FXニュース:米連邦公開市場委員会(FOMC)結果発表前の今日の為替の値動き

2022年5月04日
FXニュース:米連邦公開市場委員会(FOMC)結果発表前の今日の為替の値動き


東西FXニュース – 2022年5月4日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米連邦準備理事会(FRB)イベント前リスクでドルの買い控えや持ち高調整が
  • ウクライナ危機ロシア追加制裁の欧州エネルギー懸念では一時低リスク円買いも
  • 英中銀金融政策委員会(MPC)開催と豪準備銀行(RBA)の追加利上げ予想も影響

今日2022年5月4日は「みどりの日」で、日本はゴールデンウィーク祝日連休中で東京市場は休場であるが、欧英米豪などの国際F X外国為替市場は平日営業で値動きがあった。

今日の東京外国為替市場取引時間相当の9時から17時までの円相場の為替レートは、円の安値130円21銭前後から高値130円4銭前後の値動き幅17銭程で、今夜17時の東京終値時間のドル対円は130円9〜11銭で、東京外為の前営業日終値比では約3〜4銭の僅差の円高ドル安であった。今夜、その後に時差で朝の欧州市場では、18時前と19時過ぎに129円97銭付近まで円が買われる場面もあった。

ただし、大きな流れとしては、3月から15円近くも円安ドル高が進んでおり、今夜この後に米国現地時刻で今日(日本時間では時差で3時で明日未明)、米連邦準備理事会(FRB)の米連邦公開市場委員会(FOMC)が予想だけでも円安ドル高要因になっていた利上げや金融引き締めなどを正式に決定すると、金利抑制の日本銀行(日銀・BoJ)との日米金利差拡大で、再び円安ドル高が進む可能性もある。

今日は東京取引時間中にも、前日比と同じ横ばいのレンジや、僅差で円安ドル高の時間帯も多く、原因は、米国時間で今日の米連邦公開市場委員会(FOMC = Federal Open Market Committee)の発表前で、結果が確定するまでは積極的な売買を控えたい欧米の投資家の慎重な動きに加えて、一時低下した米長期金利での一時的なドル売りや買い戻しと、様子見や持ち高調整などで方向感の欠いた取引があったために、横ばいに近い値動きに影響した。 また、今日は日本以外にも中国とトルコが休場のために、東京市場取引時間に休業中の日中の大企業や投資銀行があり、午後に時差で朝の欧州市場が参入してくるまでは、全体的な取引ボリュームの少なさも今日の横ばい市場時間帯を長引かせる一因となった。

また、今日はニュースで北朝鮮が弾道ミサイルを発射し、日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下推定と伝えられ、リスク回避で円が130.1円台で伸び悩む時間帯もあったと報道された。

今朝の東京市場時間以前の、昨夜から今朝未明の米国ニューヨーク外国為替市場でも、現地時間では今日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の金融政策公表を控えて、様子見のレンジに近い値動きもあったが、昨日に一時は3%を超えていた米長期金利が今日は2.9%台まで下がった時にはドルが売られたり、上がった時にはドルが買われる動きも起きてはいた。

今日の午後15時から速報で順次発表があった欧州ユーロ圏の経済指標は、ドイツの3月貿易収支が、前回115億ユーロ(修正後110億ユーロ)と予想の100億ユーロを下回る97億ユーロであった。ドイツの4月サービス部門購買担当者景気指数(PMI・改定値)も57.9から57.6に低下していたが、フランスは58.8から58.9に上がっており、欧州連合(EU)全体では前回と予想と同じ57.7であった。一方で、欧州ユーロ圏の3月小売売上高(前月比)が、前回0.3%(修正0.4%)と予想の-0.1%に比べて-0.4%で、3月前年同月比でも前回5%(修正5.2%)と予想1.4%に対し結果が0.8%で、欧州のインフレを示す数値であり、今後の欧州中央銀行(ECB)の利上げ要因にはなる。そのため、発表時には欧州市場でユーロ売りとユーロ買いが136円台後半のレンジ内で交錯する市場となった。

また、今日の夕方、ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員長は、露産原油の輸入禁止を提案したほか、米欧英日のロシアのウクライナ侵攻の追加経済制裁で、以前は対象外で抜け道になっていたロシア最大の銀行ズベルバンクも、国際銀行間通信協会(SWIFT)から排除する計画を明らかにした。欧州エネルギー懸念があるものの、第一安全資産の米ドルが今日はイベント前リスクで買い控えられていたために、第二安全資産の低リスク通貨の円が買われた動きもあった。そのため、今夜17時の東京終値のユーロ対円の為替相場は、136円91〜93銭で前日比3円の僅差の円高ユーロ安であった。

一方、前述の理由で、同時刻にユーロに対してもイベント前リスクで一時的に買い控えられていたドルは、1.0522〜1.0524ドルで、前日比0.03セントのドル安ユーロ高であった。しかし、こちらもイベントの後に、米国の利上げが確定した場合には、大きな流れではドル高が続いていたためにドル高が続く可能性もあるために、今後もニュースによる値動きには注意が必要である。

英国ポンドも、今日から英国中央銀行にあたるイングランド銀行(BoE)の英中銀金融政策委員会(MPC)が開かれ、明日の夜20時に英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨と、イングランド銀行(BoE)金利発表を控えているために、もうすぐイベントリスクがある。しかし、既に前回も利上げが行われており、英国の記録的なインフレで更なる利上げの期待値もあり、まだ米国のFOMC発表よりも時間的な余裕もあることから、今夜17時の東京終値では162円74 〜80銭で前日比16銭の円安ポンド高であった。

オーストラリアドルは、昨日の豪準備銀行(RBA)理事会の0.35%への政策金利の利上げで一時急上昇した後に、利益確定売りや調整などで戻して来ていたが、今日は豪大手金融機関が次回の6月7日の豪準備銀行(RBA)理事会での更なる0.40%の追加の利上げ予想を発表したために、一時は再び上がる場面もあった。そのため、今日17時の東京終値は、92円46〜50銭で前日比14銭の円安豪ドル高であった。

今夜はこの後、明日未明3時の米連邦準備理事会(FRB)の米連邦公開市場委員会(FOMC)の発表と、3時半頃からのパウエル議長発言に世界中の投資家達が注目しており、今後の為替相場に値動きに影響を与える可能性が高いので、ニュースには注意が必要である。

今日の東西FXニュース執筆終了時の2022年5月4日の日本時間(JST)19時12分(英国夏時間(GMT+1)11時12分)付近の、クロス円を中心とした東京外為前日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:12の為替レート 東京外国為替市場前日比
ドル/円 130.00 〜 130.02 -0.13(円高)
ユーロ/円 136.88 〜 136.89 -0.06(円高)
ユーロ/ドル 1.0526 〜 1.0528 +0.0007(ドル安)
英ポンド/円 162.60 〜 162.66 +0.02(円安)
スイスフラン/円 132.49 〜 132.55 -0.44(円高)
豪ドル/円 92.59 〜 92.63 +0.27(円安)


注意:

本ウェブサイトに記載されている全ての情報またリンク先を含めた情報は、情報提供を目的のみとしており、取引投資決定、及びその他の利用目的のために作成されたものではありません。取引投資種、外国為替取引業者の選択、売買価格投資等の全ての最終決定については、利用者ご自身のご判断において行われるようお願い致します。

当社は、当サイトに掲載した情報によって万一閲覧者が被った直接・間接的に生じた損失に関して一切責任を負わないものとします。また、当社および当社に情報を提供している第三者は一切責任を負うものではございませんので ご了承ください。万が一、当サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いません。当社はこのウェブサイトの掲載内容を予告なしに変更または廃止することがございますので、あらかじめご了承おきください。