FXニュース:米FRBと欧ECB利上げ継続予想

2023年5月02日
FXニュース:米FRBと欧ECB利上げ継続予想

 

東西FXニュース – 2023年05月02日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米ISM製造業景況感指数が改善
  • 日米金利差拡大予想で137円台
  • 2008年以来の円安ユーロ高記録
  • 豪RBAが政策金利0.25%利上げ

今日2023年5月2日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の安値137円77銭前後から高値137円30銭前後の値幅約47銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は137円59~60銭付近で、前日17時の前東京終値比で約88銭の連日の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの要因と世界市場のトレンド動向の分析と解説は、先週金曜の日本銀行 (日銀 / BoJ) の金利抑制の大規模緩和金融政策継続の決定を受けた日米金利差拡大予想の円安ドル高に加えて、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場で発表された最新の米国重要経済指標などを受けて米国長期金利が上昇し、日米金利差拡大による円安ドル高がさらに進行した。

昨夜17時の日本の東京外国為替市場の東京終値後の欧州英国市場は祝日休場中であったためドル円は136円台後半で推移していたが、昨夜23時の米国ニューヨーク外国為替市場で発表された最新重要米国経済指標の4月の米国サプライマネジメント協会 (ISM) 製造業景気指数が前回の46.3と市場予想の46.7に対し47.1と市場予想を上回り、前月よりも改善されたことで、米国景気の堅調さから米国連邦準備理事会 (FRB) が今夜から2日間予定されている米国連邦公開市場委員会 (FOMC) で米国利上げを継続する市場予想が強まり、加えて、米国の高インフレ抑制のための利上げ長期化の可能性も指摘されたことなどから、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時3.6064%付近に上昇し、日米金利差拡大による円売りドル買いが強まり、一時137円54銭の3月8日以来の円安ドル高を記録した。

また、昨夜のドル円はファンダメンタル・ニュースの要因に加えて、テクニカル分析でも200日移動平均線が137円台の寸前付近に位置していたことが知られていたため、昨日の日本市場では一旦はその手前付近で折り返したものの、その後の米国市場では137円の大台を抜けたために、周辺の指値やストップをトリガーしたために跳ね上がって急騰の動きを見せたこともFXトレーダー達の間で話題になっていた。

直前の昨夜22時45分に発表されていた4月の米国製造業購買担当者景気指数 (PMI) の改定値は前回と市場予想の50.4に僅かに届かず50.2であったものの、好景気と不景気の境界線と考えられているボーダーラインの50を上回ったことや、昨夜23時に米国ISMと同時発表された3月の米国建設支出の前月比も前回の-0.1%と前回修正の-0.3%と市場予想の0.1%に対し0.3%に上昇し、利上げ抵抗要因であった米国景気懸念が緩和されていた。

また、前述の通り、日本銀行 (日銀 / BoJ) が先週金曜に円安要因の金利抑制の大規模緩和の金融政策を維持する決定をして以来、米国利上げ予想の日米欧金利差拡大予想での円売りドル買いの円安ドル高だけでなく、欧州中央銀行 (ECB) 理事会も控えているため、欧州インフレ抑制のための欧州利上げ予想も優勢で、日欧金利差拡大予想による円安ユーロ高も大幅に進行した影響も、ドル円を含めた他の主要通貨に対する円相場に円安圧として影響が波及していた。

特に今週は米ドルの重要イベントである米国連邦準備制度理事会 (FRB) の米国連邦公開市場委員会(FOMC)の米国現地時間5月3日 (日本時間では時差で翌朝早朝未明頃) の結果発表やパウエル議長の発言予定を控えており、また続いて5日にも最新米国重要経済指標の米国雇用統計発表予定などが注目されており、結果によっては円売りドル買いがさらに進む可能性も指摘される一方で、イベントリスクによる持ち高調整と買い控えと様子見はやや抵抗要因になっていた。

一方、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク株式市場では、先日の米国金融システム不安再燃警戒の原因になった大規模預金流出後の経営破綻の米国地方銀行のファースト・リパブリック・バンク (FRC) を、米国金融大手のJPモルガン・チェース (JPM) が買収する救済案に合意したニュースを受けて米国金融不安が緩和され、また、日本の東京に本社を持つ世界的な医薬系大企業のアステラス製薬が、米国で2007年設立された眼科新薬を開発中の医薬品会社のアイベリック・バイオを日本円で約8000億円相当の59億ドルで買収することに合意したニュースが話題になり、大規模な円売りドル買い投資実需によるドルの値上がり予想に便乗した円売りドル買いなども入っていた。

そのため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場のドル円相場は3日連続で続伸し、今朝6時頃のニューヨーク終値を137円50銭付近の前営業日同時刻の前ニューヨーク終値比で約1円20銭の大幅な円安ドル高でつけていた。

今朝8時50分には日本の最新経済指標の4月のマネタリーベースの前年同月比が発表され、前回の-1.0%と市場予想の-1.3%に対し-1.7%であった。

今朝9時から始まった今日の日本の東京外国為替市場でも、今朝までの米国市場のトレンドを受け継ぎ、ドル円相場の始値は137円49銭付近で、今日は137円台の推移が続いた。

ただし、日本のゴールデンウィークの大型連休中に、今週は米国連邦準備制度理事会 (FRB) や欧州中央銀行 (ECB) などの新政策金利の発表予定の大イベントがあり、いずれも利上げ継続予想で海外FXでは通常通りの取引が可能ではあるが、日本の企業や金融系などでは大型連休前の持ち高調整や結果が分かるまでの買い控えや様子見の値動きが影響を抵抗要因となり、今朝9時27分頃に一時137円30銭付近の今日の日本市場での円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、今朝9時55分頃の日本市場の仲値決済に向けては、日本企業の輸入実需の円買いドル売りもあり、昼過ぎの13時半頃にオーストラリアの中央銀行にあたる豪準備銀行 (RBA) の新政策金利発表があり、据え置きの市場予想に反して0.25%の追加利上げを決定したことを受けた日豪金利差拡大により円相場で豪ドルが上昇し、他の主要通貨に対する円安圧がかかった。

また、ユーロ円も日欧金利差拡大予想で一時2008年以来の記録的な円安ユーロ高を記録した影響の波及もあり、他の主要通貨であるドル円にも円安圧がかかり、午後14時4分頃には一時137円77銭付近の今日の日本市場での円の安値でドルの高値を記録した。

今日の昼のニュースでも、日本の鈴木俊一財務金融相が、先述の米国金融システム不安におけるファースト・リパブリック・バンク (FRC) のJPモルガン・チェース (JPM) 買収救済案での米国政府の対応について、「米国当局は信用不安を再燃させないための取り組みを、迅速に講じたと受け止めている。内外の経済金融市場の動向が金融システムの安定性に与える影響などについて、引き続き強い警戒心を持って注視していく」と発言していた。

日米金利差拡大予想と米経済指標による景気懸念緩和に加えて、米国金融不安緩和も今日のドル上昇に繋がっていた。

そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は137円59~60銭付近で、昨夜17時の前東京終値比では約88銭の円安ドル高になった。

今夜この後には、今夜から二日間に渡る米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の1日目が始まるほか、最新米国経済指標の発表予定もあり、日本時間で今夜23時に3月の米国製造業新規受注と、3月の米国雇用動態調査求人件数 (JOLTS) の発表予定などがある。

また、今週は米国株式市場の決算報告シーズンも続いていることには、注意が必要である。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は151円7~11銭付近で、昨夜17時の前東京終値比では約65銭の円安ユーロ高であった。

主な原因は、先週の日銀発表後の今週に欧州中央銀行 (ECB) 理事会を控えた日欧金利差拡大予想が優勢で、今日の午後16時台には一時151円60銭付近の2008年9月以来のおよそ14年8カ月ぶりの円安ユーロ高も記録していた。

また、今日は英国ポンド円も日英金利差拡大予想で一時172円台を記録したが、その後には午後の連休明けの英国ロンドン外国為替市場で高値からのポンドの利益確定売りの抵抗が入り、前東京終値比では円安ポンド高から円高ポンド安に転じた。

ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は1.0978ドル付近で、昨夜17時の前東京終値比では約0.24セント銭のユーロ安ドル高であった。

原因は、先述の昨夜の米国ニューヨーク外国為替市場で発表された米国経済指標や米国金融システム不安の緩和を受けて、米国利上げの早期停止予想が減退し、欧州同様に米国にも利上げ長期化の可能性も浮上したことで、昨夜の米国市場では休場中で実需の少なかったユーロに対してドル買いが優勢になった影響や、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスが上昇したことなどが影響を及ぼしていた。

また、今日は欧州ユーロ圏の最新経済指標の発表があり、午後15時に発表されたドイツの3月小売売上高の前月比が前回の-1.3%と前回修正の-0.3%と市場予想の0.4%に対し-2.4%に大幅低下していた。

今日の夕方16時50分に発表されたフランスの4月の仏製造業購買担当者景気指数 (PMI) 改定値は前回と市場予想の45.5に対し45.6で、16時55分のドイツの4月の独製造業購買担当者景気指数 (PMI) の改定値も前回と市場予想の44.0に対し44.5、17時の欧州ユーロ圏の4月の欧製造業購買担当者景気指数 (PMI) 改定値も前回と市場予想の45.5に対し45.8に小幅に上昇したが、好景気と不景気の境界線の50を上回っていた昨夜発表の4月の米国製造業購買担当者景気指数 (PMI) の改定値の50.2には届かなかったことなども、今日のユーロドルのユーロ安ドル高に影響を及ぼしていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2023年5月2日の日本時間(JST)19時2分(チャート画像の時間帯は英国ロンドン外国為替時間の夏時間 (GMT+1 / BST) 11時2分)の、人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:02の為替レート 東京外国為替市場前日比
ドル/円 137.39 〜 137.40 +0.67 (円安)
ユーロ/円 150.49 〜 150.51 +0.07 (円安)
ユーロ/ドル 1.0949 〜 1.0951 -0.0053 (ドル高)
英ポンド/円 171.19 〜 171.25 -0.50 (円高)
スイスフラン/円 152.85 〜 152.91 -0.64 (円高)
豪ドル/円 91.85 〜 91.89 +0.71 (円安)


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