FXニュース:全国消費者物価指数想定以上

2024年2月27日
FXニュース:全国消費者物価指数想定以上

 

東西FXニュース – 2024年2月27日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米国債入札受け長期金利上昇
  • 今週の米国重要経済指標控え
  • 日銀のマイナス金利解除予想
  • 日経平均株価再び史上最高値
  • 欧ECB高官達タカ派寄り発言
  • 欧賃金上昇圧と物価高止まり

今日2024年2月27日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートは、円の安値でドルの高値の150円61銭付近から、円の高値でドルの安値の150円32銭付近の値幅約29銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値は150円34~35銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の150円48~49銭付近の前東京終値比では約14銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、昨夜20時56分頃の英国ロンドン外国為替市場の対ドル円相場は、米国長期金利が低下後に反発し一時4.25%台に上昇した日米金利差拡大や、日米欧英の金融政策の違いなどから対ドルの円相場は一時150円70銭付近の円安ドル高を記録したため、利益確定売りや持ち高調整の抵抗が入り、昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場のドル円の始値は一時150円61銭付近で、昨夜22時8分頃にはドルは円相場で一時150円53銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、昨夜の米国ニューヨーク債券市場では、午前1時30分の米国2年債入札と午前3時の米国5年債入札を控えていたため、米国債が全般的に売られており、米国債券価格低下に伴う利回り上昇の影響で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が更に上昇を続けたほか、超低金利政策の日本円と高金利の欧米通貨の金利差トレードの影響などにより、ドルは円相場で150円台後半の推移をしながら英国市場の高値を上抜けて上昇した。

ただし、深夜24時に発表された最新米国経済指標の1月の米国新築住宅販売件数は、年率換算件数が前回の66.4万件と前回修正の65.1万件と市場予想の68.0万件に対し66.1万件と市場予想には届かず、前月比も前回の8.0%と前回修正の7.2%と市場予想の2.4%に対し1.5%と大幅に低下したことを受けては、ドル上昇には抵抗も入り始めた。

とはいえ、米国10年債の利回りが指標の米国長期金利の影響を金利差トレードで受けやすいドル円は、午前1時30分の米国2年債入札結果が低調に終わり、他の種類も併せた全般的な米国債券価格低下に伴う利回り上昇が起きると、米国長期金利が一時4.29%台に向けて大きく上昇したため日米金利差拡大による円売りドル買いが勢いを増し、ドルは円相場で午前2時12〜13分頃にかけて一時150円84銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録し、英国市場の高値を上抜けた。

午前3時の米国5年債入札結果も低調であったことでは、米国10年債の利回りが指標の米国長期金利も債券価格低下時の利回り上昇で午前4時台には一時4.30%付近まで上昇したが、同時進行していた米国ニューヨーク株式市場では、前営業日までの高騰後の利益確定売りの影響などもあって米国主要株価三指数が揃って前営業日比安の終値に向かったことでは、米国株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) で安全資産でもある米国債が安値後に買われて米国長期金利が一時4.28%台の終値に向けて小反落したことや、低リスク通貨の円が買われたため、対ドルの円相場には抵抗要因があった。

また、米国市場では今週29日に、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が今後の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) で米国政策金利と金融政策を決める上で重視する「最新データ」の一つである米国重要経済指標の1月の米国個人消費支出 (PCE / Personal consumption expenditure) 物価指数の発表イベント予定を控えており、市場高値後の早期の利益確定と持ち高調整やイベント前の買い控えの様子見などが入り始めたことでは、米国市場終盤のドルの上値が抑えられていた。

そのため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の150円53銭付近から、円の安値でドルの高値の150円84銭付近の値幅約31銭で、今朝7時前頃のニューヨーク終値は150円70銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の150円54銭と比べて約16銭の円安ドル高をつけていた。

今朝8時30分には日本の最新重要経済指標の1月の日本全国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) が発表され、前年同月比は前回の2.6%と市場予想の1.9%に対し2.2%と、前回よりは鈍化したものの市場予想を上回り、生鮮食料品除くCPIコア指数も前回の2.3%と市場予想の1.8%に対し2.0%と同様で、生鮮食料品とエネルギーを除くCPIコアコア指数も前回の3.7%よりは鈍化したものの市場予想の3.3%を上振れする3.5%の上昇率であったことでは、日本のインフレ指標を受けた日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) のマイナス金利解除予想が市場で強まり、主要通貨に対して円相場が上昇したため、今朝9時頃からの今日の日本の東京外国為替市場のドル円の始値は一時150円57銭付近になった。

日本市場では月末を控えた今朝9時55分の仲値決済に向けた日本企業の輸入実需の円売りドル買い需要や、今日も新NISA (Nippon Individual Savings Account) の新規投資資金流入の影響などで日経平均株価が連日で史上最高値を続伸したことでは、日本株高時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) でも国内第一安全資産の低リスク通貨の円が売られて、今朝9時54分頃にドルは円相場で一時150円61銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、今朝の市場予想上振れの日本全国CPIを受けた日銀 (BoJ) のマイナス金利解除予想の影響もあって、今日の日本の債券市場では国内長期金利が上昇した一方で、米国長期金利が一時4.27%台に低下したため、日米金利差縮小時の円買いドル売りで円相場が反発し上昇を始めた。

また、日本市場時間の時間外米国債券取引では、米国長期金利が一時4.28%台に反発したものの、午後からの欧州英国市場の参入では安全資産の米国債買いの影響により利回りが指標の米国長期金利が一時4.26%台に低下したため、日米金利差縮小時の円買いドル売りがあった。

午後16時に発表された欧州ユーロ圏主要国ドイツの最新経済指標の3月の独GFK (ドイツのマーケティングリサーチ企業名Gesellschaft für Konsumforschungの略) 消費者信頼感調査は、前回の-29.7と前回修正の-29.6から市場予想通り-29.0に改善されたものの、続いて発表された午後16時45分のフランスの2月の仏消費者信頼感指数が前回の91と市場予想の92よりも低下した89であったことでも、世界的な安全資産の米国債が買われて、債券価格上昇に伴う利回り低下で米国長期金利が低下し、日米欧金利差縮小時の円買いドル売りが続き、午後16時55分頃にドルは円相場で一時150円32銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

また、欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会の高官達にタカ派寄りの発言が続いていたことで、欧州ユーロでもドルが下げていたことも、他の主要通貨である円相場でのドルの上値を抑えたほか、先述の今週の米国重要経済指標の発表予定を控えたイベントリスクの持ち高調整や買い控えなども為替相場に影響を与えていた。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は150円34~35銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の150円48~49銭付近の前東京終値比では約14銭の円高ドル安になった。

その後の今夜17時48分頃の英国ロンドン外国為替市場では、ドルは円相場で更に下落し、一時150円11銭付近も記録している。

今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表予定や米国債の入札予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは今夜22時30分に1月の米国耐久財受注、今夜23時に10〜12月四半期の米国住宅価格指数と12月のS&Pケース・シラー (Standard & Poor’s CoreLogic Case–Shiller) 米国住宅価格指数、今夜23時5分頃から次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) のバー副議長の発言予定、深夜24時に2月の米国リッチモンド連銀製造業指数と2月の米国消費者信頼感指数、27時に米国7年債入札予定などを控えており、今夜の値動き予想材料とされている。

一方、今日の欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は163円19~21銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の162円96~98銭付近の前東京終値比で約23銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、最近の欧州中央銀行 (ECB) 理事会メンバーの高官達が欧州利下げに慎重なタカ派の発言をしていた影響で、ドイツ連邦10年債の利回りが指標となる欧州長期金利も上昇し、日欧金利差拡大の影響があった。

また、今日の日本市場では、今朝までの米国主要株価三指数の反落にも関わらず、国内の新NISA新規投資資金などの流入により、日経平均株価が史上最高値記録を続伸した後に、今日の午後15時台に3万9239円52銭の終値をつけ、前営業日比5円81銭高の小幅上昇で大引けしていたことも、リスクオンで低リスク通貨の円から欧州ユーロが買われやすかった。

欧州中央銀行 (ECB) のラガルド総裁は、物価に関しては高止まりとディスインフレの傾向が続いていることに言及した一方で、欧州雇用市場での賃金上昇圧は依然として強い部分があると警戒感を示しており、目標の2%のインフレ水準達成のためにはより確信を得る必要があると今後のデータ重視姿勢を改めて示し、早期の欧州利下げ予想が更に後退した。

このこともあり、ユーロドルも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0854〜1.0856ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.0830〜1.0832ドル付近の前東京終値比では約0.24セントのユーロ高ドル安であった。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は190円71〜77銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の190円70〜76銭付近の前東京終値比ではやや横ばいに近い約1銭の僅差の円安ポンド高であった。

主な要因は、日経平均株価上昇時の低リスク通貨の円売りや、日英金利差では高金利の英国ポンドが買われやすかったが、日経平均株価は小幅上昇にとどまったほか、今日は前述の日本全国消費者物価指数 (CPI) の上昇率が市場予想を上回り、日銀 (BoJ) のマイナス金利解除予想から日本の10年債利回りの国内長期金利も一時上昇していたことでは低リスク通貨でもある円買いにも需要があり、前日比でやや横ばいに近い東京終値になったほか、今夜20時台の英国ロンドン外国為替市場では円高ポンド安にも転じている。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年2月27日の日本時間(JST)20時5分(チャート画像の時間帯は、日本から時差で9時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の冬時間 (GMT / JST-9) の11時5分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 20:05の為替レート 前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 150.32 〜 150.33 -0.16 (円高)
ユーロ/円 163.08 〜 163.09 +0.12 (円安)
ユーロ/ドル 1.0847 〜 1.0849 +0.0017 (ドル安)
英ポンド/円 190.55 〜 190.61 -0.15 (円高)
スイスフラン/円 170.81 〜 170.87 ±0.38 (レンジ)
豪ドル/円 98.42 〜 98.46 -0.12 (円高)


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