FXニュース:米国雇用統計が市場予想を上回る

2023年2月06日
FXニュース:米国雇用統計が市場予想を上回る

 

東西FXニュース – 2023年02月06日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米FRBの早期利上げ停止予想減退
  • 米経済指標で長期金利が大幅上昇
  • 日銀報道で金融緩和修正予想後退
  • 財務相は日銀総裁後任報道を否定

今日2023年2月6日月曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の安値132円38銭前後から高値131円58銭前後の値幅約80銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は131円86~88銭付近で、前営業日17時の前東京終値比で約3円27銭の大幅な円安ドル高であった。

今日の値動きの主な要因はまず、先週末の金曜の夜から土曜の朝までの米国ニューヨーク外国為替市場で22時半に発表された最新の米国重要経済指標の米国雇用統計で、市場が注目していた米国平均時給が市場予想の4.3%予想を超える4.4%で想定以上の賃金インフレの継続が観測され、非農業部門雇用者数変化も市場予想の18.5万人を大幅に上回る51.7万人に上昇して前月分も22.3万人から26.0万人に上方修正されており、米国失業率も前月の3.5%から市場予想の3.6%に反して約53年ぶりの低水準の3.4%に改善され、堅調な米国雇用市場と想定以上の米国賃金インフレ継続により、米国連邦準備制度理事会 (FRB) の米利上げ継続予想が強まり、米長期金利が前日の3.39%から一時3.55%付近に大幅上昇し、円安要因の日米金利差拡大による円売りドル買いが再燃し、ドル円は128円台から130円台へとドルが高騰した。

続いて、23時45分に発表された最新米国経済指標の1月の総合の米国購買担当者景気指数 (PMI) の改定値も前回の46.6から46.8に上昇し、サービス部門の米国購買担当者景気指数 (PMI) の改定値も前回と市場予想の46.6に対し46.8に改善し、さらに深夜発表の米国ISM非製造業景況指数の総合も、前回の49.6と市場予想の50.4に対して55.2と大幅に上昇し、不景気と好景気のボーダーラインの50を超えたことでも、米国景気好感による主要通貨に対するドル買いで、ドル円は131円台に達した。

また、先週の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の大イベント後の米雇用統計発表イベントを終えたことにより、イベントリスクによる米ドルの買い控えなどが減ったことでも、世界的に流動性の高いドルは主要通貨に対して買われやすくなり、想定以上の米国賃金インフレ継続と堅調な米国雇用市場に加えて、米国の利上げ抵抗要因だった米国景気懸念の減退により、米国の早期利上げ停止予想が弱まり、次回3月の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) でも米利上げ継続予想が優勢で、日米金利差拡大予想による円安ドル高になっていた。

そのため、先週土曜の朝までの米国ニューヨーク外国為替市場のドル円相場は、ドルの安値128円39銭前後から高値131円20銭前後の値幅約2円81銭で、先週末のニューヨーク終値は131円15~25銭付近で、前日同時刻比で約2円50銭の大幅な円安ドル高であった。

週が明けた今朝未明2時頃には、日本の経済紙が今日の朝刊に向けて電子版の「日銀次期総裁、雨宮副総裁に打診。政府・与党が最終調整」というタイトルのニュースを配信し、今年4月8日に任期満了予定の日本銀行 (日銀 / BoJ) の「黒田東彦総裁(78)の後任人事について、雨宮正佳副総裁(67)に就任を打診したことが5日わかった」「与党などとの調整を進め、2人の副総裁も含めた人事案を2月中に国会に提示する」という内容から、雨宮副総裁は黒田総裁の元で現在の日銀の大規模緩和金融政策を推し進めてきたことで有名であったために、日銀の早期の金融緩和の再修正予想が減退し、日銀の金利抑制の金融緩和継続による日米金利差拡大予想で円売りドル買いが更に強まり、ドル円は今朝早朝のアジア・オセアニア市場で6時40分には一時132円56銭付近を記録したと報道された。

今朝7時台のニュースでは、日本政府の鈴木俊一財務相が、今朝の日銀新総裁の後任人事報道に関して「何も聞いてない」と発言したことでは、利益確定売りなどの小抵抗が入った。

今朝9時から本格的に始まった今日の日本の東京外国為替市場では、先週末の米国雇用統計と米国経済指標を受けた米国トレンド継続の米利上げ継続予想による円安ドル高と、今朝の日銀新総裁候補の報道を受けた日本トレンドの日銀の早期の金融緩和再修正予想の減退などの日米金利差拡大予想に加えて、9時55分の日本市場の仲値決済に向けた日本企業の輸入実需の円売りドル買いなども入り、9時台には再び一時132円38銭付近の前営業日17時の前東京終値比で3円77銭を超える大幅な円安ドル高になっていた。

ただし、11時台後半には、記者会見で日本政府の磯崎仁彦官房副長官も、「日銀次期総裁、雨宮副総裁に打診」という一部報道に関して、「そのような事実はない」と否定の発言したことでは、132円台の高値圏からドルの利益確定売りや安値の円の買い戻しの抵抗も入り始め、ドル円は131円台後半に戻し始め、14時台には一時131円58銭付近の今日の大幅な円安の日本市場での円の高値でドルの安値を記録した。

今日の午後には、時間外の米国債権市場で米国長期金利の指標となる米10年債利回りが一時3.53%台付近に上昇幅を縮小した影響もあり、131円台後半付近でやや横ばいに近い動きで欧州英国市場の参入が始まった。

そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は131円86~88銭付近で、前営業日である先週金曜17時の前東京終値比では約3円27銭の大幅な円安ドル高になった。

今夜この後には、特に重要な米国経済指標の発表予定はないが、米国ニューヨーク株式市場ではピークを迎えた後にも決算シーズンの影響などによる値動きが続いており、好景気と金利上昇警戒との入り混じりにより、株式市場や債権市場でのリスクオンやリスクオフなどの値動きが、為替相場にも影響を与える可能性があることには注意が必要である。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は142円14~16銭付近で、前営業日17時の前東京終値比では約1円98銭の大幅な円安ユーロ高であった。

前述の米国雇用統計や米国経済指標や日銀報道などを受けた日米金利差拡大予想の円売りドル買いの影響の波及に加えて、円相場はユーロに対しても日欧金利差拡大予想で大幅な円安になっていた。

ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0778~1.0781ドル付近で、前営業日17時の前東京終値比では約1.21セントの大幅なユーロ安ドル高であった。

米国雇用統計や米国経済指標や日銀報道などを受けた円相場へのより大幅なドル高の波及だけでなく、ユーロに対しても米国景気好感や米利上げ継続予想による欧米金利差予想などで、今日は大幅なユーロ安ドル高になっていた。

今日は欧州ユーロ圏の最新経済指標の発表もあったが、強弱入り混じる結果であった。夕方のドイツの前年12月の独製造業新規受注は市場予想以上であったものの、今夜19時に欧州英国市場で発表された欧州ユーロ圏総合の前年12月の欧小売売上高は市場予想以下であった。その影響もあり、今夜の欧州英国市場ではドルがユーロに対して上昇したほか、19時台から20時台にはドル円も再び132円台で推移している。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は158円81~87銭付近で、前営業日17時の前東京終値比では約76銭の円安ポンド高であった。

ドルやユーロなどの他の主要通貨に対する今日の円安の影響は、英国ポンドにも波及していた。しかし、ドルやユーロと比較すると大幅な円安にならなかった原因には、英国景気懸念などが背景にあり、今夜18時半に発表された最新の英国経済指標の1月の英国建設業購買担当者景気指数 (PMI) も前回の48.8と市場予想の48.5に対し48.4の市場予想以下であった。

オーストラリアの豪ドルにも主要通貨に対する今日の円安の影響が波及していたが、明日7日の12時半にはオーストラリア中央銀行の豪州準備銀行 (RBA) の新政策金利発表イベント予定があり、イベント前リスクもあって今夜17時の今日の東京外国為替市場の豪ドル円相場の終値は91円27~31銭付近で、前営業日17時の前東京終値比では約52銭の円安豪ドル高であった。

今日の東西FXニュース執筆終了時の2023年2月6日の日本時間(JST)20時36分(チャート画像の時間帯は英国ロンドン外国為替時間 (GMT) 11時36分)付近の、人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 20:36の為替レート 東京外国為替市場前日比
ドル/円 132.24 〜 132.25 +3.65 (円安)
ユーロ/円 142.30 〜 142.32 +2.14 (円安)
ユーロ/ドル 1.0760 〜 1.0761 -0.0139 (ドル高)
英ポンド/円 159.03 〜 159.09 +0.98 (円安)
スイスフラン/円 142.66 〜 142.72 +1.11 (円安)
豪ドル/円 91.13 〜 91.17 +0.38 (円安)


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