FXニュース:日銀利上げ継続観測報道
2025年12月05日
東西FXニュース – 2025年12月05日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 日欧米債券利回り上昇圧
- 米人員削減数はやや軟調
- 米民間非農業雇用数減少
- 米新規失業保険申請堅調
- 日政府日銀委任発言続く
- 日経平均下落リスクオフ
- 米長期金利反発4.1%台
今日2025年12月5日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の155円23銭付近から、円の高値でドルの安値の154円34銭付近の値幅約89銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は154円66銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の155円22銭付近の前東京終値比で約56銭の円高ドル安であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と市場時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、来週12月9〜10日の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国利下げ予想が優勢であったことに対し、昨日に英国ロイター通信が (Reuters) が、「日銀、12月会合で利上げの可能性強まる。高市政権も容認姿勢=関係筋」と報じたニュースが世界市場で話題になり、先日の日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の植田和男総裁の発言後に高まっていた次回12月18〜19日の日銀金融政策決定会合における利上げ予想が更に上昇したため、日米金利差縮小予想の円買いドル売りが進み、昨夜21時頃にドルは円相場で一時154円51銭付近に下落していた。
ただし、昨夜21時30分には、米国民間再就職支援会社で雇用調査会社でもあるチャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社 (Challenger, Gray & Christmas, Inc.) が、最新米国経済指標の11月米国チャレンジャー人員削減数を発表し、米国企業などの公開データをもとに集計した前年同月比は7万1321人の23.5%増加とやや軟調ではあったが、前回の175.3%増加からは大幅な改善を見せていたことでは、米国市場を前にしたドルの買い戻しも混ざったため、昨夜21時48分頃にドルは円相場で一時154円78銭付近に反発した。
その一方で、ネットワーキング・プラットフォームのデータを基に米国における雇用や給与と採用および従業員の自然減などを把握している米国民間調査会社レベリオ・ラブズ (Revelio Labs) が発表した11月米国非農業部門雇用者数は、前月比で−9000人と2カ月連続で減少しており、米国雇用市場の減速感を示して続けていたことでは、日銀の利上げ予想を受けて他の主要通貨に対しても買われていた円相場でのドルの買い戻しには抵抗があった。
そのため、欧州英国市場の後半にあたる昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時154円67銭付近であった。
しかし、米国市場では、昨夜22時30分に政府系の最新米国経済指標の前週分米国新規失業保険申請件数の発表があり、前回の21.6万件は前回21.8万件に修正されたものの、市場予想の22.0万件よりも堅調な19.1万件に改善しており、併せて発表された前週分米国失業保険継続受給者数も前回の196.0万人が前回194.3万人に改善の修正がされた上で市場予想の196.1万人よりも堅調な193.9万人であったことではドルは円相場で反発し、発表時の昨夜22時30分の1分間の値動きの中でドルは円相場で一時155円6銭付近と瞬時に155円台に乗せた時間があった。
また、昨日は日本の国内債券市場で国債売りに伴う債券価格低下時の利回り上昇が起き、新発10年物の日本国債の利回りが指標となる国内長期金利が上昇したが、世界市場にも欧米国債売りが波及しており、昨夜は欧州長期金利の指標銘柄であるドイツ連邦債10年物の利回りが上昇したほか、世界的な安全資産でもある米国債にも売りが波及したため、米国債券市場で昨夜22時45分頃に米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.102%付近に上昇したことでもドルの買い戻しに影響を与えていた。
とはいえ、金利警戒感を受けては、前日までは揃って続伸していた米国主要株価三指数の中でも特に金利に敏感な米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) が反落し、米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と世界的なハイテク企業の比率が高い米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) は一時反落後にも反発に向けたが、その反発前には米国主要株価三指数が揃ってマイナス圏付近になっていた時間があったことでは、株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) による低リスク通貨の円買いも入ったため、深夜24時46分頃にドルは円相場で一時154円56銭付近に下落し、昨夜から今朝までの米国市場における円の高値でドルの安値を記録した。
先ほどの英国市場で昨夜21時頃に記録していた一時154円51銭付近を下抜けしない底堅さをドルが見せたことではテクニカル分析的な買い戻しも入り始めたほか、米国主要株価三指数の中でも米国ダウ工業株 (DJIA) は反落後に前日比で小幅安の終値に向けたものの、他の二指数の米国S&P500種株価指数 (S&P500) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) は反発後に小幅高の終値に向けた株価影響もあり、市場高値後の低リスク通貨の円の利益確定売りや持ち高調整のドルの買い戻しが入った。
米国主要株価三指数中の二指数の反発を受けた安全資産の米国債売りでも利回りが上昇した米国長期金利は、午前4時55分頃に一時4.113%付近に上昇し、午前5時台にも同レベルの高止まりを数回見せて債券利回りの金利差トレードも為替相場に影響を与えており、米国市場終盤のドルの買い戻しが入った今朝6時48分頃にも米国長期金利は一時4.104%付近と4.1%台の高利回りに留まっていたことでは、この時間にドルは円相場で一時155円14銭付近と、昨夜から今朝までの米国市場における円の安値でドルの高値を記録した。
ただし、先行の欧州英国市場では、先述の日銀の日本政府容認の利上げ観測報道の影響による一時154円台の円高ドル安が進行後であったことでは、155円台前半に戻したものの前日同時刻の前ニューヨーク終値比では円高ドル安のニューヨーク終値に向けていた。
このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の値動きは、円の高値でドルの安値の154円56銭付近から、円の安値でドルの高値の155円14銭付近の値幅約58銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値は155円10銭付近と、前営業日同時刻の155円25銭付近の前ニューヨーク終値比で約15銭の円高ドル安をつけていた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、日銀の利上げ予想の高まりなどを受けて、今朝7時29分頃にドルは円相場で一時155円0銭付近に下押ししたが、今日の日本市場は5日で日本の貿易企業の決済日が集中しやすい5と10がつく日の五十日 (ごとおび / ゴトービ) であったことでは円売りドル需要観測があったため、ドルは円相場で反発して今朝8時15分頃には一時155円16銭付近に買い戻されて5分ほど高止まりしていた。
しかし、今朝8時30分に日本の最新経済指標の発表があり、10月日本全世帯家計調査・消費支出の前年同月比は前回の1.8%と市場予想の1.0%に対し−3.0%に下振れしており、国内インフレの影響などによる買い控えが株価影響などに警戒されたことでは低リスク通貨の円の買い戻しが入り、今朝8時38分頃には一時155円10銭付近の前ニューヨーク終値付近に戻した。
続いて、今朝8時50分に発表された11月日本外貨準備高は、前回の1兆3474億ドルから1兆3594億ドルに増えており、これは国の経済安定性や国際的信用力を示す指標でもある一方で日本政府がすぐに使える流動性の高い外貨建て資産の総額で為替介入の資金源としても使用可能であることでは、ドルは円相場でやや小動きになった。
今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時155円13銭付近で、日本市場の今朝9時55分の仲値決済に向けては、今日は五十日で日本企業の輸入実需の円売りドル買い需要が先行したことでは、今朝9時7分頃にドルは円相場で一時155円23銭付近と、今日の日本市場における円の安値でドルの高値を記録した。
ただし、今朝のニュースでは、日本政府の片山さつき財務相が、日銀の植田和男総裁について、「私との間のコミュニケーションは色々な意味で非常に良い」と発言したほか、金融政策について、「具体的な金融政策の方法は日銀に任せている」と発言したことなどが話題になり、昨日の報道でも話題になった高市早苗政権容認の日銀の利上げ観測報道が継続し、日本政府や与党も日銀の利上げを容認するとの市場予想が高まったことから、今朝の五十日の国内輸入企業の円売りドル買い後の国内輸出企業の円買いドル売りと共に円買いが勢いを増した影響ではドルは円相場で反落し、今朝10時10分頃にドルは円相場で一時154円92銭付近と154円台に下落した。
また、今日は東京株式市場でも、朝から日経平均株価がマイナス圏に下落して始まり、日銀の利上げ予想の上昇を受けた金利警戒感もあってマイナス圏の推移を続けていたことも、株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) の国内第一安全資産の低リスク通貨の円買いに影響を与えていたが、午前の部の終盤に株の買い戻しが混ざり、下げ幅を縮小した時間があったことでは、昼の12時30分頃にドルは円相場で一時155円16銭付近と155円台に反発した時間も観測されていた。
しかし、午後の部が始まると日経平均株価が再び下落したことでは、再び低リスク通貨の円買いが入り始めた。
更に、午後13時27分頃のニュースがあり、昨日の英国ロイター通信 (Reuters) に続き、今日は米国ブルームバーグ通信 (Bloomberg) が、「日銀が今月会合で政策金利引き上げへ、利上げ継続姿勢を維持-関係者」と報じたことが話題になり、「日銀は、内外の経済・物価や市場に大きな変化がない限り、今月の日銀金融政策決定会合で政策金利を0.75%に引き上げる公算が大きい。その後も利上げ継続姿勢を維持する見通しだ。複数の関係者への取材で分かった」と、次回の利上げに加えて今後の追加利上げの示唆もあったことから、国内債券市場では新発10年物の日本国債の利回りが指標となる国内長期金利が一時1.950%付近に向けて上昇し、中立金利を考慮すると今回の利上げは緩和的な金融環境の中の調整で、利上げ後も実質金利はマイナスであると、更なる利上げの可能性にも言及していたため、発表時にドルは円相場で一時154円80銭付近に急落したほか、その後にも円買いドル売りが進んだ。
午後14時には最新日本経済指標の10月日本景気先行指数 (CI / Composite Index) 速報値の発表があり、前回の108.6と市場予想の109.3を上回る110.0に上振れし、10月日本景気一致指数 (CI) 速報値も前回の114.6と市場予想の115.0を上回る115.4に上昇しており、景気要因のインフレ圧も日銀の利上げに影響を与える可能性が意識された。
加えて、日本政府の木原誠二官房長官も、「金融政策の具体的な手法は日銀に委ねられるべき」と、日本政府が日銀の追加利上げを容認することを市場が意識する発言をしていた。
午後15時30分には、金利上昇への警戒感の高まりもあって、今日の日経平均株価が5万491円87銭の終値をつけて前日比536円55銭安の-1.05%の大幅安で大引けしたことも、日本株価下落時の低リスク通貨の円買いに影響を与えており、夕方からの欧州市場でも日銀の利上げ後の追加利上げ方向維持が意識された日米金利差縮小予想の影響が先行したことでは、夕方16時32分頃にドルは円相場で一時154円34銭付近と、今日の日本市場における円の高値でドルの安値を記録した。
一方、時間外の米国債券取引では、安全資産の米国債買いの影響などにより、今朝の日本市場では一時4.093%付近にまで低下していた米国長期金利が反発しており、今夜17時頃には一時4.108%付近と4.1%台で上昇したことを受けては、夕方からの世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場の主要取引通貨でもあるドルの市場安値後の買い戻しが入り始めて、ドルは円相場で154円台前半から後半へと下げ幅の縮小を始めた。
このため、今日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は154円66銭付近で、昨日17時の155円22銭付近の前東京終値比で約56銭の円高ドル安になった。
今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、深夜24時に最新の12月米国ミシガン大学消費者態度指数の速報値の発表予定があり、同時刻に先日の米国政府の一部閉鎖中に延期されていた9月分の米国個人所得と米国個人支出 (PCE / Personal Consumption Expenditures) と米国PCEデフレーターと米国PCEコア・デフレーターの発表も予定されており、その後の29時には10月米国消費者信用残高も控えている。
来週12月9〜10日の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) を控え、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の現役高官達は発言自粛のブラックアウト期間に入っているが、世界の株式市場と債券市場と金や原油先物などを含むコモディティ (商品先物) 市場などの為替相場への影響や、ウクライナ情勢や中東や中米などの世界情勢に加え、世界政治経済のニュースやドナルド・トランプ米国大統領や高市早苗首相などを含めた要人発言などのファンダメンタルズ分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料になっている。
一方、欧州ユーロは、今日17時の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は180円33銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の181円6銭付近の前東京終値比で約73銭の円高ユーロ安であった。
主な要因は、前述の日銀の利上げ継続観測報道を受けたドルなどの主要通貨に対する円買いの外貨影響に加えて、金利警戒感もあって大幅安となった今日の日経平均株価下落時の低リスク通貨の円買いが、欧州ユーロや英国ポンドなどに対して入りやすかった時間があった。
そのため、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は206円44銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の207円1銭付近の前東京終値比では約57銭の円高ポンド安になっていた。
ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1659ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.1664ドル付近の前東京終値比で約0.05セントのユーロ安ドル高であった。
主な要因は、日経平均株価下落時のリスク回避で欧州ユーロが低リスク通貨の円や世界的に流動性が高い安全資産でもあるドルに対しても売られていた外貨影響がユーロドルにも波及していたほか、夕方の米国長期金利の反発上昇を受けた欧州ユーロからのドルの買い戻しも入っていた。
その後の欧州市場では、今夜19時に欧州ユーロ圏総合の最新重要経済指標の7〜9月第3四半期域内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) の確定値の発表があり、前期比は前回速報値と市場予想の0.2%から0.3%に上方修正されたが、前年同期比は1.4%のままであった。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2025月12月5日の日本時間(JST / Japan Standard Time) の21時9分(チャート画像の時間帯は英国冬時間 (GMT / Greenwich Mean Time / JST-9) の英国ロンドン外国為替市場時間の12時9分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も2025年11月2日から米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST-14) になっており、欧米のサマータイム終了後の日本時間との時差調整があったことには注意が必要である。
| 通貨ペア | JST 21:09の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00前東京終値比 |
| ドル/円 | 155.11 〜 155.12 | −0.10 (円高) |
| ユーロ/円 | 1.1649 〜 1.1651 | −0.0013 (ドル高) |
| ユーロ/ドル | 1.1678 〜 1.1680 | +0.0037 (ドル安) |
| 英ポンド/円 | 206.95 〜 207.01 | ±0.00 (レンジ) |
| スイスフラン/円 | 193.09 〜 193.15 | −0.68 (円高) |
| 豪ドル/円 | 102.90 〜 102.94 | +0.25 (円安) |
注意:
本ウェブサイトに記載されている全ての情報またリンク先を含めた情報は、情報提供を目的のみとしており、取引投資決定、及びその他の利用目的のために作成されたものではありません。取引投資種、外国為替取引業者の選択、売買価格投資等の全ての最終決定については、利用者ご自身のご判断において行われるようお願い致します。
当社は、当サイトに掲載した情報によって万一閲覧者が被った直接・間接的に生じた損失に関して一切責任を負わないものとします。また、当社および当社に情報を提供している第三者は一切責任を負うものではございませんので ご了承ください。万が一、当サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いません。当社はこのウェブサイトの掲載内容を予告なしに変更または廃止することがございますので、あらかじめご了承おきください。
海外FX口座開設サポート
海外FX口座開設に必要な書類
海外FX口座開設メリットとは
海外FX会社ランキング
海外FX会社の特徴比較
東西FXタイアップキャンペーン実施中
海外FXキャンペーン実施中
FXニュース一覧
マーケットコメント覧
海外FXのお知らせ一覧
海外FXの初心者方向けの情報
FX週刊ニュース一覧
海外FXのキャンペーン情報一覧
FX中級者
FX中級者
FX上級者
NEW FX用語辞典
損益計算シミュレーション
最大単位数シミュレーション
証拠金シミュレーション
ピップ値計算機
ロスカットシミュレーション









Googleニュースでフォロー




