FXニュース:今夜8月米雇用統計控え
2025年9月05日
東西FXニュース – 2025年09月05日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米長期金利低下4.1%台
- 米ADP雇用統計予想以下
- 米失業保険新規増継続減
- 米ISM非製造業景気上昇
- 米トランプ対日関税署名
- 日実質賃金がプラス上昇
- 日米株価上昇リスクオン
今日2025年9月5日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の148円44銭付近から、円の高値でドルの安値の148円8銭付近の値幅約36銭で、本日17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は148円20銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の148円40銭付近の前東京終値比で約20銭の円高ドル安であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、欧州ユーロ圏のフランスの政治懸念の影響などで安全資産の欧米国債買いが起きており、時間外の米国債券取引で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が4.2%台から4.1%台に向けた低下を始めており、債券利回りの金利差トレードによるヴ米国長期金利低下時のドル売りではドルは円相場で昨夜17時40分頃に一時148円14銭付近に下落したが、日本の政治先行きの不透明感も燻る中で米国市場を控えた世界的に流動性が高い安全資産でもあるドルの買いの影響もあったことでは、昨夜20時57分頃にドルは円相場で一時148円39銭付近に反発していた。
欧州英国市場の後半にあたる昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時148円34銭付近の始値であったが、米国市場では昨夜21時15分に米国雇用関連の最新重要経済指標の8月米国ADP (Automatic Data Processing) 全米雇用統計の発表があり、前月比は前回の10.4万人が10.6万人に上方修正されたものの、市場予想の6.5万人を下回る5.4万人に下振れし、発表時の瞬間にドルは主要通貨に対して一時急落し、昨夜21時15分の1分間の値動きの中で対ドル円相場も一時148円4銭付近と、昨夜の米国市場の円の高値でドルの安値を記録したが、その後にも経済指標の発表を控えていたことや、今夜この後には世界的な注目を集めている最新米国雇用統計の発表イベントも控えていたことでは、瞬時にドルの買い戻しの抵抗も混ざり始めていた。
続いて、昨夜21時30分に発表された前週分米国新規失業保険申請件数も前回の22.9万件と市場予想の23.0万件よりも弱い23.7万件であったことでは、発表直前には一時148円34銭付近に買い戻されていたドルは円相場で一時148円14銭付近へと瞬時反落の値動きを見せたが、同時発表の前週分米国失業保険継続受給者数は堅調で、前回の195.4万人が194.4万人に改善の修正がされた上で市場予想の196.2万人よりも強い194.0万人に改善されており、4〜6月期第2四半期米国非農業部門労働生産性の改定値の前期比も前回の2.4%と市場予想の2.7%を上回る3.3%に上方修正されたため、昨夜21時30分の1分間の値動きの中で瞬時のドルの買い戻しが入り始めてドルは円相場で一時148円48銭付近に反発上昇したほか、その後にもドルの買い戻しが続いた。
同じく昨夜21時30分に発表されていた7月米国貿易収支は、前回の−602億ドルは前回−591億ドルに上方修正された一方で、市場予想の−757億ドルよりも下方の−783億ドルの赤字であったが、前回の米国雇用統計に移民政策の影響が指摘されていたが、中には関税コスト吸収のために一時的な人員削減などをする企業がある可能性への思惑などが燻った。
昨夜22時30分頃には米国ニューヨーク株式市場が始まっており、米国長期金利低の低下を受けた金利警戒感の緩和により、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) が小幅なマイナス圏からのスタートながらもプラス圏方向への上昇を見せ始めたほか、米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) はプラス圏から始まり、続伸に向けた株価影響もあったことでは、ドルは円相場で148円台中盤付近の推移を続けていた。
ただし、昨夜22時45分に発表された8月米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) の改定値は、前回速報値と市場予想の55.4を下回る54.5に下方修正され、8月米国総合購買担当者景気指数の改定値も前回速報値の55.4と市場予想の55.3以下の54.6への下方修正であったことは株式市場では株価をやや下押しする抵抗になっていたが、PMI改定値がいずれも景気ボーダーラインの50を超える好景気側の指標に留まっていたことでは、為替市場ではその後の昨夜23時の最新米国重要景気指標の8月米国ISM (Institute for Supply Management / 全米サプライマネジメント協会) 非製造業景況指数と発表の方が注目を集めており小幅な値動きとなっていた。
その昨夜23時の8月米国ISM (Institute for Supply Management / 全米サプライマネジメント協会) 非製造業景況指数の総合の結果は、前回の50.1と市場予想の51.0を上回る52.0に上振れしており、発表時の1分間の値動きの中でドルは円相場で瞬時に148円62銭付近に上昇したが、構成要素中の雇用指数の方は前月の46.4から46.5に上昇はしていたが、市場予想の46.7には届かなかったことでは雇用関連への警戒感の燻りが一時抵抗なり、昨夜23時14分頃にドルは円相場で一時148円35銭付近に一時反落した。
また、米国ニューヨーク株式市場でも、昨夜21時14分頃には安全資産の米国債買いの影響などで一時4.177%付近に低下していた米国長期金利が、昨夜23時の好景気指標の発表を受けた安全資産の米国債売りにより一時反発し、昨夜23時8分頃には一時4.200%付近と、4.1%台から4.2%台に戻した時間があった影響があり、一時プラス圏にまで上昇していた米国ダウ工業株 (DJIA) が昨夜23時5分過ぎには一時反落してマイナス圏に戻す時間があったことや米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQも短時間ではあったが一時マイナス圏に下押しした時間があったが、その後は反発上昇に向けており、ドルも円相場で抵抗後に反発上昇した。
v同時進行中の英国ロンドン外国為替市場では、深夜24時のロンドン・フィキシング (London Fixing) に向けた主要取引通貨のドル買いが入ったほか、米国ニューヨーク債券市場では、重要景気指標の8月米国ISM非製造業景況指数景気指標の上振れを受けた安全資産の米国債売りの影響により、米国10年債利回りが指標となる米国長期金利が深夜24時2分頃に一時4.208%付近に上昇したため、債券利回りの金利差トレードの円売りドル買いも米国主要株価上昇時の低リスク通貨の円売りと共に入り、深夜24時15分頃にドルは円相場で一時148円78銭付近と、昨夜の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。また、昨夜23時頃から次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の米国ニューヨーク連銀のジョン・ウィリアムズ総裁の発言が米国ニューヨークのエコノミック・クラブ主催のイベント講演で始まっており、「雇用最大化と物価安定の二大責務の目標に向けたこの先の進展が私の基本シナリオ通りに続けば、時間をかけて米国政策金利をより中立的な水準に移行させることが適切になると予想している」と、時間をかけた段階的な米国利下げを示唆したが、雇用軟化とインフレのリスクバランスについては、「FRBは微妙なバランスに直面」しており、「このバランスは、雇用の責務に関する懸念をやや高め、インフレの責務に関する懸念をやや低下させる方向に動いている」と、講演後の質疑応答で述べていたことを受けては、利下げ時期には言及しなかったが、複数回の米国利下げ予想が意識されたほか、関税インフレについては、「まだ初期段階で、影響が完全に表れるには時間がかかる」と様子見であったことに対し、雇用市場に関しては、「緩やかに減速」と警戒感を見せたことでは、次回の米国利下げ予想値が再び90%台に上昇しており、その影響から一時4.2%台に上昇後の米国長期金利が再び4.1%台に低下し、今朝6時前の一時4.161%付近に向けたため、市場高値後のドルの利益確定売りや持ち高調整が入り、ドルは円相場で反落し、148円台後半から前半へと上昇幅を縮小し始めた。
ただし、米国景気関連の重要経済指標の上振れや米国長期金利が再び低下し、更なる低下に向けたことでは、米国株式指標では米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃って前日比で高値の終値をつけて、米国主要株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) による低リスク通貨の円売りも入ったことでは、ドルは円相場で148円台中盤付近に留まった。
また、米国政府のドナルド・トランプ大統領が、日本から米国への自動車関税引き下げなどの日米関税合意内容に合わせた修正を日本側が以前から求め続けてきていたことに対し、日米貿易合意に関する大統領令に署名したというニュースも今朝未明のニュースで伝わり、米国主要株価三指数の高値引けの後にも、今日の日経平均株価の上昇予想などが影響していた。
このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の148円4銭付近から、円の安値でドルの高値の148円78銭付近の値幅約74銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は148円49銭付近と、前営業日同時刻の148円10銭付近の前ニューヨーク終値比で約39銭の円安ドル高をつけていた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、ドルは円相場で今朝6時22分頃の一時148円35銭付近から今朝7時49分頃の一時148円52銭への値動きを見せていたが、今朝8時30分に日本の最新経済指標の発表があり、7月日本毎月勤労統計調査の現金給与総額は、前年同月比が前回2.5%から3.1%に上方修正された上で、市場予想の3.0%を上回る4.1%に上振れし、日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の賃金上昇を伴う2%のインフレ目標の追加利上げ予想が意識された円買いが入り始めた。
ただし、同時発表の7月日本全世帯家計調査の消費支出は、前年同月比が前回の1.3%と市場予想の2.3%に対し1.4%と、前回よりは上昇したものの市場予想以下であった、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場も一時148円42銭付近の始値で、今朝9時1分頃の一時148円44銭付近が今日の日本市場の円の安値でドルの高値となり、今日の日本市場では、対ドルの円相場が上昇を続けた。
この原因には、今朝発表された前述の厚生労働省の7月日本毎月勤労統計調査速報の現金給与総額の上振れのニュースでは、一部でマイナスが予想されていた同月の実質賃金も前年比で+0.5%上昇し、昨年2024年12月以来のプラス圏を回復したことなどの詳細が国内で報じられたほか、名目賃金も上昇トレンドで伸び率が前月から拡大しており、夏のボーナスも含めて、日銀利上げ予想を高める観測報道が国内で続いていた。
さらに、今朝未明の日米関税合意に関する米国大統領令の署名による関税影響の景気懸念後退も円買いに繋がり、それに加えて、米国長期金利低下時の日米金利差縮小時の円買いドル売りも入っていたため、日経平均株価は予想通り上昇したが、先物から上昇していたため株価影響の低リスク通貨の円売り抵抗は今朝にはやや限定的で、今朝11時11分頃に対ドル円相場は一時148円8銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。
しかし、日経平均株価が予想以上の大幅高になったことから、日米株価上昇時のリスク選好のリスクオンによる低リスク通貨の円売りの抵抗は続き、市場安値後のドルは底堅く148円台で反発を見せたが、今夜この後の米国雇用統計の発表イベントを控えたイベントリスクの様子見のドルの買い控えや持ち高調整がある中では円相場での買い戻しは重く、午後15時30分の今日の日経平均株価の4万3018円75銭の終値の前日比438円48銭高の+1.03%の大幅高の大引けを前に低リスク通貨の円売りが強まった午後15時26分頃にもドルの円相場での買い戻しは一時148円28銭付近までとなっていた。
午後からの欧州市場と夕方からの英国ロンドン外国為替市場の参入後の夕方にも、今夜の米国雇用統計の様子見ムードが漂っており、夕方16時46分頃に時間外の米国債券取引で米国長期金利が一時4.170%付近に今朝よりも上昇していた時間があったが、4.1%台に留まり、その後には再び上昇幅を縮小したこともあり、小動きになっていた。
このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は148円20銭付近で、昨夜17時の148円40銭付近の前東京終値比で約20銭の円高ドル安になった。
今夜この後の米国市場では、世界的な注目度となっている最新米国重要経済指標の発表イベントがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に8月米国雇用統計の8月米国非農業部門雇用者数 (NFP / Non-Farm Payroll) と8月米国失業率と8月米国製造業雇用者数と8月米国平均時給などが同時発表されるイベントタイムがあることには注意が必要である。中でも特に米国失業率は、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達やジェロームパウエル議長も重視していることが知られている。
また、世界の株式市場と債券市場と金 (ゴールド) や原油先物価格などを含むコモディティ市場などの為替相場への影響と、ウクライナや中東などの世界情勢や政治経済のニュースと要人発言などのファンダメンタルズの分析は、最新経済指標データやテクニカル分析と共にFXトレーダー達の値動き予想材料となっている。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は173円4銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の172円90銭付近の前東京終値比では約14銭の円安ユーロ高であった。
主な要因は、日米株価上昇を受けたリスク選好のリスクオンで低リスク通貨の円が売られやすく、今夜のイベントリスクでドルは買いにくかった一方で、リスクオンで買われやすい欧州ユーロや英国ポンドが上昇した。
そのため、ユーロドルも、今日17時の東京外国為替市場の終値は1.1676ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.1652ドル付近の前東京終値比で約0.24セントのユーロ高ドル安であった。
また英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は199円52銭付近で、昨夜17時の199円27銭付近の前東京終値比では約25銭の円安ポンド高であった。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年9月5日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の19時55分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時55分頃) の人気のクロス円を中心とした為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。
通貨ペア | JST 19:55の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00前東京終値比 |
ドル/円 | 148.13 〜 148.15 | −0.27 (円高) |
ユーロ/円 | 173.25 〜 173.26 | +0.35 (円安) |
ユーロ/ドル | 1.1694 〜 1.1695 | +0.0042 (ドル安) |
英ポンド/円 | 199.70 〜 199.76 | +0.43 (円安) |
スイスフラン/円 | 184.49 〜 184.55 | +0.20 (円安) |
豪ドル/円 | 96.94 〜 96.98 | +0.11 (円安) |
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