FXニュース:日米英イベント前の様子見

2023年9月19日
FXニュース:日米英イベント前の様子見

 

東西FXニュース – 2023年9月19日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 今夜から2日間の米FOMC
  • ドル持ち高調整と買い控え
  • 国債買いで米長期金利低下
  • 日経平均下落でリスク回避
  • 欧追加利上げの可能性維持

今日2023年9月19日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時頃までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の高値でドルの安値の147円61銭前後から円の安値でドルの高値の147円89銭前後の値幅約28銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円63~64銭付近と、日本が祝日休場だった昨日17時の世界市場の147円71~72銭付近と比較すると約8銭の円高ドル安で、日本市場の前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の147円73~74銭付近の前東京終値比では約10銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、今夜から米国連邦準備制度理事会 (FRB) が米国の新政策金利と金融政策を決めるための二日間の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) を開催する予定のため、市場では米ドルのビッグイベントを前にしたイベントリスクによる利益確定と持ち高調整、買い控えや様子見の値動きが強まっていた。

昨夜の英国ロンドン外国為替市場と昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場では、先週末に一時147円95銭付近の昨年2022年11月4日以来のおよそ10カ月ぶりの今年最大の円安ドル高を記録後のドルには利益確定売りや持ち高調整が一時先行したが、その後にはイベント前の買い控えや様子見で、ドルは円相場でやや横ばいに近い狭いレンジでの値動きを見せ始めていた。

ただし、市場後半が同時進行中だった欧州市場では、最近のエネルギー高を受けた欧州の根強いインフレ圧により、今後のデータ次第では欧州利上げ継続の可能性を排除しないという欧州中央銀行 (ECB) の高官の発言を受けた欧州利上げ打ち止め予想の後退により、欧州長期金利が上昇していたことではややユーロの買い戻しが入っていた。

昨夜23時頃に一時147円77銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値圏で推移していたドルは、昨夜23時に米国市場で発表された最新米国経済指標の9月の全米住宅建設業者協会 (NAHB) 住宅市場指数が前回の50と市場予想の49に対し45と、前回のボーダーラインの50と市場予想を下回り、今年4月以来の5カ月ぶりの低水準かつ2カ月連続で低下したことを受けて、ドルから買える安全資産の米国債買いが景気リスク回避で入ったことで、昨夜22時頃には一時4.357%付近の高利回りを記録後の米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が低下し始めたため、ユーロに対するドル売りが入った影響で円相場でもやや横ばいに近いが下げに転じた。

また、昨夜には米国のイエレン財務長官が、米国のニュース専門局のCNBCテレビで、米国労働市場は引き続き堅調で、米国インフレ率も低下してきており、「米国経済のリセッション (景気後退) リスクの兆候は出ていない」と、米国ソフトランディング (軟着陸) 期待に向けた発言をした傍らで、「米国政府の運営を維持するための議会法案が受け入れられない場合には、米国経済が減速するリスクはある」ことを警告していた。

イエレン財務長官は、バイデン大統領の労使交渉へのコミットメントの重要性も強調し、米国労働市場は引き続き堅調ではあるが、「かつてほどは熱くはなく、落ち着き始めている」として、米国のインフレ目標の2%達成のためのインフレ抑制の効果が出て来ていることにも言及した。

今夜と明日の夜の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) では、米国政策金利が据え置きされるという市場予想が優勢であるが、市場では更にその後の11月発表分の年内の追加利上げの有無や、利上げ終了後の利下げ時期が市場予想の焦点になって来ていたことでも、ドルの持ち高調整と、明日のFOMC会合後のパウエル議長の記者会見での発言に向けたイベント前の買い控えや様子見の値動きが強まっていた。

今朝午前5時頃に発表された最新米国経済指標の7月の対米証券投資 (短期債除く) は、前回の1959億ドルと前回修正の1860億ドルに対し88億ドルに縮小し、7月の対米証券投資も前回の1478億ドルと前回の1379億ドルに対し1406億ドルに減少していた。

米国ニューヨーク株式市場も、米国連邦公開市場委員会 (FOMC) のイベント前の様子見の影響が出ており、米国主要株価三指数ともにほぼ横ばいで終値をつけたことも、為替相場を狭いレンジ圏に留まらせた。

米国長期金利はイベントリスクのドルから買える安全資産の持ち高調整で買われており、米国市場の終盤には一時4.30%台に向けて低下していたことでも、日米金利差縮小時の円買いドル売りで、米国市場終盤の今朝6時頃に一時147円58銭付近の米国市場の安値圏を記録したが、今週の日米英瑞の金融政策発表イベントを控えた様子見市場では、比較的狭い値幅での横ばいに近い値動きが目立っていた。今週は、米国と日本およびスイスと英国の新金融政策の発表予定があるイベント週であることが、市場で意識されていた。

そのため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の147円77銭前後から円の高値でドルの安値の147円58銭前後の値動きで、今朝6時頃のニューヨーク終値を147円58〜61銭付近と、前ニューヨーク終値比で約24銭の円高ドル安でつけていた。

今朝9時頃からの連休明けの日本の東京外国為替市場では、先週末に今年最大の円安ドル高を記録後のドルの利益確定売りの円の買い戻しや、米国長期金利低下による日米金利差縮小時の円買いドル売りで、今朝9時5分頃には一時147円50銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、今朝9時55分の日本市場の仲値決済に向けては、輸入実需の円売りドル買い需要もあり、市場安値後のドル買いの影響もあって円相場でドルが反発を始めたが、前営業日の前東京終値比では、今朝までにドルは利益確定売りや持ち高調整で下げていたために、下げ幅を縮める形となった。

一時は4.30%台にまで低下していた米国長期金利は、欧州英国市場参入の日本市場の午後に向けて上昇していたため、日米金利差拡大による円売りドル買いで午後15時47分頃に一時147円89銭付近の日本市場の円の安値でドルの高値を記録したが、午後からの欧州英国市場の参入もあり、イベント前のドルには短期の利益確定売りや持ち高調整や、買い控えと様子見が入り始め、また午後15時15分には今日の日経平均株価が3万3242円59銭の終値と、前営業日比で290円50銭安の大幅安で大引けしていたため、日本株安時のリスク回避の低リスク通貨の円買いも抵抗要因となった。

米国長期金利の指標となる米国10年債の利回りは、夕方には一時4.329%付近まで反発上昇をしたが、その後にはやや下げに転じたことも円相場でのイベント前のドルの利益確定売りと持ち高調整を進めたため、17時直前には一時147円61銭付近まで売られていた。

そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は147円63~64銭付近で、日本が祝日休場だった昨夜17時の世界市場での147円71~72銭付近と比較すると約8銭の円高ドル安で、日本市場の前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の147円73~74銭付近の前東京終値比では約10銭の円高ドル安になった。

今夜この後には、注目の二日間の米国 連邦公開市場委員会 (FOMC) の初日が始まるほか、米国経済指標の発表予定もあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時半に 8月の米国建設許可件数と米国住宅着工件数が発表され、26時には米国20年債の入札予定も控えているが、市場では、今週の米国、スイス、英国、日本の新金融政策発表のイベント週のイベント前の持ち高調整と様子見の値動きが目立っている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は、157円85~86銭付近で、昨夜17時の157円49~50銭付近と比較すると約36銭の円安ユーロ高で、日本市場の前営業日同時刻の先週金曜17時の157円54~55銭付近の前東京終値比では約31銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、欧州中央銀行 (ECB) のラガルド総裁や高官が今後のデータ次第では追加利上げの可能性を残したことで、欧州利上げ打ち止め予想が後退し、欧州長期金利上昇時の日欧金利差拡大が影響を及ぼした。

ユーロドルも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は、1.0690~1.0692ドル付近で、世界市場の昨夜17時の1.0661~1.0663ドル付近と比較すると約0.29セントのユーロ高ドル安で、日本市場の前営業日にあたる先週金曜日17時の1.0662~1.0664ドル付近の前東京終値比では約0.28セントのユーロ高ドル安だった。

主な原因は、前述の通り、欧州中央銀行 (ECB) 高官達の発言を受けた、欧州利上げ打ち止め予想の後退による欧州長期金利上昇時にイベント前のドルに対してユーロの買い戻しが入ったことなどが影響していた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は182円86~92銭付近と、日本市場の前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の183円65~71銭付近の前東京終値比では約79銭の円高ポンド安であった。

主な要因は、英国利上げにも終了サイクルが近くなってきているとの市場予想により、英国ポンドが対ドルや対ユーロなどで売られた影響が、対ポンドの円相場にも波及していた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2023年9月19日の日本時間(JST)19時25分(チャート画像の時間帯は英国ロンドン外国為替市場時間の夏時間 (GMT+1 / BST) 11時25分) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:25の為替レート 日本市場前営業日17時の前東京終値時間比
ドル/円 147.69 〜 147.71 -0.04 (円高)
ユーロ/円 157.91 〜 157.93 +0.37 (円安)
ユーロ/ドル 1.0690 〜 1.0692 +0.0028 (ドル安)
英ポンド/円 182.93 〜 182.99 -0.72 (円高)
スイスフラン/円 164.71 〜 164.77 -0.39 (円高)
豪ドル/円 95.35 〜 95.39 -0.06 (円高)


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