今日のFXニュースは、安全通貨の日本円とドルが欧州で売られた理由を分析|東西FXニュース
2022年2月15日東西FXニュース – 2022年2月15日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- ウクライナ情勢速報の為替への影響とユーロ圏の緩和期待値
- 今日発表の景気指数とニュースで盛り返す欧州通貨の英ポンドとユーロ
- 日本と欧米との金利差を予測した円売りドル買い
今日の日本時間20時、時差で朝の欧州為替市場では、緊迫しているウクライナ情勢でロシアと欧米との話し合いの機会が増え、また現地時間の今朝にロシア軍の一部がウクライナ国境から撤収したとのニュースが伝わったことで、ウクライナ情勢の緊張の緩和を期待してのユーロ買いと、安全通貨としてそれまで買われていた円やドル売りが進んでいた。
そのため、本日午後17時の東京外国市場での円高の終値から一転して、その後の欧州市場では対ドルでも対ユーロでも対ポンドでも円安に転じ、夜20時時点になってもその傾向が続いている。
また、今日の欧州の市場ではウクライナ情勢の緊迫への懸念が和らいだことで欧米の株価指数先物や欧州の主要株価指数が上昇したことも受けて、先日からのリスク回避の円やドル買いの動きも減少して、欧州通貨に対する円安やドル安の傾向にも転じていた。ただし、欧州市場の期待値とは裏腹に実際のウクライナ情勢はまだ解決しておらず、ロシア軍は作戦訓練のための大規模な軍事演習を継続しているという速報も入り、市場はまたいつ逆転してもおかしくない状況なので、慎重な動きが加わっている。
今日もドイツのショルツ首相がロシアのプーチン大統領と会談するなど、ウクライナ情勢を巡ってロシアと欧米との話し合いは続くものの、実際にはまだ予断を許さない状況である。
それ以外にも、経済指数での値動きが今日もあった。日本時間の夜に時差で朝のロンドン市場が開くと、英国統計局の2021年10~12月の国際労働機関(ILO)基準の失業率は4.1%と前期9~11月と同じであったが、英国の記録的なインフレで賃金の伸びが加速したと発表されたことで、ポンド買いとドル売りが起きた。
また、英国や欧州での金融引き締めが早期に進むとの見方から、ポンドだけでなくユーロも買われ、対ドルやクロス円での欧州通貨の為替相場に影響を及ぼした。
しかし、それ以前の今日の午後の東京外国為替市場の為替レートでは、安全資産や低リスク通貨としての円買いが再び進み、円相場は一時的に円高ドル安となっていた。日本時間の早朝と昨夜のニューヨーク市場では、継続するウクライナ情勢の緊迫の影響で株安が続いていたので、緊急時に流動性の高いドルも安全通貨として買われ、ドルや円が欧州通貨に対して上がり、その影響が対円で一時下がっていたドル買いに及んだことと、昨夜のFRB関連のニュース発言で日米金利差を見込んだ円売りドル買いも入ったので、昨夜のニューヨーク市場終値でも円安ドル高に反転していた。
この背景には、ウクライナ侵攻の構えを見せていたロシアのプーチン大統領が、ラブロフ外相と会って米国や北大西洋条約機構(NATO)との協議を継続することを承認したという昨夜のニュースで、先行き不透明なウクライナ情勢の緊張は続いており、CIA情報で週内にもロシアがウクライナに侵攻するのではとのいう見方も浮上していたので地政学リスク警戒があり、もし欧米がロシアへの経済制裁に動くことになれば、ロシアのエネルギー供給削減や難民受け入れ問題等でユーロ圏の欧州経済の混乱や、期待されていた欧州経済の回復が遅れることが予想されるとの報道があったことで、ドルがユーロや英ポンドに対して上昇し、一時は対円のドル相場にも影響を及ぼした。
しかし、その一方で欧米の主要株価指数が社会情勢の不安から続落し、低リスク通貨とされる円を買う動きもあった。その動きは日本の株式市場でも継続し、今日の午後の東京外為市場では国内輸出企業による円買いドル売りも活発で円相場を支えていたと分析されている。そのため、ウクライナ情勢には引き続き注意が必要で、株式や為替相場への影響も懸念されている。
今日のニュース執筆時の2022年2月14日の日本時間(JST)19時31分の、クロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。
通貨ペア | JST 19:52の為替レート | 前日比 |
ドル/円 | 115.66〜115.68 | +0.26(円安) |
ユーロ/円 | 131.22〜131.24 | +0.39(円安) |
ユーロ/ドル | 1.1344〜1.1346 | +0.0007(ドル安) |
英ポンド/円 | 156.69〜156.75 | +0.40(円安) |
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