今日のFXニュース:米消費者物価指数(CPI)上昇率加速で日米金利差などの円売りドル買いが進み記録的な円安ドル高に|東西FXニュース
2022年3月11日東西FXニュース – 2022年3月11日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 欧州中央銀行(ECB)が量的緩和縮小を進める計画を発表してユーロ買い
- ラガルド欧中銀総裁のインフレと懸念と地政学リスク発言で安全資産のドル買いも
- 速報の英国GDPが前回と予想の-0.2%を上回る0.8%で英ポンド買いも
今日の外国為替レートは、朝9時から今夜17時の東京外為時間でも円安ドル高が顕著であったが、その後も日本時間で今夜18時10分に、時差で朝の欧州市場で一時は117円2〜3銭の117円台前半に達する記録的な円安ドル高が見られた。
原因は、昨日の東西FXニュースでもドルに対する値動きの影響を予めお伝えしていた通り、昨夜発表の米国の2月の消費者物価指数(CPI)が上昇し、今朝の東京外国為替市場の開く前のニューヨーク市場取引時間には時差で朝に報道されたため、前年同月比で7.9%上昇と米CPI上昇率が前月の7.5%から更に加速したことで米国ではインフレ警戒感から米長期金利が上昇してドル買いが起き、また米連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融引き締めをするであろうという専門家の予想が強まって日米金利差でも円売りドル買いが進み、ニューヨーク終値が116円10~20銭で前日比30銭の円安ドル高トレンドであったことが大きい。
米国の債券市場では米長期金利が一時2.02%に上昇し、FRBも年内に0.50%の政策金利値上げをする可能性が高いという米国銀行関係者や専門家アナリストの指摘もあり、日米金利差拡大を見込んだ円売りドル買いが優勢になっていた。
その為替相場のトレンドの動きを受け、今日の東京外国為替市場でも朝から同じ理由で円安ドル高が進み、10時の中値決済では日本の輸入貿易実需のドル買い円売りも加わった。
そのため、10時の116円31~32銭の前日比39銭の円安ドル高から、17時の東京終値は116円70〜71銭で前日比78銭の円安ドル高、そして、日本時間の今夜18時10分に時差で朝の欧州市場では、更にウクライナ情勢長期化で流動性の高い安全資産のドルが低リスクの日本円よりも買われて、一時は117円台前半に達する記録的な円安ドル高となった。
同じく日本時間で昨夜遅くに発表があった欧州中央銀行(ECB)は、積極的な量的緩和縮小や金融政策を進める計画で、ユーロ買いのユーロ上昇が起きた。
ただし、直後のラガルド総裁の発言では、欧州連合(EU)のユーロ圏のウクライナ情勢長期化での地政学的リスクと欧州インフレ景気リスクへの懸念で慎重な姿勢も再度意識されたため、ユーロが売られて安全資産で流動性の高いドルや低リスクの円が買われるという抵抗もニューヨーク市場で入ったため、今日の東京外為時間には、東京前日比ではニューヨーク市場のユーロリスクからの安全通貨買いもあったために朝は東京前日比の円高ユーロ安から始まって、僅差の円安ユーロ高の境界レンジ付近で取引されることがあったが、今夜、日本の9時間前時差のグリニッジ標準時(GMT)の前日比での朝のロンドン市場では、今日の日付でユーロ上昇傾向がより顕著であった。
ユーロ対円は、日本時間の今朝にはそれまでのニューヨーク市場で長期化するウクライナ情勢の地政学リスクからユーロに対して低リスクの円が買われたこともあり、朝8時半には127円72~76銭で東京前日比54銭の円高ユーロ安だったが、10時に127円95~97銭で前日比31銭の円高ユーロ安、正午には127円82~83銭と同44銭の円高ユーロ安、15時42分には128円33〜34銭で東京前日比でも7銭差の円安ユーロ高に反転し、17時には128円19~21銭で東京前日比7銭の円高ユーロ安になったが、18時55分には128円26〜28銭で東京前日比0銭のレンジになり、その数分後に再び僅差で円安ユーロ高になり、19時には東京前日比では円高ユーロ安と円安ユーロ高の境界付近でレンジに近い値動きをしていたが、グリニッジ標準時(GMT)のロンドン市場では、時差で日付が変わった辺りからユーロ上昇のグラフになり、今日のユーロが上昇で高止まりに見える様な値動きにも見えた。
ドル上昇の追加の要因として、昨夜のウクライナとロシア外相の停戦合意に向けての会談も再び進展がなく、長期化するウクライナ情勢での欧州景気不安で、再度、安全資産で非常時に流動性の高いドル買いが、世界市場や欧州市場で起きていたことが挙げられる。
欧米は共に積極的金融政策が期待されているため、ユーロは対ドルで下がり、ニューヨーク終了後で朝8時半に1.0992~94ドルと東京前日比0.72セントのドル高ユーロ安で、19時15になっても1.0974〜76ドルの前日比0.9セントのドル高ユーロ安が継続している。
また、日本時間の今日の午後から今夜には、米国や欧州の中央銀行がインフレ抑制のための積極的な金融政策を期待されていることに比べて、輸入大国の日本は資源高騰のインフレ景気悪化予測の中でも、日銀が大規模緩和を続ける姿勢が問題視されており、投資家の間では米欧との金融政策の温度差からも円が売られて米ドルや欧州通貨が買われていた。
今夜の速報では、先ほど発表のあった英国のGDPも上昇していたため、英国ポンドが買われて円が売られたことも、円安ポンド高につながっている。
ウクライナ情勢も長期深刻化して続いており、今後もニュースや速報が対象通貨地域の景気経済予測やリスク回避の安全資産買いなどで為替の値動きに与える影響は大きいと考えられるので、F Xの外国為替取引で利益を出し続けるためには引き続き注意が必要である。
今日のニュース執筆時の2022年3月11日の日本時間(JST)20時9分(ロンドン時間11時3分)付近の、クロス円を中心とした東京前日比の為替レートは下表の通りである。
通貨ペア | JST 20:09の為替レート | 前日比 |
ドル/円 | 116.91〜116.92 | +0.99(円安) |
ユーロ/円 | 128.37〜128.39 | +0.11(円安) |
ユーロ/ドル | 1.0979〜1.0981 | -0.0085(ドル高) |
英ポンド/円 | 153.08〜153.14 | +1.17(円安) |
スイスフラン/円 | 125.63〜125.69 | +0.90(円安) |
豪ドル/円 | 85.45〜85.49 | +/-0.0(レンジ) |
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