FXニュース:米連休でドル円に持ち高調整

2024年2月19日
FXニュース:米連休でドル円に持ち高調整

 

東西FXニュース – 2024年2月19日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米卸売物価が市場予想上回る
  • 米消費者態度指数は想定以下
  • 米長期金利大幅上昇後の反落
  • 日米主要株価低下リスク回避
  • 欧ECB専務理事利下げに慎重
  • 英小売売上高が市場予想以上

今日2024年2月19日月曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートは、円の安値でドルの高値の150円15銭付近から、円の高値でドルの安値の149円88銭付近の値幅約27銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値は149円97~98銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の150円23~24銭付近の前東京終値比では約26銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、先週金曜日の夜22時から土曜の朝までの先週末の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時150円29銭付近から始まったが、先週金曜日22時30分の最新米国経済指標の1月の米国卸売 (生産者) 物価指数 (PPI / Producer Price Index) の前月比が、前回の-0.1%と市場予想の0.1%を上回る0.3%に上昇し、前年同月比は前回の1.0%よりはやや鈍化したものの市場予想の0.6%を超える0.9%で、物価基調を測る食品とエネルギー除いた米国PPIコア指数も前回の0.0%と前回修正の-0.1%と市場予想の0.1%を上回る0.5%に上昇し、前年同月比は前回の1.8%と前回修正の1.7%と市場予想の1.6%に対し2.0%と、いずれも市場予想を上回ったことで、想定以上の米国卸売 (生産者) 物価のインフレが意識され、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の今年の米国利下げ開始時期が市場予想よりも遅れる可能性から、発表前は4.2%台で推移していた米国長期金利が一時4.3%台に急騰し、日米金利差拡大による円売りドル買いと主要通貨に対するドル買いで、先週金曜日の22時34分頃から36分頃の数分間の間、天井を叩く様な形でドルは円相場で一時150円64銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、先週金曜日22時半の経済指標発表イベント時間に同時発表されていた1月の米国住宅着工件数は、年率換算件数が前回の146.0万件と前回修正の156.2万件と市場予想の145.8万件に対し133.1万件と弱く、前月比では前回の-4.3%と前回修正の3.3%と市場予想の-0.2%に対し-14.8%と大幅に低下したほか、1月の米国建設許可件数の年率換算件数も前回の149.5万件と前回修正の149.3万件と市場予想の151.4万件を下回る147.0万件で、前月比も前回の1.9%と前回修正の1.8%と市場予想の1.4%に対し-1.5%のマイナス圏に低下したことを受けては、高値天井を叩いた後のドルには利益確定売りの抵抗が入り始めた。

また、米国ニューヨーク債券市場では、米国長期金利が一時4.32%付近にまで急騰後、米国のインフレの根強さから金利先行き警戒感が高まった米国ニューヨーク株式市場でリスク回避のリスクオフ (Risk-off) と米国の週末と連休を控えた持ち高調整や利益確定売りで米国主要株価三指数が低下に向かうと、世界的な安全資産でもある米国債の利回り上昇に伴う債券価格低下後の米国債買いの抵抗が入り始め、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が市場終盤の一時4.28%台付近に向けた反落を開始したため、日米金利差縮小と低リスク通貨の円買いで円相場が反発した。

深夜24時には米国ミシガン大学消費者態度指数の速報値が発表され、前回の79.0と市場予想の80.0に対し79.6と、前回よりは上昇したものの市場予想に届かなかったことでも、米国では2月19日の月曜日は祝日で連休予定の週末を控えていたため、先週の円安ドル高進行後のドルの利益確定売りの持ち高調整やポジション調整も入り始めた。

そのこともあって、午前4時9分頃にはドルは円相場で反落し、一時150円8銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、連休前の米国市場では、市場高値圏からの低リスク通貨の円の利益確定売りによるドルの買い戻しも入ったことでは、円相場の反発幅にも抵抗があった。

このため、先週金曜の夜から土曜の朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドル高値の150円64銭付近から、円の高値でドルの安値の150円8銭付近の値動きで、先週土曜日の朝7時前頃の先週末のニューヨーク終値は150円21銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の149円93銭と比べて約28銭の円安ドル高をつけていた。

週が明けた今朝早朝のアジア・オセアニア市場では中国が春節の大型連休明けで、今朝9時の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時150円15銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値から始まった。

今朝8時50分頃には日本の最新経済指標の昨年12月の日本機械受注が発表されており、前月比は前回マイナス圏だった-4.9%に対して市場予想通りの2.7%のプラス圏に上昇し、前年同月比は前回の-5.0%と市場予想の-1.3%よりも改善された-0.7%であったこともあり、対ドルの円相場は先週末のニューヨーク終値よりも、週明けの今朝早朝のアジア・オセアニア市場で上昇していた。

日本市場でも、今日は2月第3月曜日の米国では大統領の日とも呼ばれるワシントン誕生日 (Washington’s Birthday) のアメリカ合衆国連邦休日 (Federal Holiday) にあたるため、祝日休業の米国を主要取引先に持つ日本企業には特に輸入実需がなかったこともあり、今朝の日本市場の仲値決済では国内輸出企業の円買いドル売りや、投資系も先週に150円台の今年最大の円安ドル高が進行した後の為替介入警戒もありドルの利益確定売りや持ち高調整の円買いが優勢になり、またアジア市場では中国市場が春節の大型連休明けの参入で円安ドル高後のポジション調整なども入ったため、対ドルの円相場が上昇し、今朝10時16分頃に対ドル円相場は一時149円88銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

市場安値後のドルには、世界的な流動性の高さから買い戻しも入ったものの、先週末に連休前の米国主要株価三指数が揃って前営業日比で安値の終値をつけていた影響もあり、今日の日本の東京株式市場で日経平均株価が前営業日比で小幅安の終値に向かったことも、リスク回避のリスクオフによる国内第一安全資産の低リスク通貨の円の買い戻し需要に繋がった。

午後からの欧州市場の参入では、先週末に欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) のシュナーベル専務理事が欧州の金融政策の時期尚早な調整に慎重な発言をしていたことなどを受けて、今夜この後の米国市場が連休で実需が少ないドルに対して実需のある欧州ユーロが買われた影響も円相場に波及した。

ただし、欧州中央銀行 (ECB) 理事会メンバーのフランス中央銀行のビルロワドガロー総裁は、欧州の利下げ開始の時期は過度に遅らせるよりは、徐々に現実的な小幅利下げを始め、時間をかけて反応をみることの重要性にも言及していた。

今日は時間外を含めて米国債券市場が休場のため、先週末につけていた米国10年債の利回りの終値の4.282%から動かない米国長期金利に対し、今日の午後の日本の国内長期国債利回りは0.73%付近と前営業日比で上昇したことでも、先週の年内高値後のドルの利益確定売りに加えた日米金利差縮小時の円の買い戻しが混ざっていた。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は149円97~98銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の150円23~24銭付近の前東京終値比で約26銭の円高ドル安になった。

今夜この後の米国市場は祝日休場予定であるため、特に最新米国経済指標の発表予定や米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) メンバーの発言予定はなく、欧州英国市場も同様であるため、利益確定や持ち高調整が入りやすくなっていた。

一方、今日の欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は161円71〜72銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の161円67〜68銭付近の前東京終値比で約4銭の小幅な円安ユーロ高であった。

主な要因は、先述の通り、欧州中央銀行 (ECB) の専務理事に欧州利下げに関する慎重な発言が出ていた日欧金利差予想のユーロ円への影響があったものの、フランス中銀総裁は利下げ時期を遅らせるよりもデータ次第では現実的な小幅利下げを開始する重要性も説いていたことや、今日の日経平均株価の下落を受けては、リスクオフで低リスク通貨の円が買われる抵抗が入ったことなどもあり小幅域になっており、その後の今夜20時台には小幅な円高ユーロ安にも転じている。

ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0782〜1.0783ドル付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の1.0760〜1.0762ドル付近の前東京終値比で約0.22セントのユーロ高ドル安であった。

主な要因は、先週金曜の午後に発表されていた欧州ユーロ圏主要国のドイツの1月の独卸売物価指数 (WPI / Wholesale Price Index) の前月比も、前回の-0.6%から0.1%に上昇していたことで、欧州でもインフレ警戒感があった。

その後に発表された先述の1月の米国卸売物価指数 (PPI) も軒並み市場予想を上回ったものの、前月よりは鈍化している指標もあったため持ち高調整が入ったほか、今日は今夜この後の米国市場が連休で実需が減ったドルに対して、今日の日本市場の午後から時差で始まった現地朝の欧州市場では欧州ユーロの現地実需もあったため、前営業日比でユーロ高ドル安の東京終値をつけていた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は189円26〜30銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の189円17〜23銭付近の前東京終値比では約9銭の小幅な円安ポンド高であった。

主な要因は、先週金曜の夕方に発表された最新英国経済指標の1月の英国小売売上高が市場予想以上であった影響で日英金利差が意識されていたが、欧州ユーロ同様に今日の国内安全資産の低リスク通貨の円の持ち高調整の買い戻しの抵抗では小幅域になっていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年2月19日の日本時間(JST)20時15分(チャート画像の時間帯は、日本から時差で9時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の冬時間 (GMT / JST-9) の11時15分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 20:15の為替レート 前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 149.96 〜 149.98 -0.27 (円高)
ユーロ/円 161.59 〜 161.60 -0.08 (円高)
ユーロ/ドル 1.0774 〜 1.0776 +0.0014 (ドル安)
英ポンド/円 189.22 〜 189.28 +0.05 (円安)
スイスフラン/円 170.25 〜 170.31 -0.15 (円高)
豪ドル/円 98.03 〜 98.07 +0.03 (円安)


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