FXニュース:最新の米雇用統計の改善でFRBの大幅利上げ継続予想が優勢に

FXニュース:最新の米雇用統計の改善でFRBの大幅利上げ継続予想が優勢に

 

東西FXニュース – 2022年8月8日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米長期金利上昇で日米金利差拡大の円売りドル買いの円安ドル高が再燃
  • 今週10日の米インフレ率の消費者物価指数(CPI)発表前の持ち高調整の抵抗も
  • 米欧金利差拡大のドル買いと日米株価上昇でリスクオンの欧州通貨買いも影響

今日2022年8月8日月曜日の東京外国為替市場のFXの対ドル円相場の為替レートは、9時から17時の東京外為取引時間の円の安値が135円58銭前後から高値134円92銭前後の値動き幅約66銭で、17時の今日の東京外国為替市場の終値は135円4〜5銭前後で、前営業日同時刻の前東京終値比では約1円74銭の大幅な円安ドル高であった。

原因は、先週末の日本市場終了後に始まった米国ニューヨーク外国為替市場で発表された最新の米国重要経済指標の米雇用統計7月分が好調で、非農業部門の雇用者数の前月比が前回の39.8万人に対して今回は52.8万人に増加し、市場予想の24.9万人に比べて倍近くも大幅に改善しており、米失業率も3.5%に低下し、コロナ禍以前のレベルに米雇用市場が回復しており、米国平均時給上昇率も市場予想を上回ったために米景気懸念が減退し、米連邦準備理事会(FRB)が次回9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でも積極的な大幅利上げ継続の予想が優勢になり、日米金利差拡大予想のドル買い円売りの円安ドル高が再燃した。

米長期金利も前終値比で0.17%増の一時2.86%付近に上昇し、日米金利差拡大時の円売りドル買いが起きた。円の高値は米雇用統計の発表前の133円9銭付近だったが、米雇用統計の発表後にドルが2円近く高騰し、円は一時135円52銭付近に急落した。

米雇用統計の改善を受け、米連邦準備理事会(FRB)によるインフレ抑制のための積極的な大幅利上げがしやすくなったことから、金利抑制の日本銀行(日銀)との日米の金融政策の方向性の違いも再意識され、日米金利差拡大予想の円安ドル高が進んだ。

また、米景気減退懸念の後退から、景気不安のあったユーロや英ポンドなどの主要通貨に対してもドルが買われて上昇した。

そのため、日本時間で土曜の朝の先週末の米国ニューヨーク外国為替市場で円相場は大幅に反落し、134円95銭~135円5銭の前ニューヨーク終値比で約2円5銭の大幅な円安ドル高で終値をつけていた。

そのトレンドを受け継いで始まった今週の今日の日本の東京外国為替市場でも、最新重要経済指標の米雇用統計を受けて今朝の円相場が大幅に下落していた。日本市場でも米景気後退懸念が和らぎ、米連邦準備理事会(FRB)が今後も積極的な大幅利上げを継続する予測の日米金利差拡大予想が優勢になり、円売りドル買いが優勢になった。

今朝の日本市場の投資系では、米シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループが米連邦準備理事会(FRB)の米連邦公開市場委員会(FOMC)が決定する米政策金利のフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の変更確率を、FF金利先物の値動きに基づき算出する予測値のツールで有名なフェド・ウオッチ(Fed Watch)で、次回9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.75%の大幅利上げ継続の予測確率が高確率の指標となる70%近くになったことも話題になり、日米金利差拡大予想の円からのドル買いが強まった。

また、今朝9時前に発表された日本の最新経済指標の6月国際収支・貿易収支は、資源高と円安などの影響もあり、前回の1兆9512億円減と市場予想の9859億円減に対して、今回は1兆1140億円減の赤字で、改善予測だった市場予想に反して赤字額が増えていたことで、円売りの材料となった。

朝10時前の仲値決済に向けては、日本企業の輸入実需の円からのドル買いも加わった。そのため、今朝9時半頃に一時135円58銭付近の、7月28日以来の円安ドル高水準と言われる今日の日本市場でのドルの高値を記録した。

ただし、米連邦準備理事会(FRB)が今後も積極的な大幅利上げを継続する理由には、米国の高インフレ抑制のためという条件もあるために、今週の10日に発表予定の米国重要経済指標の米消費者物価指数(CPI)などの米インフレ率に関する物価指標も注目され、高値でのドルの利益確定売りや発表前の持ち高調整の安値での円の買い戻しの抵抗も入り始めた。

午後になると、15時台に日経平均株価が28,249円24銭の前営業日比73円37銭増で大引けし、米国株式先物価格や欧英株式指数も上昇していたために、リスク選好市場になり、安全資産のドルや低リスク通貨の円が売られ、リスクオンのユーロや豪ドルなどが買われた。

日本時間の午後に時差で朝の欧州市場の参入もあり、夕方には対ドルや対円でのユーロが今日の高値圏になり、そこからは利益確定売りが入ったものの、安全資産の米10年長期債の利回りが指標となる米長期金利も一時停滞していたために、ユーロに対する安全資産のドル売りの影響が円相場にも波及し、17時前には一時134円92銭付近の今日の円の高値を記録したが、今日はそれまでに日米金利差拡大予想で大幅な円安ドル高が進んでいたために、円が下げ幅を一時的に少し縮めた程度に留まった。

その直後には今日の高値になったユーロが利益確定などで売られ、ドルが買い戻された影響が円相場にも波及し、円相場でもドルが再上昇し始めたところで、17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値を135円4〜5銭付近の前東京終値比で約1円74銭の大幅な円安ドル高でつけた。その後の欧州英国市場では、18時過ぎには135円20銭付近にドルが再上昇していた。

今日のユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は、137円80~83銭付近で、前営業日同時刻の前東京終値比で約1円39銭の円安ユーロ高であった。対ドルでの円安がユーロなどの主要外貨にも波及した。対円でのドル高もユーロなどの外貨に波及しており、ユーロドルも、今夜17時の東京終値は1.0204~1.0205ドル付近で、前東京終値比で約0.29セントのドル高ユーロ安だった。

市場の流れとしては、前週末の日本市場の午後に時差で朝だった欧州英国市場の午後に米国ニューヨーク市場が始まり、前述の好調な米雇用統計が発表され、米欧金利差拡大予想でユーロもドルに対して売られており、英国ロンドン市場と米国ニューヨーク市場から円安ユーロ高とドル高ユーロ安のトレンドが形成されていた。ただし、今日の夕方には、先述の株価上昇時のリスクオンのユーロ買いの抵抗もあったが、その後の利益確定売りで戻していた。

英ポンドは、今夜17時の東京外国為替市場の円相場の終値は163円51〜57銭で前営業日同時刻の前東京終値比で約55銭の円安ポンド高であった。円安ドル高の影響がポンドなどの外貨にも波及した影響が見られたが、前週末の英国ロンドン市場後半では、前述の米国ニューヨーク市場での米雇用統計を受けて、米国景気懸念減退のドル買いに対して英国景気減退懸念で英国ポンドも売られていたために、ドルに対してはポンドも下げていた影響から、ドルやユーロほどの大幅な円安ポンド高の上げ幅には至らなかった。

オーストラリアの豪ドルは、17時の今日の東京外国為替市場の円相場の終値が94円6〜10銭で、前東京終値比で約77銭の円安豪ドル高であった。豪州準備銀行(RBA)理事会も先週2日に豪政策金利を1.85%に利上げ後で、今日の日米金利差拡大予想の市場トレンドの中では日豪金利差拡大も意識されたほか、今日の午後の株価上昇時のリスクオン市場では、ユーロの他にも比較的リスクに弱いとされている豪ドルがリスク選好で安全資産のドルや低リスク通貨の円が売られた際に買われた影響が出た。

スイスフランは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の円相場の終値は141円1〜7銭で、前東京終値比で約68銭の円安スイスフラン高であった。今日の午後に発表された最新のスイスの経済指標の雇用統計7月分の失業率が、季調前が前回と市場予想と同じ横ばいの2%で、季調前も同じく前回と予想と同じ横ばいの2.2%と低い失業率を維持しており、またドルやユーロやポンドや豪ドルなどの主要通貨に対する円安も影響した。

今日の東西FXニュース執筆終了時の2022年8月8日の日本時間(JST)19時19分(英国夏時間(GMT+1)11時19分)付近の、クロス円を中心とした東京外為前日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:19の為替レート 東京外国為替市場前日比
ドル/円 134.98 〜 135.00 +1.68(円安)
ユーロ/円 137.52 〜 137.54 +1.11(円安)
ユーロ/ドル 1.0187 〜 1.0188 -0.0046(ドル高)
英ポンド/円 163.14 〜 163.20 +0.18(円安)
スイスフラン/円 140.93 〜 140.99 +0.60(円安)
豪ドル/円 93.99 〜 94.03 +0.70(円安)


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