FXニュース:米長期金利上昇と原油高等の円売りドル買いの一時134円台から抵抗が

2022年6月09日

 

東西FXニュース – 2022年6月9日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米消費者物価指数(CPI)発表前で米連邦準備理事会(FRB)の金融政策に注目
  • 欧州中央銀行(ECB)理事会の金融政策予想の値動きも今日の日本市場に影響
  • 英経済減速懸念で英中銀利上げ継続予想が減退の英ポンド売りドル買いも波及

今日2022年6月9日木曜日の東京外国為替市場のFXの対ドル円相場の為替レートは、9時から17時の東京外為取引時間の円の安値が134円56銭前後から高値133円40銭前後の値動き幅1円16銭程で、今夜17時の東京市場終値時点は133円45〜46銭前後で同時刻の前日比では約12銭の円高ドル安に一時反発中であったが、今日は朝から午後にかけては134円台の円安ドル高の時間帯も多く、17時の東京終値後に時差で朝の欧州英国市場でも、17時半過ぎ頃には再び前日比で円安ドル高に戻し、19時前には再抵抗が加わるなど、急速に円安が進んだ同時刻の前日比では、今日は抵抗も加わって円安と円高の境界を移動するレンジに近い値動きが見られている。また、今朝は一時134円56銭付近の、2002年2月以来の円安ドル高も記録した。

昨夜から今朝にかけてのニューヨーク外国為替市場でも、明日発表予定の米消費者物価指数(CPI)5月分を前に、米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締めによる利上げ予想が強まっており、金利抑制の日本銀行との日米の金融政策の方向性の違いによる日米金利差拡大予想のドル買い円売りや、米長期金利も3%を超えて上昇していたために日米金利差でのドル買い円売りも優勢で、一時134円48銭の円の安値を記録したほか、134円25~35銭の前日比1円65銭の大幅な円安ドル高で今朝のニューヨーク終値をつけていた。

同ニューヨーク市場時間に発表された最新の米国週間石油在庫統計では、車社会の米国で米ガソリン在庫が前回と予想を超えて減っていたことでは一時ドルも売られたものの、原油価格が上昇し、1バレルが一時121円付近まで高騰する原油高では、世界一の対外純資産保有額によって低リスク通貨とされている日本円の貿易赤字リスクから、世界的に流動性の高い安全資産のドルに対して円が売られた影響も出ていた。米株式市場の反落時にも、株安時の安全資産へのリスク回避での米債券買いや米ドル買いも影響した。

その流れを受けて始まった今日の日本東京外国為替市場でも、日米金利差拡大予想での円売りドル買いが優勢で、今朝9時頃に今日の円の安値の134円56銭付近の円安ドル高を一時記録し、ニューヨーク市場の円安記録を更新した。

しかし、約20年ぶりの134円台の円安ドル高では、高値での利益確定のドル売りや安値での円の持ち高調整買いや、朝10時頃の仲値決済の頃から輸出企業のドル売り円買いなどの抵抗も入り始めた。

今日の午後からは時差で朝の欧州英国市場の参入で、高値圏でのドルの利益確売りや持ち高調整の抵抗が入って134円台から133円台に下げたほか、3%を超えていた米長期金利の目安になる米10年国債の利回りが3%近くに下がっていたこともあり、急速に進んだ円安での持ち高調整の動きも見られ、一時は133円40円付近の今日の円の高値を記録した。

また、今夜の東京終値以降に発表予定の欧州中央銀行(ECB)理事会のユーロ政策金利6月分の結果発表を控えていたことでも、持ち高調整のドル売り円買いの一時抵抗が起きており、その一時抵抗時に17時の東京終値を迎えていた。

今日のユーロの円相場は、一時は記録的な144円18銭付近までユーロが買われた後に、5月30日から8営業日連続で約8円近い急速な円安ユーロ高が進んでいたことに対する利益確定売りや持ち高調整などの一時抵抗もあり、また東京終値時点では今夜20時45分以降の欧州中央銀行(ECB)理事会のユーロ政策6月分の発表前で、結果が分かるまで積極的な売買を控える動きもあったため、17時の東京市場の終値では、前日比で横ばいの価格帯の142円76~78銭で、同時刻の前東京終値比で0銭のレンジ市場であった。

しかし、その後の欧州市場では、19時時点では今夜の欧州中央銀行の発表前で、期待値からユーロが買われる機会もあり、円安ユーロ高の時間帯もあった。

ユーロ対ドルも、17時の今日の東京終値では1.0698~1.0699ドルで、前日比0.1セントの僅差のドル安ユーロ高に反発中であった。

今日の英ポンドは、英経済減速懸念から英国中央銀行のイングランド銀行(BoE)の積極的な利上げ継続は難しいのではないかという可能性が指摘されてきており、安全資産のドルに対して売られた影響もあって、第二安全資産の低リスク通貨の円に対しても大幅に下げており、17時の今日の東京終値は166円77〜83銭で、同時刻の前東京終値と比較すると約1円50銭の円高ポンド安の反発が起きていた。

今日のオーストラリアの豪ドル対円も、急速に進んだ円安での今日の円の外貨への抵抗の波及もあり、17時の東京終値は95円66〜70銭で前日比87銭の円高豪ドル安に反発していた。

今日の東西FXニュース執筆終了時の2022年6月9日の日本時間(JST)19時16分(英国夏時間(GMT+1)11時16分)付近の、クロス円を中心とした東京外為前日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:16の為替レート 東京外国為替市場前日比
ドル/円 133.32 〜 133.34 −0.25(円高)
ユーロ/円 142.91 〜 142.93 +0.15(円安)
ユーロ/ドル 1.0717 〜 1.0719 +0.0029(ドル安)
英ポンド/円 167.04 〜 167.10 -1.23(円高)
スイスフラン/円 136.36 〜 136.42 -0.81(円高)
豪ドル/円 95.80 〜 95.84 -0.73(円高)


注意:

本ウェブサイトに記載されている全ての情報またリンク先を含めた情報は、情報提供を目的のみとしており、取引投資決定、及びその他の利用目的のために作成されたものではありません。取引投資種、外国為替取引業者の選択、売買価格投資等の全ての最終決定については、利用者ご自身のご判断において行われるようお願い致します。

当社は、当サイトに掲載した情報によって万一閲覧者が被った直接・間接的に生じた損失に関して一切責任を負わないものとします。また、当社および当社に情報を提供している第三者は一切責任を負うものではございませんので ご了承ください。万が一、当サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いません。当社はこのウェブサイトの掲載内容を予告なしに変更または廃止することがございますので、あらかじめご了承おきください。