今日のFXニュース:石油輸出国機構(OPEC)加盟国の原油増産動向でエネルギー危機リスク軽減の安全資産売り|東西FXニュース
2022年3月10日東西FXニュース – 2022年3月10日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- ウクライナ和平交渉譲歩姿勢で地政学リスク緩和の低リスク通貨売りのユーロ買い
- 欧州中銀(ECB)金融政策発表前の投資家の慎重な動きがユーロに影響
- 米国も2月消費者物価指数(CPI)発表前の投資家の見守り姿勢が値動きに反映
今日2022年3月10日の東京外国為替市場の円相場でも、昨日に続き円安の傾向が見られた。
9時から17時の東京外為市場のドル円の値動きレンジは、115円89銭〜116円20銭前後の値幅31銭程度で、午前10時の仲値決済では今日は輸入企業決済日が集まる「五十日(ごとうび)」のために円からドルや外貨が買われ、その後も米国株価に続き日経平均株価が上昇したことで運用リスク改善から株が買われて安全資産で低リスク通貨の円が売られたことで、午後14時には116円14~15銭で東京前日比26銭前後の円安ドル高であった。
しかし、慎重な投資家達の低リスク円の買い戻しもあり、今夜の東京終値17時には対ドルで115円91~92銭の前日比3銭の小幅な円安ドル高で、対ユーロでは128円15~17銭の前日比1円65銭の大幅な円安ユーロ高であった。
ウクライナ情勢での和平協定への期待値上昇(詳細は後述)と、石油輸出国機構(OPEC)加盟国による原油増産の意向(同じく後述)によるエネルギー関連のリスク減で、ユーロは低リスク円だけでなく、円と同じく安全資産で流動性の高いドルに対しても上昇し、17時に1.1056~57ドルで前日比1.4セントのドル安ユーロ高であった。
この為替の値動きのニュースによる影響は、まず石油輸出国機構(OPEC)加盟国による原油増産の動向から、昨夜のニューヨーク市場で米原油先物相場が下落したことで、今日の日本市場でも原油先物相場が大幅安となり、そのため、資源高騰による景気への悪影響の懸念での投資家のリスク回避姿勢がやや弱まったことでの安全資産売りが挙げられる。
そして、同じく昨夜から今朝未明のニューヨーク市場時間内に、ウクライナ大統領顧問がウクライナは外交的解決策の準備があり、安全保障があれば非武装化をめぐる協議を実施する用意があると発表し、続いてゼレンスキー大統領も一定の譲歩の用意と首脳同士の直接対話が終戦を可能にすると発言し、ウクライナ大統領府は安全保障があれば中立問題について話し合うと発表したことで、リスク回避の動きが弱まって米国株価が上昇し、安全通貨の円やドルが売られて、リスクオンのユーロ買いが増えていた。また、同じく安全資産で上昇していた金価格も下がった。
しかし、ロシアとの和平交渉は以前にも難航していたことなどから、その後の東京市場の午後の後半と時差で朝の欧州市場では慎重な投資家の低リスク円の買い戻しもあり、小幅な円安ドル高で終値をつけた。東京前日比では大幅な円安ユーロ高であるが、日付の区切りに9時間前の時差があるロンドン時間のグリニッジ標準時(GMT)では、欧州の朝市場ではユーロは安全通貨のドルや円にレンジ付近で一時反転もありの値動きもしている。
また、欧州では今夜この後に欧州中央銀行(ECB)の新たな政策金利発表や、ラガルド総裁の記者会見を控えており、投資家の慎重な見守りと、調整売りや予想での動きも見られる。
そのため、これまでのユーロ買いから再び安全通貨のドルや円買いや英ポンド買いも起きており、ECBの新たな金融政策や今後のウクライナ情勢での地政学リスクによっては、リスクオンで買われていたユーロが再びリスクオフで売られたり、安全資産の円やドル買いが起きても不思議ではないので、今後も値動きに影響のあるニュースや速報には注意が必要である。
米国でも、ドルの値動きに関与する重要な景気指数の2月消費者物価指数(CPI)の発表を今夜この後に控えているので、トレンド予想の際には注意が必要である。
今日のニュース執筆時の2022年3月10日の日本時間(JST)20時23分(ロンドン時間11時23分)付近の、クロス円を中心とした東京前日比の為替レートは下表の通りである。
通貨ペア | JST 20:23の為替レート | 前日比 |
ドル/円 | 115.94〜115.96 | +0.06(円安) |
ユーロ/円 | 128.07〜128.09 | +1.57(円安) |
ユーロ/ドル | 1.1045〜1.1047 | +0.0129(ドル安) |
英ポンド/円 | 152.62〜152.68 | -0.03(円高) |
スイスフラン/円 | 125.20〜125.26 | +0.21(円安) |
豪ドル/円 | 84.99〜85.03 | +0.19(円安) |
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