.5と市場予想の96.2を上回る 96.3であったことでは、その後には期末前の利益確定もあって対ドルでの欧州ユーロの買い戻しも入っており、為替介入警戒感による対円のドル売りの影響も抵抗になっていることでは小幅域であった。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は191円47〜53銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の191円34〜40銭付近の前東京終値比では約13銭の円安ポンド高であった。

主な要因は、欧州ユーロと同様に、イースターホリデーと英国冬時間終了を控えた英国ポンドの買い戻しが入ったほか、今日の日経平均株価の大幅な反発を受けたリスクオンの低リスク通貨の円売りで英国ポンドも買われており、日英金利差も影響を及ぼしていた。

ただし、英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) にも、欧州同様に今年の英国利下げ予想が市場で高まってきていることでは小幅域の終値に留まっていたため、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場で為替介入警戒感により円相場が反発した影響を受けては、今夜20時台には英国ポンドも、前日比で円高ポンド安の市場転換を見せている。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年3月27日の日本時間(JST)20時43分(チャート画像の時間帯は、日本から時差で9時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の冬時間 (GMT / JST-9) の11時43分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、サマータイム制のある英国市場の英国夏時間 (BST / JST-8) への変更は今週末の3月最終日曜日の3月31日からであるが、米国市場では3月第二日曜日の3月10日から既に米国夏時間 (EDT / JST-13) になっており、日本市場や英国市場との時差が1時間変わっていることには注意が必要である。)

通貨ペア JST 20:43の為替レート 前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 151.14 〜 151.16 -0.18 (円高)
ユーロ/円 163.60 〜 163.61 -0.44 (円高)
ユーロ/ドル 1.0830 〜 1.0831 -0.0009 (ドル高)
英ポンド/円 190.87 〜 190.93 -0.47 (円高)
スイスフラン/円 166.59 〜 166.65 -1.34 (円高)
豪ドル/円 98.63 〜 98.67 -0.29 (円高)


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