FXニュース:今夜米雇用統計等の発表控え

2024年2月02日
FXニュース:今夜米雇用統計等の発表控え

 

東西FXニュース – 2024年2月02日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米新規失業保険申請件数増加
  • 米賃金インフレ圧鈍化を注視
  • 米ISM製造業景況は予想以上
  • 米地銀の経営不安リスクオフ
  • 日米株価上昇時のリスクオン
  • 米長期金利低下時のドル売り
  • 地政学リスク緩和ユーロ買い
  • 英BoE早期利下げ予想が後退

今日2024年2月2日金曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の高値でドルの安値の146円24銭付近から、円の安値でドルの高値の146円64銭付近の値幅約40銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値は146円63~64銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の146円79~81銭付近の前東京終値比では約16銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界FX市場のトレンド動向の分析は、まず昨夜の英国ロンドン外国為替市場では、昨夜21時に英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) の金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) が、英国新政策金利を現状5.25%での据え置きを決定したが、投票権を有する9人の委員のうち、ベイリー総裁を含む6人が金利据え置きを支持して多数決で可決されたものの、2人の委員は0.25%の追加利上げを支持し、1人は0.25%の利下げを支持していたことが明らかになり、追加利上げ支持率が利下げ派を上回っていたことから、早期の英国利下げ予想が後退し、円などの主要通貨に対して英国ポンドが買い戻され始めていた。

一方で、同時進行していた欧州市場では昨夜20時台にドイツ連邦10年債の利回りが指標となる欧州長期金利が一時2.17%台付近に上昇幅を縮めた後に反発を始めたが、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は一時3.95%付近に上昇しており、日米欧金利差拡大によるドル買いでドルは対ユーロや円相場で上昇し、昨夜21時22分頃にドルは円相場で一時147円11銭付近の欧州市場の円の安値でドルの高値を記録したが、その後には一部の欧州株価下落のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) の影響で世界的な安全資産の米国債が利回り上昇時の安値圏から買われたため、米国債券価格上昇に伴う利回り低下の影響で、欧州市場での高値記録後のドルには利益確定売りや持ち高調整が入り始めた。

欧州英国市場の後半の昨夜22時頃からの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時146円96銭付近から始まったが、米国市場の実需のドル買いもあり、昨夜22時9分頃にはドルは円相場で一時147円5銭付近に反発し、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、昨夜22時30分には最新米国経済指標の発表があり、前週分の米国新規失業保険申請件数は前回の21.4万件と前回修正の21.5万件と市場予想の21.2万件に対し22.4万件に増加し、前週分の米国失業保険継続受給者数も前回の183.3万人と前回修正の182.8万人と市場予想の184.0万人に対し189.8万人に悪化したことでは、リスクオフの安全資産の米国債買いが強まり、一時3.9%台だった米国長期金利が3.8%台後半に低下し、日米金利差縮小時の低リスク通貨の円買いと主要通貨に対するドル売りが起きた。

同時発表だった昨年10〜12月の前四半期の米国非農業部門労働生産性の速報値も、前回の5.2%と前回修正の4.9%と市場予想の2.5%に対し3.2%と、市場予想ほどではなかったものの前回よりも低調で、同四半期の米国単位労働コストの速報値は前回の-1.2%と前回修正の-1.1%と市場予想の1.6%に対し0.5%と、マイナス圏だった前回よりは賃金インフレ圧はあったものの、市場予想以下だったことでは、想定していたよりも賃金インフレ圧は鈍化している可能性から、同米国市場では翌市場にあたる今夜この後の米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が注視する最新米国重要経済指標の米国雇用統計発表予定のイベントを控えた市場予想による安全資産の米国債買いや、持ち高調整のドル売りも入り始めて、昨夜23時21分頃にドルは円相場で一時146円39銭付近に下落した。

ただし、昨夜23時45分に発表された最新米国経済指標の1月の米国製造業購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers Index) の改定値は、前回と市場予想の50.3を上回る50.7と堅調で、続いて深夜24時に発表された最新米国重要経済指標の1月の米国サプライマネジメント協会 (ISM / Institute for Supply Management / 米国供給管理協会とも呼ばれる) 製造業景況指数も、前回の47.4と前回修正の47.1と市場予想の47.0を上回る49.1であったことでは、ドルが買い戻される抵抗が入り、深夜24時頃にドルは円相場で一時146円81銭付近に反発した。

しかし、米国主要企業の決算報告期がピークを迎えていた米国ニューヨーク外国為替市場では、米国地方銀行のニューヨーク・コミュニティ・バンコープ (New York Community Bancorp / NYCB) の四半期決算が市場予想に反して赤字で前日から株価が大幅に下落していた影響で金融不安が広がり、リスク回避で他の米国地銀株売りに波及した一方で、安全資産の米国債買いと低リスク通貨の円買いが入っており、米国債券価格上昇に伴う利回り低下の影響で米国長期金利は午前1時台には一時3.8%台前半の3.82%付近にまで低下し、日米金利差縮小時のドルからの低リスク通貨の円買いが勢いを増し、午前1時47分頃にドルは円相場で一時145円89銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、米国ブルームバーグ通信 (Bloomberg) などの「イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘の一時停止と、ハマスに拘束されている民間人の人質解放での合意に向けて交渉が進んでいる」というイスラエル停戦合意に向けた前向きな報道のニュースが流れたことでは、世界市場では地政学的リスクの緩和からリスク市場に弱い欧州ユーロや英国ポンドがリスク市場に強い安全資産の米国債や低リスク通貨の円に対して買い戻され始めた。

さらに、米国主要株価三指数の米国ダウ工業30種株が反発後に大幅に上昇したほか、決算報告が市場予想以上だった米国アップル (Apple Inc. / AAPL) などのハイテク株が牽引するナズダック平均 (NASDAQ Composite) も大幅に上昇し、 S&P500種 (S&P500 / Standard and Poor’s 500) も小幅上昇と、米国主要株価三指数が全て前日比よりも高値の終値に向かって上昇し始めたことでは、安全資産買いで米国債の債券価格が上昇した後の利益確定売りの影響で、米国長期金利が一時3.87%台から3.88%付近に向けて反発上昇し、日米金利差拡大で低リスク通貨の円にも利益確定売りの抵抗が入ったため、午前3時28分頃にはドルは円相場で一時146円48付近に反発して下げ幅を縮めた後には、今夜の米国雇用統計発表イベント前の様子見も入り始めて、やや横ばいに近い小動きになった。

そのため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の147円5銭付近から、円の高値でドルの安値の145円89銭付近の値動きで、今朝7時前頃のニューヨーク終値は146円43銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の146円92銭と比べて約49銭の円高ドル安をつけていた。

早朝のアジア・オセアニア市場に続き、今朝9時頃からの日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時146円46銭付近から始まったが、今夜この後の最新米国重要経済指標のデータ次第では米国連邦準備制度理事会 (FRB) の今後の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) での金融政策に影響を与える可能性があるため、イベント前の利益確定や持ち高調整と様子見ムードのドルの買い控えが先行したことや、今朝9時台には一時3.89%台に上昇した米国長期金利が一時3.87%台に低下した日米金利差縮小時の影響もあり、午前10時7分頃にはドルは円相場で一時146円24銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、日本市場の時間外債券市場では、一時低下後の米国長期金利が一時3.90%台付近に向けて反発上昇を始めたことでは、日米金利差拡大による円売りドル買いが始まり、日本時間の午後が時差で朝の欧州英国市場の参入でその勢いを増したことから、ドルは円相場で今朝の下げ幅を縮め始めた。

また、日本の東京株式市場では、今朝早朝に日本の主要取引先の米国主要株価三指数が揃って上昇し、そのうちの米国主要株価の二指数が前日比で大幅高の終値をつけていたことが好感された影響などもあり、午後15時15分には日経平均株価 (Nikkei Stock Average) も上昇し、3万6158円2銭の終値と、前日比で146円56銭高の大幅高で大引けしていたことから、日米株高を受けたリスク選好のリスクオン (Risk-on) でも、安全資産の米国債や低リスク通貨の円が売られたため、英国ロンドン外国為替市場でのドルの上昇途上で今日17時の東京終値を迎えたため、今夜17時頃の終値の一時146円64銭付近が今日の日本市場の円の安値でドルの高値となった。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は146円63~64銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の146円79~81銭付近の前東京終値比では約16銭の円高ドル安になった。

また、その後の今夜の英国ロンドン外国為替市場では、今夜18時19分頃にはドルは円相場で一時146円80銭付近にも買われ、前東京終値比では一時横ばいレンジ圏付近に達したが、今夜この後の米国雇用統計のイベントリスクでは再び持ち高調整や早期の利益確定が入った。

今夜この後には、最新重要経済指標の米国雇用統計の発表イベントが注目を集めており、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜22時30分に今年1月の米国雇用統計の米国非農業部門雇用者数変化 (NFP / Non-Farm Payrolls) と、米国製造業雇用者数、米国平均時給、米国失業率などが同時発表されるイベント時間があり、続いて深夜24時に1月の米国ミシガン大学消費者態度指数の確報値と昨年 12月の米国製造業新規受注が発表される予定である。

一方、今日の欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は159円53〜58銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の158円43〜45銭付近の前東京終値比で約1円10銭の大幅な円安ユーロ高であった。

主な要因は、前述の通り、イスラエル停戦合意に向けたニュースの影響などを受けた地政学的リスク緩和により、リスク市場に弱い欧州ユーロや英国ポンドがリスク市場に強い安全資産の米国債やドルや低リスク通貨の円に対してリスクオンで買い戻される値動きが出ていた。

このため、ユーロドルも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0880〜1.0881ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.0792〜1.0794ドル付近の前東京終値比で約0.88セントのユーロ高ドル安であった。

英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は186円96銭〜187円2銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の185円75〜81銭付近の前東京終値比で約1円21銭の大幅な円安ポンド高であった。

主な要因は、欧州通貨同様にリスクオンの英国ポンドの買い戻しが低リスク通貨の円に対して入ったほか、昨夜21時に英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE) 金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) が決定した5.25%の高金利維持の背景には、一部の0.25%の追加利上げ支持のタカ派寄りの投票があったことから、早期の英国利下げ予想が後退し、主要通貨に対して英国ポンドが買われた影響も、日英金利差のある円相場の為替相場に影響を及ぼしていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年2月2日の日本時間(JST)20時38分(チャート画像の時間帯は、日本から時差で9時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の冬時間 (GMT / JST-9) の11時38分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 20:38の為替レート 前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 146.49 〜 146.50 -0.30 (円高)
ユーロ/円 159.43 〜 159.44 +1.00 (円安)
ユーロ/ドル 1.0882 〜 1.0884 +0.0090 (ドル安)
英ポンド/円 186.93 〜 186.99 +1.18 (円安)
スイスフラン/円 171.23 〜 171.29 +1.37 (円安)
豪ドル/円 96.74 〜 96.78 +0.86 (円安)


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