FXニュース:今週の米FRBのFOMCを控え

2024年1月29日
FXニュース:今週の米FRBのFOMCを控え

 

東西FXニュース – 2024年1月29日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米PCEコアデフレーター鈍化
  • 米PCE前月比は市場予想以上
  • 米住宅販売保留指数が堅調に
  • 経済の軟着陸期待が高まる
  • 日米欧株上昇時のリスク選好
  • 米長期金利低下後の反発上昇
  • 日米欧英金利差影響の円相場

今日2024年1月29日月曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の安値でドルの高値の148円33銭付近から円の高値でドルの安値の147円75銭付近の値幅約58銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値は147円81~82銭付近と、前営業日同時刻の先週金曜日17時の147円77~78銭付近の前東京終値比で約4銭の小幅な円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界FX市場のトレンド動向の分析は、先週金曜日の夜22時頃から土曜日の朝7時前頃までの先週末の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時147円77銭付近から始まったが、その半時間後の先週金曜日22時30分に発表された最新米国重要経済指標の先月12月の米国個人消費支出 (PCE / Personal Consumption Expenditures) デフレーターの前年同月比は前回と市場予想通りの2.6%であったが、米国連邦準備制度理事会 (FRB/ Federal Reserve Board) が物価指標として重視していることが知られている食品とエネルギーを除いたコア (Core) な物価基調を見るPCEコア・デフレーターの前年同月比は、前回の3.2%と市場予想の3.0%に対し2.9%に鈍化したため、発表時の瞬時のドル売りではドルは円相場で一時147円40銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、PCEコア・デフレーターの前月比では、前回の0.1%に対し市場予想通りの0.2%に上昇しており、すぐにドルが買い戻され始めたほか、同時発表だった同月の米国個人消費支出 (PCE) の前月比が前回の0.2%と前回上方修正と市場予想の0.4%を上回る0.7%に上昇し、米国の物価高のインフレ鈍化継続の一方で、堅調な米国個人消費による根強いサービス・インフレ圧などが意識され、ドルが主要通貨に対して上昇を始めた。

ただし、同じく発表された同12月の米国個人所得 (Personal Income) の前月比は前回の0.4%に対し市場予想通りの0.3%の増加率であったことは、この時点ではやや抵抗になっていたが、先日堅調だった最新米国国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) の発表以来、米国経済のソフトランディング (Soft Landing / 軟着陸) への期待感が高まる一方で、早期の米国利下げ予想が大幅に後退していたことは安全資産の米国債売りによる債券価格低下時の利回り上昇に繋がり、米国ニューヨーク債券市場で米国10年債の利回りが指標値となる米国長期金利は一時4.11%台付近に低下後に反発上昇し、23時台後半には一時4.15%台付近に上昇したため、日米金利差拡大による低リスク通貨の円売りとドル買いに加えて、同時進行していた英国ロンドン外国為替市場では、先日の欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会のラガルド総裁の発言により早期の欧州利下げ予想が再浮上していた欧州ユーロなどの主要通貨に対してもドルが買われて上昇した影響が、対ドルの円相場に波及した。

続いて、深夜24時に発表された最新米国経済指標の先月12月の米国住宅販売保留指数の前月比も、前回の0.0%と前回修正の-0.3%と市場予想の2.0%を大幅に上回る8.3%と好調で、前年同月比も前回の-5.1%と前回修正の-5.5%と市場予想の-4.3%に対し-1.0%に改善されたことを受けて、欧米株価上昇時の安全資産の国債売りや低リスク通貨の円売りの影響もあり、米国長期金利が更に上昇し一時4.16%台になり、日米金利差拡大時の円売りドル買いの勢いが増し、先週土曜の朝未明の午前3時45分頃にドルは円相場で一時148円21銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、先週末の米国市場では、週末を控えた利益確定や持ち高調整の抵抗も入り始めたことに加えて、週明けの今週には米国現地時間で明日から明後日にあたる1月30〜31日の米国連邦準備制度理事会 (FRB/ Federal Reserve Board) の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) のビッグイベントを控えているため、イベント前の持ち高調整や様子見の値動きも入り始めていた。

一方で、米国ニューヨーク株式市場では、今週に米国ナズダック (NASDAQ) の米国主要大企業のグーグル (Google) 持ち株会社のアルファベット (Alphabet Inc. / 株式コード : GOOGL / GOOG) や米国マイクロソフト (Microsoft / MSFT) 、アップル (Apple / AAPL) 、アマゾン (Amazon / AMZN) 、フェイスブック (Facebook) 等を所有するメタ (Meta Platforms Inc. / META) などの決算報告のイベント予定があり、イベント前の週末の利益確定や持ち高調整の抵抗が入り始めたが、一方で米国ダウ工業株30種 (Dow Jones Industrial Average) が史上最高値記録更新と堅調で、ナイト・セッションの日経平均株価の先物も前営業日の終値比で大幅高になり、英国や欧州の株価もフランスCAC40が史上最高値を更新するなど好調で、欧米株価を受けてはリスク選好のリスクオン (Risk-on) の低リスク通貨売りも見られていたことでは、ドルは円相場で下げ渋った。

このため、先週末の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の147円40銭付近から円の安値でドルの高値の148円21銭付近の値動きで、先週土曜の朝7時前頃のニューヨーク終値は148円15銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の147円66銭付近と比べて約49銭の円安ドル高をつけていた。

週明けの今日の日本の東京外国為替市場では、今朝9時頃の対ドル円相場は一時148円18銭付近の始値であったが、先週末の日経平均株価先物価格の上昇の影響もあり、今日の日経平均株価が大幅な上昇を見せ始めたことや、今週に月末を控えている日本市場では今朝9時55分の仲値決済に向けた日本企業の輸入実需の円売りドル買いの値動きが先行したためドルは円相場で上昇し、今朝9時32分頃に一時148円33銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

午後15時15分に今日の日経平均株価は利益確定の抵抗を交えながらも3万6026円94銭の終値をつけ、前営業日比275円87銭高の大幅高で大引けした。

しかし、週明けの今日の世界市場では、明日の夜から始まる今週の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) と終了後の定例記者会見での米国連邦準備制度理事会 (FRB) のパウエル議長の発言予定のビッグイベントを控えたイベントリスクのドルの持ち高調整と様子見の買い控えがあり、イベントリスク回避のリスクオフ (Risk-off) で世界的な安全資産でもある米国債が買われ、日本市場時間の時間外の米国債券市場で米国10年債の債券価格上昇に伴う利回り低下の影響で米国長期金利が今朝の一時4.14%台付近から午後の欧州英国市場の参入後には一時4.11%台付近に低下したため、日米金利差縮小時の低リスク通貨の円買いドル売りは抵抗要因となり、午後16時47分頃にドルは円相場で一時147円75銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録し、前営業日比で横ばいレンジ圏付近の推移も見せた。

ただし、夕方の英国ロンドン外国為替市場では、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は一時4.13%台付近に向けた反発も見せ始めたため、今日の日本市場では日本の新発国債10年物の利回りが指標の国内長期金利は0.72%付近で推移していたため、米国長期金利の反発を受けては日米金利差拡大による円売りドル買いは根強かった。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円81~82銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の147円77~78銭付近の前東京終値比では約4銭の小幅な円安ドル高になった。

今夜この後の米国ニューヨーク外国為替市場では、特に注目度の高い最新米国経済指標の発表予定はないが、日本時間で明日の夜から始まる今週の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) と米国連邦準備制度理事会 (FRB) のパウエル議長の発言予定のイベントが注目されており、また今週には米国主要企業の決算報告イベントも控えているため、持ち高調整や様子見などの値動きに加えて、債券利回りや株式市場からの影響にも注意が必要である。

一方、今日の欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は160円18〜19銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の159円88〜89銭銭付近の前東京終値比では約30銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、先週の欧州中央銀行 (ECB) 理事会後のラガルド総裁の発言後にはドルなどの主要通貨に対する欧州ユーロ売りの影響が円相場にも波及したが、イベント後の安値からの欧州ユーロの買い戻しが入った影響や、先週末の欧州や英国の株式相場が上昇したことでリスク選好のリスクオンで低リスク通貨の円が売られ、今日の日本市場でも日経平均株価が上昇し、リスクオンの低リスク通貨の円売りで欧州ユーロが買い戻された。

ユーロドルも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0837〜1.0841ドル付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の1.0818〜1.0820ドル付近の前東京終値比で約0.19セントのユーロ高ドル安であった。

主な要因は、今週のイベントリスクのためにドルに対する買い控えが出た一方で、先週にイベントリスクを経過後の欧州ユーロの買い戻しが、対ドルでも入っていた。

しかし、日本市場終了後の今夜20時台の英国ロンドン外国為替市場では、欧州景気懸念や早期の欧州利下げ予想のある中で、相対的な米国景気の強さによるインフレ圧や早期の米国利下げ予想の後退を受けて、米国長期金利反発の影響もあってドルが買い戻されて、前営業日比で横ばいレンジ圏付近の推移から、小幅なユーロ安ドル高への市場反転も見せている。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は187円84〜90銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の187円42〜48銭付近の前東京終値比で約42銭の円安ポンド高であった。

主な要因は、欧州ユーロの影響を受けやすい英国ポンドにも日英金利差もあって低リスク通貨の円売りで買われる機会があった。

ただし、今週の2月1日には、英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) も英国の新政策金利と金融政策を決める英国金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) と、定例記者会見でのベイリー総裁の発言などのイベントを控えていることには注意が必要である。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年1月29日の日本時間(JST)20時23分(チャート画像の時間帯は、日本から時差で9時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の冬時間 (GMT / JST-9) の11時23分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 20:23の為替レート 前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 147.85 〜 147.87 +0.08 (円安)
ユーロ/円 159.93 〜 159.95 +0.05 (円安)
ユーロ/ドル 1.0816 〜 1.0817 -0.0002 (ドル高)
英ポンド/円 187.79 〜 187.85 +0.37 (円安)
スイスフラン/円 171.32 〜 171.38 +1.05 (円安)
豪ドル/円 97.60 〜 97.64 +0.32 (円安)


注意:

本ウェブサイトに記載されている全ての情報またリンク先を含めた情報は、情報提供を目的のみとしており、取引投資決定、及びその他の利用目的のために作成されたものではありません。取引投資種、外国為替取引業者の選択、売買価格投資等の全ての最終決定については、利用者ご自身のご判断において行われるようお願い致します。

当社は、当サイトに掲載した情報によって万一閲覧者が被った直接・間接的に生じた損失に関して一切責任を負わないものとします。また、当社および当社に情報を提供している第三者は一切責任を負うものではございませんので ご了承ください。万が一、当サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いません。当社はこのウェブサイトの掲載内容を予告なしに変更または廃止することがございますので、あらかじめご了承おきください。