FXニュース:米連邦公開市場委員会始まる

2024年1月30日
FXニュース:米連邦公開市場委員会始まる

 

東西FXニュース – 2024年1月30日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米長期金利低下で金利差縮小
  • 中東情勢懸念の安全資産買い
  • 米財務省借入見通し下方修正
  • 米国債発行数予想で価格高騰
  • 米主要株価三指数揃って上昇
  • 欧ECB発言で早期利下げ予想

今日2024年1月30日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の安値でドルの高値の147円49銭付近から円の高値でドルの安値の147円16銭付近の値幅約33銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値は147円24~25銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の147円81~82銭付近の前東京終値比で約57銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場では、今夜この後から米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が米国新政策金利や金融政策を決める2日間の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) を始める予定を控えており、イベント前の持ち高調整の値動きが出ていたが、米国ニューヨーク債券市場では米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.09%台付近から一時4.11%台付近に向けて上昇していた昨夜22時台には、日米金利差拡大時の円売りドル買いが為替相場に影響を与えており、昨夜22時21分頃にドルは円相場で一時148円9銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

また、市場後半が同時進行中だった欧州市場で、欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会の高官達のハト派発言が相次いでいたことも、今年早期の欧州利下げ予想を強めたために、欧州ユーロに対するドル買いの影響も対ドル円相場に波及していた。

欧州中央銀行 (ECB) 理事会メンバーのスロバキア中銀のカジミール総裁は、自身のブログで今後の欧州の金融政策について、「次の動きは欧州利下げであり、それはもう手の届くところに来ている」と発言し、今年の欧州利下げ予想が高まった。また、欧州利下げ開始時期に関して、「4月でも6月でも、正確な開始時期は、開始そのものを決定するインパクトと比較すると二次的なものになる。後者の可能性が高いと見受けられるが、尚早な結論を出すつもりはない。重要な決定を下す際には、忍耐が不可欠」とし、今後発表される欧州インフレ統計などの最新データによる今年の春の公式予測値が重要になると言及していた、

同じく、ポルトガル中銀のセンテノ総裁のインタビューを、英国ロイター通信が、「ECB、早めに小刻みな利下げを」というタイトルで報道し、欧州の持続的なインフレ鈍化を示す数多くのデータを指摘し、「二次的影響の兆候はなく、5月の賃金統計を待つ必要はない」と発言し、「時期を遅らせてより強力な対応をすることも可能だし、早めに緩やかに対応することも可能だが、私は漸進主義のアプローチを全面的に支持する。欧州経済に順応するための時間を与える必要があるためだ」と、早期の欧州利下げ開始と継続的で持続的な小刻みな0.25%の小幅利下げ継続が「良い基準」になるであろうと発言していた。

さらに、欧州中央銀行 (ECB) のデギンドス副総裁は、欧州のインフレ抑制には進展が見られており、「遅かれ早かれ、欧州金融政策に反映されるだろう」と発言していたことで、今年の欧州利下げ予想が強まり、ドイツ連邦債10年物の利回りが指標となる欧州長期金利が低下し、ドルなどの主要通貨に対して欧州ユーロが売られていた。

しかし、安全資産でもある欧州債権価格上昇に伴う欧州長期金利の低下の影響が、米国債買いで米国長期低下にも影響を与え始めたことなどから、日米欧金利差縮小で低リスク通貨の円が買われて反発を始めた。

原因の一つは、昨夜に米国のバイデン大統領が、今月28日未明に中東ヨルダン北東部の米軍駐留地が無人ドローンの攻撃を受け、米兵3名が死亡した中東情勢悪化の事件を受けて、「シリアやイラクで活動する親イラン武装組織の攻撃だ」と非難し、「テロとの戦いは続けていく。我々が選ぶタイミングと方法で責任を取らせる」と、米国のイスラエル支援に対してハマスを支持する親イラン武装組織が声明を出したこともあり、米国の報復姿勢を見せたことで、中東情勢を受けた欧米の地政学リスクの警戒感が高まり、世界的な安全資産でもある欧米国債が買われた影響で、債券価格上昇に伴う利回り低下による長期金利低下が見られた。

また、米国ニューヨーク債券市場での米国長期金利低下の主な要因としては、米国政府の財務省が今年の第1四半期の借り入れ予想額の見通しをこれまでの8160億ドルから7600億ドルに下方修正したニュースの影響が大きく、借入資金のための国債発行数の減少傾向の市場予想により債券価格上昇期待のまとまった米国債買いが出て、米国債券価格が上昇する一方で利回りは低下し、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.05%台付近に向けて大幅に低下したため、日米金利差縮小時の円買いドル売りに加えて、主要通貨に対してもドル売りが起きた影響が対ドル円相場に波及し、午前5時25分頃にドルは円相場で一時147円25銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

一方、米国長期金利低下を受けた金利警戒感緩和のあった米国ニューヨーク株式市場では、米国主要企業の決算報告前の持ち高調整や様子見などの影響もあったものの、米国主要株価三指数が揃って上昇して終値に向かったことでは、債券価格上昇後の米国債が利益確定で売られて4.08%付近の終値をつけたほか、投資資金で実需もあった世界的に流動性の高いドルが安値圏から買い戻された抵抗も入り、一時下落後のドルは円相場でやや反発した。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の148円9銭付近から円の高値でドルの安値の147円25銭付近の値動きで、今朝7時前頃のニューヨーク終値は147円50銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の148円15銭付近と比較すると約65銭の円高ドル安をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場時間の今朝8時30分には、日本の最新経済指標が発表され、先月12月の日本の失業率は前回と市場予想の2.5%に対し2.4%と堅調で、同12月の日本の有効求人倍率も前回と市場予想の1.28に対し1.27であった。

今朝9時頃からの今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は、一時147円49銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値から始まったが、今夜この後から始まる米国連邦公開市場委員会 (FOMC) のイベントリスクが意識されており、日本市場時間の時間外米国債券市場でも債券価格上昇を見込んだ米国債買いが入ったため、米国長期金利が再び低下を始めたことで、日米金利差縮小時の円買いドル売りがあった。

また、今朝9時55分の日本市場の仲値決済に向けても、今日は月末要因に加えて、今月最後の日本の貿易企業の決算日が集中しやすい5と10が付く日の「五十日 (ごとおび / ゴトーび) 」であったため、国内輸出企業などのまとまった円買いドル売りも入り、対ドルの円相場が上昇した。

今日の日経平均株価は午後15時15分に3万6065円86銭の終値で、前営業日比38円92銭高の小幅高で大引けしたが、今夜からの米ドルのビッグイベント前の持ち高調整などでも円買い需要があったことに加えて、日本市場と時間帯の近いアジア市場では、香港や上海の株価指数が低下していたため、日本株高時のリスク選好よりもアジア株安時のリスク回避の動きが強く、安全資産の欧米国債買いや低リスク通貨の円買いの影響が円相場に波及していた。

今日の午後からの欧州市場の参入では、午後15時30分に欧州ユーロ圏のフランスの最新重要経済指標の10〜12月の前四半期の仏国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) の速報値が発表されたが、前期比は前回の-0.1%と前回修正の0.0%と横ばいの市場予想通りの0.0%のゼロ経済成長だった。

欧州市場に続いての英国ロンドン外国為替市場の参入でも、世界的な安全資産の欧米国債買いの影響があり、米国長期金利は一時4.03%台付近にまで低下したほか、欧州長期金利も早期の欧州利下げ予想の影響もあり一時2.19%台付近に低下し、欧米長期金利低下時の日米欧金利差縮小によるドルや欧州ユーロに対する円買いで、対ドルの円相場が上昇し、夕方の16時52分頃に対ドルの円相場は一時147円16銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

その後の英国ロンドン外国為替市場では、債券価格上昇に伴う利益確定などの影響もあり、米国長期金利が反発を始めたためドルが一時買い戻される値動きも混ざったが、その前に今夜17時の東京終値を迎えたため日米金利差縮小時の円買いドル売りの影響が顕著だった。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円24~25銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の147円81~82銭付近の前東京終値比では約57銭の円高ドル安になった。

今夜この後の米国ニューヨーク外国為替市場では、最新米国経済指標の発表予定があり、日本時間のファンダメンタル分析用の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜23時に昨年 11月の米国住宅価格指数とケース・シラー米国住宅価格指数、深夜24時に 1月の米国消費者信頼感指数と先月12月の米国雇用動態調査 (JOLTS) 求人件数の発表予定があり、また今夜から始まる二日間の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) とその後の米国連邦準備制度理事会 (FRB) のパウエル議長の発言予定のイベントが注目されている。

また、今夜から明日の早朝までの米国ニューヨーク株式市場の株引け後の時間帯になる予定ではあるが、米国グーグル (Google) のアルファベット社 (Alphabet Inc.) の決算報告予定や、米国マイクロソフト社 (Microsoft Corporation) の決算報告予定等も控えている。

一方、今日の欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は159円42〜44銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の160円18〜19銭付近の前東京終値比で約76銭の円高ユーロ安であった。

主な要因は、前述の通り、欧州中央銀行 (ECB) 理事会の高官達の発言を受けて、今年早期の欧州利下げ予想が高まっており、欧州長期金利低下時の日欧金利差縮小による円買いユーロ売りが影響を与えた。

ユーロドルも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0826〜1.0827ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.0837〜1.0841ドル付近の前東京終値比で約0.11セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、早期の欧州利下げ予想が影響を及ぼしたほか、米国長期金利だけでなく、欧州長期金利も低下していた時には、欧州ユーロに対してはドルが買われていた。

なお、今夜その後の18時の英国ロンドン外国為替市場で発表された欧州ユーロ圏主要国のドイツの最新重要経済指標の昨年10〜12月の前四半期の独国内総生産 (GDP) の速報値も、前期比が前回の-0.1%と前回修正の0.0%に対し欧州景気懸念の市場予想通りの-0.3%のマイナス成長に悪化していた。

ただし、前年同期比では前回の-0.4%と前回修正の-0.3%に対し市場予想通りの-0.2%で前回からはやや改善されていたことではその後の欧州ユーロの買い戻しも混ざったが、季調前の前年同期比では前回の-0.8%と前回修正の-0.7%と市場予想通りの-0.4%のマイナス成長で、前回よりは想定通りにやや改善されたものの、欧州景気懸念は燻っている。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は187円0〜6銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の187円84〜90銭付近の前東京終値比で約84銭の円高ポンド安であった。

主な要因は、欧州と経済的にも地理的にも近く欧州ユーロの影響を受けやすい英国ポンドも、英国債の利回り低下時の日英金利差縮小による低リスク通貨の円買いで売られる機会があったほか、ドルやユーロに対する円相場上昇の影響も波及していた。

また、今週の2月1日には、英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) も新政策金利と金融政策を決定する英国金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) とベイリー総裁の発言予定などのイベントを控えており、早期の持ち高調整なども入り始めている。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年1月30日の日本時間(JST)20時28分(チャート画像の時間帯は、日本から時差で9時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の冬時間 (GMT / JST-9) の11時28分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 20:28の為替レート 前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 147.30 〜 147.31 -0.51 (円高)
ユーロ/円 159.74 〜 159.76 -0.44 (円高)
ユーロ/ドル 1.0843 〜 1.0845 +0.0006 (ドル安)
英ポンド/円 186.77 〜 186.83 -1.07 (円高)
スイスフラン/円 170.72 〜 170.78 -0.61 (円高)
豪ドル/円 97.15 〜 97.19 -0.40 (円高)


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