FXニュース:日銀総裁が経団連で講演

2025年12月25日
今日2025年12月25日木曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の155円58銭付近から、円の安値でドルの高値の156円7銭付近の値幅約49銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は156円0銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年12月25日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米新規失業保険予想以下
  • 米主要株高サンタラリー
  • 日経平均株価も小幅高に
  • クリスマスの市場流動性

今日2025年12月25日木曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の155円58銭付近から、円の安値でドルの高値の156円7銭付近の値幅約49銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は156円0銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の155円76銭付近の前東京終値比で約24銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と市場時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の英国ロンドン外国為市場では、経済圏や時間帯が近い欧州市場で欧州ユーロ圏の主要国ドイツや欧州周辺のスイスなどの複数の国がクリスマス・イブの早期休場で市場流動性が低下する中でも、時間外の米国債券取引で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が昨夜17時11分頃に一時4.174%付近に上昇し、債券利回りの金利差トレードでドル買いが入った影響では、昨夜17時13分頃にドルは円相場で一時155円97銭付近に上昇した。

時間外の米国債券取引では、米国長期金利はその後の上昇幅をやや縮小したものの、昨夜17時25分頃にも一時4.173%付近としばらく4.17%台での高止まりを続けたため、昨夜17時21分頃にもドルは円相場で一時155円97銭付近に再上昇したが、昨夜17時37分頃から米国長期金利は一時4.169%付近と4.17%台割れの4.16%台への低下を始めたため、ドルは円相場で二度目の上昇を上抜けできないテクニカル分析的なダブルトップ (Double Top) の売りサインを見せて反落し、昨夜18時5分頃にはドルは円相場で一時155円68銭に下落した。

しかし、米国市場に向けては、欧州市場はクリスマス・イブでも英国市場に続いて米国市場も一部短縮営業も含めて米国債券市場と米国株式市場やコモディティ市場は営業するため、米国株式市場がクリスマス・トレードのサンタクロース・ラリー (Santa Claus Rally / 日本語ではサンタラリーやクリスマスラリーとも呼ぶ) の続伸トレンドとなる市場の期待感などもあってドル実需買いが入ったことでは、昨夜21時57分頃に米国長期金利が一時4.170%付近に反発していた影響などもあり、ドルは円相場で反発上昇して156円台に上抜けし、米国市場開場直前の昨夜21時59分頃には一時156円5銭付近に買われていた。

英国市場の後半にあたる昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時156円5銭付近で、この昨夜22時0分の1分間の値動きの中ドルは円相場で瞬時に一時156円7銭付近にも上昇し、昨夜の米国市場における円の安値でドルの高値も記録した。

米国市場では、昨夜22時30分に米国雇用関連の最新経済指標の発表があり、前週分米国新規失業保険申請件数は前回の22.4万件と市場予想の22.3万件よりも堅調な21.4万件に改善されたことを受けては、発表時の昨夜22時30分の1分間の値動きの中でドルは円相場で再び一時156円7銭付近に上昇し、米国市場の高値を再記録した。

ただし、同時発表の前週分米国失業保険継続受給者数は、前回の189.7万人は前回188.5万人に改善の修正がされたものの、市場予想の190.0万人よりも軟調な192.3万人であったことでは、ドルは円相場で米国市場での高値を上抜けすることはなく反落し、昨夜22時30分の1分間の値動きの中で瞬時に155円98銭付近と155円台に下押ししていた。

昨夜23時30分頃には米国ニューヨーク株式市場が始まったが、欧米クリスマス休暇時期を控えた早期の利益確定や持ち高調整が時間外に先行していた影響では、続伸していた米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が開場時に揃って前日比で小幅なマイナス圏から始まったため、株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) で安全資産の米国債が買われて債券価格上昇に伴う利回り低下が起き、昨夜23時台には米国長期金利が一時4.158%と4.15%台に低下した時間が何回かあった債券利回りの金利差トレードのドル売りの影響があったほか、日本政府と日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の為替介入への警戒感でも買われやすかった低リスク通貨の円買いが入り、昨夜23時55分頃にドルは円相場で一時155円67銭付近と、昨夜の米国市場における円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、その後の米国株式市場では、米国主要株価三指数が反発上昇して揃ってプラス圏になり、今年もクリスマス・トレードのサンタラリーの上昇トレンドを見せたことでは、米国主要株価三指数上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) に転じたことから低リスク通貨の円売りが起きてドルは円相場で反発し、昨夜24時53分頃にはドルは円相場で一時155円91銭付近に買い戻されたほか、5営業日続伸の米国ダウ工業株 (DJIA) と米国S&P500種株価指数 (S&P500) が史上最高値を更新したため、午前2時58分頃にドルは円相場で一時156円2銭付近と156円台に再上昇していた時間もあった。

とはいえ、米国債券市場では、午前1時30分に米国7年債の入札があり、入札に絡む米国債券買いの影響が他の種類の米国債にも波及したことでは、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利にも債券価格上昇時の利回り低下が起きており、午前3時46分頃に米国長期金利は一時4.124%付近と4.12%台にまで低下した時間があったため、債券利回りの金利差トレードで米国長期金利低下時のドル売りが入ったことではドルは円相場で開場時の市場高値を上抜けすることなく再び反落し、株式市場時間の終了に伴う株価影響が弱まりを受けて、午前4時37分頃のドルは円相場で一時155円80銭付近と155円台に下落していた。

米国市場もクリスマス当日には祝日休場となるため、米国市場の終盤に向けてはクリスマス・ホリデーを前にした利益確定や持ち高調整の自国通貨のドルの買い戻しも入った影響では、ドルは円相場で下げ幅を縮小したが、クリスマス時期の世界市場全体の市場流動性が低下する中では少しの値動きでも値幅が荒く拡大しやすくなるため、クリスマスも平日営業の日本政府と日銀の為替介入への警戒感が燻っていたことでは、ドルは円相場で155円台後半に留まった。

このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の値動きは、円の安値でドルの高値の156円7銭付近から、円の高値でドルの安値の155円67銭付近の値幅約40銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値は155円93銭付近と、前営業日同時刻の156円23銭付近の前ニューヨーク終値比で約30銭の円高ドル安をつけた。

今朝早朝のオセアニア市場ではニュージーランドやオーストラリアがクリスマス・デー (Christmas Day) の休場のほか、アジア市場でもシンガポールと香港と韓国やインドなども休場となり、欧州英国市場に至ってはクリスマスイブまたはクリスマス翌日のボクシングデーに至る連休の市場も多く、今日は日本市場と香港を除く一部の中国市場と中東バーレーン市場あたりは一部の開場はあるが、クリスマス特有の世界市場全体の流動性減少が起きており、チャートの小窓の飛びやローソクチャートのヒゲ伸び及びスプレッド拡大などはあったものの、今朝7時33分と今朝8時54頃の一時155円75銭付近から今朝8時37分頃の一時155円96銭付近の値幅21銭程度の小動きとなっており、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時155円86銭付近であった。

日本市場では日本企業はクリスマスも平日営業ではあるが、今日は25日で平常時には毎月の5と10がつく日として日本の貿易企業の決済日が集中しやすい五十日 (ごとおび / ゴトーび) にあたるが、今日は日本企業の取引先である欧米などの海外企業や海外金融機関が祝日休みで国際送金などができないため、今朝の日本市場の仲値決済に向けては普段よりも取引が少なく、今朝9時55分の仲値決済の頃の対ドル円相場は一時155円80銭付近と動意が薄かった。

しかし、今日は正午12時30分頃から、日銀の植田和男総裁が昨年に続き今年もクリスマスに日本経済団体連合会 (経団連 / Keidanren / Japan Business Federation) 審議員会の講演での要人発言の予定があったことでは、今後の追加利上げペース言及の可能性への期待感や警戒感などによる円買い入ったことでは、正午12時23〜24分頃にかけてドルは円相場で一時155円66銭付近に下落した。

正午12時30分頃から日銀の植田和男総裁は、「賃金上昇を伴った『物価安定の目標』の達成に向けて」というタイトルの講演で、目指している経済の姿の「賃金と物価の循環メカニズム」として、価格転嫁や労働生産性向上などを含めて日本企業の収益増加が賃金上昇と設備投資の増加につながるという賃金と物価が共に穏やかに上昇する経済のイメージを示し、「労働需給のタイト化が進むなか、ここ数年、企業の賃金・価格設定行動は大きく変化しており、賃金上昇を伴う形での2%の『物価安定の目標』の実現は、着実に近づいていると考えています」と発言し、今後も賃金上昇を伴う2%のインフレ目標が実現していけば、来年も日銀の追加利上げ方向は維持され、長期的な視野から国内金利上昇の継続余地が予想可能であったことは円買い要因になったため、午後13時5〜6分頃にかけてドルは円相場で一時155円58銭付近と、今日の日本市場における円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、前回の日銀金融政策決定会合後の記者会見の時と同様に、植田和男総裁は今後の日銀の追加利上げ方向の維持は示したものの、具体的な追加利上げ時期や政策金利のターミナルレートなどについては今回も特に言及しなかったことでは、来年1月22〜23日に予定されている次回や来年の日銀金融政策決定会合における早期の追加利上げ予想が後退したままであったことでは、前回の発言よりもタカ派寄りの発言が出ることに警戒して買われていた円が市場高値後の利益確定や持ち高調整などで売られた影響では、市場安値後のドルは円相場で反発上昇した。

また、今日は東京株式市場でも、今朝早朝までの米国市場での米国主要株価三指数続伸のクリスマス・ラリーの影響があり、今朝の日経平均株価がプラス圏に上昇して始まったが、国内金利の警戒感が燻った時間があったことでは一時マイナス圏に反落したものの、午後の市場終盤には再びプラス圏に反発し、午後15時30分頃に5万407円79銭の終値をつけ、前日比63円69銭高の+0.13%の小幅高で大引けした株価上昇時のリスク選好のリスクオンの国内第一安全資産の低リスク通貨の円売りも入り、夕方17時0分頃の1分間の値動きの中でドルは円相場で瞬時に156円7銭付近と156円台に乗せており、今日の日本市場における円の安値でドルの高値を記録し、前東京終値比では円安ドル高になっていた。

このため、17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は156円0銭付近で、昨日17時の155円76銭付近の前東京終値比では約24銭の円安ドル高になった。

日本市場終了後の今夜この後の欧米市場はクリスマス休場で、世界市場のほとんども休場であるため、今夜は特に注目度の高い欧米経済指標の発表はないが、ウクライナ情勢や中東や南米などの世界情勢に加え、世界の政治・経済の最新ニュースやドナルド・トランプ米国大統領や高市早苗首相などを含めた要人発言などのファンダメンタルズ分析は、テクニカル分析などと共に世界のFXトレーダー達の今後の値動き予想材料となっている。

一方、欧州ユーロは、今日17時の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は183円69銭付近と、日本市場の前営業日同時刻にあたる 昨日17時の183円64銭付近の前東京終値比で約5銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、欧州市場はクリスマス休暇時期であるが、今朝までの米国市場と今日の日本市場で日米主要株価が高値引けとなったことから、株価上昇時のリスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りの影響では、欧州ユーロや英国ポンドが買われやすかった。

そのため、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は210円87銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の210円49銭付近の前東京終値比で約38銭の円安ポンド高であった。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1781ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.1790ドル付近の前東京終値比で約0.09セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、昨日は日本政府と日銀の円買いドル売りの為替介入の警戒感に加えて、韓国政府と韓国通貨当局の韓国ウォン買いドル売りの為替介入への警戒感があったが、昨夜の欧州市場でドイツなどの主要市場が休場でユーロ実需が減ったことに対し、昨夜の米国市場や今日は日本市場でもドル買い需要があったことや今日の夕方の円相場でドルが買われて円安ドル高になった外貨影響の波及があり、小幅ながらもユーロ安ドル高の東京終値になった。

今日の東西FXニュース2025月12月25日の日本時間 (JST / Japan Standard Time) の17時0分の東京終値時の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。なお、今日は日本市場終了後の英国ロンドン外国為替市場がクリスマス休場のため、今日のチャート画像のみ、普段の英国時間 (GMT) ではなく、日本時間 (JST) のタイムスケールの表示となり、昨日などの英国市場時間のゼロスプレッドではなく、インターコンチネンタル国際取引所経由でクリスマス時のスプレッド表示が拡大していることには注意が必要である。

通貨ペア JST 17:00の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00前東京終値比
ドル/円 156.00 +0.24 (円安)
ユーロ/円 183.69 +0.05 (円安)
ユーロ/ドル 1.1781 −0.0009 (ドル高)
英ポンド/円 210.87 +0.38 (円安)
スイスフラン/円 198.03 +0.23 (円安)
豪ドル/円 104.71 +0.14 (円安)

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