今日のFXニュース|ウクライナ情勢で低リスク通貨の円買い進み円高ドル安に|東西FXニュース

2022年2月14日

東西FXニュース – 2022年2月14日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 株価下落時のリスク回避の安全通貨とは
  • 低リスクの円だけでなく流動性高いドル買いのユーロ抵抗も
  • 今日の日銀の指し値オペには応札なし

今日2月14日の東京外国為替市場の円相場ニュースは、円高ドル安傾向から始まった。

先週末に今週にでもロシアがウクライナ侵攻をする可能性があると米国大使館での避難勧告等が出されると、11日の金曜の夜のニューヨーク市場では米株式市場価格が下落する一方で、先週それまでに連日のドル高で安くなっていた日本円に低リスク通貨としての円買い需要が急激に増え、週末より急な円高ドル安トレンドへの転換となった。そのため、先週ピーク時には一時は116円台にもなったドルは、115円台前半にまで下がった円高ドル安となった。

その後、今度は有事のためのドル買いや利益確定の円売りなどの抵抗も入って急激な円高トレンドは徐々に落ち着いていき、連休明けの今朝の東京外国為替市場では午前中は比較的小幅での円高ドル安となっていた。 しかし午後になり、連休明けの東京株式市場でもウクライナ情勢の緊迫感を受け、先週末のニューヨーク株式市場に続いて今日の日経平均株価が下落したので、リスク回避の安全資産としての円買い需要が再び国内でも高まり、今日の円相場は円高ドル安のトレンドを更新した。

同じ理由で安定通貨としての円はユーロに対しても反発して、円高ユーロ安となった。

現在、ロシア侵攻が危ぶまれているウクライナは欧州ユーロ圏の東欧にも近く、エネルギー価格高騰やインフレ等での欧州景気の先行き不安感からもユーロが売られ、低リスク通貨としての円買いと同時に流動性の高いドルも買われて、今日は連日のユーロ高からドル高ユーロ安へ転換される動きもあった。また、欧州主要株価指数低下で英ポンドも売られ、投資家のリスク回避でドル高ポンド安となった。

日本時間の午後19時頃には、朝の欧州や英国市場がすでに始まっており、ユーロや英ポンドは対ドルで下げ幅を広げ、日本円に対しても円高ユーロ安と円高ポンド安の動きになった。

一方、先週10日に発表のあった今日の日銀の指し値オペの入札は特になく、今日の為替市場には殆ど影響がなかったと見られる。先週の発表時には米消費者指数(CPI)の発表前で、欧米との金利差や金利政策の違いなどが注目されて円売りでの為替市場への影響も見られたが、週末のウクライナ情勢の緊迫でリスクオフの市場心理が一気に高まり、一時は2%台を記録した10年物の米国債利回りも先週末から1.9%に台に低下しており、日本の債権利回りの上昇も一段落してきたところだった。

今日のニュース執筆時の2022年2月14日の日本時間(JST)19時31分の、クロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:52の為替レート 前日比
ドル/円 115.11〜115.12 −0.48(円高)
ユーロ/円 130.18〜130.20 −1.93(円高)
ユーロ/ドル 1.1308〜1.1310 −0.0121(ドル高)
英ポンド/円 155.58〜155.64 −0.69(円高)


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