FXニュース:日米金利差拡大の円売りドル買いで円安ドル高トレンドが継続

2022年6月10日
FXニュース:日米金利差拡大の円売りドル買いで円安ドル高トレンドが継続


東西FXニュース – 2022年6月10日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 欧州中央銀行(ECB)が来月7月に量的緩和金融政策終了と0.25%の利上げ
  • 今夜の21時半の最新米消費者物価指数(CPI)発表前の持ち高調整と様子見も
  • 今日夕方の財務省と金融庁と日本銀行の三者会合では円安憂慮の円買いが

今日2022年6月10日金曜日の東京外国為替市場のFXの対ドル円相場の為替レートは、9時から17時の東京外為取引時間の円の安値が134円48銭前後から高値133円 37銭前後の値動き幅1円11銭程で、今夜17時の東京市場終値時点は133円61〜63銭前後で同時刻の前日比で約14銭の円安ドル高であった。

原因はまず、昨夜の東京終値の後に、欧州中央銀行(ECB) 理事会が来月7月1日の量的緩和金融政策の終了と、7月中の0.25%の利上げ実施を発表し、更に9月には通常の倍となる0.5%の追加利上げも行う可能性を示唆したことで、欧州国債利回りが上昇した影響が米国債にも波及しており、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク市場では、米長期金利が一時3.07%と約1カ月ぶりの高水準に上昇し、日米金利差拡大によるドル買い円売りが優勢で、今朝9時頃までに134円48銭付近の円安ドル高になっていた。

そのトレンドの影響を受けて始まった今日の日本市場でも、米長期金利上昇による日米金利差拡大と、欧米の相次ぐ利上げに対して金利抑制の金融緩和を継続している日本銀行との金融政策の方向性の違いによる日米金利差拡大予想での円売りドル買いが継続していた。

今日は10日で、日本企業の決済日の集中しやすい5と10のつく日の「五十日」であったが、今朝10時頃の仲値決済では、輸入企業のドル買いと輸出企業のドル売りがほぼ相殺する値動きとなっていた。

しかし、今夜21時半には米連邦準備理事会(FRB)も注視している最新米経済指標の消費者物価指数(CPI)5月分の発表を控えており、前回の発表時にはドル円の値動きに大きく影響したことから期待のドル買いが入った後には、イベントリスクで発表前の持ち高調整の円買いドル売りの抵抗や、結果が分かるまでは積極的な売買を控えたいというドルの買い渋りや投資家達の慎重な様子見の動きなども出てきており、133円台になる時間も出てきた。

また、今朝、鈴木俊一財務相が「為替相場の安定は重要で、急速な変動は好ましくない」と発言した時には以前と同じ内容で反応薄だったが、今日のお昼のニュースで午後に日本政府の財務省と金融庁と日本銀行が三者会合を実施すると報道された際には、為替介入の可能性も考えられたことから、為替安定方向の円買いドル売りの抵抗がより目立つようになった。

夕方16時頃に日本政府の財務省と金融庁と日本銀行は今日の三者会合後の共同声明で、「急速な円安の進行が見られ、憂慮している。各国の通貨当局と緊密な意思疎通を図ると共に、必要な場合には適切な対応をとる」という意向を発表をした。会見後のインタビューでも神田真人財務官が、「あらゆるオプションを念頭に置き、機動的に対応」する意向を述べており、同時刻の日本市場では為替安定方向の円の買い戻しが入り、一時133円37銭付近の今日の円安の中での円の高値を記録した。

しかし、夕方には時差で朝の欧州英国市場も参入しており、日米金利差拡大などによる円安ドル高のトレンドも継続していたため、133円61〜63銭付近にドルが買われた前日比14銭前後の円安ドル高で17時の今日の東京終値を迎えた。

今日のユーロは、先述の通り、欧州中央銀行(ECB)の来月の量的緩和政策終了と金融引き締めの利上げ開始での約11年ぶりの利上げの発表を受けて、欧州債の利回りが急上昇したのだが、理事会の声明では、ロシアのウクライナ侵攻の影響等による資源高などで、ユーロ圏の消費者物価上昇率が8%を超えており、欧州インフレ問題の対策で金融政策の正常化を急ぐ内容等が含まれていたことから、欧州経済懸念でのユーロリスクも同時浮上していた。

そのため、昨夜の英国ロンドン市場と昨夜から今朝の米国ニューヨーク市場では、欧州ユーロ圏の利上げ発表後のドイツなどの欧州債利回りの急上昇時にはユーロ買いが起きたものの、その後には欧州経済減速懸念のユーロ売りが、特に安全資産のドルと低リスク通貨の円で優勢となっており、今日の日本東京市場でも、円は対ユーロで11営業日ぶりに反発し、17時の東京終値は141円98銭~142円0銭で、前日比で約86銭の円高ユーロ安であった。

ユーロは安全資産のドルに対しても欧州経済減速懸念のユーロリスクで下げており、17時の今夜の東京終値は1.0625~1.0626ドルで、同時刻の前日比で約0.77セントのドル高ユーロ安だった。

今夜の東京終値後の18時半過ぎには、欧州中央銀行(ECB)理事会ではタカ派で有名なオーストリア中央銀行のホルツマン総裁が同内容を語ったことで、0.5%を超える9月の大幅利上げ予想が出ずに、一時1.0596ドル付近になり、今日の対ドルのユーロの安値を更新した。その影響で対円のドルも19時前に133円97銭付近に上昇した。

今日の英ポンドは、16時頃の財務省と金融庁と日本銀行の三者会合の声明発表後の円買いの影響もあり、また欧州懸念の8%よりもさらに悪い9%の英国のインフレが年内に10%を超える見通しで、英経済減速懸念のリスクから安全資産のドルや低リスク通貨の円に対して英ポンドが売られた影響で、17時の今日の東京終値の円相場でも166円60〜66銭で、前日比1円29銭の大幅な円高ポンド安であった。

欧米の先進国で現在最悪のインフレ率の英国では、今でも英国中央銀行のイングランド銀行(BoE)のホームページで、現在の1%の政策金利と9%のインフレ率とともに「英物価上昇目標の2%」を掲げているが、先日発表された日本の2.1%のインフレ率が、英国の目標の2%に近いことでは、日英金利差での円安要因もある一方で、原油高時でも低リスク通貨の円がドルに続く安全資産として評価され、安値で買われ円安抵抗となったことも影響した。

今日のオーストラリアの豪ドルも、今日の三者会合の声明発表後の円買いの影響もあり、95円19〜23銭の前日比16銭の円高豪ドル安で、17時の今夜の東京終値を迎えていた。

今日の東西FXニュース執筆終了時の2022年6月10日の日本時間(JST)19時13分(英国夏時間(GMT+1)11時13分)付近の、クロス円を中心とした東京外為前日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペアJST 19:13の為替レート東京外国為替市場前日比
ドル/円133.78 〜 133.80+0.31(円安)
ユーロ/円141.86 〜 141.88-0.98(円高)
ユーロ/ドル1.0602 〜 1.0604-0.0100(ドル高)
英ポンド/円166.61 〜 166.67-1.28(円高)
スイスフラン/円136.33 〜 136.39-0.69(円高)
豪ドル/円95.29 〜 95.33-0.06(円高)


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